
一日葬の流れからわかる所要時間と費用!デメリットにも注意しよう
一日葬という形式の葬儀を知っていますか?今回は通常の葬儀とはどのような違いがあるのか詳しく説明していきます。忙しくてあまり時間の取れない人でもスケジュールの組みやすい一日葬を選ぶ人は増えてきています。
一日葬は名前のとおり1日で済ますことができるため手軽ですが、従来の葬儀では考えられない形式なので簡素すぎると反対する人もいます。
メリットとデメリットをチェックして家族たちと相談しながら納得のいくお葬式を行いましょう。
一日葬とはどんなお葬式?一般葬と比較
一日葬とは従来の葬儀とはかけ離れた「お通夜」を行わずに告別式と火葬のみを行う形式です。短い葬儀といえば「直葬」もあります。ただ直葬の場合は火葬しか行わないので故人とのお別れの時間をとることができません。
短い時間でしっかりとお別れの時間が取れる一日葬は今後さらに需要が増えていくでしょう。続いて通常の葬儀とはどんな違いがあるのか表で確認してみてください。
通常の葬儀 | 一日葬 | |
---|---|---|
参列者 | 親族から仕事関係の人など | 近親者や親しい友人・知人のみ |
香典 | 基本受け取るので香典返しが必要 | 辞退するケースが多いので香典返し不要 |
必要な式場の収容人数 | 50~120名 | 1〜30名 |
通夜式・告別式 | 告別式のみ | 通夜を行なった翌日に告別式を行う |
通常はお通夜をした翌日に告別式を行なうので2日かけて葬儀をします。それに対して一日葬は告別式のあとにすぐ火葬を行うのが大きな特徴です。
声をかける人は家族葬と似ていて、家族・親族・親しい知人や友人の範囲で参列してもらいます。
遺体安置まで | 寝台車、ドライアイス、枕飾り一式、安置料 |
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納棺 | 棺、仏衣一式、棺用布団、枕飾り一式、納棺料 |
告別式から式中初七日 | 寝台車、葬儀場利用料、受付セット、司会スタッフ、運営スタッフ、生花祭壇、遺影写真、焼香用具、仏具一式・白木位牌、りん等一式 |
火葬 | 寝台車、火葬料金、骨壺・骨箱、自宅飾り一式、会葬礼状 |
一日葬は上表のようなものに料金を払わなければいけません。全体的にかかる葬儀費用は27万円〜30万円ほどになるでしょう。葬儀ごとの全国平均は以下の表の通りですが、地域や遺族の希望によって金額は変動します。
日数が短いからといって単純に金額も1日分になるわけではないので注意してください。
株式会社鎌倉新書「第3回お葬式に関する全国調査」によると、一日葬の葬儀費用の目安は次のとおりです。
形式 | 全国平均 |
---|---|
一般葬 | 1,459,091円 |
家族葬 | 911,544円 |
一日葬 | 639,773円 |
一日葬のお布施の相場は10万円から50万円
葬儀費用は先ほど説明したような項目以外に「お布施」がかかってきます。一日葬のお布施の相場はどのくらいなのかというと基本的に一般葬と相場は変わりません。お布施はお坊さんへの感謝の気持ちで渡すお金であることが理由です。人によって差があるので10万円から50万円ほどかかると思っておきましょう。
お布施と共に渡すお車代は一般葬が2日分渡すのに対し、一日葬では1日分で済みます。
お布施を包むときには奉書紙、不祝儀袋で表面に「お布施」と黒い墨で記入します。薄墨を使わないように注意してください。渡すときにはお坊さんへ感謝の気持ちを伝えて渡しましょう。
一日葬の流れと準備するべきこと
1.遺体安置・打ち合わせ
亡くなってから24時間は火葬ができないと法律で決められているので、葬儀会社や民間の安置所・自宅にご遺体を安置します。
この時に葬儀会社と葬儀のことについて打ち合わせをします。打ち合わせの時には葬儀会社に一日葬をする旨や宗教や喪主といった概要を伝えます。葬儀の日程が決まったら参列してもらいたい人に声をかけましょう。
死亡診断書を病院から受け取ったら葬儀会社にご遺体を搬送してもらいます。
2.納棺・告別式
1日で火葬まで行うので早くに支度をしなければいけません。故人が好きだったものは副葬品となるので持っていきましょう。
- 腕時計・金属類のアクセサリー・メガネ
- 紙幣
- 生きている人が写っている写真
金属類は燃やしても残ってしまい、遺骨を傷つけてしまうことから禁止されています。ただし骨壷に遺骨と一緒にいれることは可能です。紙幣は法律で燃やすことが禁止されているので注意しましょう。
生きている人が写っている写真を入れてはいけない理由は、生きている人もあの世に連れていかれるといわれているからです。
知らなければ誤って他人が写っている写真を入れてしまいそうなものなので注意が必要です。
告別式の前日に行う通夜式は省略して、告別式がお昼前後から開始されます。
3.火葬
告別式が終わったらそのまま火葬をします。火葬場が別の場所にある場合は寝台車を先頭にして遺族の自家用車またはマイクロバスで火葬場へと向かいます。
火葬場ではスタッフに火葬許可証を渡しましょう。火葬許可証とは役所でもらえるものです。
火葬には1時間ほど必要なので控室で待機します。火葬が終了したら故人の骨を足から順番に骨壷に入れていきます。最後に喉仏の骨を入れて完了です。
一日葬は葬儀を1日で終わらせるために早い時間から開始しますが、準備の時間を含めると2日かかることになります。また、夕方から始まる場合は翌日に火葬することになります。一日葬なのに2日かかるのかと疑問に思う人がいるかもしれません。しかし朝からでも夕方からでも所要時間は同じです。
一日葬の所要時間は告別式から火葬までで3時間〜4時間ほどになります。
一日葬のメリットとデメリットをおさらい
実際に一日葬にはどんなメリットとデメリットがあるのかを詳しく説明していきます。
メリット
メリットには以下のようなものがあります。
- 葬儀費用を抑えられる
- 短い時間で葬儀をおこなう
葬儀費用はプランによってはかなり抑えることができます。そして香典を辞退することによって返礼品代を抑えることができたり、飲食代も抑えたりすることができます。
お通夜がなく、短い時間で行って日帰りで帰ることができる場合は遠方から来た人の宿泊費を抑えることもできるのです。宿泊の手配をしなくて済むので負担を軽減することができます。
デメリット
デメリットを知って本当にこの葬儀形式を選んでいいのか考えてみましょう。
- 親族や宗教者の理解が必要
- 弔問しにくい
一日葬はお通夜をおこなわない簡素化した葬儀のため、宗教を重んじる人には理解を得られないかもしれません。
菩提寺の場合は埋葬の時にトラブルがおきたりするケースもあるのであらかじめ確認しておきましょう。また、親族に故人を軽んじていると非難されることもあるので相談しておくことでトラブルを回避できるでしょう。
また一般の参列者はお通夜で参列することがほとんどなので、弔問しにくいというデメリットも。仕事をしている人であれば早い時間に行う告別式は参列しにくいという点に注意してくださいね。
一日葬は周囲の人と相談が必要
勝手に選んでしまうことは菩提寺だと特にトラブルに発展しかねません。
理解を得ることができれば一日葬は忙しい人や遠方に親戚がいる人にとっては向いている形式かと思います。必要な日数が少ないので参列しやすいでしょう。
一日葬は葬儀費用の負担を軽くしたい人にとっては一日葬はメリットのある葬儀形式です。家族に相談をしながら納得のいく形式を選びましょう。