定年退職・退職金

退職金なしの老後はどうなる?将来の生活を支える貯蓄と資産運用

まもなく定年退職…老後は会社から支給される多額の『退職金』で、ゆとりあるセカンドライフを…。そんなイメージをお持ちのミドルシニアの方も多いのではないでしょうか?

しかし、その認識は本当にあっていますか?『退職金』は、ある・なしも会社によって異なり、制度の多様さや複雑さから正しい認識ができていな人も少なくありません。

いまいちど退職金について理解を深め、定年退職後も安心して暮らすために必要な「老後資金」の考え方を身につけていきましょう!

老後の生活費はどれくらい必要?平均貯蓄額から考える今後の貯蓄

ねぇ先生、うちは今の暮らしに特段不満はないけど…いずれ旦那さまが定年退職をしたら、収入がなくなるのよね。それなら今のうちから、しっかり貯蓄しておかなきゃだめかしら!?
そうですね!なにも考えずに現役世代と同じお金の使い方を続けていると、老後の生活資金に不安が生じるかもしれません。老後資金の最新まとめ情報をチェックしてみましょう。

定年退職をしたあとの暮らしについて、いったい皆さんはどれくらいの貯蓄を用意していますか?フェルトン村では「老後の資産や貯金はいくら必要?生活費の必要額を解説します」の記事にて、平均貯蓄額の最新まとめ情報を公開しています。

まずは参考として、上記リンクから現時点でご自身が平均値のどれくらいに該当しているのかを確認してみてくださいね。もちろん、あくまで「平均額」ですので、世帯人数やローンの有無などによって理想の貯蓄額は変動します。

ホントに頼れる年金制度?日本の年金制度のおさらいと退職金との関係

先生、どうしよう。うちはあんまり老後資金が貯められてなくて・・・。でも、老後は「年金」がもらえるから、それで生活できますよね?
たしかに日本には「年金制度」があります。しかしひとえに「年金制度」といっても、その種類や制度はさまざまなんです。ここでは簡単に、日本の年金制度のキホンをおさらいしましょう!

日本の年金制度は「3階建て」ってどういうこと?

日本の年金制度を説明するにあたって、よく「年金は3階建て」という表現を聞きます。現在の日本における年金制度は、すべての人が同じ制度に加入するのではなく、個人の勤め先や加入条件によって対象となる年金制度が異なります。

そこで、わかりやすく説明をするために、国民全員が加入する年金=「1階部分」、職業に応じて加入する年金=「2階部分」、企業や団体が任意で加入する年金=「3階部分」と区分けをしています。

この1階・2階部分は国が社会保障の一環でおこなう『公的年金』です。3階部分は「企業年金」と呼ばれることが多く、企業や団体が任意で加入する福利厚生の一部です。

定年退職でもらえる『退職金』は何階部分に当てはまるの?

企業における退職金制度にもさまざまなパターンがあります。代表的な6つの退職金制度について簡単に解説します。

退職金の種類 内容
確定給付企業年金 年金給付額を確定し、年金資産を企業が一括して運用する年金制度。
企業型確定拠出年金 企業が拠出した掛け金を、加入者が資産運用する年金制度。
中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度 中小企業向けの退職金制度で、事業主と国の相互共済によって従業員へ退職金を支払うしくみ。
厚生年金基金 企業ごとに加入した基金が国の厚生年金の一部を代行し、厚生年金に上乗せして支給する年金制度。
自社年金 企業が任意で金融機関と契約をし、企業内で独自に設ける年金制度。
退職金前払い制度 退職時に支給される退職金を一定条件のもと在職中に受け取る制度。
会社を辞めるときに支給される「退職金」も、一括で支払われる「退職一時金制度」だけではありません。分割して年金として支給される「退職年金制度」や前倒しで受け取る「退職金前払い制度」など、時代とともに支給方法の多様化が進んでいます。

退職金による年金支給は、3階建て年金制度のうちの「3階部分」にあたります。

国民年金や厚生年金に上乗せされるため、老後の生活費に充てられる年金額も増えることになります。会社員時代に会社と個人で保険料を納めていた分、年金額が多くなるというイメージですね。

「会社員をしていれば、年金を多くもらえる!」と思い込みがちですが、この『退職金制度』は、企業によって大きくケースが異なります。現代の日本を取り巻く退職金事情をみてみましょう。

退職金がもらえるのは「当たり前」じゃない?最新イマドキ退職金事情

うちの旦那さまはサラリーマンだから、定年退職をしたら「退職金」がもらえるのは当然ですよね?
いえ、退職金はあくまで企業が独自で設ける制度です。企業によっては、退職金制度を設けていない場合もあるので注意が必要です!

退職金なしの会社は約1/5!退職金制度の有無は会社に一任されている

「退職金」という制度は、国の法律に定められているものではなく、あくまで企業が独自で設ける給与制度です。退職金の有無から、支給方法、支給額まですべての条件は企業に一任されています。

それでは2018年現在、一体どれくらいの企業が退職金制度を導入しているのでしょうか?厚生労働省公表の「平成30年就労条件総合調査」によると、調査対象の有効回答数のうち80.5%の企業が退職金制度を設けています。

つまり、約20%の企業において退職金制度がないという現状です。

退職金制度はその支給方法の多様化により、導入する企業数が一定の推移をみせていますが、それでも5社に1社は退職金なしという現状が今の日本社会のリアルです。

退職金がもらえるとしたら一体どれくらいの金額?平均相場をチェック

退職金がもらえる会社に勤めている場合、おおよそどれくらいの退職金を受け取れるのでしょうか?平成30年就労条件総合調査の「退職金支給実態」によると、以下のような結果が報告されています。

退職者1人平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)
退職事由 大学・院卒 高校卒
定年退職 1,983万円 1,618万円
※厚生労働省「平成30年就労条件総合調査結果の概況」による管理・事務・技術職の場合

学歴や職種にもよりますが、平均額では2000万円前後の退職金が支給されることとなります。もちろん、あくまで平均額であるため実際の支給額は企業の規定や在籍年数によって大きく異なります。

さらに退職金の支給額は、今後の経済状況によっても大きく左右される可能性があり、5年後、10年後も同じような相場が当てにできるとは限りません。

退職金制度があっても、将来どうなるかわからない不安も拭いきれない世の中です。

また、もし勤務している会社が退職金なしの場合、この約2000万円に値する老後の蓄えを準備しておきたいですよね。しかし2000万円という多額…どのように蓄えたらよいのでしょうか。老後安心して暮らすための、今からできる老後資金計画について考えていきましょう。

退職金のあり・なしは、会社の担当部署へ確認をしよう

せせ、先生、退職金がない会社があるなんて、専業主婦のわたしは知らなかったわ…。うちの旦那さまの会社は退職金があるのかしら?一体どうやって調べればいいんでしょう。
「退職金」に関する問い合わせは、役所や年金事務所に聞いても答えてもらえません。勤めている企業に確認するのが正解です!

重複となりますが、退職金は国で定められた制度ではなく、企業に一任された給与体系のひとつです。退職金についての詳細を確認するには、勤めている会社の担当部署へ問い合わせることになります。

退職金の担当部署は企業によって異なりますが、人事部や総務部、経理部で確認できるケースが多いです。

また、会社の就業規則においても退職金の規定を確認することができます。この就業規則は不定期に改定をされることがあるため、常に最新の情報を把握しておくようにしましょう。

退職金制度はメリットばかりじゃない?長所と短所を知っておこう

会社の担当部署や就業規則において退職金制度が「ある」と確認できたら、つぎに制度の“内容”をチェックしていきましょう。退職金制度はその種類によって支給方法もさまざまです。

基本的な退職金の支払い方法には、退職時に一括して支給される「退職一時金制度」、年金として分割して支給される「退職年金制度」、在職中に前払いされる「退職金前払い制度」と大きく分けて3つあります。

厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると、「退職金一時金制度」の採用企業は73.3%、「退職年金制度」の採用企業は8.6%、両制度を併用している企業は18.1%となろ、最近では「退職金前払い」の選択制を採用する企業が増えています。

退職金前払い制度とは?広がっていく退職金の選択肢

近年では、一つの企業に長年勤め上げるだけでなく転職をしてキャリアアップを図る働き方が増えるようになりました。そこで、流動的な働き方に対応するために退職金の前払い制度が多くの企業で導入されはじめています。

基本的に退職金による所得は、長年の勤労に対する報償的な給与としての意味合いをもつため、他の所得と異なり税負担が軽減される「税制優遇措置」の対象となるメリットがあります。

しかし、退職金の前払いによる所得は「給与」として扱われ、税制優遇措置を受けられなくなるデメリットがあります。

もちろん退職金を前払いすれば、給与の低い若年層のうちに月々の手取りを増やし、自己投資や資格取得などに費用を回すことができます。

退職時まで待って退職金を受け取るか、在職中に前払いを受けるか、それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、ご自身のライフプランにあった判断が大切です。

うちの会社は退職金がない!そんなときの対処法と老後の貯蓄方法

もし勤めている企業が「退職金なし」であった場合、どのような対処をしておけば将来も安心できるのでしょうか。

退職金がない人はもちろん、今現在退職金がある企業でも、倒産や経済状況で将来どうなるかは見えないもの。定年退職後のゆとりある暮らしに備えて、知っておきたい老後資金の上手な考え方をご紹介します。

退職金のある会社に転職するのは…本当に賢い選択なの?

勤め先に退職金がない場合、退職金のある企業へ転職をした方がよいのでしょうか?正直なところ、退職金を目当てにした転職はあまりオススメできません。

なぜなら、退職金は勤務年数の長さに比例して支給される金額が増えることが多く、中途入社をした場合は多くの退職金が期待できないからです。

さらに、退職金には給与の「後払い」という側面もあるため、退職金制度があることによって毎月の給料が減ってしまう可能性もあります。退職金を目当てに転職をしても、総合的には不利になってしまうかもしれません。

企業の賞与や福利厚生を含め、トータルバランスで判断することが大切です。

老後資金の貯め方プランを一挙ご紹介!上手なお金の増やし方

退職金の平均額2000万円前後の貯蓄を用意するのは、並大抵のことじゃありませんよね。たとえ退職金がもらえたとしても、老後の長い生活資金として本当に十分な金額と言えるかはわかりません。

さらに先の見えない将来、日本経済や会社の経営もどうなるか見えません。少しでも老後の不安を減らすために、今からできる貯蓄プランの検討が欠かせませんよね。しかし、老後に備えた上手なお金の増やし方について、何から手をつけたらよいかわからない方も多いのではないでしょうか?

お金は、ただ貯めているだけでは増えません。

老後資金の貯め方とは?お金を増やすための9つの運用方法を紹介」の記事では、30代・40代から始められる老後の賢いお金の増やし方をご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

しっかりと正しい知識を学びながら、定年退職をして収入が途絶えても老後生活に不安が残らないよう、少しずつお金を増やす道をつくっていきましょう。

定年退職後に困らないために!万全の貯蓄対策で安心の老後ライフを

退職金ある・なしに関わらず、先の見えない将来に向かって老後資金の蓄えを、はやいうちからスタートすることが安心ある暮らしへの近道です。

退職金のルールは企業によって大きく異なるからこそ、今後のマネープランを立てるためには、まずご自身の勤め先における退職金ルールを確認することが大切です。

会社や国が設ける退職金や年金制度を活用しながらも、少しずつ資産運用に関する知識を学び、個人の資金対策もおこなうことでゆとりある老後生活への準備をはじめましょう。