葬式・葬儀
香典返しのマナーとは?時期や金額の相場・返礼が不要なケースを解説

香典返しのマナーとは?時期や金額の相場・返礼が不要なケースを解説

香典返しとは、お通夜や告別式などで香典を包んでくれた参列者に対して渡すもの。事前に用意しなければならなく、お返しの品をどんなものにするのかを考える必要があります。

初めて用意する人は、わからないことばかりで混乱してしまいますよね。香典返しはどんなタイミングで渡すのか、どんな品物が好まれるのかを詳しく説明します。

お返しの品の相場やマナーなども丁寧に解説するので、ぜひこの記事を参考に香典返しの品を考えてみてくださいね。

香典返しを送る期間は四十九日法要から2週間以内が多い

香典返しのときに疑問に思うのが、香典返しのはいつ頃までに送ればよいかという期間。一般的には三十五日・四十九日法要後から2週間以内に届けるのですが、香典返しには「即日返し(当日返し)」という方法もあります。

即日返し(当日返し)とは、葬儀のときに挨拶状を品物にセットして渡すことです。

当日に渡すので、あとから届ける必要がありません。

即日返しって香典をもらった日に渡すという点が会葬御礼(かいそうおんれい)と似ている気がするのですが、違いはあるのですか?
会葬御礼は香典の有無に関わらず、参列していただいた方に向けてお越しいただいたお礼として渡すものです。

会葬御礼と即日返しでは予算や品物も少し異なってきます。

会葬御礼はあまり高額なものは渡さず、500円〜1,000円くらいのものが相場となっています。

会葬御礼の品物の例
  • 紅茶やコーヒーなどの飲み物
  • タオルやハンカチ
  • QUOカードや図書カード

あとに残らない消耗品や持ち帰りが楽なものが選ばれる傾向があります。

最近ではこの「会葬御礼」と「香典返しを兼ねたお返しの品」を用意する人も増えてきました。

香典返しの金額の相場は半返し~三分の一返し

香典返しの相場は「半返し」と言われていて、もらった香典の金額の半額相当の品物をお返しするのが一般的です。

10,000円の香典を送ったら5,000円もする香典返しを送らなきゃいけないのか!香典返しって結構な費用になるな・・・。
必ずしも半額相当の香典返しを送る必要はなく、実際には三分の一ほどの金額の品物を選ぶ人も多いですよ。

香典をもらったと言ってもあまりに高額だと、お返しが大変になってしまいます。香典返しの上限や決まりはないですが、15,000円くらいが半返しの上限として良いでしょう。

当日返しをするときに、もし高額の香典をいただいたらどうしたら良いでしょうか?当日用に用意していた品物よりもっと良い香典返しを送らなければいけないと思うのですが・・・。
当日返しではお返しできないような金額の香典をいただいたときには、当日は用意していた香典返しを渡して差額分相当の品物を後日届けると良いですよ。
<1万円の香典をいただいた場合の半返しの考え方>
当日は香典返礼品(2,500円)を渡し、後日2,500円分の品物を渡す。

これで合計で5千円の香典返しを行ったことになります。

当日は香典返しと会葬返礼品を用意しますが、会葬返礼品の金額は香典返しの予算には含まないので注意してください。

もし香典返しが3,000円だったらどんなものを返したら良い?

3,000円の香典も同様に1,500円の品物を用意して半返しします。
勤務先から一人ずつ連名で3,000円ずつもらった場合には、一人一人1,500円の品物を渡すと良いでしょう。

お茶やお菓子などリーズナブルに用意できるものが選ばれることが多いですが、最近は受け取った側が好きな品を選ぶことができる「カタログギフト」を送ることも多いです。

香典返しの品物としてよく選ばれるものは?タブーに注意しよう

香典返しではタオルや洗剤が選ばれることが多くなっています。は生活で役立つものであり、古くなったら買い換えるものなのでオススメです。また、持ち帰るときに軽いので負担がかかりません。

ほかに海苔やコーヒーなどの飲み物よりも実用的なものもよく選ばれます。

実用性のあるもの タオル、洗剤、石鹸など
消えてしまうもの 海苔、お茶、お菓子など
その他のもの カタログギフト、QUOカードなどの金券

このように香典返しには「あとに残らないもの」が一般的とされています。

反対に「お肉」や「お魚」などの「四つ足生物」と言われているものは、香典返しの品物としてタブーとされています。

あくまでも「なまもの」が避けられているため、缶詰などに含まれている加熱されているものは気にしなくても問題ありません。

慶事を連想させる「お酒」や「昆布」「かつお節」も避けましょう。

送るときのマナーってありますか?
掛け紙(のし)やお礼状に気をつけたいですね。詳しく解説しましょう。

香典返しを渡すときにはお礼状・挨拶状を一緒に添えるのがマナー。次の要素を報告しましょう。

  • 香典のお礼
  • 四十九日法要・納骨が無事に済んだこと
  • 戒名の報告

直接渡す場合や親族やご近所の人であれば、必ずしも挨拶状をつける必要はありません。

掛け紙(のし)についてマナー

香典返しには掛け紙をつけるのが一般的です。掛け紙は「のし」とも呼ばれています。

表書きには「志」と書かれたもの、水引は「黒白結びきり」が印刷されたものを使用しましょう。

地域によっては違うものが使用されていることもあるので地元の葬儀社や家族に確認してみるのがおすすめです。

香典返しは不要とされる3つのケースを知っておこう

香典返しがいらないこともあるのですか?
基本的に参列者が香典返しを辞退したときは必要ありません。他にも以下のようなチェック項目の時には不要とされています。
  • 不祝儀袋に香典返し不要と記載されている
  • 会葬御礼と兼ねているとき
  • 遺族の経済状況があまり良くないとき

香典返しを辞退している人にどうしてもお礼を言いたい場合は、香典返しを送っても問題ありません。しかし、あまり高額なものを送ると相手の配慮を無駄にしてしまうのでお手紙や安価なものをお返しする方が良いでしょう。

そして故人が家計を支えていた大黒柱だった場合、親族や参列者は遺族の今後の経済状況を心配し、香典返しを辞退することも多いのです。

香典には遺族の生活費を援助したいという気持ちも含まれているので、無理に香典返しを送る必要はありません。

その代わり電話や手紙などでしっかりとお礼の気持ちを伝えておきましょう。

会社から香典返しをもらった時にはどうしたら良いんすか?
会社からもらった場合は具体的に名義が誰なのかによって異なります。

1.会社の慶弔規定による香典の場合

慶弔規定による香典は香典返しをする必要がありません。

2.部署(社員一同)の場合

この場合は、あまり高額ではなければ香典返しではなく、みんなに配れるお菓子などで構いません。

3.同僚や上司などの個人名の場合

個人的に香典をいただいているのでしっかりと香典返しをしましょう。金額は一般的な香典返しと同様です。

もし家族葬でも香典をいただいた場合は香典返しが必要ですよね?
そうですね。香典をいただいた場合にはお返しをしましょう。

香典返しはマナーだけではなく、用意する人の気持ちも大事

香典返しは基本的なマナーや半返しなどの決まりがありますが、渡す人のことを考えて品物の相場を考えたりします。相手の配慮を感じたのであればあまり香典返しで良い物を送ってしまうと、逆に気を使わせてしまったりします。

一番大事なのは「感謝の気持ち」を伝えることです。

どんな香典返しでもお礼状や直接感謝の気持ちを伝えることは忘れないでください。

品物を考えるのが苦手な人であれば、カタログギフトがおすすめ。葬儀後でも良い関係が築けるようにこれらのことを参考にしてみてくださいね。