がん保険
がん保険の必要性とは?公的医療保険制度の適用と治療費について解説

がん保険の必要性とは?公的医療保険制度の適用と治療費について解説

一生のうちにがんに罹る確率はご存知ですか?各保険会社でがん保険を取り扱っていますが、がん限定の保障であるがん保険は不要ではないか?と思う人もいるでしょう。

がんの治療は公的医療保険制度でカバーできる部分もあります。貯金をしっかりとしている人であれば、保険に加入する必要がないと考える人もいます。

「本当にがん保険は不要なのか」、「どんな人に必要なのか・何歳から加入を検討すべきか」がんという病気について触れながら詳しく説明します。

がんに罹る可能性はどのくらいの割合?

現在、がんは男女ともに50%ちかく罹る可能性があり、一生涯で日本人の2人に1人が発症すると言われています。がんによって死亡する割合は3人に1人と言われています。

自分は今まで入院もしたことがないくらい健康だから大丈夫だろうと思ってはいけません。がんは様々な部位から発症する確率があります。

中でも多いのは胃がん・大腸がん・肺がんです。1番多い胃がんの発症原因として「塩分の取りすぎ」「野菜・果物不足」「飲酒・喫煙」などがあります。

がんの治療方法は?入院はどのくらい必要か

がんって意外と罹る確率が高いんですね・・・。がんは治りにくいイメージがあるのですが、どうやって治療するんですか?
がんは「手術療法」「薬物療法」「放射線療法」の三大療法があります。

がんのステージによって療法は異なります。手術のメリットはがんの病巣が一気に取れる点や治る可能性が高い点です。

ただし、切除することによって臓器の一部を失うリスクもあります。こうしたリスクを防ぐために最近では、内視鏡などを活用して切除を最小限に抑える方法をとっています。

薬物療法は「抗がん剤」を利用して行われます。飲み薬や点滴、注射で投与します。副作用の様子を確認しながら投与を繰り返します。しかし、副作用として脱毛や吐き気など辛い部分もあります。

放射線治療は「先進医療」としても知られています。体をメスなどで傷つけずにがんを小さくすることができますが、がんの進行度によって効果は異なります。保険では先進医療に対する保障がある商品もあります。

先進医療とは

保険適用外の治療であり、先進の医療技術として厚生労働省が認可しているものです。先進医療の実施をしていない医療機関もあります。

ただし先進医療技術による治療は保険適用外。全額自己負担になるため注意が必要です。

入院日数と治療費の相場

がんの手術のための入院日数はおよそ10日〜23日となります。

医療の技術が進んできているので入院日数は少しずつ減ってきています。良性新生物であれば短い日数で退院が可能でしょう。

がんの治療費は治療法にもよりますが、30万円~150万円ほどかかると考えておきましょう。

ただし日本は国民皆保険制度であり「高額療養費制度」があるため、治療費の全額を負担するわけではありません。この制度については次の章で詳しく解説します。

なお先進医療の場合は全額負担なので1,000万円以上かかることもあります。万が一再発してしまったり、他の部位に転移してしまったりすればさらに治療費は増える可能性も考慮しておきましょう。

先ほど三大治療について説明しましたが、自由治療を行う場合もあります。この治療法も保険適用外となるため全額負担する必要があります。

あくまでも治療費のみの相場であり、ベッド代などの費用は含まれていません。がんの治療は日帰り手術というわけにはいかないので、家族の交通費や身の周りの物の購入するなどかなりお金がかかります。

がんの進行度合いによって費用は違う?

もしがんの症状が軽かったら費用は安くすむのですか?
そうですね。症状が軽ければ費用を抑えられるでしょう。では進行度によってどんな費用がかかるのか一緒に確認していきましょう。

がんはステージ0〜ステージ4まで進行度のクラスが分かれています。ステージ0はリンパ節に転移していない軽い状態であり、ステージ4は肺や胃など他の臓器に転移している重い状態です。

ステージごとに異なるがんの治療内容

ステージ0は上皮内のがんであり治療に5万円ほどかかると言われています。上皮内がんは保険会社によってはがん保険の対象外になることもあるので、注意が必要です。

ステージ1はリンパ節には転移していないものの、がんの腫瘍が広がり筋肉層までいっている状態です。この段階では切除・抗がん剤で経過をみることがあるので、70万円〜160万円ほどかかるでしょう。

ステージ2以降になるとリンパ節や臓器の転移が見られます。この状態になると治療費用がさらに高くなり、手術や抗がん剤治療に加えて放射線治療もする場合があります。3つの治療法をするとすれば費用は200万円〜400万円ほどかかるでしょう。

公的医療保険制度「高額療養費制度」「傷病手当金制度」を知っておこう

毎月給料から健康保険料が天引きされているけどさ、あれってがんになった時は保障してくれるってことじゃないんすか?
ええ。健康保険料をちゃんと支払っていれば、国の公的医療保険制度を活用することができますよ。

国の医療保険制度の種類

種類 対象
1 国民健康保険 自営業・非正規労働者・無職・74歳以下の高齢者
2 全国健康保険協会(協会けんぽ) 中小企業の会社員・その家族
3 組合健保 大企業の会社員・その家族
4 共済組合 公務員・私立学校の職員・その家族
5 後期高齢者医療制度 75歳以上の高齢者
健康保険には上記のような種類があります。自己負担割合は1~4の保険は乳幼児と70歳以上2割負担・小学生〜70歳未満3割負担です。ただし、70歳以上でも所得が一定額以上あれば3割負担です。5の「後期高齢者医療制度」は1割負担です。

医療費が高額になった時に活用できる高額療養費制度

高額療養費制度は医療費が高額になった時に活用できる制度です。家族の医療費を世帯合算することもできます。病院や薬局で支払った医療費の金額が1カ月で一定額を超えると超えた分が後から払い戻されます。払い戻しには還付申請する必要があります。

自己負担額は世帯ごとに異なるため、詳しくは次の記事をご覧ください。

仕事ができなくなったら、傷病手当金を申請しよう

傷病手当金制度とは病気やケガで仕事をすることができなくなって給与の支給停止や減額された時に保障してくれる制度です。業務外の病気・ケガが対象であり、4日以上仕事することができないことが条件です。ただし国民健康保険に加入している人は対象外です。

介護保険制度はがん末期でも利用できる

介護保険制度は40歳以上の介護を要する人が日常生活・介護のサポート受けられるよう社会的に支援する制度です。2010年からがんも介護保険の対象となりました。

がん末期になり治療が難しく、日常生活の支援が必要になった40歳以上の人はサービスを受けることができます。

介護ベッドや車いすなどの介護用品のレンタルをすることができたり、1割負担で介護サービスを受けたりすることができます。

日本にはほかにも公的な医療制度があります。次の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。

がん保険は加入すべき?がん保険の仕組み

公的な制度でも負担は軽くなりそうですね!でもがん保険って加入すべきなのでしょうか?
がん保険ではないと保障されない部分もあります。保険に加入しておいた方がさらに負担は抑えられますね。

がん保険はがんのみを保障の対象とした保険です。定期型と終身型の2種類ありますが、終身型がメインとなっています。

免責期間があり、90日間ほどは保障がありません。

基本的に保険は健康な人が加入するので、この免責期間を設けることによってすでにがんにかかった人が加入することを防ぎます。

がん保険でもらえる4つの給付金の種類

がん保険に加入していて、保険の適用となったときにどんな給付金が給付されるのか見ていきましょう。

給付金の種類 内容
診断給付金 がんと初めて診断された時にもらえる
通院給付金 抗がん剤治療などのがんによる通院でもらえる
入院給付金 がんの治療をするために入院をした時にもらえる
手術給付金 がんの治療のために手術をした時にもらえる

入院や手術は他の病気やケガでもすることがありますが「がん」によるもののみです。診断書にがんの治療がわかる術名の記載があれば対象となる可能性が高いです。

がん保険は必要?不必要?医療保険との違いを解説

がんと診断され、所定の治療を受ければ給付金を受け取ることができますが、保険料はどのくらいになるのでしょうか?高いなら加入の必要はないかな・・・。
保険料はタイプによって異なりますが、月払いで550円〜3,000円ほどになります。

月々の保険料はそんなに高くありませんが、自分の希望する給付金額によっては少々高くなるでしょう。また、保険会社によって給付金の支払い対象となるがんのステージが異なるのでしっかりといろんな会社で比較しましょう。

がん保険ではなく、医療保険でもがんの保障はしてくれます。では医療保険に加入しておけばいいのでは?と思うでしょう。それぞれの違いは以下の通りです。

がん保険の主な保障内容

  • 悪性新生物・上皮内新生物のみ保障対象
  • 診断給付金・通院給付金がある
  • 入院日数が無制限

医療保険の主な保障内容

  • 他の病気やケガも保障対象
  • 免責期間がない
  • 入院日数に制限がある

がん保険には医療保険だけではもらえない給付金もあり、入院日数に制限がないのもメリットです。ただし、理想は医療保険とがん保険のどちらも加入しておくことです。

がん保険に加入すべき人の共通点

がんの治療にはお金がかかります。貯金額が少ない人は加入しておくと安心でしょう。また子供や配偶者など家族がいるのであれば、家族がお金のことを気にせずに治療することができます。がんと診断されて仕事を休んで収入が途絶えても、ある程度は給付金でまかなうことができます。

がん保険に加入しておけば貯金を切り崩す必要なく治療に専念できるということですね。

あてはまる場合、がん保険加入の検討を

  • 貯金額がない
  • 配偶者の収入がない状態
  • 子どもがいる
  • 食生活や健康状態に不安がある

がん保険に加入しないのであれば、余剰資産としての貯金は150万円以上はあると良いでしょう。

もし配偶者が専業主婦などで働けない場合は、稼ぎ主である夫ががんで仕事をできなくなってしまうと一気に収入が途絶えてしまいます。家族の生活費を捻出するために、できれば貯金を切り崩さないでいたいところです。

また日頃から気をつけることが大事ですが、食生活やタバコなどががんの原因となってしまう場合があります。不安がある人は健康なうちに加入しておくのが良いでしょう。

がん保険は絶対に入った方が良いという訳ではない

がん保険に加入することはおすすめしますが、絶対に入った方が良いというわけではありません。

独身で就職したばかりなど、保険料を負担することが困難な人もいます。

まずは医療保険に加入しておくのが良いでしょう。2人に1人ががんを発症する可能性はあるとはいえ、がん保険だとがん以外の病気は保障されません。

医療保険でもがん保険ほどの金額ではないですが入院・手術給付金の対象となるので土台を整えた上で、がん保険への検討をしましょう。