介護生活の悩み
親が倒れた!介護で仕事ができないときに役立つ介護休業給付金とは

親が倒れた!介護で仕事ができないときに役立つ介護休業給付金とは

親が倒れたとき、すぐに施設や病院、ケアマネージャーや介護士などの手配ができれば良いのですが、突然のことであればまず自分が介護をしなければいけない場合がありますよね。

その際、仕事ができなくて収入がなくなってしまう、という不安を抱えている人も少なくないのでは?実は、介護で仕事が出来ない場合は介護休業給付金を受け取ることが可能なのです。

介護休業給付金はいくらもらえるのか、どういう状態でもらえるのか、気になる情報を徹底解説していきましょう。

介護休業給付金はどんな制度?

まずは、介護休業給付金の基本的な内容についてご紹介していきます。

介護休業給付金とは

介護休業中に給与が出ないという状態を助けるための制度。

つまり、介護休業制度を利用した人が休業で著しく給与が減っても、介護休業給付金を受け取ることである程度はカバーすることができる、というものですね。

介護休業給付金は、雇用保険に加入している人が対象となっているため、残念ながら自営業者は利用することができません。

また、会社員の方でも同じ職場で1年以上働いていなければ受給対象とならないので注意しておきましょう。

介護のために仕事を休んで収入がなくなっても、会社員であれば一定額を支給されるというのは嬉しいですね。

ただ、給与のように受け取るということは、確定申告などの必要が出てきてしまうのではないでしょうか。

介護休業給付金は、非課税となっています。

ですから、所得税や住民税は発生せず、確定申告の必要はありませんよ。

 

仕事を休まなければいけない場合は介護休業制度の活用を!

ちなみに、介護をするために仕事を休んだ場合は介護休業制度を利用することができます。介護休業制度は、対象家族1人につき最長93日間、3回まで分割取得が可能と定められています。

1回93日ではなく、累計での日数となりますので、93日の介護休業制度を使い切ってしまったら、もう利用する事ができません。

93日というのは短い気もしますが、実はこれは介護をするために休業するというだけでなく、介護認定の手続きやケアマネージャーとの面会などの用事を済ませるため、介護方針を決めスタートさせるための日数です。

諸手続きについては時間も手間もかかりますので、効果的に介護休業制度を活用したいものです。

介護休業制度は、自分が介護をすることを前提とした休業ではないのですか?

それだと、介護の手続きのみの為に取得するのは難しい気もするのですが。

介護休業制度は、自宅介護ではなく入院していても一定条件さえ満たせば利用することができる制度です。

つきっきりで介護をすることが条件の休業制度ではありませんので、そこは認識しておきたいですね。

介護休暇制度については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

介護休業給付金の受給要件をチェック

では、介護休業給付金はどのような条件に該当すれば利用することができるのでしょうか。

受給要件は、次の通りとなっています。

支給対象者 介護内容 受給要件
・父母
 (養父母含む)
・配偶者
・子(養子含む)
・配偶者の父母
 (養父母含む)
・祖父母
・兄弟姉妹
・孫
・負傷、疾病、
 精神上障害などにより
 2週間以上にわたり
 常時介護を必要とする
・介護休業開始日より前2年間に
 被保険者期間が12か月以上必要

2週間以上の介護が必要となっていれば、介護対象者が入院していても介護休業給付金を受け取ることは可能です。

介護休業給付金は同じ人の介護が目的で複数回受け取ることは可能?

介護休業給付金は、介護をするために93日を上限として受け取ることができるものです。では、1度した介護休業給付金を、再び受け取ることはできるのでしょうか。

介護休業給付金は、対象家族1人につき、要介護状態になるごとに1回利用可能です。

つまり、同じ対象者でも要介護状態が異なれば、再び介護休業給付金の受給対象となるわけですね。

ただし、同じ対象家族で介護休業給付金の給付が可能な上限日数は累計で93日です。

1回目に62日の介護休業給付金を得たということであれば、2回目は最長でも31日が上限となります。

対象家族1人について累計で93日の介護休業給付制度を使い切った場合は、介護休業給付金を受け取ることができないということを覚えておきましょう。

なんか面倒で分かりづらいわ…。

結局、93日使い切るまでは何回でも利用できるってことでOK?俺1人が利用できる上限が93日ってこと?

母親の介護で93日、父親の介護でも同じく93日の介護休業給付金を受け取ることができます。

対象家族1人につき93日が上限で、要介護状態が異なれば日数が残っている限り再取得することができるということになりますね。

介護休業給付金の支給金額は給与の有無によって異なる!

では、実際介護休業給付金はいくらぐらい受け取ることができるのでしょうか。その金額は、休業時にどのくらいの賃金を得ているかによって異なります。

基本的な計算式は、以下の通りです。

休業開始時賃金月額×支給日数(30日)×67%

ただ、介護休業給付金は無給状態のときに利用する制度であるというのが前提です。

ですから、介護休業中でも給与を受け取ることができているのであれば、その金額に応じて給付金の金額が減ってきます。

事業主から支払われる賃金 給付金額
賃金なし 賃金月額の67%
13%以下 賃金月額の67%
13%以上80%未満 賃金月額の80%-実際の賃金
80%以上 介護給付金
支給なし
これだけの金額が受給されると、給与が元々高い人はかなりの金額を受け取ることができそうですね。

 

確かに、無給だと67%の支給が前提ですが、支給額には上限があり毎年8月1日に見直し・変更が行われています。

月額32万円前後が上限となる傾向にありますが、その都度確認するようにしたいですね。

介護は、その介護度によって受けられるサービス金額の上限額が決まっており、自己負担額も違います。

介護をする際には、ある程度の費用がかかってしまいますから、給付金の支給内容を知っておくことは重要だと言えますね。

実は、介護保険制度は世帯分離によって費用を抑えることができると言われています。

その真偽について知りたい方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。

介護休業給付金の申請方法をご紹介

介護休業給付金はどうやって申請するのか、ご紹介していきましょう。

実は、介護休業給付金の申請は個人で行うのではなく、事業主が行うのが一般的です。ですから、手続きとしては事業主に介護休業給付金の申請を行うよう依頼すればOKというわけですね。

基本的な流れは、雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書および介護休業給付金支給申請書に必要書類を添付し、ハローワークに提出するというものです。

申請者が用意する書類は、次の通りです。

  • 介護対象者との続柄が分かるもの(住民票など)
  • 介護休業申出書

実は、介護休業給付金は申請期間が決まっています。

介護休業の終了日の翌日から起算し、2か月を経過する日の属する月の末日までとなっていますので、注意しておきましょう。

介護休業給付金の申請忘れてた!って気付いたのが期間を過ぎてる場合、受け取れないってこと?めっちゃ損するじゃん。

1日でも過ぎたら諦めろって厳しくない?

もちろん介護休業給付金の申請は期限内が原則ではありますが、休業終了日の翌日から2年以内であれば申請は可能です。

この期間も過ぎてしまうともう手続きすることはできませんので、出来るだけ早めに手続きをするようにしたいですね。

介護に関わることが理由で仕事が出来ないときは介護休業給付金の利用を

突然親や兄弟が介護を必要とする状態になったとき、仕事を休まなければいけない状況があるかもしれません。介護休業制度を利用した際は、無給になるのが基本です。

そんなとき、介護休業給付金を申請すれば給与の67%は保障されます。介護対象者1人につき最大93日、つまり3か月利用できます。

いつか介護によって仕事を休む状況が来た時のために、申請方法や受給内容についてチェックしておきましょう。