がん保険

がん保険の必要性と最適な選び方は?保険料や給付金から考えよう

がんを患うと高額な医療費がかかると思っている人が多数だと思います。実際にがんは治療期間が長く、先進医療などを活用して治療していきます。

差額ベッド代など公的な医療制度ではまかなえない費用もかかるので保険に加入しておくと安心です。

そういった保障へ備えるために医療保険や生命保険に加入するのも手ですが、がん保険とはどのように違うのか比較してみましょう。また、がん特約との違いも把握して自分にあったものを見つけましょう。

がん保険の仕組みとは?医療保険や生命保険との違い

がん保険はがんに特化した保障です。その代わり脳梗塞などがん(悪性新生物)以外の病気は対象とならないので注意が必要です。

どのような違いがあるのかなんとなくわかるのですがどれにすれば良いのか迷ってしまいます・・・。
ではがん保険・医療保険・生命保険の3つを表で比較してみましょう。
がん保険 医療保険 生命保険
保障範囲 入院・手術(がんのみ) 入院・手術 死亡・高度障害
入院限度日数 無制限 60日~120日 対象外
解約返戻金 積み立ての場合はあり なし 積み立ての場合はあり
加入年齢制限 20歳~85歳 0歳~85歳 20歳~85歳

がん保険は長期間入院することから限度日数が基本的に「無制限」となっています。入院限度日数というのは1入院あたりの限度日数のことを指します。

同じ病気で再入院しても期間が180日以上空いていない場合は1入院とみなされます。

超えた分は支払い対象外となるので長い入院に備えたい人は120日型以上の保険に加入すると良いでしょう。

保険が適用される入院日数について悩んだら、次の記事も参考にしてみてくださいね。

がん特約とは?がん保険と医療保険の特約の違い

がんの保障には「がん保険」と「医療保険のがん特約」があります。がん保険の方が重点的な保障となるので充実していますが、がんへの保障は少しで良いという人であれば医療保険にがん特約をつけるかたちでも良いでしょう。

がん保険とがん特約の違い
がん保険 がん特約
がん診断一時金 基本的になし あり
入院限度日数 制限なし 制限あり
入院・手術給付金 あり あり
放射線治療給付金 あり あり

がん特約の保障だけではもの足りないという人はがん保険に加入した方が良いですが、すでに医療保険に加入している場合は保険料が高くなってしまいます。

ただし保険料は若いうちに加入すれば安くおさえられることも。

がん保険に加入すべき年齢と保険料の関係については次の記事で詳しく解説しています。

がん保険に「加入すべき人」と「加入しなくても良い人」

ではがん保険を検討した方が良い人はどんな人なのでしょうか?まず「がん」は男女別に発症率が違います。そして何気ない生活習慣ががんの発症リスクを高めているのです。

がん発症のリスクを高めるとされている要素
  • 喫煙
  • 塩分の摂取
  • 熱いものの摂取
  • 飲酒

こういった行為はがんに罹りやすくなると言われています。

ポテトチップスとかフライドポテト大好きなんだけど塩分の取りすぎもダメなんて・・・。
減塩の食品が売られるほど日本人は塩分の取りすぎと言われています。ファーストフードの食べ過ぎはもちろん、料理をする時も塩分に気を付けましょうね。

項目に該当する人はがんの発症率が高いので改善するのが1番ですが、保険の加入を検討してみると良いかもしれません。

健康な人でもがんになる可能性は0ではありませんが、20代などの若いうちは発症率が低いため、無理をして加入する必要はありません。

さらに公的医療保険に加入している人であれば、医療費の負担は軽減することができます。

がん保険への加入自体を悩んでいる人は次の記事で加入するか否かの考え方を解説しているので、あわせて読んでみてくださいね。

がんになっても公的医療保障制度を受けられる!ただし対象外の費用も

がんになっても高額療養費制度は利用することができます。ただし、保険適用部分のみ対象となり、先進医療や差額ベッド代は対象外となっています。

高額療養費制度とは

医療費の自己負担分の一定額を超えた時に超えた分が還付される制度です。

高額療養費制度を利用すれば、がんになっても多少は医療費が軽減されて医療保険に加入している人であればさらに負担が軽くなります。

高額療養費制度の仕組みや対象者については次の記事を確認してくださいね。

がんは長期化することから医療費だけでなく生活費が負担になってきます。また自由診療を利用することによって医療費がさらに増えることも。がんになるのが怖い、治療費で不安になりたくないという人は、保険に加入して安心して治療に専念できるように備えておきましょう。

自由診療とは

保険が適用されない診療のことを指します。日本で承認されていない抗がん剤なども自由診療となります。

海外では新しい薬の開発がされているので、最新の治療法でがんを治したいという人は自由診療を選ぶことも。ただし自由診療は保険適用外のため全額自己負担です。

医療保険自体にも先進医療特約を付加することはできるので、すでに保障が充実した医療保険に加入している人であれば、がん保険に加入しなくてもある程度は保障されるでしょう。

がん保険に加入する前の知っておきたいこと

医療保険に加入しているけど、がん保険にやっぱり加入したいなと思っています!
加入しておくと安心ですね!ただしがん保険に加入して保障を備えるにも条件があるので確認しておきましょう。

この章ではがん保険に加入する前に知ってほしい5つの注意点を紹介します。

がん保険に加入するまでの注意点
  1. 免責期間
  2. 告知
  3. 過去にがんになったことがある場合
  4. 商品によっては保障の対象外となる「上皮内新生物」
  5. 夫婦型のがん保険のデメリット

(1)免責期間

がん保険には「免責期間」が存在します。免責期間は契約して無事に引き受けになってもすぐに保障されるわけではなく、90日間(3ヶ月)の保障されない期間があるということです。この期間にがんと診断されると保障されないうえ、保険の契約自体無効となってしまいます。

(2)告知

保険に加入する前にいくつかの告知をしなければいけません。「人間ドックや健康診断での検査結果」「過去3ヶ月以内に病気やけがはないか」「今までにがんに罹ったことはあるか」この3つの告知内容に対してありのままの告知をしなければいけません。

がん保険以外の保険であれば職業や喫煙しているかということも告知事項にありますが、がん保険は「がん」に関することのみとなっています。

どのような告知が必要なのか、違反するとどうなるかは次の記事で詳しく解説しています。

(3)過去にがんになったことがある場合

過去にがんになったことがあるとがん保険に加入できないのではないかと不安に感じる人もいるかと思いますが、過去にがんに罹り5年経過していれば加入できる可能性は高いです。

一定期間空いていることが加入条件となっている所がほとんどですが、中には治療中でも加入可能な保険会社もあります。

どんな保険の商品があるのかは、次の記事を参考にしてくださいね。

(4)保障の対象になるかをチェック「上皮内新生物」

がんといっても進行度によって保険の対象となるのか違ってきます。がんの中でも軽度で転移の確率が低いと言われているものが上皮内新生物です。

わたしたちの皮膚には基底膜というものがあり、基底膜を超えていないがんが「上皮内新生物」基底膜を超えているがんが「悪性新生物」です。

早期発見することができれば上皮内新生物ですみそうですね。
基本的に最初に見つかるのは上皮内新生物が多いですね。ただ、保険会社によっては上皮内新生物が保険金支払いの対象外となる場合もあるんですよ。

子宮や膀胱にできるがんは上皮内新生物の可能性が高いです。いろんな保険会社を比較して「上皮内新生物」が保障の対象となっているか、どの程度の保障がされるのかをチェックしておきましょう。

(5)夫婦型がん保険の注意点

がん保険には「夫婦型」というものがあります。これはひとつのがん保険で家族の保障を備えられるものです。個人タイプのものをそれぞれ加入するより保険料が安いというメリットがあります。

ただし夫婦の年齢差に制限があったり、保障額が減額されたりというデメリットもあります。

夫婦型がん保険に加入すると保険料の節約になるんですね。
子供の人数が多いとさらに保険料は安くなります。夫が万が一の時には保険の契約が消滅してしまう恐れや、もし離婚をしたらどうなるかなどを考慮して加入を検討すると良いでしょう。

がん保険の選び方と保障内容の決め方のポイント

がん保険の種類は大きく「定期タイプ・終身タイプ・貯蓄タイプ」に分けられます。

メリット デメリット
定期タイプ 保険料が割安 保険期間が限られている
終身タイプ 一生涯保障が続く 一度加入すると見直ししにくい
貯蓄タイプ 解約返戻金があり、貯蓄を兼ね備えている 保険料が割高

がん保険の保険料の支払い方法には「終身払い」と「短期払い(有期払い)」がありますが、終身払いは短期払いよりも保険料が安い分、保障が残っている間はずっと保険料を支払わなければいけません。

払込方法の決め方によって払込総額が異なってくるので保険会社に相談してみましょう。

ほかにも保険料が安くなるが貯蓄性はない「掛け捨てタイプ」があります。こちらのタイプについて詳しくは次の記事を参考にしてくださいね。

がん保険の給付金の種類

がん保険の給付金にはいくつか種類があるので以下の表をチェックしてみましょう。

おもな給付金 内容
がん診断給付金(一時金) がんと初めて診断された時に一時金がもらえる
がん通院給付金 がんに関する通院をした時に給付金がもらえる
がん手術給付金 がん治療のために手術をすると給付金
がもらえる
がん入院給付金 がんで入院した時に日数無制限で給付金がもらえる
実損填補型 実際にかかった治療費を受け取れる
先進医療特約 保険対象外となる先進医療にかかった治療費の給付金をもらえる
抗がん剤・放射線治療特約 抗がん剤や放射線治療を受けた時に給付金がもらえる

日額型の保険が多いですが実損填補型のがん保険もあり、これは自由診療も対象となります。

抗がん剤や放射線治療は高額療養費制度を利用することができますが、日本国内で認可されていない抗がん剤を使用した場合は保険適用外となります。

そしてがん通院給付金は「退院後に通院した場合に給付金がもらえるもの」と「がん治療を受けた時に給付金がもらえるもの」の2つのタイプがあります。

通院保障以外にも保険会社によって仕組みが異なる場合があるので、気になる商品があった時は保険会社のサイトで内容をチェックしておきましょう。

がん保険についてたくさん教えてもらったら、加入している保険を見直したくなっちゃいました。いらない特約もついているし、すぐに解約したほうがいいのかしら?
モモリーさん、解約はちょっと待ってくださいね。新しい保険に入った後にいまの保険を解約しないと「保険の空白期間」が生まれる可能性があります。

解約前の注意点は「がん保険を解約する前に!知っておきたい注意点と解約返戻金」の記事でまとめていますので、解約前にチェックしてくださいね。

がん保険に加入して治療に専念

日本人の死因として多い「がん」先進医療を利用したり日本で未承認の薬剤を使用したりすると高額な治療費となります

高額療養費制度で全て賄えられると良いですが、がんの治療には保険適用外のものが多いです。

若年者も高齢者もどんな時にがんにかかるかわかりません。生活習慣を見直してがんに罹りにくい生活を送るのも大切ですが、万が一のときに保険で備えておくと家族も安心です。さまざまな保険会社で比較して自分にあったものを見つけましょう。

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