障害年金

病気やケガをしたら、働きながらでももらえる障害年金を申請しよう!

障害年金とは、病気・ケガで仕事や日常生活が難しくなったとき、国から受けられる給付金のことです。

支給対象となるのは身体の傷病だけではありません。うつ病・統合失調症などの精神疾患も、障害年金の対象となります。ただし「傷病の程度が一定以上」など、いくつか受給条件が設けられているので確認しておきましょう。

障害年金は、障害の程度の変化などによって支給停止になったり、年齢などの理由で受給権を失権する場合も。しかし納得がいかない場合は、不服申し立て(審査請求・再審査請求)をすれば支給を再開してもらえる可能性もありますよ。

ここでは障害年金の種類やもらえる金額、受給資格、申請方法、また受給中の支給停止事項や再開方法などについて解説します。

障害年金は働いていても受け取れる!ただし2つの注意点あり

障害年金とは、病気・ケガにより障害を負い、日常生活や仕事が困難になった人のための公的年金制度。障害の程度が基準を満たすと認定された場合、申請から約半年後に支給が始まります。その後は偶数月の15日に、2カ月分の年金を受給できます。

※初回支給は障害年金の支給が決定してから約50日後の月の15日
でもさ、障害年金って、まったく働けない人だけがもらえるんじゃないの?
働いている人でも、障害年金は受給できますよ。経済的負担が軽くなれば、少しは安心ですよね。

また障害年金は非課税なので、他に副収入がなければ確定申告は不要です。

ただし障害年金には、次のような注意点(デメリット)も。

障害年金の注意点
  • 家族の扶養から外れる場合がある
  • 受給者が死亡した際の「死亡一時金」が遺族に支給されない

障害年金を含めた年収が180万円を超えた場合は、家族の扶養から外れます。そのため障害年金の受給をしながらも、健康保険や年金などの社会保険料を納付しなければなりません。

また障害基礎年金(国民年金)の受給者は、死亡一時金の給付対象とならないことも覚えておきましょう。

死亡一時金とは

第1号被保険者(国民年金の被保険者)が次の条件を満たす場合、その人が亡くなってから遺族に給付されるお金です。

・保険料を納めた月数が36月以上
・老齢基礎年金、障害基礎年金を受けないまま死亡した

本人が死亡した際と家族が死亡して遺族になった場合のいずれも、死亡一時金は給付対象外となります。

では次の章から、障害年金の受給資格や支給額など詳しい内容を説明していきます。

障害年金の受給資格と種類

障害年金の受給条件は次のとおりです。

障害年金の受給資格
  • 年金の加入期間中(※1)に初診日(※2)がある
  • 一定の障害の状態にある
  • 初診日前日の時点で、一定要件を満たしている
※2:障害の原因となった病気・ケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日

ただし国民年金(障害基礎年金)の場合は、国民年金に加入していない20歳より前または60歳以上65歳未満でも、日本在住中に初診を受けていれば障害基礎年金支給の対象となります。

「一定の障害」とは何ですか?病気の種類とか?
傷病の種類と、その程度のことですよ。障害年金の支給対象となるのは、主に次のような傷病です。
障害年金の対象となる傷病の種類
外部障害 ・眼、聴覚の障害
・肢体(手足など)の障害
精神障害 ・統合失調症
・うつ病
・認知障害
・てんかん
・知的障害
・発達障害
内部障害 ・呼吸器疾患
・心疾患
・腎疾患
・肝疾患
・血液・造血器疾患
・糖尿病
・がん

障害年金を受けられる傷病の程度は「障害認定基準」で確認しましょう。障害認定基準は症状が重い順に1級・2級・3級と分類されます。それぞれの基準の詳細は次のとおりです。

障害認定基準:1級
・身体の機能の障害、または長期にわたる安静を必要とする病状
・日常生活を送るのが難しい状態
・他人の介助を必要とする状態
障害認定基準:2級
・身体の機能の障害、または長期にわたる安静を必要とする病状
・日常生活に著しく制限を加える必要がある状態
・労働により収入を得ることができない状態
・必ずしも他人の介助を必要とするわけではないが、日常生活は困難な状態
障害認定基準:3級(障害厚生年金のみ)
・労働において著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする状態
1~3級のどれかに当てはまれば、障害年金を受けられるってこと?
いえ、3級でも受け取れるのは、厚生年金の加入者だけなんですよ。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、国民年金・厚生年金の加入者はそれぞれ、障害認定基準に応じて次の年金を受給することができます。

もらえる障害年金の種類
障害認定基準 国民年金加入者 厚生年金加入者
1級 障害基礎年金 ・障害基礎年金
・障害厚生年金
2級 障害基礎年金 ・障害基礎年金
・障害厚生年金
3級 ・障害厚生年金

ちなみに「傷病は治っているけれど仕事に支障をきたす」という場合は、「障害手当金」を一時金として受け取れる可能性があります。ただし受給できるのは「障害厚生年金」の加入者のみです。

では次の章で、障害年金の支給額について説明します。

障害年金、もらえる金額はいくら?試算してみよう

病気やケガで働けなくなった場合、障害年金がいくらもらえるか気になりますよね。

障害年金の支給額は、自分で試算することができます。その計算方法を見ていきましょう。

  1. 障害基礎年金(国民年金)の支給額
  2. 障害厚生年金(厚生年金)の支給額

障害基礎年金(国民年金)の支給額

障害基礎年金の支給額は、次の計算式で算出します。

障害基礎年金の支給額の計算式
<1級>

779,300円×1.25+子の加算

<2級>

779,300円+子の加算

※平成30年度4月分から

「子の加算額」は、子供のいる人だけが対象です。子の人数によって次のように考えましょう。

「子の加算額」
加算額
・第1子
・第2子
各224,300円
・第3子以降 1人につき74,800円
何歳までなら、子って見なされんの?
「18歳になる年度末(3月31日)を過ぎていない」または「20歳未満で障害等級が1級または2級」なら、子に含まれます。

障害厚生年金(厚生年金)の支給額

障害厚生年金の場合は、次のように計算します。

障害厚生年金の計算式(平成30年度4月分~)
<1級>

(報酬比例の年金額)×1.25+配偶者の加給年金額(224,300円)

<2級>

(報酬比例の年金額)+配偶者の加給年金額(224,300円)

<3級>

(報酬比例の年金額)最低保障額 584,500円

配偶者の加給年金額は、障害年金を受け取る人に生計を維持されている、65歳未満の配偶者がいる場合にのみ加算されるものです。

初診日に厚生年金の加入者だった場合は、1級・2級に判断されれば障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受け取ることができます。

また障害厚生年金では、障害認定3級に満たない場合に「障害手当金」という一時金がもらえる可能性があります。その計算式は次のとおりです。

障害手当金の計算式
報酬比例の年金額×2年分
(最低保証額は1,169,000円)

さらに詳しい計算の手順については「障害年金の金額と計算方法!傷病時の給付金も紹介【平成30年度版】」で説明しているので、試算する際に役立ててください。

障害年金の申請方法!診断書の内容が審査に影響する

病気やケガなどで障害が残ったら、まずは近くの年金事務所または役場に相談し、年金保険の納付要件や必要な書類などを確認してください。

その後の具体的な申請の流れは、次のとおりです。

障害年金の申請方法
  1. 年金請求書など、必要書類を揃えて年金事務所に提出する
  2. 約3~4カ月後に支給が決定する
  3. 約50日後、その月の15日※に初回支給が行われる
※1:15日が土・日・休日の場合は直前の平日

申請の際には、年金請求書と印鑑、各種添付書類を提出しましょう。

印鑑って、インク式のハンコでもいいんですか?
それはダメです。認印なら構いませんよ。

そのほか障害年金の申請に必要な書類は、次のとおりです。

障害年金の申請に必要な書類
  • 年金手帳
  • 戸籍謄本、住民票などの書類のうちいずれか
  • 医師または歯科医師の診断書
  • 受診状況等証明書※
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 受取金融機関の通帳など
※初診と診断書の医療機関が違う場合のみ

提出書類に不備があると、審査にとおらず障害年金を受給できないので注意してください。

また次のような場合は、別途提出を求められる書類があります。

  • 子※がいる場合
  • 障害厚生年金の対象で、配偶者がいる
  • 障害の原因が第三者行為である
※18歳になる年度末を迎えていない、または20歳未満で障害の状態にある子

障害年金の申請方法や提出書類に関する注意点など、詳しい内容は「障害年金の申請前に確認!受給資格や申請方法」で確認してください。

障害年金が打ち切り(失権・支給停止)になるケースを確認しよう

障害年金は、受給権の失権または支給停止によって打ち切られる場合があります。

障害年金の打ち切りパターン
内容
失権 受給権が消滅すること。
支給停止 ・障害年金を受け取る権利はあるが、特定の理由により支給が止められること。
・支給停止の理由がなくなれば、支給は再開される。

では、どのような場合に失権・支給停止になるのか見てみましょう。

障害年金の失権事項
  • 死亡した場合
  • 3年以上※のあいだ障害等級に該当せず、かつ65歳以上である場合
※該当しなくなった日から数えて3年以上
障害年金の支給停止事項
  • 障害認定基準に該当しなくなった
  • 必要書類を期限内に提出しなかった
  • 第三者行為による障害で、損害賠償金を受給する
  • 労働基準法の規定による障害補償を受給する

また20歳になる前に障害を負った人は、前年所得によっては障害年金が支給停止になる場合も。

20歳前では保険料を納付していないため、所得が一定の額を超える人には支給額が全額または半額停止となります。

障害年金って、受給期間中にも出さなきゃいけない書類があるんですか?
はい。傷病の程度が変化したり、完治したりする可能性がある「有期認定」の場合は、定期的に認定の更新を行います。

そのため基本的には「年金受給権者現況届(現況届)」と「障害状態確認届(診断書)」を提出する必要があります。

わかりました!期限内にちゃんと提出します。ところで年金の打ち切りが決まったら、もう従うしかないのでしょうか?
いえ、障害年金の支給停止が決まっても「不服申し立て(審査請求・再審査請求)」ができます。それに支給停止されても、受給要件を満たした状態かつ65歳未満であれば、障害年金の受給再開が可能なんです。

障害年金がどのような場合に打ち切られるのかは「障害年金の受給期間はいつまで?停止したら審査請求・支給再開も検討」を読んでみてください。

審査請求や支給再開の方法については「★内部リンク予定」の記事のほうが詳しく説明しているのでオススメです。

働きながら受けられる障害年金!不支給や失権・支給停止には注意

障害年金は、受給条件を満たせば働きながらでも受け取ることが可能。

病気やケガで仕事が満足にできないときも、収入の補填ができます。

障害年金を申請・更新する際に提出する診断書は、実際より軽い症状で書かれると審査が通らず、障害年金が不支給となってしまうことも。必要に応じて社労士に依頼するのもいいでしょう。

障害年金の支給開始後も、障害の程度の変化などにより打ち切られる場合があります。失権または支給停止する場合を、あらかじめ確認しておいてくださいね。

支給停止が決定した障害年金は、審査請求による不服申し立てができます。また症状が悪化した際には受給再開も見込めるので、再開手続きができることも覚えておきましょう。

※記載の情報は2018年6月現在のものです。

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