空き家
固定資産税が6倍に?ホントは怖い特定空き家とは何か?解説します

固定資産税が6倍に?ホントは怖い特定空き家とは何か?解説します

「特定空き家」という言葉をご存知でしょうか?

特定空き家とは、空き家の中でも倒壊の恐れがあるものや著しく景観を損ねているなどの理由により危険な空き家であるとされています。2014年に制定された空き家特別対策措置法により、周辺住民の迷惑にしかならない空き家であれば自治体でも対処できるようになりました。

この特定空き家に指定されてしまうと罰則が適用される可能性もありますし、支払う税金がアップするなど正直デメリットしかありません。

そこで今回は特定空き家について詳しくご紹介したいと思います。

特定空き家とはどんな空き家なの?指定される基準を知っておこう

特定空き家とは、空き家の中でも放置等により周辺住民に悪影響を及ぼす恐れのある住宅のことを指します。

それでは具体的に特定空き家とはどのような空き家なのか?また通常の空き家とは何が違うのか?詳しくみていきましょう。

特定空き家とは?通常の空き家との違いも

そもそも空き家とはどのような状態を指すのでしょうか?

通常、空き家は次のような状態の住宅を指します。

  • これからも人が住む予定のない住宅
  • 一定期間人が住んでいない住宅

例えばある一定期間、人が住んでいないという状態は賃貸物件でたまたま空室だったということもあります。また別のところに住んでいるので今は空き家にしているだけ、というケースもありますよね。

もちろんこのような状態の住宅も「空き家」の分類に含まれますが、放置せず適切な維持管理をしていれば特定空き家に指定されることはありません。

問題は、適切なメンテナンスが入っていない放置状態の空き家にあるのです。

特定空き家に指定される基準とは?

特定空き家に指定される基準とは、いったいどのようなものがあるのでしょうか?詳しくみてみましょう。

「空家等対策の推進に関する特別措置法」によると、特定空き家は次のような基準となっています。

  • 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
参照元:国土交通省
つまり、まわりに迷惑をかける空き家はダメってことですね?人様に迷惑をかけるとはけしからん!
今まではまわりに迷惑をかけるような空き家でも立ち入り調査となるとプライバシーの侵害にあたるので、自治体でもなかなか立ち入れない事情がありました。しかしこの空き家対策特別措置法により、行政も介入できるようになった点は大きいですね!

特定空き家に対して行政は次のような対策(除却、修繕、立木竹の伐採等の措置)を講じることができるとされています。

  • 助言
  • 指導
  • 勧告
  • 命令
  • 強制執行(行政代執行)

つまり、特定空き家の所有者に対して対策を講じるように自治体は「強制」できるのです。

特に一番重い処分である強制執行は、空き家所有者に関係なく強制的に措置を講じることができるとされています。本来自分の住宅は何しようが好きなようにしてもいいはずなのに、です。

しかも措置のためにかかった費用は最終的に空き家の所有者に請求されるという点まで押さえておきましょう。

固定資産税は最大6倍!特定空き家に指定されるデメリットとは?

特定空き家に指定されるデメリットはなにも、行政から措置を強制されるだけではありません。

そう、経済的なデメリットも存在するのです。

具体的にはどのようなデメリットが存在するのか詳しく解説していきたいと思います。

特定空き家に指定されると、固定資産税が最大6倍アップ?

特定空き家に指定された場合のデメリットに、固定資産税のアップがあります。

そもそも住宅は固定資産税の軽減が適用されているのです。これを住宅用地の特例といい、固定資産税は1/3にまで軽減されるという仕組み。

さらに住宅用地の特例の中でも、200㎡までの小規模住宅用地なら固定資産税は1/6にまでなります。

特定空き家に指定されるとこれらの特例が適用されないので、つまり固定資産税が最大で6倍にアップするというからくり。

固定資産税が6倍にもなったら大変だわ…。
そもそも住宅が建っている土地に適用される制度なので、この特例のためにあえて空き家を解体しない人も多いんですよ。それなのに特定空き家に指定されてしまっては元も子もないですよね。

空き家と固定資産税の計算については、詳しくはこちらの記事で解説しておりますのであわせてご覧ください。

土地にかかる固定資産税の基本的なしくみは、次の記事で詳しく紹介しています。

自治体の命令を無視すると罰金?

特定空き家に指定されてしまった場合のデメリットは固定資産税のアップだけではありません。自治体からの命令を無視すると、過料に問われる場合があります。具体的には罰金を払うことになります。

過料のペナルティを課されるまでには助言や指導といった前段階があります。つまり、特定空き家に指定されてもすぐに罰金、となるわけではないということ。

したがって、もし特定空き家に指定されてしまったとしても自治体からの助言や指導の段階で速やかに対処するようにしましょう。

ちなみに行政からの命令を無視すると、過料の他にも経済的なデメリットがあります。

それは強制執行にかかった費用を負担しなければならないということ。

特定空き家に対して自治体が強制的に措置を講じる「行政代執行」では、空き家の所有者に対して実際にかかった費用を請求されます。

請求された費用を払わないとなると財産の差し押さえなどにもつながりますので、これらも含めて特定空き家には経済的なデメリットがあるといえるでしょう。

特定空き家になる前に!売る・貸す・更地にするなどの対処法を紹介

ここまでは特定空き家についてご紹介してきました。

特定空き家はデメリットしかありません。そこで事前に特定空き家に指定されないよう対処することが大切です。そこで特定空き家に指定されないような対処法と、もし指定されてしまった場合の解除方法についてご紹介します。

特定空き家に指定される前に!検討すべき対処法

所有している住宅が空き家になったからといって、すぐに特定空き家に指定されるわけではありません。

しかし適切に管理していなければ特定空き家に指定されてしまう可能性もあります。そこでもしあなたが空き家を所有しているなら、特定空き家への指定を回避するために対処法を検討するようにしましょう。

具体的には次のような対処法が挙げられます。

  • 売却する
  • 賃貸物件として貸し出す
  • 定期的にメンテナンスをする

今後空き家に住む予定がないのであれば、売却または賃貸として貸し出すのも手です。またいつかは住むかもしれない・そのまま残しておきたいなどであれば、定期的にメンテナンスをすることが重要です。

遠方に住んでいる・時間が取れないなどの理由により自分でメンテナンスをできない場合は、管理業者へ依頼する方法もあります。

詳しくはこちらの記事でも解説しております。(→特集記事へリンク)

特定空き家に指定されてしまった!解除方法はあるの?

特定空き家に指定されてしまった!という場合。この場合は早急に対処すべきです。

なぜなら、特定空き家に指定されてしまった理由を排除できれば、特定空き家への指定を解除してもらえるからです。

一度指定されてしまったら終わり、ではないんじゃのう。
そうなんです。特に最初は「助言」や「指導」といった段階なので、このうちに対処すべきですね。

特定空き家の指定を解除してもらえると、再び住宅用地の特例が適用されます。こういった理由から、もし特定空き家に指定されてしまったとしても放置せずできるだけ速やかに対処するようにしましょう。

特定空き家はデメリットだらけ。指定される前に手を打っておくべし

特定空き家は周辺住民に悪影響を及ぼす恐れがある物件です。倒壊の恐れがあれば住民を危険に晒しますし、悪臭や害虫が発生するならその物件の周辺では暮らしたいとは思わないですよね?

住民の生活を守るためにも自治体は特定空き家に対して厳しく対応します。

今までは対応する法律がなく各自治体レベルの判断に任されていました。そのため放置されている空き家も多かったのですが、今は空き家対策特別措置法により強制代執行まで可能となったのです。

特定空き家に指定されるとデメリットしかありません。速やかに対処しなければなりませんし、固定資産税のアップなど経済的な負担ものしかかります。

しかし事前に対処しておけば特定空き家への指定を回避することは十分可能です。もし空き家問題に悩んでいるなら、土地活用の専門家等に相談してみてはいかがでしょうか?