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生前整理のやり方を解説!元気なときから始めるメリットと成功のコツ

生前整理のやり方を解説!元気なときから始めるメリットと成功のコツ

最近よく「生前整理」という言葉を聞くのう。どういう意味じゃろう?
生前整理とは、死んだ後に残された人が困らないよう財産や住居を整理しておくことですよ。ただ掃除や整理を行うだけでなく財産目録や遺言書も作成します。
遺言書まで!じゃあ、老前整理とはどういう意味かね?この言葉も最近よく聞くのじゃが。
老前整理は、自分が老後暮らしやすくするために行う整理のことをいいますよ。

残された家族のために行うのか、自分のために行うのかという違いはあるものの、どちらも物を整理し、把握しておくための作業のこと。行っておくことで、自分や家族のためになる作業です。

20代や30代で生前整理を行う人もいれば、退職した後に60代で行う人もいます。40代や50代で行っても全く問題はありません。自分が思い立ったタイミングで行うのがおすすめです。

元気なうちに少しずつ取り組みたい生前整理について説明していきます。

いいことばかり!生前整理のメリット4点

生前整理のメリットは以下の4点。

  1. 財産の処分方法などを前もって決めておくことができる
  2. 残された家族の負担が減る
  3. いざというときに安心
  4. より快適に生活ができるようになる

【生前整理のメリット1】財産の処分方法などを決めておくことが可能

生前整理の目的は、ただ物を減らすだけでなく、財産目録や遺言状などを作成しどのように相続するのかまで決めておけること。

自分の財産をどのように誰に分けたいかという具体的な希望を叶えることが可能になります。

財産をどうやって分けるのか、決めてないと財産争いになるとも言うし、決めてあるといいですね!
そう!財産目録があり遺言状をしっかりと残しておくことで、財産争いなどの余計な争いが減ります。
自分が死んだ後に家族で争われても嫌ですもんね。って、自分には、財産目録を作るほど財産が残らないかもしれないですけど・・・。
ざ、財産がないと思っていても、小さな物でも揉める可能性はあるもの。財産目録は作っておくと安心ですよ。

生前整理をしていくうちに、忘れていた財産が出てくることもあります。自分の財産を整理するためにも、生前整理を行い財産がどの程度あるのかまとめておくといいでしょう。

【生前整理のメリット2】残された家族の負担が減る

残された家族が大変さを感じやすいのが遺品整理。本人が亡くなっているため、どこに何があるのかわからないうえ、何を残して何を捨てるべきか家族が判断することとなり、家族の負担が倍増します。

まだ元気なうちに生前整理を行っておけば、物が少なくなるうえ財産目録もあるため、どのような財産が残っているのかもすぐに把握することが可能です。

家族が物の処分などをしながら整理する必要がありません。そのため、残された家族の負担がとても軽くなります。

遺品整理はとても大変だと聞いていたのですが、生前整理をしておいてくれたら、かなり負担が減るのですね!両親にも生前整理しておいてくれるようにお願いしてみようかしら。
そうですね。生前整理してくれるよう、頼んでみるといいですよ。一緒に整理するのもおすすめです!

【生前整理のメリット3】いざというときに安心

生前整理のメリット3つ目は、いざというときにも安心できるということ。

急に倒れてしまったなど万が一の場合に、生前整理ができていれば保険証などの重要書類が見つかりやすく、家族の負担がとても軽くなります。

お義父さんやお義母さんの保険証などはどこに片付けてあるのか、全く知りません・・・。そういうときにも、生前整理してあると、どこに何があるのかすぐにわかって便利ですね!
そう!整理してあると場所がすぐにわかって便利ですよね。逆に、物が散乱している状態だと、どこに何があるのかわからず家族の負担が増えることに。整理しておくのは重要なことですよ。

【生前整理のメリット4】快適に過ごせるようになる

生前整理と老前整理に共通するメリットが、行うことで快適に過ごせるようになること。

整理されておらず物が散乱している状態だと、転倒する可能性も増えるうえ物も見つかりにくくなります。そのような状況では、暮らしていくのも大変です。

生前整理を行えば、物も減りどこに何があるのかわかる状態で安心して過ごすことができます。

確かに、最近物を探すことが増えたのう。どこに何があるのかすぐにわかれば、物を探す手間が省けそうじゃ。
そうですね。物を探している時間は積み重なっていけばかなりの時間になっているもの。そんな時間が少なくなれば、より快適に暮らせるようになりますよ。

気になる生前整理のやり方とは?手順と進め方を解説!

生前整理は、財産目録や遺言状を作りつつ物を減らすことじゃったかのう?
そうです!どこに何があるのかわかるように物を処分しながら整理するのはもちろんのこと、どのような財産があり誰に分けるのかといったことまでまとめておくことが、生前整理です。

では、生前整理や老前整理はどのように進めればいいのでしょうか?

生前整理の大まかなやり方は以下の通り。

  1. 財産目録を作成する
  2. 片付けやすいものから必要なものと不要なものに分けていく
  3. 思い出の品を処分する
  4. 遺言書を作成する

この順番に沿って、生前整理を行っていきましょう。

財産目録を作成する

財産目録とは

所有する財産のすべてを記載したリストのこと。プラスとなる財産だけでなく、借金などマイナスとなる財産についても記載します。

プラスとなる財産
  • 土地や建物などの不動産
  • 預貯金や現金
  • 有価証券
  • 自動車
  • 美術品や骨董品
マイナスとなる財産
  • 借金
  • 未納の税金
  • 債務

財産目録は法的に作成する義務があるものではないため、決められた書式は存在しません。

自分や家族がわかりやすいように、まとめておくといいでしょう。その際、財産目録に書いておいた方がいい項目があります。

  • 財産の種類
  • 財産の所在地や会社名
  • 口座などの番号
  • 評価額
これらの項目が書いてあると、財産がどのくらいあるのかすぐにわかっていいですね!
そうですね!遺言状を作るときにとても助かりますよね。
でも、評価額ってすぐにわかるものではないんじゃないですか?
そうですね、すぐにわかるものもあればわかりにくいものもありますね。わかりにくい財産の評価額については、専門家など詳しい人に聞いてみるのがおすすめですよ。

片付けやすいものから必要なものと不要なものに分けていく

次に、片付けやすいものから必要なものと不要なものに分けていきましょう。

片付けやすいものとは、必要か不要か判断がしやすいもの。

片付けやすいものから片付けることで、流れがスムーズに進みます。

というのも、人は1カ所でもきれいになり使い勝手がよくなると、他の場所も片付けたくなるもの。まずは片付けやすいものから片付け、整理を楽しく行うようにするといいでしょう。

必要か不要か判断に迷った際は、保留用の場所を作成し判断を保留しておくのも1つの方法です。

ただし、保留するものが多くなりすぎないようにするのが大切。保留とするものは箱2つ分までなどと決めておくと、保留用のものが多くなりすぎません。

思い出の品を処分する

生前整理や老前整理をする際、処分で最も困るのが写真などの思い出の品。

子供の写真などはどれも思い出が詰まっていて捨てられません・・・。でも、どんどんと増えていくし、収拾がつかなくなってしまって。
実は、多くの人が困るのが写真の整理なのです。思い出も詰まっているうえ、人が写っているとゴミとして捨てづらいと感じてしまうようですよ。
そうなんです。捨てづらくて・・・。どうすればいいのでしょうか?
まずは、その写真のエピソードを語ることができるかどうかで捨てるかどうか判断してみましょう。エピソードを語ることができない写真から処分していくのがおすすめですよ。データ化してもよいですね。

写真を整理する方法は以下の通り。

  1. ゴミとして処分できる写真は捨てる
  2. 30枚以上残った場合は、30枚だけ残して後はデータ化する
  3. 残した写真にコメントを添えてアルバムにする
  4. 写真を処分する

写真を整理する際の重要なポイントは、デジタル化すること。

はじめの段階でゴミとして写真を処分できるのならば、デジタル化する必要はありません。ですが、写真をゴミとして処分できない場合には、写真をスキャンしデジタル化して、データとして残しておきましょう。

データにしておけば、好きなときにいつでも見ることができるうえ保管する場所も必要ありません。

データ化なぁ。ワシは、デジタルのことがわからんからのう。どうすればいいんじゃろ?
そのような場合は、データ化してくれる業者にお願いするのもおすすめですよ。

データとして残した写真は不要になるもの。ゴミとして捨てるのが難しいならば、お寺や神社で供養してもらうことも可能です。近くのお寺や神社で供養してもらえるのか聞いてみるといいでしょう。

遺言書を作成する

さまざまなものの処分が終われば、あとは遺言書を作成しましょう。遺言書を作っておくことで、相続問題を回避できます。

ただし、遺言書は定められた様式に沿って作らなければ効力が発生しません。

定められた様式に従って遺言書を作成しましょう。

生前整理、家族だけでしようと思うと大変そうじゃ・・・。なかなか終わらんぞ。
そうですね。生前整理のコツは、「少しずつコツコツと」と「完璧さを求めない」こと。少しずつでいいので、片付けていくといいですよ。
少しずつでもいいなら、ワシでもできそうじゃの。ただ、どうしても生前整理できない場合、何かいい方法はないかのう?
生前整理を自分でするのが難しい場合は、業者に頼むという方法もありますよ。

生前整理は業者に頼むのもおすすめ!

自分で生前整理を行うことが難しい場合には、業者にお願いするのもおすすめです。

生前整理を業者にお願いするメリットは、時間や労力を節約できること。

生前整理を行う人自身が高齢、または家族が遠方におり生前整理を手伝うことができないといった場合には、業者にお願いしましょう。スムーズに生前整理をすることができます。

生前整理で出た不用品を業者が買取してくれることもあると聞いたのですが、本当でしょうか?
生前整理もしている遺品整理業者はたいてい不用品の買取をしてくれますよ。
まだ使えるものを買取してくれるのはありがたいサービスです!他にはどのようなサービスをしてくれるのでしょうか?
部屋の清掃サービスなども行ってくれます。自分で処理することが大変な大型の家具の処分もしてくれるので、とても助かりますよ。

ただし、生前整理を業者にしてもらう場合は費用がかかるもの。費用の相場は部屋の広さや荷物の多さなどによっても異なりますが、目安としては1DK60,000円程度となることが多いようです。

メリットがいっぱい!生前整理を行ってみよう

身の回りのものを整理し財産などを目録にまとめておく生前整理。家族の負担が減る、いざというときに安心、快適に過ごせるようになるなど、メリットが多く、元気なうちにしておいて損はありません。

一度にすべての片付けを行う必要はなく、少しずつできる範囲で片付けていくけば大丈夫です。それでも大変な場合は、業者に頼むという方法もあります。

親の生前整理だけでなく、自分たちの生前整理も行っておきたいもの。

判断力がしっかりとしている元気なうちに生前整理を始めてみましょう。

日頃から実家が片付いていれば生前整理の負担も減ります。

実家の片付けを成功させるコツを紹介!親の説得から業者の費用まで」の記事も参考にしてくださいね。