副業の始め方
副業詐欺に注意!よくある詐欺の共通点と被害を防ぐための対処法

副業詐欺に注意!よくある詐欺の共通点と被害を防ぐための対処法

「1日たった5分でラクラク月10万円♪」
「お家にいながら簡単作業!主婦大歓迎」
「隙間時間で月30万円稼げます!」

このような謳い文句で勧誘する「副業」のなかには、実は多くの詐欺が発生していることをご存知でしょうか?

SNSやインターネット上で簡単にスタートできることを餌に、投資ビジネスや高い教材の販売、登録料の騙し取りなど、その被害パターンはさまざまに広がっています。

もちろん「副業」自体は実際に多くの人がおこなっており、本業と掛け持ちをしてしっかりと稼げる仕事の一つの手段です。しかし、迂闊に手を出してしまうと、とんでもない被害に遭うかもしれません。副業詐欺に騙されないために、その手口をしっかり学びましょう。

甘〜いことばで忍び寄る「副業詐欺」その巧妙な手口とパターンとは

最近、Instagramやtwitterで頻繁にみかける「在宅ワーク」とか「副業」にとても興味が湧いてます。実際のところ、どうなのでしょうか?
たしかに、SNSの普及によって仕事の幅が広がっていますね。しかし、サラリーマンの副業や、主婦の内職などをターゲットにした「詐欺」である可能性もあります。
さ、詐欺!?でもどうやって副業で詐欺をするんですか?
登録料を取られたり、商材を売られたり、そのワザも実に巧妙で多様なんですよ!

近年増えつつある「在宅ワーク」や「副業」という働き方は、インターネットの普及を背景に、場所や時間を問わず働ける新しいスタイルとして注目を集めています。平成24年度厚生労働省委託事業「在宅就業調査報告書」によると、2013年時点で約126万4千人の在宅ワーカーがいると推計されているんです。

「本業をしながら」「家事をしながら」と、隙間時間に取り組めるところが副業の魅力であり、多くの人が興味をそそられているのではないでしょうか。しかし一方で、副業や在宅ワークを謳った詐欺が多発している点に注意をしなければなりません。

独立行政法人国民生活センターによると、インターネットの副業や投資に関する相談件数が、2017年度は6,593件、2018年も増加傾向にあり、2013年度に比べると7倍以上に増えています。

いったい副業詐欺にはどのような手口があるのかみてみましょう。

手口1:多額の「登録料」や「初期費用」を請求される

一番わかりやすい副業詐欺の例が、副業をスタートさせようとすると「登録料」や「入会金」としてお金を請求されるパターンです。

「1日1クリックだけで月3万円稼げる」「簡単な記事を書くだけでお小遣い5万円」など高収入を得られることを謳い、初期費用として多額の支払いを求めてきます。

請求されやすい費用項目例
  • 登録料
  • 月額使用料
  • 入会金
  • 事務手数料

巧みな言葉であたかも正当な費用であるかのように説明され、
「最初に10万円払っても、1ヶ月で20〜30万円稼げるから大丈夫です」
「利益が出なかったら全額返金します」
など、つい信用したくなるような言葉でターゲットを言いくるめます。

実際には、初期費用を支払ったあとに突然連絡が取れなくなったり、返金されなくなったりなどのトラブルも。

手口2:「情報」や「教材」を高額で売りつける

「簡単に稼げる方法教えます」「マニュアル通りにやるだけで月30万円」といって、高額な情報商材を売りつけるパターンがあります。ブログ運営やアフィリエイト(広告収入)、FXやバイナリー(為替投資の一種)など投資ビジネス方法に至るまで「誰でも簡単にできる」ことをウリに情報を販売します。

もちろんブログ運営や投資ビジネスは、正しく取り組めばお金を生み出すことのできる方法かもしれません。

しかし、初心者がマニュアル通りにやって儲けられるような簡単なビジネスではありません。

FXや株は、専門的な知識を持っていても成功することが難しく、まったくの初心者がいきなり始めてお金儲けできるというのは現実的ではありません。相手は「商材を高く売ること」しか、考えていない可能性が高いです。

手口3:実はマルチ商法やネットワークビジネス

「ねずみ講」とも呼ばれる手法で、人から人へ紹介をして商品やサービスを販売する連鎖型商法です。

化粧品やサプリメント、出会い系サイトやゲームサイトへの登録など、商品やサービスを「紹介」し、商品が売れたり会員が増えたりすることで紹介者にお金が入るしくみです。このネットワークビジネス自体は法律で禁止されているものではありません。

ただし、迷惑な勧誘行為や、商品を捌ききれずに紹介者が負債を抱えるなどのトラブルが問題視されています。

また、儲けることを目指し続けてなかなか勧誘活動から抜けられず、多額の商品を購入し大損をしてしまうケースもあります。

手口4:ホームページや通販サイトの開設

「サイトを運営すれば高収入が得られる」として多額のホームページ制作費用やサイト開設費を請求してくる詐欺です。

サイトやネットショップの商品が売れることで利益が得られると説明をされますが、実際にはほとんど商品が売れず高い手数料を取られるだけで終わることも少なくありません。

サイトの開設には20万円や30万円など多額な費用が請求されることも多く、中には月額料まで請求される場合もあります。「商品が売れれば儲かる」と信じていても、まったくの素人がサイト運営をするにはハードルが高く、売り上げのないまま泣き寝入りをする人もいます。

こ、こんなにいろいろな副業詐欺があるのですね!恐ろしい世の中だわ…ひっかからないためにはどうしたらよいのでしょうか…?
副業詐欺にひっかからないためのポイントは、「最初にお金は払わない」ことと「会社の実態を調べる」ことです。

副業詐欺に遭わないためにはどうしたらよい?判断ポイントと予備知識

消費者庁のホームページでは、詐欺被害を受けないための注意喚起が常日頃から更新されています。2018年下半期においては、以下のような注意喚起が掲載されています。

消費者被害防止に向けた注意喚起等の掲載例(2018年度)
  • 「誰でもたった1分で1万円の現金をラクラクGET!」などとうたい多額の金銭を支払わせる
  • 「スマホをタップするだけでお金が稼げる」などとうたい、多額の金銭を支払わせる
  • 「画像選択がベースの簡単な作業でお金を稼げる」などとうたい、多額の金銭を支払わせる
  • 「オーナー制度」と称する取引に関し、多額の支払遅延を発生させている株式会社ケフィア事業振興会に関する注意喚起
  • 「金と銀のプロジェクトに参加するだけで、毎日1万円収入の最低保証」などとうたい、多額の金銭を支払わせる
  • 「毎月最低30万円分のビットコインを受け取り続けることができる」などとうたい、多額の金銭を支払わせる
  • 「真似っこビジネス」などとうたい、多額の金銭を支払わせる
  • SMSを用いて有料動画等の未納料金の名目で金銭を支払わせようとする「アマゾンジャパン合同会社等をかたる架空請求」に関する注意喚起

非常に多くの方々が、詐欺被害に遭われている現実がよくわかります。詐欺グループは会社の実態を装ったり、わざわざターゲットを招いた研修会を開いたり、最初に金銭メリットを与えてから高額をだまし取ったりなど、「まさか自分が」という人でも被害者となってしまうほど巧妙な手口を複数展開しています。

「高収入」「だれでも簡単」はまず疑う

副業詐欺の被害に遭わないためには、まずは副業詐欺によくある謳い文句を覚えておきましょう。

「誰でも簡単に高収入」
「ネットでラクラク作業完了」
「1クリックで3万円」
「月50万円も夢じゃない」
「お家にいながら隙間時間でOK」

うまい話には裏があるというもので、このご時世だれでも簡単に高収入を得られる仕事というのはまったく現実的ではありません。あまりにも好都合な言葉には一度疑う目を持ちましょう。

「入会金」「登録料」などのお金を請求されても払わない

副業や在宅ワークを謳い、「登録すれば稼げます」「入会した方だけに特別な方法を教えます」などの初期費用を請求されるケースは、詐欺である可能性が高いためすぐに払わないようにしましょう。

「今支払わないと間に合いません!」「儲けが減りますよ!」など相手が焦らせてくることもありますが、巧みな言葉に騙されず冷静な判断をしましょう。また「全額返金」を謳う企業もありますが、契約書の内容まで見たうえで決めることが肝心です。

HPに掲載されている会社は存在していないかもしれない

副業や在宅ワークの勧誘をする会社の対応が、「なんか怪しいな…」と思ったら、その会社が本当に存在しているかを確かめるようにしましょう。たとえインターネット上に会社情報が掲載されていても、その会社が本当に存在しているかはわかりません。

消費者庁の注意喚起によると、詐欺をおこなった会社について「〇〇会社は、いずれも上記各所在地に存在せず、上記各所在地に係る商業登記も存在しません」と、その実態がなかったことを確認しています。

すぐに手に入る情報ばかりを信用するのではなく、自分自身で正しい情報を収集をすることが大切です。

もしも副業詐欺に遭ったら!困ったときの相談窓口と対処法

実は先日、ちょっと気になってるインスタグラム経由で副業のスカウトが来て、LINEでのやり取りを始めたんです。そしたらメッセージがたくさん来て、初期費用を払って本会員になるように促されているんですけど・・・。
う〜ん、怪しいニオイがしますね。このような場合、初期費用は払わずにLINEもブロックまたは削除してしまって良いでしょう。
やっぱり危なかったんですね。でももし詐欺被害に遭ってしまったらどうすれば良いんでしょう?
もしも自分が被害に遭ってしまったかもしれない!という場合は、できるだけ早く対処をしましょう。

期間内であればクーリング・オフを検討

もし副業詐欺に遭ってしまったり、怪しい入会金や登録料を支払ってしまったりした場合、どのように対処したらよいのでしょうか?日本の消費者法においては、一定期間内であれば商品やサービスの返品ができる「クリーング・オフ」という制度を利用することができます。

クーリング・オフとは
訪問販売や電話勧誘など不意の訪問によって、消費者が冷静に判断できないまま商品購入の契約してしまった場合に、契約後一定期間内であれば無条件で一方的に契約を解除できる特定商取引法の制度です。

クーリング・オフできる商法は限られており、副業詐欺やマルチ商法においても契約後20日間であれば契約の解除が認められています。

ただし、詐欺をする側もこのクーリング・オフを避けるために契約後20日間は手厚くフォローをし、相手を安心させるような対応をとってきます。20日経ったあとにパタッと連絡がなくなることもゼロではありません。

消費者ホットラインや国民生活センター、弁護士に相談

もしクーリング・オフの期間が終了してしまったり、対応方法がわからなかったりする場合は、専門の相談機関へ問い合わせるようにしましょう。各機関では、消費者専用のコールセンターを用意し、消費者からの相談窓口を設けています。

各種専門機関のリンク

消費者ホットライン|消費者庁
お昼の消費生活相談窓口_国民生活センター

消費者庁による「消費者被害防止に向けた注意喚起等」においても、常に最新の詐欺手口や被害状況をチェクすることができます。InstagramやTwitterなど自分に流れてくる情報だけで判断するのではなく、自ら正しい情報へアクセスするようにしたいですね。

ひぇ〜〜、ちょっとしたスキマ間にお小遣いが稼げたらと思っていたけど、こんなに危険が…。詐欺にはしっかりと気をつけておかなくちゃいけないのですね。
はい、甘いことばの裏にはワナがあるかもしれません。消費者リテラシーをしっかりと育む必要がありますね。

うまい話には裏があるかも。「自分は大丈夫」という油断は禁物!

インターネットの普及により、家にいながらでも社会につながれる時代になった現代は、うれしい面もあればキケンな面もあります。

「自分の身は自分で守る」ことを念頭に、正しい情報と冷静な判断で、邪悪な詐欺にひっかからないようにしたいですね。副業詐欺の手口はパターンも複雑化し、仕組みも巧妙になっています。

常に最新情報をチェックしながら、詐欺の標的とならないよう消費者リテラシーを育んでいきましょう。副業や在宅ワークに興味がある方は、甘い言葉に誘惑されず、ご自身の見る目をしっかりと磨いておきましょう。