ETFで発生する2種類のコストを徹底解説!
ETFは低コストで始められ、値動きが分かりやすいため初心者にもオススメの投資方法です。しかし、低コストとは言ってもまったく手数料がかからないというわけではありません。
ETFを利用する際に発生するのは、売買コストと保有コストです。売買コストと保有コストにはどのようなものがあるのか、いくらぐらい払わなければいけないのか、ETFを始める前にチェックしておきたい情報を、徹底解説していきます!
ETF購入で必要となる2種類の手数料とは
まずは、ETF購入で必要となる2種類の手数料をご紹介していきましょう。その手数料とは、こちらです。
- 売買コスト
- 保有コスト
それぞれのコスト(手数料)についてご紹介していきます。
売買コスト
売買コストは、売買委託手数料のことです。
売買委託手数料は、購入または売却する際に発生する手数料で、証券会社に直接支払います。
委託手数料は比較的少額となっており、ネット証券であれば0.1%程度で済むようになっています。
委託手数料が発生するタイミングには、いくつかの種類があります。
- 1回の約定事
- 取引金額ごと
- 1日定額
- 月額定額
ではSBI証券・マネックス証券・楽天証券の委託手数料を比較してみましょう。
一日の約定金額 | 委託手数料 |
---|---|
10万円以内 | 0円 |
10万円超 20万円以内 |
191円 |
20万円超 30万円以内 |
286円 | 30万円超 50万円以内 |
429円 |
一注文ごとの約定金額 | 委託手数料 |
---|---|
10万円以内 | 100円 |
10万円超 20万円以内 |
180円 |
20万円超 30万円以内 |
250円 | 30万円超 40万円以内 |
350円 | 40万円超 50万円以内 |
450円 |
1日の約定金額 | 委託手数料 |
---|---|
10万円以内 | 0円 |
10万円超 20万円以内 |
191円 |
20万円超 30万円以内 |
286円 | 30万円超 50万円以内 |
429円 |
一方、同じ投資信託でも上場していない一般の投資信託では、この委託手数料は2~3%程度必要となります。ETFが低コストであると言われる理由の1つが、委託手数料の低さにあると言えるでしょう。
ただ、海外ETFの場合は委託手数料だけでなく為替手数料が発生してきます。
委託手数料※ | 為替手数料 | |
---|---|---|
SBI証券 | 約定代金の0.45% ・最低手数料:5米ドル ・上限手数料;20米ドル |
±0.25円 |
マネックス証券 | 約定代金の0.45% ・最低手数料:5米ドル ・上限手数料:20米ドル |
±0.25円 |
楽天証券 | 約定代金の0.45% ・最低手数料:5米ドル ・上限手数料:20米ドル |
・買いのスプレッド:0.25円 ・売りのスプレッド:-0.25円 |
海外ETFの場合は、国内ETFよりも委託手数料が大きくなっています。国内ETFと海外ETFの違いについても、押さえておきたいところです。
Exchange Traded Fund(上場投資信託の略)。海外に上場する投資信託に投資する投資信託という意味。
保有コスト
ETFを保有しているときに発生するコストには、監査報酬と信託報酬があります。
監査報酬は、外部の監査法人等に支払う費用です。投資信託は決算ごとに監査を受ける必要があるため、その費用がコストとして発生しているわけです。
監査報酬の金額については、信託財産から間接的に支払われることになり、こちらもファンドなどによって金額が異なります。
ニッセイ日本勝ち組ファンド | iシェアーズ TOPIX ETF |
---|---|
1万口当たり 0.003% |
ファンド純資産総額の 0.0486%(年率)を上限とする |
こちらはそこまで大きな金額になることはありませんので、こういうコストもあるということを認識しておくぐらいで良いでしょう。
信託報酬は、投資信託を運用・管理していくために必要となる手数料のことで、運用会社や販売会社、信託銀行などに支払われます。
信託報酬もファンドによっても差があるもので、ETFのコストの中で最も大きなものになります。信託報酬については、後ほど詳しくご紹介していきます。
ノーロードのように販売手数料無料なETFもある!?
投資信託の売買時には販売手数料・委託手数料が発生するということをご紹介しました。しかし、実はその販売手数料がかからない投資信託というものもあります。それが、ノーロードです。
販売手数料については、証券会社がそれぞれ設定できるものですから、ノーロード・ファンドと呼ばれる販売手数料無料のファンドも存在するわけです。
しかし、上場投資信託であるETFは上場していること委託手数料が発生してしまいます。しかし、ETFでもノーロードと同様に委託手数料無料で購入できる商品があるのです。
売買手数料が無料というのは、1日に何度も取引をする、1日の取引金額が大きくなるという人には嬉しいメリットとなるでしょう。
フリーETFの商品をピックアップ!
では、カブドットコム証券で取り扱っているフリーETFの銘柄を、いくつかピックアップしてご紹介してみましょう。
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
MAXIS JPX 日経インデックス400上場投信 |
①日々の純資産総額に対して 年率0.08424%(税込)以内をかけた額 ②有価証券の貸付の指図を行った場合 その品貸料の54%(税込)以内の額 *①と②の合計 |
MAXIS トピックス 上場投信 |
①日々の純資産総額に対して 年率0.08424%(税込)以内をかけた額 ②有価証券の貸付の指図を行った場合 その品貸料の54%(税込)以内の額 *①と②の合計 |
MAXIS 日経225 上場投信 |
①日々の純資産総額に対して 年率0.1836%(税込)以内をかけた額 ②有価証券の貸付の指図を行った場合 その品貸料の54%(税込)以内の額 |
MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ) 上場投信 |
年0.27%(税込) |
いずれの商品も、カブドットコム証券で取引の場合は委託手数料・売買手数料は無料となっています。
しかし、フリーETFの売買手数料はいずれも無料ですが、信託報酬は発生します。
全ての手数料がフリー(無料)というわけではありませんので、気を付けておきましょう。
普通の投資信託より割安!?ETFの信託報酬とは
委託手数料無料のフリーETFでも、信託報酬は発生してしまいます。しかし、ETFの信託報酬は通常の投資信託の信託報酬よりもお得になっている為、低コストで運用できるのです。
まずは、信託報酬の計算方法についてチェックしていきます。
信託報酬は、各ファンドによって異なります。商品の目論見書などに年率(%)で表記されていることが多いのですが、具体的にどう計算するのかは次の通りです。
365で割っているのは、信託報酬が日割りで計算されるためですね。
基準価額は日々変わるものであり、毎日投資信託の財産の中から自動的に差し引かれていきます。
毎日差し引かれていくコストであるからこそ、できるだけ信託報酬を抑えた商品を選ぶこと、そして信託報酬がどのくらいかかるのかを知ることが大切なのです。
ETFの信託報酬はいくら?
では、具体的にETFの信託報酬がどのくらいなのか国内ETFをピックアップしてご紹介していきましょう。
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
i シェアーズ TOPIX ETF | 0.06% |
上場インデックスファンド米国株式 | 0.06% |
MIXIS トピックス上場投信 | 0.08% |
ダイワ上場投信 | 0.11% |
上場インデックスファンド アジアリゾート |
0.1% |
やはり、ETFの信託報酬はかなり低くなっていることが分かります。こちらの信託報酬は変更される可能性もありますので、気になるファンドは自身で最新情報をチェックしてください。
一般の投資信託では、どのくらい信託報酬が発生しているのでしょうか。今回はSBI証券が取り扱っている投資信託(国内株式)商品について、いくつかピックアップしてみましょう。
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
ひふみプラス | 500億円まで1.0584% 500億円を超える部分0.9504% 1000億円を超える部分0.8424% |
ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.27% |
日経225インデックスファンド (三井住友TAM) |
0.5184% |
ETFと比べると多少ではありますが、信託報酬が割高になっていることが分かります。商品によっては、投資信託の信託報酬は2%程かかるものもありますので、商品を選ぶ際には信託報酬についてもしっかりチェックしておきたいところですね。
ETFを始める前には必要となるコストをしっかりチェックしよう
また、委託手数料無料のETFもありますが、信託報酬は発生しています。商品を選ぶ際には、全部でどのくらいのコストがかかるかについてチェックすることが大切なのです。