個人向け国債
個人向け国債には税金がかかる!?

個人向け国債には税金がかかる!?

個人向け国債は安定して利息を受け取ることができる魅力がありますが、その利息に対して税金が発生するのはご存知ですか?その税金がどのくらいなのか、気になるところですよね。

個人向け国債では、受け取る利子に対して税金がかかります。ただ、実はこの税金がかからないようにする特例も存在しています。個人向け国債で発生する税金について解説していきましょう。

個人向け国債の税金はいくら?

個人向け国債では受け取る利子に税金がかかり、その税率は20.315%です。

この税率には東日本大震災の復興特別所得税の0.315%が含まれています。ちなみに、この復興特別所得税は期間限定となっています。

平成25年から平成49年までが、復興特別所得税の対象期間であり、これは利子所得だけでなくすべての所得税に対してかかっているのです。

個人向け国債で支払う税金の金額を計算するためには、自分が年2回受取る利子に20.315%を掛ければ算出可能です。

また、もう1つの方法として、個人向け国債の利率にこの税率を掛け合わせたものを差し引けば、最初から税引き後の税率を算出、それを購入した個人向け国債にかけ合わせるというものもあります。

利率が0.05%の場合

0.05%-(0.05%×0.20315)=0.0398%

この0.0398%が税引き後の税率となる

ただでさえ低金利時代だと言うのに、税金としてそこから0.010%ほど引かれてしまうわけですね。

せっかく預金より高い利子を受け取れると思って個人向け国債を選んでも、こうして税金で引かれてしまうのですね。
預金の金利にも税金はかかっています。その税率は20.315%と個人向け国債と同様です。

ですから、少しでも金利が高い個人向け国債を選択するのは、決して損とは言えません。

個人向け国債の利息については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

個人向け国債の売却益は課税対象?

個人向け国債は、中途換金することが可能です。

ただ、個人向け国債は中途換金をした際に売却益が出ることはありませんので、売却益に対する課税も行われないのです。

個人向け国債を中途換金する際には、今までの受け取り利子から中途換金調整額として直近2回分の利子相当額に0.79685を掛け合わせた金額が差し引かれることになります。

中途換金について詳しい情報は、こちらの記事で特集しています。

ちなみに、個人向け国債以外にも国債はありますが、この場合は国債市場の状況に応じて売却益や売却損が生じる場合があります。新窓販国債と呼ばれるもので、5万円から5万円単位での購入が可能、下限金利がないという特徴があります。

また、中途換金も個人向け国債のように国が買い取るわけではなく、市場で売却することになりますので、市場価格に左右されてしまうのです。

個人向け国債の利子が非課税になる条件をチェック

実は、特定の条件に当てはまれば個人向け国債の利子が非課税となります。

その条件が、マル優・特別マル優です。マル優・特別マル優に該当する人は、以下の通りです。

  • 障害者手帳の交付を受けている
  • 遺族基礎年金を受けている
  • 寡婦年金を受けている
  • 障害者年金を受けている
  • 母子年金を受けている

これらの条件に該当する方が個人向け国債の利子を非課税にするためには、所定の手続きが必要となります。この制度について詳しく知りたい方は、税務署などに問合せをする必要があります。

個人向け国債は基本的に確定申告不要!

個人向け国債の受け取り利子は、利益となります。株式や債券で利益を得た場合、確定申告が必要となるケースがありますが、個人向け国債の場合はどうなのでしょうか。

実は、基本的に個人向け国債の受け取り利子に対して確定申告をする必要はありません。

個人向け国債の場合、利子を受け取った時には最初から源泉徴収が行われた状態で振り込まれます。つまり、すでに税金は支払っており、後から確定申告をする必要はないのです。

個人向け国債の利子で損益通算が可能に?

個人向け国債の利子や、中途換金によって生じた中途換金調整額について、株式投資や投資信託の損益と損益通算できるようになりました。

実は、中途換金を考えている人こそ、損益通算が出来ることはチェックしておくべきポイントです。

中途換金調整額は、中途換金をする際に差し引かれてしまうものです。これを譲渡損失として考えることができるので、株式投資や投資信託で出た利益と損益通算することで、所得税を抑えることができる可能性があるわけです。

個人向け国債は元本が保証されているのが原則ですから、大きな損失が生じる可能性はほぼありません。損益通算でメリットがある金額としては微々たるものかもしれませんが、節税できるということは押さえておきたいですね。

損益通算っていうのができれば、税金が抑えられるってこと?

メリットっぽいけど、やっぱり何か手続きは必要になるんでしょ?

個人向け国債との損益通算は、他の投資などで利益を得ていなければ意味がありません。

また、手続きに関しては確定申告が必要となりますが、特定口座内であれば申告が不要となります。このことについては、次で詳しくご紹介しますね。

個人向け国債で特定口座を利用する意味とは

個人向け国債は、特定口座で保有することができるようになりました。

特定口座とは

証券会社や金融機関が損益の計算を行い、特定口座年間取引報告書を交付する(特定口座じゃなければ自分で作成が必要)。
証券会社や金融機関が納税をすることで、口座を持つ人は源泉徴収ありを選択すれば確定申告不要とすることも可能。

特定口座を利用するメリットとしては、確定申告が不要となる点が挙げられます。

元々、個人向け国債の利子を受け取る際には、あらかじめ税金が差し引かれた状態となっています。ですから、原則として確定申告が必要となることはありません。

ただ、損益通算を行う場合は確定申告が必要となります。確定申告は、書類を用意して手続きをするのが少し手間ですよね。しかし、個人向け国債と同一の特定口座内で株式取引や投資信託を行っていれば、損益通算をする際の確定申告が不要となるのです。

このときのポイントは、2つあります。

  • 同一の特定口座内であるということ
  • 源泉徴収ありの特定口座であること

特定口座には、源泉徴収なしを選択することもできます。この場合は、自分で確定申告をしなければいけません。

また、他行の口座との損益通算を希望する場合も、確定申告が必要です。

確定申告が不要となるケースは、特定口座(源泉徴収あり)を選択する以外ないのでしょうか。
年間の譲渡益などが20万円以下の場合は、確定申告が不要となることもあります。

収入条件などもありますので、一度チェックしておくと良いですね。

個人向け国債は自動的に税金が引かれた状態で利子を受け取る!

個人向け国債にかかる税金は、基本的に利子のみです。受け取る利子に対して、20.315%の税金が自動的に差し引かれます。源泉徴収されているので、特に確定申告は必要ありません。

ただ、個人向け国債の受け取り利子や中途換金調整額について、損益通算が出来るようになりました。特に中途換金で支払った中途換金調整額は、他の株式投資などの利益から差し引くことで僅かではありますが節税効果が期待できます。

損益通算を行う場合は確定申告をする必要がありますが、同一の特定口座内であれば確定申告は不要で損益通算が可能となります。個人向け国債を行うときには、万が一のことを考えて特定口座(源泉徴収あり)にしておくことをオススメします。