介護施設の種類
介護付き有料老人ホームは費用が高い?どんな料金がかかる?

介護付き有料老人ホームは費用が高い?どんな料金がかかる?

介護付き有料老人ホームは、高齢者のための福祉施設の中でも、実態を把握するのがもっとも難しいものかもしれません。

なぜなら施設ごとの差が大きいため、平均値を出すのが困難だからです。しかし差が大きいということは、個々のニーズにピッタリと合った施設を見つけられる可能性が高いという事でもあります。

このページでは、介護付き有料老人ホームについて詳しく解説していきます。

介護付き有料老人ホームとは?

介護付き有料老人ホームは、自治体によって「特定施設入居者生活介護」であると認可された高齢者向け福祉施設です。

「特定施設」とは、在宅介護ではなく、入居型で「介護保険」を利用できる施設を言います。

介護という言葉が入っている通り、介護付き有料老人ホームは、介護サービスが充実していて24時間体制で介護を受けられます。

「特定施設入居者生活介護」っていうのと、「介護付き有料老人ホーム」は同じものなんですか?
いえ、特定施設入居者生活介護に認定されている施設の一種として、介護付き有料老人ホームもあるということです。他に「養護老人ホーム」や「ケアハウス(軽費老人ホーム)」なども特定施設入居者生活介護に分類されます。
ええとつまり、老人ホームって呼ばれているの全部が特定施設入居者生活介護になるってことですか?
それも少し違います。老人ホームの中で、建物設備や運営などについて一定の基準をクリアして、認可を得られたものが特定施設入居者生活介護になります。

介護付き有料老人ホームの種類

介護付き有料老人ホームには、「介護専用型」「介護型」「混合型」「入居時自立型」という4タイプがあります。タイプごとに、それぞれ入居できる対象が異なっています。

介護専用型 介護型 混合型 入居時自立型
自立者 × ×
要支援者 × ×
要介護者 ×
「要支援者」とは、今は介護の必要はないが、将来的に介護の必要が出てきそうな人を意味しています。要支援1と要支援2があり、要支援2の方がより支援が必要な人となります。
「要介護者」とは、すぐに介護が必要な人を意味しています。要介護度には1~5があり、数字が大きいほど介護の必要度が高い事になります。

基本的に入居者の状態により、入れるタイプが決定します。しかし混合型だけは、介護認定に関わらず入居可能です。

混合型は、夫婦で介護付き有料老人ホームに入居したい場合などに有効です。たとえば夫が要介護で妻が自立しているケースでは、混合型以外では夫婦揃って入居することができません。

介護付き有料老人ホームの入居条件

介護付き有料老人ホームは、介護保険が利用できる「65歳以上」というのが原則的な入居条件となります。

しかしその他の入居条件は、施設ごとに大きく異なります。要支援や要介護の度数による条件を決めているのが一般的ですが、それ以外の条件を設けている施設もあります。

たとえば身元引受人がいない人は入居できない、という介護付き有料老人ホームもあります。

生活保護を受けている人でも介護付き有料老人ホームに入れる?

介護付き有料老人ホームの多くでは、生活保護受給者の受け入れをしていません。しかし1割ほどの施設では、生活保護受給者の受け入れをしています。

介護付き有料老人ホームで提供されているサービス

介護付き有料老人ホームでは、以下のようなサービスを受けられます。

  • 介護サービス(食事や入浴の補助)。
  • 生活支援サービス(食事や掃除、洗濯)。
  • 医療サービス(健康管理や医療措置)。
  • リハビリ(心身機能の回復)。
  • レクリエーション。

介護付き有料老人ホームの料金

介護付き有料老人ホームは、施設ごとに利用料金が大きく異なります。施設の設備が整っていて、介護サービスが充実しているほど費用が高くなる傾向があります。

介護付き有料老人ホームの費用は、「入居時費用」と「月額費用」の2つに分けられます。

入居時にかかる費用

介護付き有料老人ホームの場合、入居時に「入居一時金」を支払うのが普通です。入居一時金で、家賃を全額、または一部先払いします。

入居一時金は施設ごとの差が大きく、億を超える金額になるところもあります。

入居一時金のう……。つまり、かなりのお金が無いと、介護付き有料老人ホームに入るのは無理ということですかな?
いえ、前払い金が0円の介護付き有料老人ホームもありますよ。ただ、家賃の先払いをしていない分だけ毎月の費用が高くなりますから、やはりある程度のお金が無いと難しいかもしれません。

月額費用の内訳

介護付き有料老人ホームの月額費用は、「家賃」「管理費」「食費」「光熱費」などの合計になります。平均額は15万円~35万円程度です。

ただし入居一時金で全額前払いしている場合などは、家賃が不要になります。

また、おむつなどを使った場合は、別途「日用品代」としてお金が必要になります。

介護サービス費は?

介護付き有料老人ホームの介護費用には、介護保険が適用されます。

要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
介護サービス単位 5400 9270 16020 17970 20040 21960 24000

介護保険報酬は、「サービス単位」に「一定係数」をかけて決まります。計算に使われる係数は、住んでいる地域によって変わります。

たとえば東京23区は「1級」であり、1番高い係数がかかります。つまり東京などの大都市圏に住んでいる人は、同じ介護サービスを受けていても、地方の人より費用が高くなってしまうということです。

地域は、1級から7級とその他、あわせて8つに区分されていて、1級地域では「1.09」、2級なら「1.072」その他地域では「1」など、それぞれ係数が決められています。

つまり要介護5でその他地域に住んでいるなら、24000単位×1で、24000円がかかるということです。東京23区に住んでいるなら、24000単位×1.09で26160円がかかります。

費用を抑える方法は?

入居者の家族が費用を払っている場合、その家族は扶養控除を受けられます。扶養控除により納税額を抑えることが可能です。

また入居者が要介護認定を受けている場合、障害者控除を受けられる可能性があります。障害者控除は、扶養者と本人が受けられます。

介護付き有料老人ホームの選び方

介護付き有料老人ホームは、施設ごとに介護サービスの質や料金が大きく違うというのが特徴になります。

そのため、利用料金とサービス内容を比較検討して、適切なところを選ぶのが良いでしょう。基本的には、利用料金が高いほうが設備とサービスの質が良いと考えて問題ありません。

介護付き有料老人ホームはニーズに合わせて千差万別

介護付き有料老人ホームは、介護保険を利用できる施設として自治体などの認定を受けています。そのため、要介護になっている場合などでも、介護付き有料老人ホームなら安心して利用できます。

介護付き有料老人ホームは、施設一つ一つで、入居条件や利用料金、介護サービスの内容などが異なります。そのため、最適な施設を見つけるための調査が必要不可欠でしょう。