特別養護老人ホームの入所条件と申し込み方法を詳しくご紹介!
特別養護老人ホームは、寝たきりや認知症などで介護が必要になった人が24時間体制で介護を受け、生活することができる施設です。
生活介助だけでなくリハビリも行ってくれるので、特別養護老人ホームに入りたい、家族を入れてあげたい、そう思う方は少なくないはず。
特別養護老人ホームは、誰でも入れるわけではありません。条件をクリアしなければ入所申し込みをすることができないのです。
特別養護老人ホームに入所する条件とは何か、そして申し込みはどうすれば良いのか、詳しくご紹介していきましょう。
特別養護老人ホームの入所条件をチェック
特別養護老人ホームは、介護が必要な高齢者を対象として24時間体制で介護を行い、日常生活を支援する施設です。
特別養護老人ホームは、誰でも自由に入所できるという訳ではありません。
特別養護老人ホームに入ることができる入所条件は、3つあります。
- 要介護3以上で65歳以上の高齢者
- 40~64歳でも特定疾病が認められた要介護3以上の人
- 要介護1・2でも特例を満たした人
このいずれかに該当すれば、特別養護老人ホームの入所基準を満たすことができるわけです。
また、基本的に特別養護老人ホームは高齢者を対象とした施設です。
要介護3以上でも、40歳から64歳までの人は以下の特定疾病が認められなければ入所基準を満たすことはできません。
特定疾病の例を挙げておきます。
- がん(末期)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靭帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗しょう症
- 初老期における認知症
- 脊髄小脳変性症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
数に限りがありますので、介護度が低い人が入所することで介護度の高い人が入所できない事態を防ぐため、基準が設けられているのです。
介護度1・2でも入所条件をクリアできる【特例】とは
入所条件としては、基本的に介護度3以上となっています。しかし、特例に該当すれば介護度1・2でも特別養護老人ホームに入所することは可能となります。
特例と認められる要件は、4つあります。
- 認知症であることにより、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られる
- 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られる
- 家族などからの深刻な虐待が疑われ、心身の安全・安心の確保が困難
- 単身世帯であるか、同居家族が高齢または病弱で家族らによる支援が期待できない。また、地域での介護サービスや生活支援供給が不十分
つまり、今の状態では在宅生活が困難な状態であると判断されることが、特例と判断されるための条件となるのです。
特別養護老人ホームについて、更に詳しく知りたい方にはこちらの記事がオススメです。
特別養護老人ホームの申し込み方法をご紹介
では、特別養護老人ホームはどのように申し込むのでしょうか。申し込み方法についてご紹介していきましょう。
基本的に、特別養護老人ホームは市区町村で入所申し込みの手続き・判断をしています。ですから、各市区町村の申し込み受付センターなどに申し込みをする必要があるわけです。
入居申込書や介護保険症など、必要となる書類がありますのできちんと用意してお行きましょう。
また、特別養護老人ホームは複数の施設に、同時に申し込むことも可能となっています。申込書に複数の希望施設を記入できる場合も多いですから、施設は1つだけでなくいくつかチェックしておくと良いでしょう。
特別養護老人ホームの申し込み方法は、市区町村によって異なる場合もありますので各市区町村の公式サイトなどで確認しておくようにしましょう。
施設に直接申し込んだ方が早いじゃん。
ですから、申し込みを一括管理できるよう、市区町村で取りまとめていることが多いのです。
特別養護老人ホーム申し込み前にしておくべきこと
特別養護老人ホームは、順番待ちをすることが多いことから、とりあえず早く申し込まなければ、と急いでしまいがちです。
しかし、特別養護老人ホームを申し込む前には、ぜひしておきたいことがあります。それが、希望施設の見学です。
あと注意しなければいけないのは、待機時間短縮のためという理由だけで必要もないのに申し込みだけしておく、ということはNGです。
せっかく入所できることになっても断ってしまえば、次の入所がしづらくなってしまいます。注意しておきましょう。
特別養護老人ホームの入居は申し込み順じゃない!早く入れる人の特徴
特別養護老人ホームの入居待機者数は、50万人にも上ると言われています。特別養護老人ホームを申し込みしても、すぐに入所できるとは限らないのです。
実際、申し込み後3か月以内に入居できたのは60%程度であるというデータもあります。中には、数年待たされたという人もいるのです。
また、特別養護老人ホームは申し込み順で入居できるわけではありません。
特別養護老人ホームは、緊急性が高いと判断された人から、優先的に入所するのです。
優先度が高くなる人の特徴としては、以下のようなポイントが挙げられます。
- 介護できる家族や身寄りがいない
- 虐待などで保護が必要
- 介護度が高い
申し込み時点では上記の点を満たしていなくても、申し込みをしてから介護度や申し込み者の状態も変わることもあります。その都度きちんと報告しておくことで、優先度が上がる場合もありますね。
ただ、優先度が高い人がどのくらいいるかは分かりませんので、自分の順番が回ってくるまで、ある程度時間がかかってしまうことも認識しておきたいところです。
待っている間、自分で介護をしなければいけないということになるのかしら。大変だわ…。
次の見出しで詳しくご紹介しますね。
特別養護老人ホームへの入居が決まるまでに利用できる介護サービス
特別養護老人ホームは、数か月以上も待たされることが珍しくはありません。いつかは入居できるかもしれないとは言われても、入居するまでの期間も介護は発生するものです。
では、それまでの間は自分の力だけで介護を行わなければいけないのでしょうか。実は、特別養護老人ホームの他にも利用できる介護サービスは色々あります。
それが、以下のサービスです。
- 介護老人保健施設の利用
- デイサービスやショートステイの利用
- 有料老人ホームの利用
それぞれのサービスについて紹介しましょう。
介護老人保健施設の利用
介護老人保健施設は、在宅介護を目指すためにリハビリを中心に行う施設です。ただ、通うのではなく特別養護老人ホームのように入居での介護を行ってくれます。
介護老人保健施設は、特別養護老人ホームと同様に入居一時金を必要としません。介護費用をできるだけ抑えられるというのは、嬉しいですよね。
ちなみに、特別養護老人ホームの費用についてはこちら所得や介護度で違う特別養護老人ホームの費用を徹底解説!の記事で特集しています。
介護老人保健施設は、入居期間が3か月と決められています。3か月ごとに審査を行い、これ以上の老人保健施設での介護・ケアは必要ないと判断されれば対処しなければいけないのです。
ただ、3か月ごとに入退所審査が行われるため、比較的入居しやすいという特徴がありますね。
デイサービスやショートステイの利用
介護は、在宅介護だけやケアマネによる訪問介護を受けるだけでなく、デイサービスやショートステイを利用するという選択肢もあります。
特にショートステイは、数日から最長で30日間施設で過ごすことができる場合もあるため介護を行う家族の負担軽減の役割を果たすことができるでしょう。
デイサービスも、日帰りでの介護サービスとはなりますが、送迎車で送り迎えをしてくれるので負担は少ない状態で介護を行うことができます。食事や入浴、リハビリを行ってくれるので、利用頻度を考えながら続けていくと良いですね。
このとき、入所を希望している特別養護老人ホームのショートステイを利用することで、待機順番の優先度が上がる場合があります。
申し込み者の状況が良く見えること、信頼関係が築けていることが、優位に働く場合があるわけです。
また、様々な介護サービスを利用していることをアピールすることで、これだけ介護が必要なのだということを示すことができます。介護サービスは、上手に活用したいものですね。
ケアプランを作成後、契約をしてサービスを利用することができるのです。自分で自由に契約するものではありません。
有料老人ホームの利用
有料老人ホームは、入居時に一時金として1,000万円を超える高額な費用が必要となる場合が珍しくはありません。
しかし、有料老人ホームの中にも月払い形式のところがあり、一時金ゼロで入居できる場合もあるのです。
ひと月当たりの費用は割高になってしまいますが、特別養護老人ホームに入居できるまでの期間限定ということであれば選択肢として考えても良いですね。
有料老人ホームと言っても、いくつか種類があります。
項目 | 介護付き 有料老人ホーム |
住宅型 有料老人ホーム |
---|---|---|
費用 | ・月額の介護費用が固定 | ・サービスを選択しすぎると 自己負担限度額を超えてしまい 介護費用が高くなってしまう |
環境 | ・24時間体制で介護を受けられる ・イベントが充実 ・数が多い ・終身利用 |
・介護サービスは別途契約 ・外部業者の介護サービスを契約するため 選択肢が多い ・イベントが充実 |
特別養護老人ホームは介護度3以上で優先度が高い人から入所可能
待機時間は、数か月から数年に及ぶこともあります。待っている間は、有料老人ホームやショートステイ、デイサービスといった介護サービスを活用したいですね。
必要性が高いと判断されれば、入所順は早くなります。できることをしっかりやること、そして状況が変わったらすぐに報告することを意識しておきたいところです。
入所条件がだいぶ厳しい気もするのですが、何か理由があるのですか?