お墓の管理費ってなに?維持費として支払う理由と払えないときの対処
お墓を建てると、霊園やお寺に「管理費」というものを支払わなければいけません。この管理費はなぜ、どういう目的で支払わなければいけないものなのか知っていますか?
今回は管理費の用途や使い道をはじめ、管理費の相場や支払うべき人についても詳しく説明していきます。
管理費は絶対に支払わなければいけないものであり、支払いが滞ってしまうとお墓を維持できなくなるという最悪のケースが考えられます。
管理費を支払い続けるのが難しい場合の対処法についても解説していきますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
お墓の管理費がかかるのはなぜ?管理費の目的や用途
まず、管理費とはお墓を購入すると発生する費用です。霊園やお寺などのお墓を建てるところに支払うもので、運営・管理のためにお金が使われます。
- 水道料
- 緑地・休憩所のメンテナンス
- 清掃費用
管理費を支払うときには通常「1年分」「3年分」「5年分」と支払い方法を選択することが可能です。
それぞれの言葉の意味は次のとおりです。
永代使用料 | お墓の土地を使用する権利を永代に渡って取得するための料金 |
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護持会費 | 寺院墓地における管理費。寺の運営に使用される会費であり、檀家が支払うお金 |
お墓の管理費の相場とはどのくらい?経営母体ごとに比較
お墓の管理費の相場は、経営母体によって異なってきます。
寺院墓地 | 年間10,000円前後 |
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民営霊園(民間墓地) | 年間5,000円〜15,000円 |
公営霊園(公営墓地) | 年間5,000円〜10,000円 |
納骨堂 | 年間10,000円~15,000円 |
1番安いのは公営霊園。都道府県や市区町村の税金も運営費に利用されていて、かつ必要最低限のメンテナンスにしか費用をかけないためです。
民営霊園であれば、電気や水道などの費用の他に休憩所や送迎バスなどの設備に使用されています。
寺院墓地は管理費が少し高めの設定ですが、他のところよりも比較的親身に対応してくれて手厚い付き合いをすることができます。その分、行事参加費がかかることもあります。
納骨堂の場合は施設の清掃やセキュリティー、空調管理の費用に使われています。遺骨を合祀してしまうようなタイプであれば管理費がかからないケースも。
お墓の管理費を払うのは祭祀承継者や長男が多い!支払い方法もチェックしておこう
管理費はお墓に入る可能性がある人が支払うものです。基本的には長男が支払うことが多いでしょう。
年に一度なので、利用頻度が高い銀行口座にしておきましょう。
お寺の場合だと直接お寺へ持って行ったり、住職が自宅まで集金しに来てくれたりするケースもあります。
管理費を滞納した場合はお墓が撤去されることも!払い忘れに要注意
もし管理費を支払えない場合・滞納してしまった場合は、お墓が撤去されてしまうことも。
多くは管理費の滞納が3年経過してしまったとき、お墓の撤去の対象となります。
そのときに納骨されている故人のお墓は無縁墓に改葬されてしまうのです。
管理費が払えない人は墓じまいを考えよう
お墓は承継していくもの。祭祀承継者になれば、管理費を支払わなければいけません。最近では承継者がいないという問題が増えてきていますが、その理由の一つとしてお墓の管理の手間や維持するための費用が考えられます。
もし管理費が負担になるようであれば、はやめに「墓じまい」を考えた方が良いでしょう。
昨今では離檀する人も増えているため、管理費は将来上がる可能性もあります。毎年口座から引き落とされてるという人は、管理費に変更がないかをチェックしておきましょうね。
管理費は故人の供養を続けるための大切な費用
管理費は祭祀承継者が支払うものですが、必ずしも長男とは限りません。死後、お墓に入る予定の人が支払うことが基本です。
なお管理費を延滞した場合はお墓が撤去される恐れがある上、10年債権は続きます。
もし管理費が負担になったら滞納する前に「墓じまい」を考えておくことをおすすめします。永代供養や散骨といった方法もあるので故人のことを考えて検討してみましょう。