葬式・葬儀

法要とは?法事との違いとマナーのすべて(日程・香典・服装・お布施)

参列者として葬儀に行ったことはあっても、法要で施主の立場を経験した人はなかなかいないのではないでしょうか?

「法要」と似た言葉に「法事」というものがあります。法要は「死者の冥福を祈るための行事」であり、法事は「この法要と会食(お斎)を含む行事」です。

法要はお葬式後のひと区切りとなる儀式。この記事では法要ではどんなことをすべきなのか、準備すべきものや手順などを詳しく説明していきます。

当日慌てることなく故人をしっかりと見送るために、ぜひ記事の内容を参考にしてみてくださいね。

代表的な法要の種類と行う内容・流れを解説

仏教の風習では亡くなってから四十九日の間を「中陰」と呼び、中陰の間にはあの世で故人が極楽浄土へいけるかどうかの判定がされています。

四十九日目のことを「忌明け」と呼びます。

法要は「忌日法要」と「年忌法要」に分かれていて、その中でも内容が日数ごとに分かれています。

忌日法要
初七日(しょなぬか)
ニ七日(ふたなぬか)
三七日(みなぬか)
四七日(よなぬか)
五七日(いつなぬか)
六七日(むなぬか)
七七日(なななぬか)四十九日(しじゅうくにち)
百箇日(ひゃっかにち)
年忌法要
一周忌(いっしゅうき)
三回忌(さんかいき)
七回忌(ななかいき)
十三回忌(じゅうさんかいき)
十七回忌(じゅうななかいき)
二十三回忌(にじゅうさんかいき)
二十七回忌(にじゅうななかいき)
三十三回忌(さんじゅうさんかいき)
こんなにあるんですね!ちなみにこれらはどこでやるのですか?
自宅かお寺で行われることがほとんどですね。

法事・法要の流れと所要時間は?四十九日法要を例に紹介

では法要はどんな流れで行われるのか、どのくらい時間がかかるのかを代表的な四十九日法要の流れを見ていきましょう。

  1. 僧侶の入場
  2. 施主による挨拶
  3. 読経・焼香
  4. 僧侶による法話
  5. 施主による挨拶
  6. 会食
  7. 引き物を渡す
  8. 施主による挨拶

所要時間は、会食(1〜2時間)・移動時間(20〜30分)を含めると3時間から4時間程度です。長い時間が必要なので、午前中から行う場合が多く、9時〜11時頃に始まるのが一般的となっています。

施主の挨拶は基本的に3回。法要の始まりと終わり、会食の終わりに行います。

代表的な法要の種類とその内容

では、代表的な法要の内容を詳しく説明していきます。

  

初七日(しょなのか)法要 7日目 遺族や親族、友人や知人も列席して僧侶の読経の後、全員焼香とお斎を行う。
最近では「繰上初七日」「式中初七日」という形で葬儀のあとに行われることが多い。
四十九日(しじゅうくにち)法要(忌明け法要) 49日目 遺族や親族・友人や知人も列席して僧侶の読経の後、全員焼香とお斎を行う。
亡くなってから来世へ転生する期間の最後の法要となる。
本位牌を仏壇におき、白木の位牌を菩提寺に納める作業を行う。
この日に納骨することが多い。
一周忌 満1年目 遺族や親族をはじめ知人も列席する。亡くなってからからちょうど1年後の祥月命日に行う法要であり、僧侶の読経の後、全員焼香とお斎を行う。
三回忌 満2年目 遺族や親族・知人も列席して読経・お斎を行う。亡くなられてからちょうど2年後の祥月命日に行う法要であり、家族や親族の供養によって救済受けることができると言われている。
七回忌 満6年目 七回忌からは規模が縮小され、遺族や親族で行われる。
供養を重ねることで故人の善が増し、罪が軽減されると言われている。
十三回忌 満12年目 遺族のみで行われる法要。残された者が法要を勤めることにより、この世から故人のもとへ善を送ることができる追善供養を行う。

二七日法要以降は、基本的に遺族のみで行われます。

キリスト教では法要・法事というものがなく、「追悼ミサ」や「記念集会」というものがあります。

ミサの後は茶話会が行われ、故人を偲びます。

法事時の食事であるお斎(おとき)というものは料理内容や席順が決まっているので準備する必要があります。また、遺族は献杯の挨拶もあります。精進落としなどの他の会食との違いに注意しながら用意しましょう。

いつ法要を行えば良いのかわからない場合は、法要を行う日を調べるツールを活用してみると良いでしょう。

法要にはどんな費用がかかる?項目ごとに解説

法要に必要な費用は次の表の通り、複数の項目があります。

生花代 2万円〜3万円
仏具(自宅の場合) 1万円〜3万円
お布施 5万円〜10万円
彫刻料 3万円〜5万円
納骨式用の道具 5,000円
お墓代 200万円
開眼法要のお布施 3万円

お墓を作らない場合はお墓代や開眼法要のお布施はかかりません。

お墓を購入した場合は、お墓として使用している土地にお金を払わなければいけないので「永代使用料」を支払わなければいけません。

葬儀後も結構お金がかかるんですね。自分が亡くなったときのことを考えて家族のためにお金を準備しておかないと・・・。
保険や預金でまとまったお金を貯めておいた方が安心ですね。お金が足りない場合は、納骨の形式やお布施などで金額を抑えることができるかもしれません。

法要をおこなうときの喪主がする必要のある準備

葬儀が終了して一安心したのもつかの間、すぐに法要の準備を行わなければなりません。滞りなく法要を行うために、喪主は何を準備しなければいけないのか、期間ごとに確認していきましょう。

二ヶ月前くらいに準備すること

  • 法事の場所と日程を決める
  • お寺へ連絡して日程を伝える
  • 会食の出席数を確認する
  • 引き物を選ぶ
  • 献杯の挨拶をする人を決める
  • 案内状の作成

まずはどこで法事を行うのかを決めなければいけません。日程が決まったらお寺へ連絡をして法要をする旨と日程を伝えます。早めに連絡をした方がお寺の都合が良いでしょう。

さらに一般的に法要ではお斎を行うので、招待する客を考えて用意する食事の数を想定しなければなりません。会食のときには献杯の挨拶を行うので挨拶をしてもらう人を決めましょう。決めたらどのような流れで行うのか打ち合わせをしておくとスムーズに進むでしょう。

案内状は近親者のみで行うのであれば、電話での案内でも構いません。

一ヶ月くらい前に準備すること

  • 案内状の送付
  • 出欠の確認をする
  • 料理や引き物の数を連絡する
  • 塔婆の本数を確認してお寺へ連絡
  • お寺から会食場所へ移動手段と最終人数の確認

一ヶ月前に案内状を送付することで招待客は都合がつきやすくなります。送った案内状の出欠の返事が届いたら出席人数分の料理や引き物、席順などを関係者に連絡しなければいけません。

法要・お斎の前日

前日はお布施やお供え物、お花・遺影写真・お数珠など、持っていくものをチェックしましょう。忘れ物をしないように注意してくださいね。

法要・お斎の当日

予定時間より早めに会場へ向かって招待客の到着を待ちます。

持ってきたものを準備しておきましょう。

期間ごとにしっかり準備すれば滞りなく法要を行えそうです。
招待したい人たちにも予定があるので、早めに準備しておきましょう。

法事・法要に参列するときのマナーとは?服装や香典の相場をチェック

法要の時にも服装に注意しなければいけません。男性も女性も喪服を着用して肌の露出は避けます。

香典の相場は以下のとおりです。参列者と故人の関係によって金額は異なります。

友人・知人 5,000円〜10,000円
親族 10,000円〜30,000円

なお施主は参列者に対し引き出物を贈りますが、一世帯に2,000円〜3,000円のものを1つ送ることが多く、掛け紙や表書きは下表が一般的なものとなります。

掛け紙・水引き 黒白・結び切り・のしなし
表書き 志、粗供養
もし法要の案内状を受け取ったら特別な理由がない限り出席をしましょう。一緒に故人を供養してほしいという願いが込められているので、なるべく出席をして遺族を励ましてあげられると良いですね。

法要の準備は早めにしておきましょう

法要をスムーズに進めるために、事前準備をしっかりとしておくことが大事です。だいたい二か月前から始めておくと良いでしょう。喪主一人ではなく遺族みんなで協力して準備をしてください。

法要は故人が極楽浄土へ行くための大切な行事となります。

引き物や案内状など考えなければいけないこともいくつかありますが、最近では「繰上初七日」や「式中初七日」と呼ばれる葬儀後の当日にすぐ行う方法もあります。

法要について学びんでおき、故人のために読経と焼香を上げてもらってあの世で善の道に旅立てるようにしましょう。