医療保険
医療保険の必要性を解説!年代や家族構成で不要かどうかを考えよう

医療保険の必要性を解説!年代や家族構成で不要かどうかを考えよう

医療保険への加入を考えている人のなかには、「医療保険は不要」というネットなどの書き込みなどを見かけた人もいるのではないでしょうか。

そういった記事を見ると、本当に医療保険が必要かどうか不安になりますよね。そこで、今回の記事では、医療保険について徹底的に調査し、深掘りしました。医療保険への加入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも医療保険の必要性って何?

医療保険というのは、病気やけがになってしまったときのリスクに備えるための保険です。

多額な治療費のリスクを抑えることで、安心して病気やけがへの治療を受けることが可能になります。治療費は、単なる病気やけがの際にかかる医療費のことだけではありません。

日々の食事代や光熱費、または雑費なども含まれています。こういった生活費全体も考えて、医療保険への加入を考えている人が多いのではないでしょうか。

また、けがや病気になると、当然ながら仕事に行くことができません。そのときの無収入状態をできるだけ避けるためにも、医療保険に加入することで、可能な限りリスクを小さくすることができます。

保険は「将来のリスクに対して少ないコストでカバーする」という考え方が基本にあります。医療保険は病気やけがでの長期入院などに対応しています。

医療費を払い過ぎたときも安心?「高額療養費制度」とは

皆さんのなかにも「高額療養費制度」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。これは、月に支払うことになった医療費が8万円を超えたときに、その超過分が支給される制度です。

具体的に、どういった計算方法かというと、月収53万円以下で70歳未満の人の場合は次の通りになります。

80,100円+(医療費-267,000円)×1%=○○(実際に支払う医療費)

この式からも分かるように、医療費はどんなに高額なったとしても「実質的には8万円から9万円」の間に収まる可能性が高いです。そのため、医療保険は「医療費に備える」という意味合いよりも、「治療全体にかかる費用に備える」という意味合いが強いです。

また、どんなに月々の医療費の支払いが高くなっても「高額療養費制度があるから大丈夫」と考えてしまう人もいると思いますが、日々の生活費なども含めると月々の支払いの負担は大きくなっていきます。

高額療養費制度をもっと詳しく知りたいという人はこちらの記事もチェックしてくださいね。

入院費の月々8万円の支払いって負担大きすぎない?それに加えて入院しているときの生活費なども考えないといけないわけじゃん!
そうですね。仕事をしていない状態での月々8万円の支払いなので負担は大きいといえます。そういった場合に備えるために医療保険を検討してみてもいいかもしれません。

入院費が心配!1日にかかる費用はどのくらいかかる?

大きな病気にかかってしまうと、一番心配になるのが入院費ではないでしょうか。

入院費のなかでも、食事代や入院にかかるさまざまな消耗品費、さらには差額ベッド代などは、高額療養費制度に入りません。意外と出費がかかる部分ですが、すべて自己負担になります。

そんな入院費ですが、公益財団法人の「生命保険文化センター」が行った調査(平成28年度「生活保障に関する調査」)によると、高額療養費制度を除外した自己負担の金額が1日約23,901円(男性平均)となっています。

この数字は、仕事をしていたら得ていたはずの収入も合計された金額です。

数字を見ると、やはり1日2万円は大きな数字です。短期間の入院ならまだ対応できますが、大きな病気にかかってしまって治療が長期間に及ぶと家計にも大きな負担になります。

1日2万円という金額には驚きました。貯蓄だけで入院費をカバーするのは難しそうです。
入院費用を考えるときは、実際にかかる金額だけではなく、得ていたはずの金額も考慮することが大切なんですね!

傷病手当金は医療保険の代わりになるって本当?

傷病手当金とは、健康保険に入っている人が病気やけがになったときに支給される制度のことをいいます。そして、支給される金額は給料の3分の2程度になっていて、期間は最長で1年6カ月になっています。

このように、病気などにかかってしまったときの最低限の収入の保障として傷病手当金が支給されることから、医療保険の代わりになると考えることもできます。しかし、あくまでも傷病手当金は最低限の生活を保障するものです。

お金をもらえる期間は1年6カ月なんですね。がんとかにかかってしまうと、長いようで短い気がします。それに、今の旦那の給料の2/3だと正直、生活していけるかどうか・・・。
傷病手当金の性格としては、1人が最低限の暮らしをしていくことを目的に支給しているので、家族全員の生活費までは対応しきれないかもしれませんね。

ただし日本には傷病手当金以外の公的制度もあります。万が一、病気やケガで働けなくなった場合に備えてどのような制度があるか確認しておきましょう。

医療保険の「支払われるとき・支払われないとき」のルール

それでは実際に、医療保険の支払いを受けるルールを確認します。

しっかりと確認しておかないと、病気にかかって入院してしまったときに支払われずに困ってしまう可能性もあります。そうならないためにも、医療保険に加入するときには「支払い条件」を確認する必要があります。

今回は、医療保険での代表的な「支払われないときの例」をご紹介します。支払われるときは、それぞれの医療保険によって違うので、個別での確認になります。

責任開始日より前に病気を診断確定された場合

責任開始日とは、保険会社が契約者からの申し込みを受け入れた日のことをいいます。そのため、医療保険の契約をした日から保険会社に契約が受け入れられる前までの間に病気が診断確定された場合は、保険金を受け取ることができません。

告知義務違反となった場合

これは医療保険を申し込む際に、持病などを正確に記載していない場合のことをいいます。例えば、高血圧の持病がある人が告知せず、高血圧が原因で病気になった場合は保険金は支払われません。

契約書に記載をした日から保険金を受け取れるんじゃないの?
申し込んだ日から少し期間を開けて、保険会社で手続き処理をしてから本当の意味での契約になります。また、保険を申し込むときにウソの内容の報告もしてはいけませんよ。

医療保険の特約で効果的な種類と選び方は

医療保険を契約するときに、一緒に付けるかどうかを考えるのが「特約」です。特約は、医療保険では対象となっていない部分を補完する役割があります。自分にとって必要な保障を選択選択することができます。

特約を付けるときに気を付けたいのが「本当に必要かどうか」ということです。とにかく多くの特約を付けることもできますが、そうなると支払保険料が割高になってしまいます。自分にとって必要な特約をじっくりと選択することが必要になります。

医療保険と特約を組み合わせると、さまざまな種類のリスクに対応することが可能になります。

例えば、家系的にがんの発症率が高いのでがんの特約を付けたい、または長期の入院のときに安心して治療に専念したいときなどに特約を付けることが考えられます。医療保険に自分が気になる部分を補完する形で特約を付けることになるので、自由に選択をすることができます。

特約にはさまざまな種類が用意されているので、自分に必要なものを選びましょう。ただ、特約を付けすぎると保険料が高くなるので注意が必要です。

医療保険、三大疾病保険、がん保険の違いは

それでは、ここでは混同しやすい医療保険と三大疾病保険、がん保険の違いについてご説明します。

医療保険

この記事のテーマである医療保険。すでにお伝えしてきましたが、大きくいうと、基本的には病気やけがになったときの入院費に対応するものです。医療保険という名前の通り、医療に対応する保険になっています。

三大疾病保険

これはがん、脳卒中、心筋梗塞の3つの病気に対応している保険のことをいいます。この3つは日本のなかで死因となる大きな疾病です。

三大疾病保険は、この3つに特化した保険になります。保険金の受け取りは、一時金で受け取れるものや、一定期間病気が発症しなかった場合は返戻金として保険金を受け取ることができるものまであります。

がん保険

その名前の通りがんに特化した保険です。がんが原因で入院をしたときなどに一時金として保険金を受け取ることができます。

がん保険の場合、三大疾病保険と比較すると、保険料も安くなっていて、入院給付金や通院給付金、さらには抗がん剤治療の際の給付金などにも対応しています。がんに特化している分だけ、手厚くなっている場合が多いです。

へ~、どれも同じような保険だと思ってたわ。
医療保険は広い範囲をカバーしていて、その次が三大疾病保険、そして、特定の病気に特化している保険ががん保険になります。

医療保険への加入と貯蓄はどちらのほうが効率的?

医療保険の性質として、将来のリスクに備えるという役割があります。

これは、普段からしている貯蓄と同じ考え方です。貯蓄の場合も、不透明な将来に対して行う備えであることに変わりはありません。

そのため、医療保険への加入を考えている人のなかには、貯蓄と比べてどちらのほうが効率的なのか?と気になっている人もいるかと思います。ただ、これは一概にどちらのほうが良いというのは決められません。

なぜなら、人それぞれ状況が違うためです。もし、小さい子供がいる家庭で世帯主が病気で倒れた場合は、医療保険がないと家計が厳しくなります。

その反面、がんなどの治療に長期間かかる病気にかかることがなかった場合、医療保険の保険料はムダになってしまいます。病気にならなかった場合は、保険料として支払うのではなく、貯蓄へ回したほうが効果的です。

私の場合は貯蓄で長期の入院費用が支払うことができないと思うので、医療保険のほうがいいかもしれません。
各家庭によって経済状況や家族構成なども違います。貯蓄で長期の入院費までカバーできる人はごく一部の人なので、大きなリスクに備えるためには医療保険を検討してみてもいいと思いますよ。

医療保険への加入が必要な人と不要な人の違いは

医療保険への加入を検討するときに、医療保険への加入が必要な人と不要な人とでは違いがあるのでしょうか。その違いについてご説明します。

まず、医療保険への加入が必要な人は、小さな子供がいる世帯主です。これから小学校や中学校に進学するときに、世帯主にもしものことがあっては、医療保険に入っていないと対応が難しくなります。さらに、普段からあまり貯蓄をしないという人も医療保険への加入が必要かもしれません。

医療保険が不要と考える人は、仕事を長期間休んでも十分な貯蓄があり、金銭的な不安がないという人は医療保険は不要と感じるかもしれません。医療保険に入らずに貯蓄か投資に資金を回したほうが良いということになります。

特に小さな子供がいる場合には、世帯主に万が一のことがあると大変大きなリスクになるので、医療保険への加入を積極的に検討してみてもいいかもしれませんね。

入るべき?50代や60代からの医療保険

50代や60代では、すでに子供も自立して、家のローンも完済まで目安もつき始めてくる年代です。そして、保険などを大幅に見直す時期でもあります。そのときに、「医療保険は必要なのか?」という疑問があります。

40代までは働き世代なので、一家の世帯主が大きな病気などになってしまうリスクに備えて医療保険が必要なことはすでにお伝えしました。それでは、50代、60代では医療保険は不要になるのでしょうか。

50代や60代からの医療保険の加入する意味合いとしては、「より現実的な病気・けがのリスクに備える」ということになります。当然ではありますが、30代や40代よりも50代以上というのは病気にかかるリスクは上昇します。

誰しも死亡することは間違いないので、病気のリスクには備えておきたいところです。50代以上の医療保険は、このように実際の病気のリスクに対応するために加入することになります。

50代になったら病気のリスクが高くなって、ますます医療保険が必要になってくるわけですね。
50代、60代のうちから医療保険に入っておくことで、老後の不安を少しでも取り除いておきたいですね。いつまでも元気に過ごせたらいいのですが、人間なので病気のリスクは誰にでもありえます。

医療保険の必要性は年代によっても違う!自分に合わせた見直しを

今回の記事では、医療保険の基礎知識から必要性まで幅広くお伝えしました。それぞれの年代によって、医療保険に対する考え方も変わってきます。自分に合った医療保険を選択することで、将来のリスクにも備えることが可能になっています。

家族構成や貯蓄状況など、総合的に判断して自分に合った医療保険を選ぶようにしてみてください。