
遺品整理の仕方とは?依頼する場合の料金の相場とメリット
家族が亡くなった後に行う遺品整理。一般的には四十九日の法要が終わった後に行うことになってはいるものの、個々の都合によって都合の良い時期に始めてもかまいません。
もし遺品整理を自分たちで行うことが難しい場合には、専門の遺品整理業者にお願いすることも可能です。
遺品整理業者に依頼すれば費用はかかりますが、時間や労力を節約することができるため、遠方に住んでいる場合など、利用する人が増えつつあります。
ただし骨董品や美術品、貴金属など専門の買取業者にお願いすると、より高値で買取をしてもらえるケースもあるなど、遺品整理にはいくつか注意点があります。
遺品整理の流れや手順、依頼方法について詳しく知っておくといざというときも安心ですよ。
遺品整理は片付けだけでなく、遺族の心の整理も兼ねている
遺品整理と聞くと、遺品をただ片付けるだけのことと思ってしまうもの。ですが本来の遺品整理とは、部屋を原状回復させるところまで行うことを意味します。
手紙や写真といった思いが強く残っているようなものは供養を行ったり、形見分けを行ったりして、悔いが残らないよう適切に処分しましょう。
ちなみに一般的に遺品整理を始める時期は、四十九日法要が過ぎてから。
もちろん遺族が気持ちの整理をしたくなったタイミングで行ってもかまいません。
ただし亡くなられた方が賃貸の物件に住んでいた場合は、家賃が発生してしまいます。公営住宅の場合は死後49日までに部屋を明け渡さなければならないと決まっている場合も。
これらの場合には、早めに遺品整理を行う必要があるでしょう。
遺品整理を自分で行うときのやり方と手順
遺品整理の手順1.遺品整理のスケジュールやプランを立てる
遺品整理をする際に大切なのがスケジュールを立ててから始めること。
というのも、プランを立てずに整理を始めると遺品整理が長引く可能性があるため。終了予定日を設定し、予定日に間に合うように「〇日にはこの部屋を片付ける」といったように詳細な計画を立ててから遺品整理を始めるといいでしょう。
その際、あまりにもタイトなスケジュールにしてしまうと、結局「中途半端な遺品整理となってしまった」ということになる可能性もあります。多少余裕を持たせたスケジュールにするといいでしょう。
遺品整理の手順2.必要なものを用意する
スケジュールを立てたら、遺品整理をするために必要な道具を揃えます。
必要なものは以下の6つ。
- 段ボール
- ゴミ袋
- ガムテープ
- ハサミやカッター
- マジック
- 軍手
ゴミ袋は、自治体指定のものがある場合には指定のゴミ袋を用意しておきましょう。
遺品整理の手順3.遺品を処分方法によって分ける
遺品整理を始めたら、まずは遺品を処分方法ごとに分けましょう。
遺品は以下の5つの種類に分け、それぞれを段ボールに入れていきましょう。
- 貴重品(通帳、印鑑、契約書など)
- 形見分けするもの(貴重品、着物など)
- 供養するもの(人形、愛用品、お守り、宗教道具、写真など)
- 買取してもらうもの(家電製品、カメラ、時計、貴金属など)
- 処分するもの(燃えるゴミ、燃えないゴミ)
ポイントは、形見分けや買取するものを増やし処分する遺品を少なくすること。
あまりにも処分する遺品の量が多い場合には業者にお願いすると、お金はかかるものの遺品整理の手間を省くことができます。
遺品整理の手順4.分けた遺品を処分する
遺品を分類できれば、あとは分類ごとに処分していきます。
遺品を供養する場合の処分方法は3つ。
- 現場供養
- 合同供養
- 遺品整理業者
現場供養とは、自宅に来て読経してもらうもの。合同供養は、寺院や神社に供養してもらうものを持っていき他の方のものと合同で供養してもらう方法です。また、自分で行うことが難しい場合には、遺品整理業者に供養してもらってもいいでしょう。
燃えるゴミや燃えないゴミなどは、自治体の分別方法に従い処分します。買取してもらう遺品は、買取専門業者に買取してもらいましょう。
遺品は買取可能!高く買い取ってもらえるものをチェック
遺品を買取してもらえるのは、遺品整理業者と買取専門業者の2つ。遺品整理業者の場合は、お願いすれば遺品整理自体すべてしてくれるため、手間を大幅に節約することができます。
ただし、貴金属や古美術品など専門業者が見なければ実際の価値がわかりにくいようなものを遺品整理業者に買取してもらうと、実際の価値よりもかなり安い値段で買取されてしまう場合も。
貴金属や古美術品、骨董品などは、買取専門業者に買取をしてもらいましょう。
遺品で高値となりやすいのは貴金属や時計、カメラなど
遺品で高値が付きやすいのは、貴金属や時計、カメラ、家電、家具など。これらの遺品を形見分けしない場合は、専門買取業者に買取を依頼するのがおすすめ。
もし時間がなく遺品整理業者に買取をする場合は、「遺品査定士」という資格を持った人がいる遺品整理業者に買取を依頼しましょう。
遺品の査定や買取を専門に行う資格のこと。遺品の査定に詳しいうえ、自分の専門外の査定に関しては別の専門家に査定をお願いし適切な査定を行います。
遺品整理を業者にお願いするメリットと料金の相場
遺品整理業者に依頼するメリットは手間や時間が省けること
遺品整理を業者にお願いするメリットは、時間や労力を節約し手間を省くことができること。
親と一緒に暮らしていたり、近くに住んでいたりする場合には、遺品整理を自分で行うことも可能です。ですが、遠方に住んでいる、多忙であるといった場合には、遺品整理をゆっくりと行いたくても時間はなかなかとれません。
さらに遺品の量によっては引っ越しと同等の負担がかかることも。高齢者が無理して遺品整理を行うと、怪我をしてしまう場合もあります。
遺品整理を業者にお願いしたときの料金の相場は部屋の広さで決まる
遺品整理の料金は、主に部屋の広さによって決まります。遺品整理を料金相場は以下のとおり。
1R・1K | 30,000~70,000円 |
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1DK | 50,000~130,000円 |
1LDK | 60,000~200,000円 |
2DK | 100,000~250,000円 |
同じ部屋の大きさでも料金が違うのは、部屋の中にある家財の量によって料金が異なるため。家財が少なければ少ないほど、料金は安くなります。
遺品整理業者を選ぶポイントを紹介!資格の有無も要チェック
亡くなった人の遺品、処分するものもあるとは言え、できるだけ丁重に扱ってほしいですよね。
ここでは良い遺品整理業者を選ぶための4つのポイントを紹介しましょう。
- 遺品整理士資格取得者がいる
- 訪問見積もりが可能
- 見積書に詳細に書かれている
- 不要品をきちんと処分してくれる
これらのポイントを知っておき、後悔のない遺品整理としましょう。
遺品整理士とは一般社団法人遺品整理士認定協会の民間資格。遺品に関する法律の知識も持ち、正しい遺品の整理方法を学んだ人材がいることがわかります。
さらに訪問見積もりをしてくれるかどうか、見積書に詳しく書かれているかどうかなど、丁寧な対応をしてくれるかどうかも、業者を見極めるポイントとなるでしょう。
また、「一般廃棄物収集運搬業許可」の資格を持っているかどうかも、重要な見極めポイントです。
不用品を回収し運搬するために必要な資格のこと。この資格がなければ廃棄物の収集や運搬を行うことができません。
一般廃棄物収集運搬業許可の資格は取得することが難しく、持っていない遺品整理業者の中でも持っていない業者も多くいます。
遺品整理を行いつつ悲しみの気持ちも少しずつ整理していこう
とはいっても、処分しなければならないものは処分する必要があります。買取や供養、形見分けなど、物をどのように処分するのか考えながら整理しましょう。
業者にお願いする場合は、トラブルがないようきちんとした業者を選ぶ必要があります。資格の有無や見積書の内容をきちんと確認し、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。