住宅ローン控除以外に「すまい給付金」を受け取れるケースも?
住宅購入に関係する国の補助制度と言えば、「住宅ローン控除」が有名です。しか住宅ローン控除以外にも補助制度があるのをご存知でしょうか?
その1つが「すまい給付金」です。住宅ローン控除は高所得の人ほど有利になりがちですが、すまい給付金は逆に低所得の人が有利になる制度となっています。
このページでは、すまい給付金について詳しく解説していきます。
住宅ローンのすまい給付金って何?
消費税は、購入したものに対する割合でかかる税金ですので、高額の買い物をするほど税の負担が大きくなってしまいます。「住宅」などは、まさにその高額な買い物に当てはまるでしょう。
当初3%だった消費税は、2014年には8%にまで上昇し、家を買う際の大きな負担となっています。
そうした消費税による、マイホームの買い控えを緩和するために作られたのが「すまい給付金」です。家を買ったときに、一定額のお金を給付してもらうことができます。
すまい給付金を受けると確定申告が必要?
住宅ローン控除の場合、サラリーマンでも確定申告が必要になってきます。
しかし「すまい給付金」に関しては、確定申告をする必要はありません。すまい給付金による一時所得は、非課税枠に収まる額なので申告しなくてもよいのです。
ただし、すまい給付金の他に一時所得がある人は、すまい給付金とその他の一時所得を合計して非課税枠を超えてしまう事があります。そういう場合は確定申告が必要です。
さらに追加の注意点として、すまい給付金は非課税にできるという事を覚えておいてください。必要書類を提出すれば、すまい給付金を一時所得には含めないようにできるのです。
すまい給付金っていくらぐらい貰えるの?
すまい給付金で貰える金額は、収入により決まっていて、「低収入」の人ほど多くなっています。これは住宅ローン控除との、バランスを取るためです。
住宅ローン控除の場合、たとえば控除額が40万円でも、収入が少なく、納税額が10万円なら10万円しか利益を得られません。そのため、すまい給付金では低所得者に配慮されています。
受け取れる金額は、消費税率8%の時は「最大で30万円」、消費税率が10%なら「最大で50万円」となっています。
収入ごとのじっさいに受け取れる金額表
消費税率が8%の時と10%の時では、調べる表が違うことに注意してください。また、すまい給付金は、「所得割額」を基準に算出しますが、政令指定都市か、それ以外に住んでいるかによって変わります。
給付額 | 所得割額 | 所得割額(政令市) | 年収目安 |
---|---|---|---|
30万円 | 6.89万円以下 | 3.445万円 | 425万円以下 |
20万円 | 6.89~8.39万円 | 3.445~4.195万円 | 425~475万円 |
10万円 | 8.39~9.38万円 | 4.195万円~4.69万円 | 475~510万円 |
給付額 | 所得割額 | 所得割額(政令市) | 年収目安 |
---|---|---|---|
50万円 | 7.6万円以下 | 3.8万円以下 | 450万円以下 |
40万円 | 7.6~9.79万円 | 3.8~4.895万円 | 450~525万円 |
30万円 | 9.79~11.9万円 | 4.895~5.95万円 | 525~600万円 |
20万円 | 11.9~14.06万円 | 5.95~7.03万円 | 600~675万円 |
10万円 | 14.06~17.26万円 | 7.03~8.63万円 | 675~775万円 |
年収の目安も載せていますが、あくまで所得割額が基準になります。正確な給付額を知りたいなら、課税証明書で所得割額をチェックしてみてください。
すまい給付金はいつ貰える?
すまい給付金は、申請してから1ヶ月半~2ヶ月ほどで口座に振り込まれます。
申請可能期間は、住宅の取得日から1年以内となっています。期限を過ぎてしまうと、給付金を受け取れなくなってしまいますので、忘れないようにしましょう。
ただし現在は、すまい給付金制度をはじめて間もないため、特別に申請期間を1年3ヶ月に延長してあります。
すまい給付金を受け取るための条件は何?
すまい給付金を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 購入する住宅に居住すること。
- 住宅の床面積が50平方メートル以上であること。
- 一定以下の収入であること(正確な数値は上の表を参照)。
- 平成33年12月までに入居すること
新築の場合は?
新築ですまい給付金を受けるには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 今まで人が住んだことがなく、完成から1年以内の物件であること。
- 住宅瑕疵担保責任保険の加入、住宅性能表示制度の利用、住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施されている、のいずれかを満たす。
中古の場合は?
中古物件ですまい給付金を受けるには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 売主が宅地建物取引業者である。
- 既存住宅売買瑕疵保険へ加入、既存住宅性能表示制度を利用(耐震等級1以上のもの)、築10年以内で住宅瑕疵担保責任保険に加入、築10年以内で建設住宅性能表示を利用、のいずれかを満たす。
家の名義人が複数の場合は?
家の名義人が複数の場合、名義人それぞれが給付を受けられます。ただし、給付基礎額に持分割合を掛けた金額が、じっさいに受け取れる金額になります。
たとえば、所得割額で給付額が30万円となっていたとしても、家の所有権を50%しか持っていなかったら、給付額も半分の15万円になってしまいます。
専業主婦でももらえる?
基本的にすまい給付金は、住宅ローンを組んでいる人が対象になっています。そのため、妻が住宅ローンの名義人になっていなければ給付は難しくなっています。
ただし、妻の年齢が50歳以上で家の所有権を持っている場合は、給付を受けられます。
すまい給付金の申込み方法は?
入居後に、「給付申請書及び確認書類」をすまい給付金事務局へ提出することで申し込みができます。
すまい給付金事務局の場所はすまい給付金公式サイトで確認してください。
損をしないようにすまい給付金の条件をチェック!
申請作業が面倒だ、という人は不動産会社やハウスメーカーの担当者に、代理受領を頼むという方法もあります。
すまい給付金は消費税が8%になった2014年にはじまった制度です。消費税が5%~8%に引き上げられたことにより、住宅取得者の税負担を軽減する目的です。
その為、消費税納税義務のない個人が売主の中古住宅には適用されません。
手続きはあまり難しくないのですが、売主が業者なので代理受領による申請が一般的です。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。