喪主がやること一覧!施主との違いや服装・焼香などのマナーも解説
訃報の届けでよく「喪主(もしゅ)」という言葉を見かけたことがないでしょうか?喪主というのは、葬儀の手配をすすめる人(主催する人)のことであり性別は関係なく、男性でも女性でもなることができます。
今回は、喪主は誰がやってどんな役割があるのか詳しく説明していきます。
喪主をやることになった人や家族が喪主をやることになった人はぜひ参考にしてみてください。わからないことばかりで不安かと思いますが、落ち着いて葬儀を行っていきましょう。
喪主は誰がやるもの?優先順位も考慮すべき
喪主は基本的に配偶者が行うものです。もし、配偶者がいないのであれば実の子が喪主を務めることになります。
絶対にこの人でなければいけない!という決まりはないので家族で相談して喪主を決めましょう。
基本的な優先順位は以下のとおりです。
順番 | 続柄 |
---|---|
1 | 長男 |
2 | 次男以降直系の男子 |
3 | 長女 |
4 | 長女以降直系の女子 |
5 | 故人の両親 |
6 | 故人の兄弟姉妹 |
また兄弟姉妹がいる場合は、共同で喪主を務めることも可能です。
複数人で喪主を勤めればとても心強いでしょう。
喪主の役割を葬儀の流れで確認しよう
では喪主はどんな役割があるのかを葬儀の流れで見ていきましょう。
- 葬儀全体の決定者
- 代表として挨拶
- 連絡係
- 葬儀社の選定
亡くなってからご遺体安置まで
病院に死亡診断書を書いてもらったらご遺体を搬送する手続きをします。これは葬儀社に頼むことができ、葬儀社が決まっていない場合、病院と提携している葬儀社に搬送をお願いすることができます。
ご遺体を自宅または安置所に安置してから、喪主はまず葬儀社の選定をしてどんな葬儀形式にするか・日時をどうするのかを決めなければいけません。決めるときには、お寺に連絡をして僧侶の都合を確認する必要があります。
ロウソク・線香・お花などをご遺体のそばに置いた小机におきます。神棚がある場合は白い半紙を貼って、神棚を封じます。
枕経・納棺
菩提寺がある場合は僧侶へ来てもらい、枕経をあげてもらいます。このときに遺族は平服でも構いません。
アクセサリーは身につけないようにして、数珠を用意しましょう。ご遺体を納棺して、思い出の品を一緒に入れます。一緒に入れられるものを用意しておきましょう。金属や生きている人が写った写真など入れられないものもあります。
お葬式の準備
受付や会計などを任せる世話役を決めます。喪主は来ていただいた方々に挨拶をしたりと忙しくなるので決める必要がありますが、最近は世話役を選ばないケースも多いです。
葬儀の進行役は司会者が行いますが、喪主の挨拶や焼香があるので進行を把握しておきましょう。
喪主が最初に焼香をします。焼香は宗派によって違うのであらかじめ確認しておきましょう。
以下のようなタイミングで喪主は挨拶をすることになります。
- 僧侶が来たとき・お布施を渡すとき
- 参列者が受付に来たとき
- 寝台車に納めて出棺するとき
- 精進落としの会食のとき
僧侶・親族・参列者などの前で挨拶をしなければいけないので、緊張するかと思いますが、落ち着いて感謝の気持ちを伝えましょう。地域によってはお通夜に挨拶をしないところもあります。
喪主が挨拶をできない状況のときには、他の人は挨拶をしても構いません。
挨拶の文例や文章のポイントは次の記事にまとめましたので、こちらも参考にしてみてくださいね。
精進落としの会食のときには、各席へお酒を注ぎにいったりしましょう。
喪主と施主の違いに注意しよう
喪主は遺族の代表となる人・施主は葬儀の費用を負担する人という意味を持っています。それぞれ別の人が務める場合は、施主は喪主のサポート的な存在となります。
喪主は香典を出す必要はない
喪主と施主の違いで香典を出すかは異なってきます。施主が喪主とは別の人の場合、施主が葬儀費用を支払い、喪主は葬儀費用を負担していないので香典を包む必要があります。
香典は喪主ではなく、「葬儀費用を支払う人」に包むものです。
喪主の服装はどうすれば良い?マナーに注意を
喪主はお通夜までは平服で問題ありませんが、お通夜からは参列者や親族と同様に喪服を着る必要があります。
男性であれば、ブラックスーツに黒いネクタイを身につけてネクタイピンや目立ってしまう派手な時計は避けましょう。
女性は黒いフォーマルスーツやワンピースを着て、ストッキングも黒です。おしゃれ用のアクセサリーは避けましょう。
髪の色が明るい場合はなるべく暗めの色にするのが基本です。髪が長い場合は束ねておきましょう。なおアクセサリーは一連のパールネックレスであれば問題ありません。
二連や三連の場合、不幸が重なることを連想させてしまいます。
バッグは葬祭用のものをメイクは薄化粧にしましょう。
喪主が焼香するときに注意しなければいけないこと
焼香のやり方って曖昧に覚えていて前の人や横の人がやっているのを確認したりしていませんか?
しかし喪主の場合は、やり方を確認することができません。立礼・座礼・回し焼香のパターンごとに手順を確認しておきましょう。
立礼焼香の手順
- 弔問客に一礼
- 祭壇にある焼香前で遺影に顔を向け一礼して合掌
- 右手の親指・人差し指・中指で香をつまみ、目線の高さまであげてから香炉で燃やす
- 遺影に顔を向けて合掌
- 一歩さがって僧侶、弔問客に一礼
- 席へ戻る
座礼焼香の手順
- 中座で進んで弔問客に一礼
- 祭壇の手前で一礼してから膝をついたまま前に進んで正座する
- 遺影に顔を向けて合掌
- 右手の親指・人差し指・中指で香をつまみ、目線の高さまであげてから香炉で燃やす
- 遺影に顔を向けて合掌
- 膝をついたまま後ろへさがって僧侶、弔問客に一礼
- 席へ戻る
回し焼香の手順
- 焼香前が前の人から回ってきたら正面に置いて合掌
- 右手の親指・人差し指・中指で香をつまみ、目線の高さまであげてから香炉で燃やす
- 遺影に顔を向けて合掌
- 持ち上げずに、両手で香炉を回す
ちなみに焼香するとき、「浄土真宗」では目線の高さまであげません。
浄土真宗(本願寺派) | 1回 |
---|---|
浄土真宗(大谷派) | 2回 |
臨済宗 | 1回 |
曹洞宗 | 2回 |
天台宗 | 1回または3回 |
真言宗 | 3回 |
浄土宗 | 1~3回 |
日蓮宗 | 1回または3回 |
日蓮正宗 | 1回または3回 |
宗派によって、焼香の回数は異なるので事前にしっかり確認しておくと安心ですね。
核家族化が進んでいる日本は喪主の定義が変わってきている
喪主とは葬儀のことを取り仕切る重大な役割があるので、とても大変です。ひとりで仕事を抱え込まずに、親戚など周囲の人に協力をしてもらってください。もし、家族が喪主を務める場合にはぜひ手伝ってあげましょう。
初めて喪主を務める人は不安なことがたくさんあるかと思いますが、困ったときは親戚や葬儀社に相談してみましょう。