危篤とはどんな状態?連絡するべきタイミングとやっておくべき備え
危篤とは「病状が悪化していつ亡くなってもおかしくない状態」のことを指します。まれに意識を取り戻すこともありますが、回復する見込みは厳しい状態でもあります。
万が一のときのことを考えるのは辛いと思いますが、いざというときに落ち着いて対応できるように、なにをしたらよいかを把握し、備えておくことをおすすめします。
この記事では家族や身内が危篤になってしまったとき、どのように対応すべきかをまとめています。何を準備しておけば良いのかをポイントごとにまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね。
危篤状態のときは誰に連絡すべき?3親等を把握しておこう
危篤状態になったときに連絡するべき人たちは以下に分かれます。
- 3親等までの親族
- 宗教者
3親等までの親族への連絡
3親等までの親族とは具体的にどこまでなのかわかるでしょうか?結婚して身内が増えた場合や兄弟や子供が多いと混乱してしまうかもしれませんね。
1親等(配偶者、本人ならびに配偶者の父母、子とその配偶者)が一番近い親族となります。
ここまでの範囲の親族には必ずすぐに連絡をできるような状況にしておきましょう。さらに3親等まで広げると甥姪や曾孫、曽祖父母まで含まれます。
もしゆかりの深い友人や知人がいるのならば、親族に続いて連絡をとっても良いでしょう。
宗教者への連絡
万が一の際に備えて関係のある宗教者に連絡をしておくと良いでしょう。今どういう状況なのか伝えておき、キリスト教など宗教によっては立ち会いをしてもらう場合もあります。
カトリック | 儀式を行うので危篤状態になりそうなうちから司祭に来てもらう。病者の塗油の秘蹟を行う。 |
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プロテスタント | 危篤状態になってしまったら牧師に来てもらい、聖餐式を行う。 |
危篤の連絡をするときに配慮が必要な人と連絡手段
大事なのが連絡をするときの配慮と連絡手段です。今は昔よりも連絡手段が増えたので簡単・迅速に携帯電話やメールなどで連絡をすることができるようになりました。
ただし、手軽だからといって全員にメールのみで連絡をするのは好ましくありません。連絡手段に配慮するべき人もいるので注意しましょう。基本的には素早く対応できるように電話で連絡をするのが一般的なのでメールのみ・FAXのみは特別な理由がない限りできるだけ避けましょう。
もし仕事や学校にいることが想定される場合は、直接会社や学校に連絡をして呼んでもらうように伝えても問題ありません。
基本的に危篤の連絡は早朝や深夜に電話をかけてもマナー違反とはなりませんので、安心してください。
危篤の連絡をする際、配慮が必要となる人
ただし以下のような人は、危篤の連絡時に体や心に負担がかかるおそれがあるので気を付けてください。
- 高齢者
- 病人
- 妊婦
危篤だということを知ることで、ショックで受けて体に影響を及ぼしてしまう恐れがあります。
そして遠方の人に連絡するときは今の状況をしっかりと伝えましょう。場合によっては旅券やホテルなどに手配が必要です。すぐ来てもらいたいときは早めに連絡をしてください。
どんな内容を連絡すれば良い?要件はリストにまとめよう
落ち着いて要件を伝えられるようにリストにまとめておくと良いです。
- 誰が危篤なのか
- どのような状態なのか
- 電話かけてきたあなたは誰なのか・どのような関係か
- いつ・どこに来てもらいたいのか
この4つのポイントを伝えましょう。
早朝や深夜に電話をかけた場合にはまず「朝早くにすみません」「夜遅くにすみません」「このような時間に申し訳ありません」など一言添えておきましょう。
基本 | ○○と申します。実は入院中の父が危篤になりました。 息のあるうちにひと目会ってやっていただけないでしょうか? |
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親族 | 朝早くにすみません。○○の息子の○○です。 昨晩から父の容態が悪化しまして、主治医の話では今日、明日が山とのことです。 よろしければ会っていただけませんでしょうか。 入院先は○○病院です。○階の○号室におりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 |
勤務先 | ○○の妻です。午前から○○の父の容態が急変いたしまして、危篤となっております。 医者の話では、今日いっぱいもつかどうかという状態だといいます。 会社の方々にはいろいろとご迷惑をおかけいたしますが、取り急ぎ、ご連絡をと思い、お電話差し上げた次第です。 |
連絡するところに応じて、自分の立場や状況など説明する内容を変えましょう。
危篤の連絡を終えたら駆けつける準備と自分の職場にも連絡を
なるべくはやめに自分が務める会社に連絡しておき、お休みを確保しておきましょう。病院に泊まり込みができるように数日お休みをする必要があります。
危篤状態と医師から伝えられ、病院から離れられないことが数週間続くこともあります。会社に状況を報告しつつ相談するのが良いでしょう。
病院に向かう際はできるだけそばにいられるよう、数日分の「着替え」や「充電器」「モバイルバッテリー」「現金」を用意することをおすすめします。
「もしものとき」のために備えておくことよいこと
すぐに連絡できるように先ほどの3頭親以内の親族・職場・宗教者の連絡リストを用意しておきましょう。リストを作っておくことで連絡忘れをせずに済みます。もし他に会いたい人がいるのであれば友人なども連絡リストに入れておきましょう。
遠方に住んでいる人は駆けつけるまで時間がかかるため、分類を分けておくのも良いですね。
そして連絡や荷物の準備などは、できれば事前に親族で役割分担しましょう。家族が危篤状態になってしまったことで精神的に負担がかかっているにもかかわらず、一人で全てのことをこなそうとするとあなたが倒れてしまうかもしれません。
一人で抱え込まずに相談してみんなでやるべきことを役割分担しましょう。
なぜ必要?まとまった現金を手元に用意すべき理由
危篤状態になったときに必要となる費用は以下のようなものです。他にもいろいろとお金がかかってくると思うので余裕を持ってお金を準備しておいてください。
入院費用 | 亡くなったら入院代を精算する必要があります。 |
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宿泊費用・交通費 | 遠方から来てくれた人や自分の家族の分を負担する必要があります。 |
飲食代 | 食事をする場合は遠方から来てくれた人の飲食代を支払う必要があります。 |
葬儀費用 | 葬儀費用にはまとまったお金が必要になります。 |
危篤状態の人のお金を払い戻しする時には急ぐ必要があります。相続人たちに相談をして入院費用などに充てるためのお金を払い戻ししましょう。
もし亡くなってしまった場合、口座はストップしてお金の入出金をすることができなくなってしまうのです。しかしあらかじめ「委任状」や「代理人届」を金融機関に提出している必要があるので注意しましょう。
もし危篤になったとき場合にするべきことをメモしておく
不安や心配が募って落ち着くのは難しいかと思いますが、ひとりで抱え込まず、周りの人のちからを借りながら対応してください。