家を売る人の悩み解消

ローン中の家を売るのは可能?完済できなくても売却できる方法を紹介

今のマイホームに住宅ローンの残債がある場合、その持ち家は果たして売却できるのでしょうか。

また、仮にそれが可能な場合の具体的な方法についてはどうなっているのでしょうか。

この記事ではそんな疑問を持つ人に、「住宅ローンの残債がある持ち家の売却」についてお伝えしていきます。

ローン中の家を売るには、ローン完済できるかどうかがポイント

会社が急に倒産しちゃったよ。来月から収入が無くなっちゃう。どうしよう!?
かわいそう!住宅ローンの返済は大丈夫・・・?
全然大丈夫じゃないよ・・・。住宅ローンの残っている家は、売れるのかな?
住宅ローンの残債がある場合でも、売却はできます。ただし、オーバーローン状態での売却は、抵当権が残るため買い手が見つからない可能性があります
オーバーローンとは

売却時における住宅ローンの残債が、売却価格を上回る状態のこと。残債が売却価格を下回る状態を、アンダーローンという。

また抵当権とは、住宅ローンを借主が返済できない場合、建物・土地を担保とする権利のこと。

担保とするってどういうことですか?
ローンが返済されない場合に、お金を貸した側(銀行など)がその家を差押えて競売にかけることができるということです。
ええ!!競売!?

住宅ローンの残債があっても、売ったお金や自己資金を使って一括返済できるのであれば、抵当権の抹消が可能。問題なく売却できます。

しかし完済できない家を売却しようとしても、抵当権が設定されたまま。

競売にかけられる可能性のある家を買いたいという人は、恐らくいないでしょう。

うちは古いから高値での売却は期待できないし、貯金もない・・・。先生、住宅ローンを完済できない場合は、売却を諦めるしかないのでしょうか?
いいえ、まだ売れる可能性はありますよ。次の章にまとめましたので、一緒にみていきましょう。

ローン完済しなくても家が売れる2つの方法!利用には慎重な判断を

「一括での返済はできないが売却したい」場合は、次の手段が使えないか検討してみましょう。

住宅ローンの残債がある家を売る方法
  1. 住み替えローンを使う
  2. 任意売却を行う

どちらも便利な手段ですが、無計画に使うと余計返済が苦しくなったり、今後の資金計画に悪影響を与えたりします。

それぞれのメリット・デメリットをきちんと把握してから、検討しましょう。

方法1:住み替えローンを使う

家を売却しても住宅ローンを払いきれない人のためにあるのが、「住み替えローン(買い替えローン)」です。

住み替えローンを使えば、ローンの残債・新居の購入資金をまとめて借りることが可能。

ただしその分借り入れ額が増えるため、きちんと返済ができるかよく検討が必要です。

また住み替えローンを利用する場合、家の売却日と新居の購入費は同日でなければならないなどの注意点があります。ローン利用の流れや注意点については、次の記事で確認してください。

方法2:任意売却を行う

任意売却とは

住宅ローンを返済できない人のための売却方法。債権者(銀行など)と協議し承諾を得ることで、抵当権が設定されている家でも売却が可能となる。

任意売却には、次のようなメリットがあります。

任意売却のメリット(例)
  • 周囲に債務者の経済状況が知られない
  • 競売に比べて高く売れる可能性がある
  • 買主と契約日など調整ができる

また引っ越し費用を、売却代金から捻出できる可能性もあります。

だたし次のようなデメリットのあるので、検討する際には十分注意しましょう。

任意売却のデメリット(例)
  • 信用情報機関に事故情報が載る可能性がある
  • 連帯保証人から同意が得られないと使えない場合がある

任意売却は住宅ローンの滞納によってスタートするため、信用情報機関に事故情報が掲載(ブラックリスト化)される可能性があります。

この情報が消されるまでは、新しいローンの組立やクレジットカードの作成ができない恐れがあるのです。

任意売却を行うには一定条件を満たす必要があります。詳しくは不動産会社に相談してみてください。

ローン中の家を売る3つの手順!残債と売却予想額を比較しよう

ローンが完済できなくても、売れる可能性はあるんだね!先生、まずはどんなことから始めればいいっスか?
まずは住宅ローンの残債がどのくらいあるのかを、正確に調べておきましょう。ここでは売却に必要なステップを、順番に説明しますね。

住宅ローンの残債が残る家の売却は、次のように進めます。

住宅ローンの残債が残る家の売却手順
  • 住宅ローンの残債を確認する
  • 家の査定をして売却額を予想する
  • 売却方法を決めて売却する

詳しくみていきましょう。

手順1:住宅ローンの残債を確認する

まずは返済中のローンの現在の残債が、いくらあるのかを調べます。

ローンの残債額は、借り入れ先から毎年10月頃に発送されてくる「年末ローン残高証明書」で確認が可能です。

この残高証明書から、「売却予定時期までの返済額」や「金利」、「その時点における残債」を調べておきます。

手順2:家の査定をして売却額を把握する

ローンの残債を確認したら、不動産会社に家の査定を依頼しましょう。

査定額によって、この家を売ったお金でローンの完済ができるかどうかを予想します。

ただし「査定額=売却額」ではないため、注意が必要です。

査定額は不動産会社によって開きがありますので、必ず複数の不動産会社に査定依頼するようにしましょう。

ただし複数の不動産会社に査定依頼するのは、とても大変。効率的でもありません。

不動産の査定には、「不動産一括査定サイト」の利用が便利です。

不動産一括査定サイトについては、次の記事「おすすめな不動産一括査定サイトを厳選してご紹介!」で詳しくまとめていますので、ぜひ覗いてみてください。

手順3:売却方法を決めて売却開始する

住宅ローンの残債と家の査定額から想定される売却額が把握できたら、いよいよ売却開始となります。

売却したお金や貯蓄などによってローン完済ができる場合は、そのまま不動産会社へ仲介を依頼して売出しましょう。売却後は、ローンの完済とともに「抵当権の抹消」を忘れずに。

不動産会社の仲介を通じた売却方法の詳細は、次の記事「不動産売却の流れを分かりやすく解説!」でも詳しく紹介しています。一度確認してみてくださいね。

ローンの完済が見込めない場合は、「ローンを完済しないまま家を売却する2つの方法」でご紹介した「住み替え(買い替え)ローンの利用」か「任意売却」を検討しましょう。

いずれの場合も個人で進めるのは困難のため、不動産会社へ依頼が必要です。

「購入してすぐのマンション売却」や「新築物件の売却」については、次の記事でも詳しく紹介しています。高く・早く売るコツなどもまとめていますので、ぜひご覧ください。

ローン中の家を売るときに発生する費用・税金は、事前に確認しよう

家を売ると税金がかかると聞いたけど・・・
税金だけでなく、様々な費用がかかります。ここで発生する税金や費用についてよく認識しておきましょう。

ローン返済中の家を売却する場合、思わぬ費用や税金が発生する可能性があります。事前に把握しておき、余裕ある資金計画を立てましょう。

売却時にかかる費用

ローン返済中の家を売却する場合、次のような費用がかかる可能性があります。

ローンが残る家の売却時に必要な費用
  • 住宅ローン繰上げ返済のための事務手数料
  • 抵当権抹消手続きの費用
  • 抵当権抹消を登録するための登録免許税
  • 抵当権抹消を依頼した場合の司法書士報酬

売却時に住宅ローンの残債がある場合、そのローンを一括返済する必要があります。その場合、銀行で所定の事務手数料が必要です。

また抵当権抹消を司法書士に依頼した場合の報酬として、概ね1万円ほどかかってきます。

家の売出し時には、これらの費用を考慮したうえで価格設定をするようにしましょう。

売却時にかかる税金

ローン返済中の家を売却する場合、次のような税金がかかる可能性があります。

ローン返済中の家の売却時に発生する税金
  • 印紙税
  • 所得税
  • 住民税

印紙税は、売買契約書上に購入した収入印紙を貼ることで納められます。売主・買主の双方に発生し、契約金額が「1,000万円超5,000万円以下」の場合は1万円です。詳細の金額は国税庁のホームページで調べられますので、確認しておきましょう。

また売却益は譲渡所得として扱われるため、所得税や住民税の納税が必要です。

注意したいのは、所有期間によって税率が異なる点です(譲渡した年の1月1日時点における期間)。

譲渡所得による税率の違い(居住用)
所有期間 5年以下 5年を超える※
所得税 30.63% 15.315%
住民税 9% 5%
※10年を超える場合は、所有軽減税率の特例の適用あり。

このほか、登録免許税の支払いが必要なこともあります。登録免許税は通常買主負担が多いのですが、売買条件によって売主負担となることも。

可能であれば、これらの費用負担について買主ときちんと話し合いを行いましょう。

不動産売却でかかる費用については、次の記事でも詳しくまとめています。確認してみてくださいね。

オーバーローンでも慌てないように、しっかりと資金計画を立てよう!

住宅ローンの残債がある家を売却することができるかどうかについてご紹介するとともに、売却時の具体的な方法や注意点についてもお伝えしてきました。

住宅ローンの残債がある場合に注意しなければならないのが、アンダーローンかオーバーローンのどちらのケースに当てはまるのか?という点。

アンダーローンであれば資金繰りには問題がないのですが、オーバーローンとなった場合にはしっかりとした資金の手当てが必要です。

住み替えの場合には買い替えローンの利用などもありますが、失業して収入が途絶えてローンの返済に支障をきたすような場合には、ご紹介した任意売却の手続きが必要となる可能性もあります。

いずれにしても、綿密で余裕のある資金計画を予め立てておくことが重要になってきます。

監修者メッセージ

住替えローンや任意売却は、ご本人が金融機関とお話しされても先には進みません。

必ず不動産会社に依頼して進めます。売却査定を依頼する会社の中から選ぶことになりますが、できるだけ親切そうな会社がよいでしょう。住み替えはタイミングが合わせられるか、任意売却は期限に間に合うかなどの条件があります。

プロフィール
不動産売却カテゴリー記事監修(弘中純一)
弘中 純一
宅地建物取引士、一級建築士の資格を保有。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。