介護生活の悩み

仕送りで贈与税を取られるの?介護費の援助はどうなる?

親に貯蓄があり、悠々自適な老後を過ごせるのなら問題はありません。しかしそうした余裕がなく、子供の援助がないと生活が厳しいという場合も多いでしょう。

こうした場合に有用なのが「扶養控除」で、控除により子供の負担を少なくすることができます。しかし親に仕送りをすると、その援助金が贈与税にあたると考える人もいます。じっさいのところどうなのでしょうか?

このページでは、仕送りや介護費援助と扶養控除について説明しています。扶養控除の受け方や、贈与税での扱いなどを解説します。

扶養控除とは?

「扶養控除」は、親族を養っている場合に減税措置を受けられるシステムです。

扶養控除のおかげで、子供や高齢の親を養う人の負担が軽減されています。しかし扶養控除を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

また、扶養控除は申告制ですので、しっかりと申込みをおこなう必要があります。

どうすれば扶養控除を受けられる?

扶養控除の受け方は、「会社員」であるか「個人事業主」であるかによって変わってきます。

サラリーマンの場合、年末調整のときに「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社に提出します。あとは会社の担当者が手続きをおこなってくれます。

自営業の場合、確定申告で直接扶養控除の申請をします。

扶養控除するとどれくらい得するの?

親族を扶養している場合、「所得税」と「住民税」について扶養控除を受けられます。じっさいに控除される額については、以下の表をみてください。

区分 所得税控除額 住民税控除額
一般扶養親族 38万円 33万円
老人扶養親族 48万円 38万円
同居老親等 58万円 45万円
「一般扶養親族」は、16歳以上の扶養親族で、これ以外の条件に当てはまらない人の区分です。おもに子供に対して使われます。
「老人扶養親族」は、70歳以上の扶養親族の区分になります。親などが主な対象となります。
「同居老親等」は、70歳以上で、なおかつ同居している場合の区分になります。老親「等」とあるように、祖父母などの場合でも認められます。
この控除額が、そのまま得する金額ってことじゃないですよね?
そうですね。これは税額を計算する時に収入から差し引かれる額です。じっさいにいくらくらいの得になるかは、年収によって変わってきます。
大雑把な金額でもいいから、知りたいなあ。
住民税は1割ですので、控除額の1割程度である「4万円」くらいが得する金額になります。所得税は収入次第ですが、平均的な収入であれば2割程度でしょうか。つまり合計で「15万円」程度の減税が見込めるという事ですね。

扶養控除の条件と控除を受けれないケース

扶養控除を受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 6親等以内の血族であるか、3親等以内の姻族である。
  2. 扶養対象の所得が38万円以内である。
  3. 生計を一にしている。
  4. 扶養対象が、他の誰かに扶養されていないこと。

控除可能な親族の範囲

「血族」なら6親等、「姻族」なら3親等までが控除対象になります。

「血族」には2つのパターンがあります。一つは自分と直に血の繋がりがある場合です。注意したいのはもう一つのパターンで、養子縁組を行った場合も法律上は血族となります。
「姻族」にも2つのパターンがあります。一つは配偶者の家族です。もう一つは、血族の配偶者です。
親等 直系親族 傍系親族
1親等 父母、子 なし
2親等 祖父母、孫 兄弟姉妹
3親等 曽祖父母、ひ孫 おじおば、甥姪
4親等 高祖父母、玄孫 いとこ、祖父母の兄弟姉妹など
5親等 五世の祖、来孫 父母のいとこ、曽祖父母の兄弟姉妹など
6親等 六世の祖、昆孫 はとこ、祖父母のいとこなど

扶養控除を受ける場合、何親等であるかが問題ですので、直系でも傍系でも関係ありません。

また、姻族の親等の数え方は、血族の場合と同じです。たとえば、妻の父である「義父」は、1親等の姻族となります。兄弟の配偶者は、2親等の姻族です。

基礎控除以外にも控除がある

扶養控除を受けるためには、扶養される親族の「所得」が、基礎控除の額である38万円以下でなければいけません。

しかし、基礎控除以外でも受けられる控除があります。給与所得者が受けられる「65万円」の控除や、年金受給者が受けられる「70万円(65歳以上なら120万円)」の控除などです。

こうした控除を引いたあとの所得が38万円以下なら、扶養控除の対象になります。

たとえば親が70歳で年金受給者なら、「38+120=158」で、親の年収が158万円までなら控除対象にできるというわけです。

親への仕送りでも税金の控除対象になる

扶養控除の条件に、「生計を一にする」というのがあります。

しかし生計を一にするは、同居をしているという意味ではありません。たとえ親と別居していても、仕送りをしていれば扶養控除を受けられます。

仕送りだけでもいいのね!……仕送りの金額は関係ないのかしら。たとえば毎月1000円送っているだけでも、扶養控除を受けられますか?
1000円では無理です。少額すぎる仕送りでは、扶養控除は受けられません。ただ、じっさいにいくら必要かは決まっておらず、常識的に扶養していると思わる金額、ということになっています。

兄弟で仕送りをしているとアウト

扶養控除を受けられるのは、扶養される人ひとりに対して、ひとりだけです。

つまり、自分が親に仕送りをしているとしても、他の兄弟が親に仕送りをしていて、その兄弟がすでに扶養控除を受けている場合は、自分は扶養控除を受けられません。

ただし、この規定はあくまで、1人の被扶養者に対して1人の扶養者と定められているだけです。自分が、父と義父の2人に仕送りをしている場合などは、2人分の扶養控除を受けられます。

仕送りでは贈与税を取られない

相続税法によって、「夫婦や親子、兄弟姉妹など、扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で通常必要と認められるもの」は贈与税の対象にならないと決まっています。

つまり、仕送りの場合は贈与税はかかりません。

ただし仕送りとして許されるのは、生活に必要な額のみです。それ以上のお金を送っている場合は、贈与税がかかってきます。

生活費は仕送りになるというのはわかったのじゃが、介護費はどうなるのですかな?
要介護者の場合、介護費も生活に必要なお金となります。ですから介護費分も、ちゃんと仕送りに含められますよ。

必ず扶養控除をおこなって家計への負担を抑えよう!

扶養控除は、扶養する人の経済的負担を抑えてくれる制度ですのでぜひとも利用したいところです。

同居していないと扶養控除を受けられないと勘違いしている人もいますが、仕送りさえしていれば控除を受けられます。必ず手続きをおこないましょう。

また、被扶養者への仕送りには、贈与税はかかりませんので心配はいりません。