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特別養護老人ホームってどんなところ?その特徴やサービスをご紹介

特別養護老人ホームってどんなところ?その特徴やサービスをご紹介

将来介護が必要になった時、もちろん自宅で介護できれば良いのですが簡単な事ではありません。きちんとした介護を24時間受けたい、そのときは特別養護老人ホームを検討してみては?

特別養護老人ホームは、24時間介護サービスが受けられる入居型施設です。どのような特徴があり、誰が入居できるのか、そして気になるメリット・デメリットについて詳しくご紹介していきましょう。

特別養護老人ホームとは何?基本情報をチェック

特別養護老人ホームとは、どのような施設なのでしょうか。

特別養護老人ホームとは

日常生活を送るのに必要な介護・リハビリなどの生活支援を受ける入居型介護施設

つまり、介護が必要な高齢者が入居し、生活を送る場所が特別養護老人ホームなのです。

では、特別養護老人ホームではどのようなことを行っているのでしょうか。そのサービス内容として、主に以下のものが挙げられます。

サービス内容 詳細
介護サービス ・食事・入浴・排泄の介助
・機能訓練(リハビリ)
・通院付き添い
・安否確認
食事サービス ・介護度に応じた食事の提供
生活支援サービス ・部屋の掃除や洗濯、買い物
イベント ・趣味・娯楽など
健康管理 ・健康相談、服薬管理など

特別養護老人ホームでは、介護が必要な人でも生活ができるよう様々なサービス・補助を行ってくれるのです。

特別養護老人ホームに入ることができれば、介護が必要な高齢者でも安心して生活できるということですね。家族にとっても助かります。

入居期間は決まっているものなのでしょうか?

特別養護老人ホームは、基本的に終身利用です。

ですから、一度入居できればずっと介護サービスを受けられると考えて良いですね。

特別養護老人ホームは介護度3以上が対象者!?その基準を解説

特別養護老人ホームは、誰でも入居出来るわけではありません。

特別養護老人ホームに入居できるのは、原則介護度3以上、つまり要介護3~5という認定を受けた人のみです。

ただし、介護度1・2の人でも次の条件を満たせば特例として入居することが可能な場合があります。

  • 認知症で日常生活に支障をきたす症状棟が見られる
  • 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障をきたすような症状棟がある
  • 深刻な虐待が疑われるなどにより、心身の安全・安心の確保が困難な状態
  • 単身世帯である、または同居家族が高齢や病弱であることで家族による支援が期待できない、かつ地域での介護サービスや生活支援が不足している

あくまでも特例措置ですので、これらの条件を満たせば必ず入居できるという訳ではありません。入所検討委員会による判断を受けることになります。

特別養護老人ホームの申し込みや入所条件について興味がある方は、こちら特別養護老人ホームの入所条件と申し込み方法を詳しくご紹介!の記事がオススメです。

特別養護老人ホームは、介護が必要な人は誰でも入れるというわけではないのね…。

でも、介護度が高ければすぐに入れるって考えて良いのかしら?

 

介護度が高くても、特別養護老人ホームにすぐに入ることができるとは限りません。実は各施設で待機者数は平均300人程度いると言われています。

地域にもよりますが、狭き門であると考えておきたいところですね。

特別養護老人ホームのメリット・デメリットを比較

特別養護老人ホームを検討するにあたって、そのメリットとデメリットを把握しておく必要があります。

メリット デメリット
・費用が安い
・最期まで入居し続けることが可能
・24時間介護が受けられる
・待機者が多い
・多床室になるとプライベート空間が少ない
・介護サービスや居室が同じでも
 費用が異なる場合がある

特別養護老人ホームは、一時金を必要としません。

また、所得に応じた利用料金が決められており、比較的少ない負担で利用することが可能というのは大きなメリットです。ただし、所得に応じて利用料が決まるということは、同じサービスを受けていても費用が高い人、低い人が出てくることにもなります。

また、特別養護老人ホームは多床室になってしまうと大人数で1つの部屋を使うことになりますので、ストレスを感じてしまう人もいるでしょう。

特別養護老人ホームは、基本的に大部屋になるってこと?

やっぱり個室が気楽なんだけど、そういうのは無理?

特別養護老人ホームによっては、多床室だけでなく従来個室型、ユニット型個室/ユニット型準個室などの種類があり、選ぶことが可能な場合もあります。

個室の種類については、次で詳しくご紹介しますね。

特別養護老人ホームには居室タイプが選択できる場合も!

特別養護老人ホームは1つの部屋を複数人で使用する多床室をイメージする人が多いかもしれませんが、施設によっては個室などが選べる場合もあります。

特別養護老人ホームの施設タイプは、大きくわけて次の3つがあります。

従来型個室 多床室 ユニット型個室
ユニット型準個室
1人1部屋だが
リビング併設なし
1つの部屋を
定員2人以上で使用
1人1部屋だが
共同リビング利用
*準個室は、多床室を分割したもの
完全個室ではない場合がある

居室タイプを選択できる場合、当然賃料は部屋によって異なります。

その相場は、多床室で月額25,200円、ユニット型個室で月額5~6万円となっています。

特別養護老人ホームの費用については、こちら所得や介護度で違う特別養護老人ホームの費用を徹底解説!の記事で詳しくご紹介しています。

リハビリ中心のケアを考えるなら介護老人保健施設という選択も

特別養護老人ホームのような介護保険施設は、他にもあります。それが、介護老人保健施設です。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設の違いを見てみましょう。

特別養護老人ホーム 介護老人保健施設
目的 ・介護や生活支援を受けて
 生活する
・リハビリを提供し
 社会復帰を目指す
入居条件 ・原則として要介護3~5 ・要介護1~5
入居期間 ・終身利用 ・原則3か月
入居待機者 ・待機者数は多く
 数か月待つ場合もある
・比較的少なく
 入居しやすい

介護老人保健施設は、将来的に自宅での生活をすることを目的としてリハビリを行う施設です。

入居一時金がなく、受けられるサービスが充実しているという点は、特別養護老人ホームと介護老人保健施設のどちらも変わりません。

ただ、介護老人保健施設は入居期間が決められているので、比較的入居しやすいという特徴があります。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設、どっちを選ぶか難しいところですね。
特別養護老人ホームは、入居したら終身利用が基本となります。

介護の程度により在宅での療養を目指すという場合は、介護老人保健施設を検討してみても良いでしょう。

特別養護老人ホームは終身で24時間介護が受けられる居住型施設

特別養護老人ホームは、24時間介護サービスが受けられる居住型施設です。一度入居すれば終身利用が基本なので、ずっと継続した介護サービスを受けることができます。

ただ、入居条件は要介護3以上となっており、待機数も多いので入居まで時間がかかってしまうことも少なくありません。費用は比較的安く抑えることができますが、居室タイプや所得によって費用が変わってくるので注意が必要です。

リハビリが目的であれば介護老人保健施設を利用するという方法もあります。利用目的と介護の程度に応じて検討したいですね。