遺族年金

遺族年金とは?その仕組とどのくらいサポートがあるのか解説

遺族年金とは、世帯主などが亡くなったとき遺族に支払われる日本の公的年金のひとつ。残された家族が安心して暮らしていくための年金です。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。亡くなった人が加入していた公的年金の種類によって、もらえる遺族年金が異なるのです。

また亡くなった人と遺族年金の受給者との続柄や人数などによって、支給される金額も違います。たとえば遺族基礎年金の場合、子の人数に応じて支給額が加算されるシステムです。

ここでは遺族年金の受給対象者や受給条件についてわかりやすく説明。「税金はかかるの?」「受給中に再婚したらどうなるの?」といった疑問も解決していきましょう。

遺族年金とは?【仕組みをわかりやすく説明】

遺族年金とは、世帯主などが亡くなった場合に遺族が国からもらえるお金のことです。

最初にもお伝えしたように「遺族基礎年金(※1)」と「遺族厚生年金(※2)」があります。

遺族基礎年金は、次のいずれかに該当する人が亡くなった場合に支給されるものです。

  • 国民年金の被保険者
  • 老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人

そして遺族厚生年金は、主に次のような場合に支給されます。

  • 厚生年金保険の被保険者が死亡した場合
  • 被保険者期間中の傷病がもとで、初診日から5年以内に死亡した場合
  • 老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡した場合
遺族年金としてもらえる金額は、自分で計算することが可能です。給付金額を確認しておくことで、世帯主が亡くなったときに備えて貯蓄しておくべき金額など、マネープランが立てやすくなります。

遺族年金の金額を計算する方法は「家族が亡くなったときに給付される遺族年金の金額と計算方法」で解説しているので、参考にしてください。

「そもそも将来のために用意すべき資金が、いくら必要かわからない」という人には「★内部リンク予定」の記事がオススメです。

遺族年金の受給対象者・受給期間

遺族年金を受け取れるのは、亡くなった人によって生計を維持されていた所定の親族。「生計を維持されていた」と見なされるのは、次の条件を満たす場合です。

生計維持の条件
  • 同居している
  • 別居でも「仕送りしていること」や「健康保険の扶養親族であること」などが認められる
  • 前年の収入が850万円未満または所得が655.5万円未満である

それぞれの遺族年金で受給の対象となる親族は、次の表で確認してください。

遺族年金の受給対象者
種類 受給対象者
遺族基礎年金 ・子のいる配偶者
・子
遺族厚生年金 (優先順位の高い順に)
・子のいる配偶者
・子
・子のいない妻
・子のいない夫
・父母
・孫
・祖父母

「子」と見なされる年齢は、次のように定められています。

「子」と見なされる年齢
  • 18歳になる年度末を経過していない
  • 1、2級の障害がある場合は20歳未満
遺族年金には「いつまでもらえる」という明確な期間はありません。ただし受給対象者が受給条件に該当しなくなれば、給付は終了します。

たとえば遺族基礎年金を配偶者が受給していた場合、障害のない子が18歳になる年度末(3月31日)を経過したら、遺族年金の支給は打ち切られてしまうのです。

遺族年金の受給期間については「遺族年金はいつまでもらえる?受給条件と受給期間を確認しよう」で確認してください。

遺族年金の申請・手続き方法【申請期限は5年】

遺族年金は被保険者が亡くなったら自動的に給付されるものではなく、公的機関への申請・手続きが必要です。

申請期限は「亡くなった日の翌日から5年以内」で、これを過ぎると受給資格が失われてしまいます。

ただしやむを得ない事情により申請期限を過ぎた場合は、時効撤回の申し立てが可能。申請期限を過ぎても、遺族年金をもらえる可能性があります。

遺族年金の手続きに必要な書類は、主に次のとおりです。

遺族年金の手続きに必要な書類
  • 年金請求書
  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 住民票の写し
  • 死亡者の住民票の除票
  • 請求者の収入が確認できる書類
  • 子の収入が確認できる書類
  • 市区町村に提出した死亡診断書のコピー
  • 受取先金融機関の通帳など
  • 年金証書
※他の書類も提出を求められる場合あり

書類だけでなく、印鑑も必ず持参してください。

印鑑は認印でも使用可能です。

遺族年金の申請先は、遺族基礎年金と遺族厚生年金で異なります。

遺族年金の申請先
遺族基礎年金 ・市区町村の役場(年金担当窓口)
・年金事務所または年金相談センター※
遺族厚生年金 ・年金事務所または年金相談センター
※死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合
事情により自分で手続きを行えない場合、遺族年金の申請を他の人に代行してもらうことも可能です。

しかし個人情報に関わる手続きのため、人選は慎重に行う必要があります。国家資格をもつ社会保険労務士などの専門家に依頼すれば、5万円ほどの費用はかかりますが安心して任せられますよ。

遺族年金の手続き方法や必要書類、代理申請のしかたについては「遺族年金の手続き・申請方法と必要書類」を参考にしてください。

遺族年金のよくある疑問を解決します

家族構成や家庭の事情などはさまざま。そのため遺族年金について、次のような疑問が生じる場合もあります。

  1. 再婚しても、遺族年金を引き続き受け取ることはできる?
  2. 父子家庭でも遺族年金をもらうことはできる?
  3. 相続放棄をしたら、遺族年金はもらえなくなる?
  4. 遺族年金をもらったら税金を納める義務がある?
  5. 遺族年金受給者である親は、子供の扶養に入れる?

このようなことも知っておけば、「本当はもらえるはずの遺族年金だったのに、申請せず期限が過ぎてしまった」なんて事態も防げます。順番に見ていきましょう。

【1】再婚したら遺族年金はもらえなくなる

遺族年金をもらっている人が再婚したら、遺族年金の支給は打ち切られます。再婚時に婚姻届を出しておらず、事実上の婚姻関係であっても受給権は消滅してしまうのです。

ただし子が遺族年金をもらう権利が、再婚により消えることはありません。

【2】父子家庭でも遺族年金をもらえる

父子家庭でも、受給条件を満たしていれば遺族年金をもらうことができます。

平成26年4月から、遺族基礎年金は父子家庭も受給対象になりました。そのため平成26年4月以降に亡くなった人の遺族年金であれば、受け取ることが可能なのです。

ただし遺族厚生年金を受け取る場合、夫には「妻の死亡時に55歳以上、60歳から受給可能」という条件があります。遺族基礎年金も受ける場合は60歳前から受給可能です。

【3】相続放棄しても遺族年金はもらえる

何らかの事情により相続放棄した場合でも、遺族年金を受け取ることはできます。

遺族年金も亡くなった人から受け継ぐものなので、遺産として扱われそうなイメージがありますよね。

しかし遺族年金は、相続財産に含まれません。そのため「亡くなった人の借金が多すぎるから相続したくないけど、遺族年金は受け取れないと困る」という人も安心です。

【4】遺族年金は非課税(確定申告の必要なし)

遺族年金は非課税扱いです。国民年金法第25条・厚生年金保険法第41条により、そう定められています。そのため収入が遺族年金のみの場合、もらった金額に関係なく、税金を納める必要はありません。

ただし遺族年金以外に収入があると、確定申告が必要な場合もあります。

【5】遺族年金受給者は扶養家族にできる

遺族年金をもらっている人でも、扶養に入れることが可能です。

遺族年金受給者を扶養家族にすると、次のようなメリットがあります。

遺族年金受給者を扶養親族にするメリット
  • 「税法上の扶養親族」になると住民税・所得税が控除される
  • 「健康保険法上の被扶養者」になると健康保険料が安くなる

ただし遺族年金をもらっている人が扶養家族になると、介護保険料が高くなります。メリット・デメリットをよく理解して、扶養に入れるかどうか家族で相談してください。

遺族年金受給者が扶養親族になる条件や、扶養に入れるメリット・デメリットについては「遺族年金の受給者が扶養家族になる条件とメリット・デメリット」で詳しく説明しています。

遺族年金は遺族を支える公的制度!受給できない場合もあるので要注意

遺族年金は世帯主などが亡くなったとき、遺族に支払われる公的年金。「一家の大黒柱が突然亡くなった」という場合などが生じても、遺族年金があれば遺族の生活の支えとなります。

しかし遺族年金の金額は、子供の有無や人数、月々の給料の額などによって異なります。万が一のとき、遺族年金だけでは生活できないという事態も考えられるのです。

自分や家族が亡くなったときのことを考えるのは、気が進まないですよね。

しかし遺族年金として受給できるおおよその金額を見積もり、将来安心して暮らすために貯蓄しておくべき金額を把握するのは大切なことです。

当サイトでは、老後のお金に関する不安を解消するための記事を用意しています。いまから少しずつでも、自分や家族のマネープランについて考えていきましょう。

NEW ENTRY

12