個人年金保険
契約者変更で避けられる!?個人年金保険の贈与税の仕組みを徹底解説

契約者変更で避けられる!?個人年金保険の贈与税の仕組みを徹底解説

個人年金保険では、年金を受け取る際に税金が発生します。一定の金額を受け取るわけですから、もちろん所得税が発生するのはイメージできるかと思います。

しかし、実は個人年金保険で贈与税が発生する可能性があるということは知っていますか?所得税だけでなく贈与税も取られるなんて信じられないかもしれませんが、実はちょっとしたことが原因で贈与税の対象になってしまうのです。

贈与税が発生するのはどういう状況なのか、そしてどうすれば贈与税の発生を避けることができるのか、その仕組みについて詳しくご紹介していきます。

個人年金保険で贈与税!?その理由とは

個人年金保険は、決められた年齢まで保険料を支払うことで、決められた金額を毎月受け取ることができるというものです。

普通預金よりも利率が良いこと、そして契約時に受け取る年金額が確定している安心感があることから、老後の資金確保の方法として利用者が増えています。

個人年金保険の基本情報についてきちんと知りたい方は、ぜひこちらの記事を読んでください。

さて、そんな個人年金保険ですが、年金を受け取る時は収入として考えるために課税対象となってしまいます。

収入ということは、所得税が発生するのでは?ということはイメージできるかもしれません。その通りで、基本的には発生する税金は所得税と住民税です。

個人年金保険には、次の3つの契約形態があります。

契約者 被保険者 受取人
保険契約者
保険料を支払う
保険の対象者 年金の受け取り人

この中で、個人年金保険は契約者と受取人を誰にするかによって、贈与税が発生する恐れがあるのです。

では、契約者と受取人のパターンごとに発生する税金の種類がどうなるかを見ていきましょう。

契約者 受取人 発生する税金
所得税と住民税
所得税と住民税
1年目…贈与税
2年目以降…所得税と住民税
1年目…贈与税
2年目以降…所得税と住民税

契約者と受取人が同じ場合は所得税・住民税のみがかかりますが、契約者と受取人が違う場合は贈与税の対象となります。

なぜ贈与税の対象となってしまうのか、その理由は単純です。

夫が妻の受取る個人年金保険の保険料支払いをしているということが、結果的に夫から妻への贈与とみなされてしまうのです。

これは、妻が夫の個人年金保険料を支払っている場合も同様です。

個人年金保険で贈与税というのは、想定外でした。

どういうケースで贈与税の対象となるか、しっかりと把握しておかなければいけませんね。

個人年金保険で贈与税が発生するかどうか、それは契約者と受取人が違うか同じかによって変わってくることを覚えておきましょう。

贈与税がかかってくるのは最初だけ?

契約者と受取人が違う場合に発生する贈与税ですが、これは毎年発生するものではありません。

贈与税がかかるのは、年金受取がスタートしたタイミングのみです。それは、年金受取スタート時のタイミングで保険料を支払っている人が家族へ年金を受け取る権利を贈与した、と判断されるためです。

ですから、贈与税は最初だけで、2年目以降について所得税・住民税のみがかかることになるのです。

個人年金保険は受け取り前なら名義変更が可能!その際の注意点とは

では、すでに契約している個人年金保険の契約者と受取人が違う場合はどうすれば良いのでしょうか。もう、年金受取時の贈与税発生は避けられない、そう思うかもしれません。

しかし、個人年金保険は受け取り前であればいつでも名義変更をすることが可能です。

個人年金保険の契約者と受取人が違っていて、贈与税が心配だという人は変更手続きをして、同じ人物に揃えておくと良いでしょう。

名義人はそんなに簡単に変更して良いものなの?

変更できるって言っても、どうせ手続きが面倒だったりするんでしょ。

契約者が変更手続きを行うことが必要とはなりますが、契約者自身と受取人名義については特に難しい手続きは必要ありません。

ただ、被保険者だけは変更できませんので、そこは覚えておきましょう。

個人年金保険は、申し込みをする前にしっかりと情報を押さえておくことが重要となります。

個人年金保険のメリットとデメリットについては、こちら申し込む前に要チェック!個人年金保険のメリットとデメリットの記事で解説していますのでチェックしてみてください。

名義人を変更しても贈与税ゼロにはならない!?

契約者と受取人を同一人物に変更したら、もう贈与税の心配はいらないのでしょうか。実は、一度でも契約者と受取人が違う状態で保険料の支払いを行ってしまえば、その部分のみは贈与税の対象となってしまいます。

つまり、契約者と年金受取人が異なる期間がある人は、必ず贈与税を支払わなければいけないのです。

ただ、贈与税の金額は、その期間が短ければ短いほど抑えることができるのも事実です。できるだけ贈与税の支払い金額を抑えるためにも、気づいたら早い段階で名義人を変更することをオススメします。

個人年金保険で発生する贈与税の金額はどのくらい?

個人年金保険で贈与税が発生すると言われても、実際どのくらいの金額がかかるか分からなければピンと来ないかもしれません。

では、個人年金保険で発生する贈与税の金額はどのくらいなのか、ご紹介していきます。

贈与税の計算式が、こちらです。

評価額―基礎控除=課税価格

課税価格×税率ー速算控除額=贈与税の金額

 

まずは、課税対象となる課税価格を算出します。

贈与税の評価額は、以下の3つのうち一番高い金額のものになります。

  • 解約返戻金の金額
  • 年金を一時金で受け取る場合は一時金の金額
  • 予定利率による金額

そして、税率と速算控除額については、こちらの表を参考にしてください。

基礎控除後の
課税価格
税率 速算控除額
200万円以下 10% 0万円
200万円超~300万円以下 15% 10万円
300万円超~400万円以下 20% 25万円
400万円超~600万円以下 30% 65万円
600万円超~1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超~1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超~3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超~4,500万円以下 55% 400万円

このように、課税価格が上がれば上がるほど税率や速算控除額が大きくなります。
 

贈与税の税率は50%を超える場合もあるのですか?そんな高い税率がかかるなんて、知りませんでした。

所得税もそんなに高いものでしたっけ?もっと低いですよね。

所得税は、課税所得に対して税率が決まっています。仮に年収が600万円だった場合、給与所得控除や所得控除を差し引いて所得税率は10%で計算することになります。

贈与税がどれだけ高い税率になっているかが分かりますね。

具体的に贈与税がいくらかかるかチェック

贈与税は、課税価格によって金額が変わってきます。

では、具体的にいくらの贈与税がかかるのか、例を挙げてみましょう。

保険金の金額 契約者 受取人
600万円

今回は、この条件で計算します。

まず、贈与税の計算式に当てはめてみましょう。

評価額(600万円)―基礎控除(110万円)=課税価格(490万円)

課税価格(490万円)×税率(30%)ー速算控除額(65万円)=贈与税の金額(82万円)

 

つまり、支払う贈与税は82万円となるのです。

贈与税は税率が高い分、思ったよりも大きな金額を支払わなければいけない可能性があります。

ですから、もし個人年金保険の契約者と受取人が異なっているのであれば、早めに変更手続きをして、出来るだけ贈与税の金額を押さえるようにしたいですね。

ちなみに、個人年金保険で使える控除制度があります。少しでも負担を減らしたいという方は、こちらの記事もチェックしておくと良いですよ。

個人年金保険の贈与税は契約者と受取人が違うときに発生する!

個人年金保険は、契約者と受取人が同じであれば所得税や住民税がかかるのみです。しかし、もし契約者と受取人が違う場合、それは契約者からの贈与だとみなされ、贈与税が発生してしまいます。

契約者や受取人の名義は、保険金の受け取り前であればいつでも変更可能です。名義人が異なっている期間の贈与税発生は避けられませんが、少しでも贈与税の金額を押さえることができます。

贈与税は、高い税率が設定されているものです。ですから、契約者や受取人を見直して贈与税発生の恐れがあれば、早い段階で変更をすることをオススメします。