生命保険

生命保険(死亡保険)とは?はじめてでもわかる仕組みと種類

あなたは生命保険(死亡保険)とは、どのような保険か詳しくご存知ですか?

保険には医療保険や学資保険など様々な種類がありますが、この記事ではその中でも「生命保険」と言われるものについてわかりやすく解説していきます。わかりにくい用語や仕組みについても丁寧に解説するので、保険がわかりにくいと感じている人もぜひチェックしてみてください。

人生で起こるかもしれないもしもに備えるために、生命保険についての検討や見直しは早めに行っておきましょう。

生命保険(死亡保険)とはどのような保険?

生命保険は死亡保障のついた「人の命を対象とした保険」です。死亡保障のない保険と区別するために「死亡保険」とも呼ばれています。

生命保険って加入する意味あるんすか~?自分で保険金を受け取ることができないなら意味がない気がするけどな~。
生命保険は確かに死亡保障なので自分では受け取ることができませんが、遺された家族のためにお金を残すことができますよ。

一家の収入を支える大黒柱が亡くなってしまったら、残された子供や配偶者は生活費が減ってしまいます。もし配偶者が専業主婦(専業主夫)の場合は仕事を見つけるまで、収入は年金以外には基本的にありません。

生命保険に加入しておくことで生活が安定するまでの間、死亡保険金を生活費として充てることができるのです。

住宅ローンがあれば、そのローン分も妻に負担させてしまうことになるんでしょうか?
住宅ローンを組んでいても「団体信用生命保険」に加入している場合は、負担する必要がありませんよ。
団体信用生命保険とは

住宅ローンを支払う人が亡くなった場合・高度障害の場合に保険金を使ってローンの返済をする保険です。金融機関では団体生命信用保険の加入が基本的に義務付けられています。

団体信用生命保険については次の記事で詳しく解説しています。

生命保険について考える前に、知っておくべき基本的な用語

満期 保険が一定の期限に達すること
告知 加入する前に健康状態や病歴、職業などを報告すること
受取人 死亡保険金を受け取る人

告知は保険に加入できる人か保険会社が審査する材料となります。嘘の告知をすると告知違反とみなされて保険に加入できても解除されてしまいます。

どのような点において注意すべきなのかは、次の記事で詳しく解説しています。

そして意外と重要なのが受取人を誰にすべきか。税金や考え方といったポイントは次の記事でまとめました。

満期は加入している保険によっては、まだ来たことがないという人もいるでしょう。実は満期を迎える前に知っておいてほしい注意点がいくつかあります。

生命保険が満期を迎える前に!知っておきたい税金と受け取りの手続き」の記事で紹介していますので、近々満期の予定日の方はぜひこちらもチェックしてみてください。

生命保険の特徴は?医療保険や学資保険との違い

死亡保険と呼ばれていない生命保険として「医療保険」や「学資保険」というものがあります。この2つの保険の特徴を見ていきましょう。

医療保険 学資保険
加入目的 医療への備え 子供の教育費への備え
保険期間 10年~終身 進学に合わせて設定
タイプ 掛け捨て 積み立て
解約返戻金 なし(少額) あり
満期保険金 なし あり

医療保険の特徴

医療保険はけがや病気によって入院や手術をした場合に保険金(給付金)が支払われます。入院には限度日数があり、1入院の限度を超えた分に関しては保障の対象外となります。保険料は死亡保険より割安ですが、掛け捨てで死亡保障は付いていません。

学資保険の特徴

学資保険は子供の教育資金に備えるための貯蓄目的の保険です。17歳満期・18歳満期・21歳満期・22歳満期と選択することができます。

学資保険にも死亡保障はありませんが、保険料払込免除特則が付いています。

これは保険料を支払っている親(契約者)が亡くなった場合に以降の保険料の支払いを免除できる特則です。貯金にはない学資保険加入の大きなメリットとなります。

このように医療保険と学資保険は、生命保険(死亡保険)とは加入目的が違うんですね。次は生命保険の中の種類、「終身保険」と「定期保険」の違いを見ていきましょう。

生命保険の終身保険と定期保険の違いのポイントは「加入期間」

生命保険の代表的な種類には「終身保険」と「定期保険」がありますが、以下のような違いがあります。

保険期間 タイプ 解約返戻金
終身保険 一生涯 掛け捨て ある
定期保険 一定期間 積み立て ない

終身保険

終身(一生涯)死亡保障が続く保険であり、満期保険金はありません。ただし積み立てタイプなので解約返戻金があります。死亡保険といえば終身保険が思い浮かぶ人は多いのではないでしょうか?

定期保険

一定期間死亡保障がある保険です。掛け捨てのため満期保険金も解約返戻金もありません。一定期間は10年単位のものが多く、期間満了したら更新することもできます。ただし更新できる年齢は限られていて一生更新できるわけではありません。

ずっと加入していたいという人は終身保険の方が向いているでしょう。

ずっと保障が続くと安心ですね!保険料はどちらの方が安いのですか?
保険料は定期保険の方が割安ですね。ただ、更新型なのでどんどん保険料が高くなっていきます。終身保険は加入時から保険料が変わらないのでずっと保険に加入し続けることが前提であるなら終身保険の方が安いでしょう。

生命保険の種類にはどんなものがある?

生命保険には終身保険や定期保険以外にもさまざまなな商品があります。代表的なものを紹介しましょう。

特徴
終身保険 一度加入すると一生涯続く保険。
定期保険 更新型の保険。掛け捨てなので保険料が割安。
収入保障保険 一定期間保障が続く掛け捨てタイプの保険。保険金は分割で受け取る。
学資保険 子供の教育資金に備える積み立てタイプの保険。
養老保険 満期と死亡保障のある積み立てタイプの保険。保険料が割高。

収入保障保険は三角の保険とも呼ばれていて、他の保険と少し特徴が異なります。

死亡保険金といえばまとまったお金を受け取るものが多いですが、収入保障保険は年金形式と言って毎月もしくは毎年受け取るタイプなのが大きな特徴です。

生命保険に加入する前に知っておきたいこと

生命保険に加入するにあたって知っておきたいポイントを説明します。保険は気軽に解約するものではなく、長く付き合っていくものなのでポイントを押さえて慎重に検討しましょう。

生命保険に入ったほうが良い人と入らなくて良い人の違い

自分が生命保険に加入した方が良いのか判断する方法はありますか?
自分の家族構成や貯金する能力など考慮して生命保険に加入するか判断しましょう。社会人になったのをきっかけに加入する人は多いですね。

結婚をして家族がいると何かと費用が多く、家族に負担をかけないようにお金を残しておきたいものです。しかし独身であれば無理して死亡保障を備える必要はないでしょう。独身者は死亡保障よりも先に医療保険やがん保険に加入しておくことをおすすめします。

もし生命保険に入るべきかどうか迷ったら、「生命保険の必要性を徹底検証!入るべき人といらない人の違いを解説」の記事もあわせて参考にしてみてくださいね。

貯金が苦手な人は自分が亡くなった場合の葬儀費用などを保険で積み立てておくというのも一つの手です。生命保険に加入しておくことで相続・税金対策にもなります。

加入するタイミングについては「生命保険は何歳から入るべき?人によって違う加入のタイミングを解説 」の記事を、老後の生命保険については「高齢者に生命保険は必要?相続税と葬式費用から考える加入の必要性」の記事をチェックしてくださいね。

生命保険に複数加入する必要性は?メリット・デメリットを解説

生命保険に複数加入することはできますが、保険料がかさむのがデメリットとなってしまいます。ただ、保険会社の不払いや破綻のリスクを軽減できるというメリットもあります。保険商品によって良い点が違うので余裕がある人は複数加入するのも良いでしょう。

複数加入をするメリットもありますが、1社に絞った方が管理はしやすいですし、保障も十分です。

自分にもしものことが起きたとき、どうしても心配だ・・・という人は、「生命保険には複数加入すべき?重複契約するメリットとデメリット」の記事を見て、メリット・デメリットを踏まえて加入を考えてくださいね。

またどの生命保険に入るか迷ったら次の記事も、ぜひ参考にしてください。

保険金だけじゃない!生命保険でもらえるお金

生命保険には死亡保険金や満期保険金以外に解約することで解約返戻金というお金を受け取ることができます。これは契約者の支払った保険料が払い戻されるお金です。払い戻される保険料は100%戻ってくるとは限りません。早期に解約するほど保険料の返戻金は少なくなります。

生命保険の解約を考えている人には、この解約返戻金は特に知っておいてほしい部分。「生命保険の解約前に知ってほしい!解約返戻金と手続きのタイミング」の記事で、丁寧に解説しています。

解約返戻金は積み立てがある保険で多く戻ってくるんですよね。配当金という言葉を聞いたことがあるのですが、これはどういうお金なんですか?
配当金は予定と実際の差で発生した「余剰金」が契約者に分配されたものです。配当金の受け取り方は保険料との相殺だったり現金で受け取ったりする方法があります。

配当金が発生するには予定と実際の差がある場合です。保険会社は「予定利率」をあらかじめ決めておきます。予定利率とは契約者に約束する運用利回りのことを指します。

予定利率は高いほど返戻率が高く、保険料はやすくなります。

利率の高い保険に加入することで資産運用することもできますが、マイナス金利の影響で予定利率は下がっているので大きな利益は望めません。ただ、株や仮想通貨などギャンブル性の高いもの資産運用よりは堅実に増やすことができるでしょう。

予定利率についてもっと知りたい人は次の記事も確認してくださいね。

生命保険の加入・見直しのポイント

生命保険の加入時に迷うポイントとしてあげられるのが死亡保険金額です。平成30年の公益財団法人生命保険文化センターによる調査によると平均は2,255万円となっています。

死亡保険金額
民保(民間保険)※ 2,079万円
かんぽ生命 551万円
簡保(簡易生命保険) 491万円
JA 1,867万円
県民共済・生協等 731万円
※民保はかんぽ生命を含む

他にも保険会社によって取り扱っている特約が異なったりします。評判をチェックしたり、様々な保険会社を比較してみたりしましょう。

乗り換える時期やポイントについては「生命保険(死亡保険)の見直しポイントは?乗り換えの時期と注意点」で詳しく解説しています。

すでに保険に加入している人はライフイベントごとに保険の見直しをしていますか?家族が増えたりすると保険金額が不足している可能性もあります。定期的に保険の見直しをして自身の生活にあった保障内容にしておきましょう。

保険を乗り換えするときには再告知が必要になるので健康状態や過去の病歴も確認しておいてください。

生命保険に加入しているときの注意点

生命保険に加入していると受取人は配偶者にしている人が多数だと思いますが、離婚したときには受取人の変更をする必要があるので注意が必要です。離婚前に手続きをすることで面倒な手続きをしなくて済むのでタイミングに注意してください。

もし被保険者が亡くなった場合には各種書類を準備する必要があります。まずは保険会社に連絡して必要な書類を確認しておきましょう。市町村役場で発行してもらう書類も多いので短期間で済むような手順で進めましょう。

もしかするとまとまったお金が必要になったり、保険料を支払うのが困難になったりして生命保険の解約を検討することもあるかもしれません。

そんな時には生命保険を解約する前に「減額」や「払い済み保険」という方法もあることを覚えておきましょう。

解約をしてしまうと保障がなくなってしまいますが、この2つの方法であれば保障額は減ってしまいますが無保険という事態は回避することができます。

生命保険は愛する家族を守るための保険

生命保険に加入しても自分で受け取ることができないので加入する意味があるのかと疑問に思っている人もいます。生命保険は自分の家族のために加入しておく保険です。自分が亡くなっても金銭的に困らせないために死亡保障を備えることで、家族の精神面も多少は軽減されるでしょう。

保険金額をいくらにしたら良いか、どんな特約をつけておくと良いかなど、考えることはたくさんありますが、家族のためにしっかりと考えて検討するのがおすすめです。

もし生命保険に加入済みであれば余計に保険料を支払っていないか、保険金額は足りているかなど定期的に見直しをしておきましょう。

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