就業不能保険
うつ病でも使える就業不能保険があるってホント!?

うつ病でも使える就業不能保険があるってホント!?

就業不能保険は、病気やケガで働けなくなってしまったときに一定の金額を給付してもらうことができる保険ですが、実はうつ病などの精神疾患は対象外となっている商品がほとんどです。

しかし、精神疾患が原因で働けない人が多くいるのも事実。そんなとき、生活費の保障がある・ないでは安心感が違いますよね。そこで今回は、うつ病などの精神疾患でも給付してもらうことができる就業不能保険についてご紹介していきます。

うつ病が就業不能保険の対象外になってしまう理由、そしてうつ病にも対応している保険にはどのようなものがあるのか、詳しくご紹介していきましょう。

就業不能保険で精神疾患が対象外とされる理由とは

就業不能保険では、どうして精神疾患が対象外とされているのでしょうか。その主な理由としては、次の2点が挙げられます。

  • 病気の完治の見極めが難しい
  • 療養が長期にわたる、また何度も繰り返す可能性も低くない

うつ病などの精神疾患は、目で見て分かるものではありません。ですから、いつ精神疾患になり、それがいつ完治したのかという見極めが難しいのです。

もしかしたら症状を詐称して給付金をだまし取るような可能性もゼロではないと考えられてしまうという面もあります。

いつまで就業不能保険を給付すれば良いのか、その判断が難しいので、うつ病などの精神疾患を対象外とする商品が多いのです。

更に、精神疾患は一度治っても再び患う可能性が低くはありません。また、完治まで何年もかかることもあるというのも、精神疾患が対象外とされている理由として挙げることができますね。

確かにパッと見じゃ精神疾患は分かりづらいですね。

でも働けなくなったときに受け取れるのが就業不能保険なわけですから、その辺も考えてもらいたいものです。

精神疾患は対象外というのが就業不能保険の基本ではありましたが、最近では精神疾患までカバーしてくれる就業不能保険も登場しています。

この後、詳しくご紹介していきますね。

就業不能保険については、こちらで詳しくご紹介しています。

精神疾患にも対応している就業不能保険をご紹介

うつ病などの精神疾患にも対応している就業不能保険を、今回は2つピックアップしてご紹介します。それが、こちらの商品です。

  • くらすプラス(チューリッヒ生命)
  • ベストスタイル(明治安田生命)
精神疾患にも対応してる就業不能保険とか無敵じゃん!

働けなくなったらどんな理由でも決まった金額が入ってくるってことは、何があっても安心だな。

就業不能保険は、あくまでも病気やケガで働けなくなることが前提です。

精神疾患に対応している商品でも、リストラや倒産などによって職を失い、働くことができなくなった場合は対象外となりますので覚えておきましょう。

あ…そういうことね。

どういうときにもらえないか、もう1度確認しとくわ。

では、この2つの保険について詳しく見ていきましょう。

くらすプラス(チューリッヒ生命)

くらすプラスは、精神疾患でも就業不能保険の対象となることで有名な商品の1つです。

その特徴は、何と言ってもその保障の範囲の広さですね。まずは、対象となる5つの疾病を見ていきます。

  • 悪性新生物
  • 急性心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 肝硬変
  • 慢性腎不全

これらの病気により就業不能状態になった場合は、保険が支給されます。入院、自宅療養は問いません。

では、気になる精神疾患についてはどうでしょうか。くらすプラスでカバーしている精神疾患・ストレス性疾病には、以下の物があります。

  • うつ病などの気分(感情)障害
  • 神経症性障害、ストレス関連障害、身体表現障害
  • 摂食障害
  • 更年期障害
  • 統合失調症、統合失調症障害および妄想性障害
  • 非器質性睡眠障害
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 潰瘍性大腸炎
  • 過敏性腸症候群

うつ病だけでなく、これだけ多くのストレス性疾病に対応しているというのが、チューリッヒ生命の魅力ですね。

ただ、これらのストレス性疾病の場合は、入院し、その入院日数が60日を超えた場合に給付対象となるという条件があります。

では、その他の基本情報を見ていきましょう。

年金受取額(月額) 年金受取総額 受け取り方法
月額10万円(一律) 以下から選択
・240万円(2年)
・360万円(3年)
・600万円(5年)
・1,200万円(10年)
以下から選択
・毎月受け取る
・一括で受け取る
・一部を一括で受け取る

チューリッヒ生命のくらすプラスでは、毎月受け取ることができる金額が月額10万円と一律の設定になっています。これよりも金額を増やしたいと思っても出来ないわけですね。

ただ、受取総額は選択することが可能です。もちろん、受取総額が増えることで支払い保険料も増えますので、よく考えて選択するようにしましょう。

受取総額はできるだけ高い方が安心だけど、途中で症状が回復してしまえば受け取れなくなってしまうの?

それだと、受取総額は低めにしておいた方が損はしない気はするのだけど。

くらすプラスでは、受取総額は保障されています。一度支払い地涌に該当すれば、必ずその総額を受け取ることが可能なのです。

もちろん、途中で回復して復職しても、問題ありません。万が一の時受け取る金額が決まっているというのも魅力と言えますね。

ちなみに、くらすプラスは就業不能保険が特約として不随した保険で、主契約となるのは医療保険です。医療保険の内容としては、以下の通りとなっています。

入院給付金(120日型) 入院給付金免責日数 入院給付金(120日型)の保険期間
日額5,000円 60日 終身

気になる保険料ですが、30歳男性、受取総額600万円(5年)、保険料払い込み期間60歳満了の場合は、月額2,890円となっています。

ベストスタイル(明治安田生命)

ベストスタイルでは、主契約にプラスする形で給与・家計サポート特約を付けることができます。

給与・家計サポート特約の主な内容は、以下の通りです。

  • 入院または在宅療養が30日経過したときから支払い対象
  • 支払い開始後は必ず1年間は支払う(病状の状態を問わない)
  • 全ての怪我や病気が支払い対象
  • 支払い事由2回該当まで保障が継続

ベストスタイルの給与・家計サポート特約は、精神疾患も含んだ全ての病気・怪我で入院・在宅療養により働けなくなったときに保険金が受取れるという商品なのです。

受け取ることができる給付金月額については、10万円や20万円など選択することが可能です。不足するであろう金額を、必要となるであろう金額を選択できるという点も、この商品の魅力ですね。

ただ注意しなければいけないのは、この特約が終身ではなく10年の更新型であるという点、そして支払事由2回までの給付と制限されている点です。

3回目以降の就業不能については、給付が行われないので注意しておきましょう。

ちなみに、給付金月額を10万円とした際の特約分の保険料は以下の通りとなっています。

契約年齢 男性 女性
20歳 638円 964円
30歳 762円 1,156円
40歳 1,061円 994円
50歳 1,835円 1,517円

これはあくまでも特約の分のみの保険料ですから、ベストスタイルの保険料を足した金額が毎月の支払い保険料となります。

メンタルヘルスが原因で休職している人は決して少なくない!

ここまで精神疾患で就業不能となった場合でも給付を受けられる保険についてご紹介してきましたが、精神疾患による休業は実際どのくらいあるのでしょうか。

実は、労働政策研究・研修機構による調査では、メンタルヘルスで不調をきたし休職している人が1割を超えているという実態が明らかになりました。

メンタルヘルスとは

心の健康のこと。メンタルヘルスに不調をきたすと、精神疾患など心の病気を引き起こしたり、体の不調へと繋がる場合がある。

メンタルヘルスに不調を感じている人だけで見れば、実に働く人の4分の1が該当すると言われています。ただ、その多くは通院などの治療を行わなくても日常生活を送れる状態にあります。

メンタルヘルス不調を感じている人の中で、通院治療などを行っている人は2割程度とされています。

そして、精神疾患では入院を必要とする症状も少なくはありません。精神疾患による入院日数平均を、見ていきましょう。

精神疾患名 入院平均日数
精神および行動障害 292日
統合失調症
統合失調症障害及び
妄想性障害
546日
気分(感情)障害
うつ病を含む
113日
神経症性障害
ストレス関連障害及び
身体表現性障害
53日
その他精神および
行動の障害
202日
実は、メンタルヘルスの不調が原因で休職している人は、1割を超えると言われています。精神疾患の治療には長期の入院が必要となる場合もありますので、休業時の生活費の確保を考えるのは非常に大切なことだと言えるのです。

メンタルヘルスの不調は、決して他人ごとではありません。いざという時のことを考え、うつ病などの精神疾患が原因でも給付対象となる就業不能保険を検討してみると良いでしょう。

確かにストレス社会で俺もストレス溜まる一方だわ。

これで体調崩して働けなくなったら収入なくなって困るから、精神疾患対応の就業不能保険が大事になってくるわけね。

就業不能保険は、生活費を確保する目的としたものです。医療費だけが不安だという場合は、医療保険で十分対応することもできます。

万が一のときに、何の理由でいくら必要になるかを考えて、契約するかどうか検討してほしいですね。

就業不能保険のメリットやデメリットについて興味がある方には、こちらの記事がオススメです。

就業不能時には公的制度による保障も利用可能

病気や怪我で就業不能となって休業状態に陥った場合は、自分で契約している保険以外にも公的制度を利用することができます。

特に会社員の場合は、傷病手当で月給の3分の2程度の金額は保障されますので、大きいですね。ただし、受け取る期間については18か月などの上限がありますから、その期間後の生活費確保は考えておかなければいけません。

病気で働けなくなったときに受けられる公的制度については、こちらで詳しくご紹介しています。

また、傷病手当や労災といった会社や保険による保障については、自営業者は受けることができません。自営業者は会社員よりも受けられる保障が少ないという現実がありますので、万が一のことを考えておくことが求められます。

自営業者に就業不能保険を勧める理由について、こちらの記事で特集しています。
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就業不能保険はうつ病などの精神疾患でも給付対象となる商品がある!

基本的には、うつ病などの精神疾患が就業不能保険の対象とはなっていません。つまり、うつ病で休業しても保険金を受け取ることはできないのです。しかし、メンタルヘルス不調による休業を余儀なくされている人の数は、1割を超えると言われているのも現実です。

そのような人たちを助けることができる保険が、いくつか登場しています。精神疾患に対応しているという魅力がある一方で、期間や支給回数は制限されているという面があるということは認識しなければいけませんが、万が一の保障があるというのは安心ですよね。

ただ、特約扱いであることも多いですから、主保険の契約が別途必要となってきます。どのような商品があり、その内容についてしっかりと把握し、利用を検討するようにしたいですね。