生命保険
生命保険が満期を迎える前に!知っておきたい税金と受け取りの手続き

生命保険が満期を迎える前に!知っておきたい税金と受け取りの手続き

生命保険(死亡保険)が満期になると、保険会社から「生命保険の満期のお知らせ」が届きます。実は満期を迎えたら何をする必要があるのか、満期を迎える前に知っておきたいポイントなどを事前に確認することはとても大切なんです。

保険に加入していれば「掛け捨て」と「積み立て」という言葉を耳にするかと思います。この言葉も保険の満期と関わり合いがあるんですよ。満期は保険を見直すのも良いタイミングとも言えるでしょう。この機会にしっかりと保険の流れをチェックしてくださいね。

生命保険の満期ってなに?満期がある保険とない保険の違い

生命保険の満期とは保険期間が期日に達することです。満期がある保険には「満期保険金」というものがあります。これは保険期間に積み立てられた保険料であり、保険料から保障部分と積み立て部分に資金が流れます。

「積立型」は満期があって「掛け捨て型」は満期がないっていうイメージだなぁ。
大抵はそのような感じで区別されますが、中には終身保険のように積み立て型なのに満期がないものも存在します。満期は「期日」があるものなので一生涯保障するタイプの保険には満期がないんですね。

代表的な保険については表を確認してみてください。

保険の種類 満期
終身保険 なし
養老保険 あり
医療保険 なし
定期保険 なし(種類によってはあり)
学資保険 あり
介護保険 なし
収入保障保険 なし

定期保険の「生存給付金付定期保険」は一定の期間で生存給付金が受け取れます。この保険は満期保険金が受け取れるものもあるんですね。

満期がある保険は積み立て部分があるため、保険料が高いのが特徴です。満期なしは保険期間の満了後に保険金がもらえないので損しているように思えますが、その分保険料は割安になっています。

満期と満了の違いは何ですか?
保険金がある保険が期日を迎えることを満期と呼ばれていますが、満了は基本的に更新できない保険の期日を迎えることを指します。
どちらも期日を来るという意味では同じなんですね!
そうですね!満期の方が長期間の期日に使われることが多く、満了は短い期間に使われることが多いですね。

生命保険の満期を迎える前に知っておきたいポイント

生命保険の満期が来るということは保険金がもらえるだけではなく、保障がなくなるということでもあります。

つまり生命保険で満期が来るときは、保険の見直しをする絶好のタイミングでもあるのです。

満期が来る前に転換制度や乗り換えを検討してみましょう。ではどういった時に見直しをした方が良いのか確認してみましょう。

生命保険の見直しが必要なタイミング
  • 保障が足りないと感じたとき
  • 保険料が高いと感じたとき
  • 保障内容を理解していないとき

ひとつでも当てはまったら一度保険を見直してみましょう。加入当時は独身で保障額が少なくても問題なかったものの、満期前の現在では、家族が増えたため保障額が心もとないと感じている人もいるでしょう。

保険料が高くて今後も払い込むのが困難な場合も、いらない特約を外したりと減額して新たな保険に加入することを検討できます。

一番注意すべきなのが勧められてとりあえず加入したけれど、保障内容を理解していないケースです。

保障内容を理解していない人も意外といるのが現状です。しかし保険の見直しをしないほうが良いケースもあります。

生命保険の見直しが不要なケース
  • 利率が高い保険商品
  • 保障が十分に足りていると感じている

元本割れせず利率が高い場合、解約せずに満期を迎えたほうが良いです。最近ではめずらしいお宝保険なのでよっぽど困っていなければ安易に解約することは避けましょう。

元本割れしないっていうことはどうやってわかりますか?
1年の保険料×保険期間が総払込金額です。この金額より満期保険金の方が多い場合は元本割れしないということになります。

満期を迎えると他の保険に加入していなければ無保険状態になってしまうので、引き続き保障が必要なら切れる前に新しい保険に加入しておきましょう。保険の引き受けには時間がかかるので最低でも満期の1週間前には手続きを進めたほうが良いでしょう。

満期後に必要となる手続きとは?はやめに準備をしておこう

満期を迎えたら満期保険金を請求しなければいけません。必要なものは次の4つです。

満期保険金の請求に必要なもの
  • 身分証明証(運転免許証・保険証・パスポートなど)
  • 保険証券
  • 印鑑
  • 通帳

保険証券は回収されるのでしっかり保管しておいてください。お金を受け取るために身分証明書はどこの保険会社でも必要になるので忘れず所持しましょう。

保険会社によって請求の手続きは異なります。多くは来店と郵送の2つのパターンです。保険会社によっては窓口に来店しなければいけませんが、遠方に住んでいる人は電話で問い合わせてみると郵送での対応をしてくれる場合もあるので、店舗に行けない人は確認してみてください。

通帳は保険金を入金してもらう口座を指定する時に口座を記入しなければならないのであると便利です。

ゆうちょ銀行については「払い戻し時の口座番号」と「振り込んでもらう時の口座番号」が異なるので書き間違えないように注意しましょう。保険金請求時は見開き欄に記載されている振り込んでもらう時の口座番号を記入してくださいね。
待ちに待った満期保険金!印鑑はどんな印鑑でもいいのかな〜?
印鑑は認印で良いと言われていますが、念のため加入している保険会社に問い合わせた方が良いでしょう。

満期保険金と解約返戻金の違いとは?用語の混同に注意

満期保険金と解約返戻金は違う用語です。満期保険金は冒頭に説明した通りであり、解約返戻金は保険を途中で解約して戻ってくる保険金のことです。満期がある保険も解約することで解約返戻金は発生します。

掛け捨てタイプの保険は解約返戻金が「ない」か「ごくわずか」です。

満期がある保険を途中で解約するのは損ですが、終身保険など解約しなければ生存している時に保険金がもらえない保険もあります。

「低解約返戻金型終身保険」「低解約返戻金型定期保険」の場合、長期間おいておくと解約時に返戻率が高くプラスとなります。こういった保険の場合は亡くなった時の保障だけではなく貯蓄目的で加入している人もいます。
基本的には途中で解約してしまうのは損という考えで良いですか?
そうですね。「低解約返戻金型」は別として基本的に保険は途中で解約することをおすすめしません。解約はどうしても続けられない理由がある時にしましょう。

満期保険金には税金がかかる!課税の種類に注意しよう

満期保険金を受け取ると課税対象となります。ただ、この税金は保険料の支払者や受取人がどんな関係であるかによってどんな税金の対象となるのか異なってきます。

保険料の契約者や受取人によって異なる税金の違い
契約者 被保険者 受取人
所得税
贈与税 妻・子

この表では契約者=保険料払込者としています。いずれの税金も控除部分があります次の表を見てみましょう。

満期保険金の課税対象額
所得税 (保険金+配当金-実払込保険料-50万円)×1/2=課税対象額
贈与税 受取り金額-110万円=課税対象額

一番課税が抑えられるのは「所得税」です。

同じ税金でも種類が違うと控除金額が変わるんですね。
ええ。今回は満期保険金の話ですが、死亡保険金の場合は相続税が課税されるように契約関係者を指定するのが良いですよ。

契約関係者が違うと税金が変わるので、加入時によく考えて指定しましょう。

加入している保険の満期保険金受取人を変えることはできるんでしょうか?
途中で変えることは可能ですよ。変更の手続きは保険会社によって異なるので一度確認してみてくださいね。

満期が来たら見直しのタイミング!生命保険の契約内容を確認しよう

養老保険など満期保険金がある商品はいくつかあります。満期があると気付かずに加入している人はあまりいないかと思いますが、満期と満了など言葉の違いをしっかりと区別しときましょう。例えば終身保険は積み立てがある保険ですが、満期保険金はありません。

満期までの年数が5年以内であれば、所得税ではなく「源泉分離課税」に該当する場合もあります。

どの税金に該当するのか正確に知りたい人は加入している保険会社に問い合わせてみましょう。保障をしっかりと備えつつ、ぜひ節税も心がけてください。