葬式・葬儀
遺体安置はどこにする?葬儀までの期間・費用と選ぶときのポイント

遺体安置はどこにする?葬儀までの期間・費用と選ぶときのポイント

大事な親族が亡くなって気が動転するかもしれませんが、すぐに決めなければいけないことがたくさんあります。まずはご遺体の安置方法について決めましょう。安置にはどのくらいの費用がかかるのか・安置に注意点があるのか詳しく説明していきます。

人の死は誰にでも訪れるものであり、家族がもし死んだらどうするのか考えなければいけない日は必ずにやってきます。最近では終活をする人も増えてきているので、生きているうちにこういったことを決めるのも良いかもしれません。

遺体安置とは?必要な手続きの流れと期間

遺体安置ってドラマなどで家族が対面する場面として見たことがあるけど実際どういう仕組みで場所が決められているのかわからないなー・・・。
実はご遺体は亡くなってから24時間火葬してはいけないという法律があるのです。遺体安置の場所は複数の中から選択することができます。

「息を引き取ってから納棺するまでの間」に遺族が決めた場所に置くことを遺体安置と呼びます。

最初は病院や警察の霊安室に遺体が運ばれますが、長く置いておくことができないのですぐに場所を決める必要があります。

安置する場所は宗教によって決まっている場合があるので宗教に入っている人は確認しておかなければいけません。

遺体安置の期間はどれくらいか

亡くなってから24時間経過していなければ火葬できないので経過していれば遺体安置の場所からすぐに移すことは可能ですが、日本は火葬することが法律で義務付けられているので火葬場の予約を取らなければ移動させることはできません。

遺体安置してからしなければいけないことはありますか?
ご遺体の安置場所が決まったら葬儀会社に連絡をしなければいけません。お休みの日だったり混雑しているとご遺体をしばらく安置しておかなければいけません。
安置から火葬までにはどれくらいの猶予があるんでしょう?
ご遺体はそのまま保存していると腐敗が進んでしまうので、ドライアイスなどで処置をしなければいけません。適切な処置をしても亡くなってから火葬まで1週間程度と済ませましょう。

場合によっては亡くなってから火葬まで2週間ほどかかることもあります。

長期火葬できない場合は保存期間が延びるように、遺体に「エンバーミング」という方法で処理を行います。

エンバーミングとは?

エンバーミングは日本語では遺体衛生保全と呼ばれることも。エンバーミングを行えば、消毒や血液・体液を除去するなどのを保存処理をして20日ほど伸ばすことができ、遺体から感染症が蔓延してしまうことも防止できます。

エンバーミングには以下が含まれ、10万円〜25万円ほどの費用がかかります。

  • 自宅施設間の搬送
  • けが・損傷の修復
  • 着付け・化粧
  • 納棺
エンバーミング自体にはどのくらいの時間かかるのですか?
大体3時間〜4時間ほどかかると言われています。エンバーミングをすることで綺麗なお顔でお見送りをすることができます。

少々高いですが、エンバーミングをすることで家族との時間を少し長く過ごせることができるというメリットもあります。

海外で土葬が主流のところではエンバーミングは当たり前のように行われているのです。

ご遺体はどのような手段で搬送できる?利用する葬儀会社

ご遺体はどうやって搬送するのですか?
まずは葬儀会社に連絡をして「遺体搬送車(寝台車)」を手配する必要があります。

葬儀会社を探さなければいけませんが、すぐに見つけられなかったり病院から早くご遺体を移動させなければいけなかったりする場合には病院と提携している葬儀会社にお願いすることもできます。もし葬儀は別の葬儀会社に頼みたいのであれば搬送だけで良い旨を伝えましょう。

安置場所の選択肢は自宅・安置室・遺体保管所の3種類

安置できる場所は主に「自宅」「葬儀会社の安置室」「民間の遺体保管所」です。それぞれどのくらいの料金がどのくらいかかるのか見ていきましょう。

御遺体の搬送料の目安
自宅 10kmで20,000円
葬儀会社の安置室 10kmで20,000円
民間の遺体保管所 10kmで20,000円
搬送料はどこの場所でも同じなんですね。
そうなんです。同じ計算方法なので距離が近い場所ほど安い料金になります。他にもかかってくる料金を見てみましょう。
遺体安置の利用料
自宅 葬儀会社の安置室 民間の遺体保管所
施設利用料 なし 約5,000円~30,000円 約10,000円
ドライアイス等の保存費用 約5,000円~30,000円 約5,000円~30,000円 約7,000円

ドライアイスの費用は民間の遺体保管所が少し安いですが、あまり大差はありません。自宅は当然施設利用料がかからず、葬儀会社・斎場の安置所は高めに料金設定されています。

それぞれの場所のメリット・デメリット
メリット デメリット
自宅 共に時間を過ごせる 集合住宅の場合搬送経路の確保が必要
葬儀会社の安置室 プロに管理をしてもらうことができる 比較的費用が高い
民間の遺体保管所 葬儀会社より費用を抑えることができる 面会はできるが付き添うことができない

なお面会をするときには服装はおとなしい色の服(グレー、紺、茶など)で、アクセサリーは外してください。

男女共にビジネススーツでも構いませんが、女性の場合はお化粧を薄くしておきましょう。面会の時には香典は必要ないので持って行く必要はありません。

自宅での遺体安置の注意点

自宅で安置する場合は慣れていない人にとって少し大変かもしれません。搬送経路の確保のほか、作法にも気を付けなければいけません。

  • 北枕になるように配置し、枕は基本使用せず顔に白布をかける
  • 胸元で手を組ませて数珠を手にかける
  • ドライアイスを入れて弔問客用の座布団のお供え物を用意する

北枕または西枕になるようにしますが、住宅の事情ではうまく配置できないこともあるかと思うのでそういったときは葬儀会社に相談してみましょう。枕を使用してしまうと体の状態が悪くなってしまいます。そのため頭が高くなりすぎないような枕を使用する必要があります。

弔問客がくるとなるとお部屋の片付けも必要になってくるので遺族の方々は大変です。ドライアイスで保存するので期間は2日程度と考えておきましょう。そのためできるだけ葬儀会社にお願いする方が良いでしょう。

自宅の場合に用意しなければいけないもの
  • 香炉、燭台(ろうそく)、鈴
  • お花立、お水
  • 一膳飯(枕飯)やお団子(枕団子)
  • 綺麗なシーツや枕カバー
  • 数珠
  • 白布

守り刀として小刀を準備する場合もあります。必要なものは葬儀会社が教えてくれると思うので、すぐに用意せずに案内を待ってからにするのがおすすめです。

もしかして宗教によって遺体安置の作法が異なったりするんすか?
ええ、さきほどは仏式での作法を説明しましたが、キリスト式の場合は神父または牧師の祈りの後に安置をします。十字架や聖書、生花を白い布をかけたテーブルの上に置くこともあります。

宗教によってお供え物が異なってくるので必ず親族などに確認しておきましょう。

自分たちにあった遺体安置の方法を選ぶ

家族と共に時間を過ごしたくても自宅では管理や作法など自分たちで行わなければいけないため、全くわからない方々にとっては大変なことかもしれません。また、葬儀会社の人たちはプロなのでしっかりと処置を行ってくれて「冷蔵設備」が整っている場所も多いです。

夏場の場合はご遺体の腐敗の進みが早いので割高でも葬儀社で安置をしてもらうのがおすすめ。民間の保管所でも冷蔵設備がある可能性があるので確認してみても良いかもしれません。

ご遺族の方々と相談をして納得のいく安置方法を選びましょう。

葬儀社を選ぶコツについては「葬儀社の選び方には要注意!良い葬儀会社を見極めて後悔しない葬儀を」で詳しく解説しています。