
住宅ローン借り換え手順を紹介!代行業者に頼んだ方がいい?
住宅ローンの借り換えをしてみたら、数十万円~数百万円はお得になりそうだ!というあなた。実際に借り換え先の金融機関も決定し、あとは申し込みをするだけ。
でも住宅ローンの手続きは新規の時のみならず、借り換え時でも複雑でややこしいですよね。実際にたくさんの書類を用意したり、借り換え前や借り換え先の金融機関ともやりとりをしたりしなければなりません。
そこで借り換え先の金融機関に申し込みをする前に一度、住宅ローンの借り換え手続きの流れをおさらいしておきましょう。
またあわせて、借り換えの代行業者を利用するべきか?代行業者を利用するメリット・デメリットも解説します。
住宅ローンを借り換える際の流れを解説。申し込み~手続き完了まで
住宅ローンの借り換えの大まかな流れは
- 申し込み
- 審査
- 契約
の3ステップです。それでは、各ステップの具体的な手続きの流れをご紹介していきましょう。なお、借り換えの手続きの流れは楽天銀行を参考にしています。
ステップ1:申し込みの流れ
申し込みの流れは以下のとおりです。
- 借り換え先の金融機関への申し込み
- 事前審査
- 本審査
まずは、借り換え先の金融機関へ申し込みを行いましょう。
実店舗のある金融機関なら、店舗で借り換え手続きを相談できるところもあります。ネット銀行ならWEBからの申し込みになります。
事前審査に出すための申し込みを「事前申し込み」といい、3~4日ほどかかります。
そして事前審査に通過してから「正式申し込み」を提出することになります。
審査に通らなかった場合の保険のために複数の会社に申し込むこともあるので、どの金融機関が事前審査にどれだけの日数がかかるのかも計算しておきましょう。
申し込みが済んだら事前審査です。
借り換えの事前審査には、新規借り入れの時と比べるとそれまでの返済が滞っていないか、健康状態に変わりは無いかなど審査する基準にも違いがあります。
事前審査に無事通過したら次は本審査に進みます。
ステップ2:審査の流れ
事前審査に通過したら、必要な書類を借り換え先に返送して本審査の連絡を待ちましょう。
本審査は時間がかかることが多いです。本審査にかかる時間は平均で2~3週間。最短でも1週間~10日、長いところだと1ヶ月ほどかかる金融機関もあります。
住宅ローンの借り換え時の審査で気をつけるべきポイントは、次の記事で詳しく解説しています。
また、本審査手続き中にやっておかなければならないことが2つあります。
- 現在の借り入れ先に全額繰り上げ返済の申請を行うこと
- 返済用の口座をつくること
特に現在住宅ローンを借りている金融機関へ「全額繰り上げ返済」の申請は重要なので忘れずに行いましょう。
また、借り換え先の金融機関に返済用の口座をつくっていない場合は返済用口座の作成に時間を要することをふまえて、このタイミングで作っておくのがベスト。(ただしすでに口座をお持ちの方は不要です。)
ステップ3:契約の流れ
さて、無事に本審査に通過したあとは実際に契約の流れになります。
具体的には、抵当権設定などの登記を行ったのち融資実行という流れです。
ローンを契約する時に締結し、返済できなくなった時にマンションを手放すという契約のこと。
まずは司法書士立ち合いのもと抵当権の登記を行います。
具体的には金銭消費貸借契約(融資が実行されるという契約)と抵当権設定契約を銀行と締結し、即日司法書士により最新内容の登記申請が行われるという流れになります。
抵当権設定登記が完了したならば、あとは火災保険などの手続きを行い、融資実行へ。
融資が実行されると旧借り入れ先に全額繰り上げ返済を行うので、借り換えの融資実行のタイミングを見て繰り上げ返済を行うようにしましょう。
どれも重要!住宅ローンの借り換え手続きに必要な書類とは?
住宅ローンの借り換えの具体的な手続きがわかったところで、次は必要な書類をご紹介します。どれも重要な書類になり、1つでも足りないと手続きを進められないのでご注意を。
住宅ローンの借り換えでは必要となる書類とは?
住宅ローンの借り換えで基本的に必要となる書類は複数あります。ここでは手続き内容ごとに必要となる代表的な書類についてご紹介しましょう。
まずは申込時に必要となる書類です。
- 借入申込書:金融機関により発行
- 住民票原本:住民票の写しを役所などで取得したものの原本
- 本人確認書類:運転免許証・健康保険証・パスポートなど
住宅ローンの借り入れでは収入の審査が重要になってきます。そこで、収入を証明する書類も必要です。
- 源泉徴収票のコピー:勤務先が発行
- 住民税課税証明書:市役所などで300円程度で発行
- 確定申告書のコピー(会社員以外の方)
- 決算報告書のコピー(法人代表の方)
また、住宅ローンを借りるには火災保険や団体信用生命保険への加入が必須となります。
- 火災保険加入申込書または現在加入している証券のコピー
- 団体信用生命保険加入申込書
- 健康診断書(必要な方のみ)
物件に関する情報も申請することになります。そのために必要となる書類はこちら。
- 重要事項説明書コピー(建売・中古住宅やマンション)
- 敷地や建物の登記事項証明書
- 住宅地図のコピー
- 間取図や配置図、公図など
そして最後に、現在返済中の住宅ローンを証明する書類も必要になります。これは新規で住宅ローンを借りたときにはなかった書類ですが、借り換えの場合では必要になってきます。
- 現在返済中の住宅ローン返済予定表のコピー
- 返済口座の通帳コピー(直近の返済日を含む過去1年分)
このように過去の返済状況をチェックされるので、延滞がないよう気をつけましょう。
ここでは代表的な書類例をご紹介しましたが、各金融機関に応じて必要になってくる書類は変わってきます。提出漏れがないように、必ず確認するようにしてください。
(一部の方のみ)必要となる書類とは?
一部の方のみが必要となる書類もあわせてご紹介します。
例えば、住宅ローン以外にも借り入れがある方。例えば車のローンなどが挙げられます。こういった場合は借り入れの明細も必要です。
また産休・育休中の方や転職・復職された方などは給与明細や賞与のコピー、場合によっては在籍証明書も必要となります。これは転職や復職によって収入が変わるので「きちんと返済できるか?」という点を審査するためにあります。
他に注意する点といえば、土地が借地の人はそれを証明する書類も必要になるので注意ですね。
住宅ローン借り換えの代行業者とは?利用するメリットとデメリット
ここまでは住宅ローンの具体的な借り換え手続きについてご紹介してきました。しかし、手続きはなかなか複雑で大変です。
そこで利用を検討したいのが住宅ローン借り換えの代行業者。
ここでは住宅ローン借り換えの代行業者についてご紹介します。
住宅ローン借り換えの代行業者とは?
住宅ローン借り換えの代行業者とは、その名のとおり住宅ローンの借り換え手続きを代行してくれるサービスです。金利情報や借り換え先を比較して探すところから、代行可能な書類をやりとりするところまでを代行してもらえます。
借り換え手続きの全過程を依頼することはできませんが、面倒な手続きを省け、確実に金利を削減できる借り換え先を見つけることが可能です。
住宅ローン借り換えの代行業者を利用するメリット
住宅ローンの借り換え代行業者を利用するメリットは、なんと言っても手間がかからないこと。
住宅ローンの借り換えは、最初に金融機関ごとの金利を比較しながら借り換え先を決める、実際に申し込みをして手続きを進める、書類をやりとりするなど非常に手間がかかります。
特に仕事で忙しい方はなかなか時間をとれず、借り換え手続きが進まないかもしれません。こういった状況において代行業者に依頼するのは有効です。
また住宅ローンのことがイマイチよくわからない!という方でも、金利を削減できる=今より返済がお得になる借り換えが可能という点では安心して代行業者に依頼できることでしょう。
住宅ローン借り換えの代行業者を利用するデメリット
住宅ローンの借り換えを代行業者に依頼することによるデメリットは、手数料がかかることです。
住宅ローンの借り換えでは金融機関や司法書士への報酬など、意外と手数料がかかりますがこの他に代行業者への成功報酬を支払うことになります。
諸費用ローンも代行業者が実施している場合があるので、実際自己資金がほぼ無い状態でも依頼できるメリットがありますが、そのローン返済も必要になるので場合によっては赤字になってしまうことも。
さらにすべての手続きを代行できるわけではありません。結局自分で用意しなければならない書類もありますし、金銭消費貸借契約はご自身で行わなければなりません。
住宅ローンの借り換えは手続きが大変。流れを再度確認しておこう!
また本当に借り換えのメリットがあるメリットを探せるか不安、仕事が忙しく時間をとれないという方は代行業者に依頼するのもアリ。成功報酬をとられるというデメリットはあるものの、スピーディーに借り換えを成功させたい方は利用を検討してみても良いかもしれません。
借り換えにあたって、細かい条件を比較し、シミュレーションを行うなどしてじっくり自分で検討できれば良いのですが、忙しくてそうもいかないという方が多いと思います。
しかし、総返済額が変わることを考えると、借り換えへの着手は早い方が高くなるため、代行業者を利用しての第一歩を踏み出すことはとても大切です。

4年ほど専任の宅建士として不動産業者に勤務し、現在はマンション管理士・消防設備士として独立。
宅建士としての知識や立場を活かし、不動産売買時の疑問点などの相談を受けている。