学資保険
学資保険の選び方を徹底解説!加入前に知りたいポイントと注意点

学資保険の選び方を徹底解説!加入前に知りたいポイントと注意点

産まれてきた子供のために加入しておきたい学資保険。調べてみると意外にたくさんの種類があるんですよね。

学資保険といえば貯蓄だけではなく、保障も兼ね備えた商品が人気です。

この記事ではさまざまな学資保険の種類や特徴を比較しながら、加入するベストなタイミングや必要保障額の算出方法もご紹介していきます。

数多くの学資保険の中から、あなたの家族にあったものを見つけましょう。

学資保険の種類や保障内容をチェック

まず学資保険は大きく以下の2つの型に分けられます。

  • 貯蓄型学資保険
  • 保障型学資保険

返戻率が高いものであったり祝金が中途給付されたりするようなものは貯蓄型となります。逆に契約者が亡くなった時の保障、子供のけがや病気への保障があるものは保障型となります。

貯蓄もしたいけど医療保障も欲しい・・・。内容はどのように違うのですか?
保障と貯蓄どっちか選ばないと両方は難しいですね。保障型であれば元本割れする恐れが高いです。

貯蓄型学資保険の特徴

  • 返戻率が高い(100%以上)
  • 育英年金がない
  • 祝金がある
  • 医療・死亡保障がない
  • 保険料の払い込み免除がある

貯蓄型は返戻率の高さが大きな特徴となっています。そして保険料の払い込み免除があるという点も貯蓄型の魅力です。育英年金とは契約者である親が亡くなった時に受け取ることができる年金です。これは貯蓄型にはつけることができないオプションです。

しかし貯蓄型であるため、もちろん医療保障と死亡保障は付いていません。

契約者が亡くなった時にもらえる育英年金は、親の生命保険でもまかなうことができます。

保障型学資保険の特徴

  • 返戻率が低い(元本割れの恐れ)
  • 育英年金がある
  • 医療・死亡保障が付いている

貯蓄に加えて保障もついた保障型学資保険は保険料が高くなる分、元本割れをしてしまいます。ただ元本割れをしているのは保障部分の保険料も支払っているのが理由です。

他の生命保険にすでに加入している人は保障が重複してしまうかもしれないので注意しましょう。

どんな種類の学資保険を選んだらよいか迷ったときの考え方

自分の家族がどんな種類の学資保険に加入するべきなのか教えて欲しいです。
まずは、なぜ学資保険に加入するのかという目的を考えましょう。
学資保険に加入する主な目的
  • とにかく教育資金の貯蓄をしたい
  • 自分(親)が亡くなった時の保障がほしい
  • 子供の保障がほしい

とにかく貯蓄をしたいという人であれば貯蓄型学資保険一択となるでしょう。余計な保障が付いていない返戻率の高い商品を選びましょう。親が亡くなった時の保障がほしい・子供の保障がほしいという人は保障型学資保険に加入することを検討するのも良いでしょう。

ただ保障がほしいという人は公的医療保険制度にも注目してみてください。

高額療養費制度 1ヶ月あたりの医療費自己負担額が「80,100円+(10割相当医療費-26万7,000円)×1%」を超えた場合、超えた分が払い戻される制度。
傷病手当金 けがや病気で働くことができなくなり、連続で3日以上休職したとき4日目以降から標準報酬日額×2/3が支払われる。限度は1年半。
子ども医療費助成 子供の医療費の自己負担分を市が助成する制度。限度額を超えて支払った場合は市区町村役場で申請をすると払い戻されます。

子ども医療費助成については市によって制度の仕組みや子供の年齢制限が異なるので所在地で確認してみましょう。

学資保険に保障をつけなくても公的制度で補えるかもしれません。子供の医療費はあまり負担する必要がないのでわざわざ民間の保険で備える必要はないという考えもあります。

学資金を受け取るときのことを考えてみよう!必要保障額と受け取り方

うちは医療費は考えず、教育費のために保険に加入することにします。でも実際、教育費ってどのくらいかかるものなのでしょうか?
教育費は国立と私立で差があります。文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から大学まで国立の場合はおよそ1,000万円、幼稚園から大学まで私立の場合はおよそ2,600万円かかるということです。

子供が全て国立へ進学してくれるのが理想ですが、そう思い通りにはいかないかもしれません。ちなみに高校卒業までに300万円ほどあれば十分と言われているので300万円を目安にすると良いでしょう。

公立 私立
幼稚園 68.2万円 144.6万円
小学校 193.4万円 916.5万円
中学校 143.3万円 398万円
高校 135.2万円 311万円

学資保険の受け取りには請求が必要

学資保険の保険金を受け取るには支払い請求をしないといけません。一定の年齢で保険金がもらえるように加入時に決めますが、勝手に口座に振り込んでもらえるようなサービスはありません。保険会社から満期(祝金請求)の通知が届いたら「印鑑」「通帳」「身分証」を持って請求しましょう。

保険会社によっては契約者の身分証だけではなく子供の身分証が必要と言われる場合もあるので注意してください。

満期金?祝い金?学資金はどのようにもらうのがお得?

保険金には年ごとにもらえる祝い金と満期保険金がありますが、商品によっては満期のみの保険金の方が返戻率は高まります。

ただ、祝い金があった方が進学の度に資金を確保することもできますし、必要なければ請求せずに持ち越すこともできます。夫婦で相談して家庭の資産状況にあった方法を選ぶと良いでしょう。

満期を受け取るタイミングとして1番理想なのは大学入学前です。

大学の費用が1番高いと言われているのは入学費用や授業料はもちろん、大学進学時の一人暮らしの費用や塾の費用もかかるからです。

受け取れる金額は大きい方が良いですが、その分保険料が高くなってしまうので途中で解約してしまうリスクを考えると、金額が少し低くても毎月無理のない保険料にしておくと良いでしょう。

学資保険の加入時期について

実は学資保険は妊娠中にも加入することができます。そして一般的には6歳まで加入することができますが、9歳まで加入できる保険会社もあります。

ただし出生前に加入すると子供の医療保障をつけることができません。

保障をつけたい人は生まれてからとなりますが、妊娠中から教育資金の準備をすることができれば安心です。もしも子供に万が一のことがあった時は保険料が払い戻されます。

学資保険につけることができる特約(特則)とは

加入するときに特約を選択することができます。学資保険につけることができる特約は以下の通りです。

払込免除特約(特則) 保険料を支払っている親(契約者)が死亡または高度障害になった場合に以降の保険料の払い込みが免除となる特約。
育英年金特約 保険料を支払っている親(契約者)が死亡または高度障害になった場合に一定の期間年金が支払われる特約。
医療保険特約 子供の医療保障であり、けがや病気によって入院・手術をした場合に給付金を受け取ることができる特約。
災害特約 不慮の事故による傷害に対して保険金を受け取ることができる特約。
傷害特約 不慮の事故や伝染病によって子供が死亡または高度障害になった場合に保険金を受け取ることができる特約。

払込免除特約は学資保険には基本的についています。契約者は主な収入源である父親にする家庭がほとんどかと思いますが、契約者を母親にすると保険料が安くなります。

保険料を支払わなくて良いということは積立ができていない分、保険金がもらえないのでしょうか?
もし払込免除を受けても保険金が契約時のとおり支払われるので安心してください。

特約をつけすぎてしまうと保険料が高くなってしまうので必要最低限にしておくことをおすすめします。特約の保険料の部分は掛け捨てとなってしまうので慎重に考えて元本割れしないような学資保険にする方が良いでしょう。

学資保険と他の保険商品を比較する

学資保険とよく比較されるのが生命保険(死亡保険)です。この2つの保険は積み立てタイプという点は同じですが、学資保険は満期があり、生命保険は満期がないものもあります。生命保険(死亡保険)は以下のようなものがありますが、教育資金に備える目的としては終身保険が主に加入者が多いでしょう。

  • 終身保険
  • 養老保険
  • 定期保険

終身保険でお金を受け取るには解約する必要があります。

学資保険より返戻率は低いですが、死亡保障を備えられることもできる点がメリットです。終身保険の場合は「低解約返戻金型終身保険」は通常の終身保険より返戻率が高いのでおすすめです。ただ、払込期間中に解約してしまうと元本割れをしてしまうのが注意点です。

保障のつけすぎに注意!学資保険はシンプルなものがおすすめ

子供の教育資金を貯めるために学資保険や終身保険などさまざまな手段がありますが、シンプルな保障内容の「貯蓄型学資保険」がおすすめです。余計な保障がつくことで保険料も高くなるので途中で解約してしまうおそれがあります。

子供の保障も欲しいとは思いますが、高額療養費制度や子供・乳幼児の医療費助成など子供の公的な制度は充実しているので無理して民間の保険で備える必要はないでしょう。

高校卒業までに300万円ほど貯めることを目標に良い学資保険を探しましょう。