在宅介護サービス
訪問介護で通院・外出介助は可能?介護保険の対象になる外出とは

訪問介護で通院・外出介助は可能?介護保険の対象になる外出とは

訪問介護サービスには、通院などのための「外出介助」が含まれます。

ただ、訪問介護は原則として利用者の自宅で行うこととされているため、外出介助にはいろんな制限があります。

どこに行く場合でもホームヘルパーがついてきてくれるわけではないんですよ。

買い物に行くにしても、生活に必要な食料や日用品以外の買い物は、介護保険サービスの対象外です。

介護保険の対象になる外出介助の条件を説明します。介護保険では希望する外出介助を利用できない場合の代替案も紹介します。

通院はOKで葬式はダメ!認められる外出介助・認められない外出介助

訪問介護での外出介助は、通院や日常品の買い物などの場合に認められます。

外出介助として認められるケース、認められないケースを紹介します。

認められる外出介助は通院や選挙など限られている

外出介助が認められるのは、以下の場合です。

  • 通院
  • 日常品の買い物
  • 選挙の投票
  • 役所への届け出
  • 介護施設の見学
  • 家族のお見舞い

通院の外出介助は、「自宅での外出準備から病院受付での受診手続きまで」と「会計や薬の受け取りから帰宅まで」を指します。

病院内での介助は、原則として病院スタッフが行います。あとから詳しく説明しますね。

家族のお見舞いは、頻繁ではない場合のみ認められています。

ヘルパーさんに散歩に付き添ってほしいんじゃ!
散歩の付き添いは外出介助ではなく、「自立生活支援のための見守り的援助」にあてはまる場合のみ認められます。
「自立生活支援のための見守り的援助」にあてはまる散歩は、どんな散歩のことなんだい?
「単なる日課や気分転換ではない」、「本人の機能向上のために有効」、「通所介護や通所リハビリの利用が困難」などの条件を満たす場合の散歩です。

お葬式や地域のお祭りは不可!認められない外出介助とは

訪問介護での外出介助ができないのは、このような外出です。

  • 日常品以外の買い物
  • 外食
  • 通勤
  • 趣味関係
  • 冠婚葬祭
  • 地域行事

し好品や趣味のための買い物のほか、近くにスーパーがあるのにわざわざ遠くのお店まで出向いての買い物などは認められません。

趣味での外出は、諦めるしかないのかしら…
介護保険外の付き添いサービスなら、趣味の外出にも利用できます。介護の資格を持つスタッフが対応してくれる業者もあります。

通院の外出介助は受付まで!院内での介助は原則病院スタッフが担当

病院内での介助は、ホームヘルパーではなくて、病院スタッフが行います。院内介助は、原則として、介護保険ではなくて医療保険で提供されるべきものだからです。

病院スタッフが対応できない場合にのみ、ホームヘルパーが介護保険サービスとして介助を担当します。

院内介助の内容や、ホームヘルパーが対応することになる条件を紹介します。

院内の移動とトイレの介助はホームヘルパーが担当できる場合あり

院内介助には、主に以下の5つがあります。

  • 院内での移動
  • 診察やリハビリの待ち時間の付き添い
  • トイレなどの介助
  • 診察やリハビリの付き添い
  • 会計の待ち時間の付き添い

院内での移動とトイレなどの介助などは、病院スタッフが対応できない場合、ホームヘルパーが行うことができます。

診察やお会計の待ち時間は、介護保険の対象外なの!?
はい、原則としてはそうです。ただし、認知症で見守りが必要な人や、椅子に座っているときに常に支えが必要な人などについては、待ち時間も介護保険の対象になることがあります。
そうなんだ。診察室で、本人に代わってお医者さんから説明を受けたり、症状を説明するのはできる?
それはヘルパーには絶対にできないことです!

介護保険で院内介助を受けるには、ケアプランへの記載が必要

ホームヘルパーが院内での介助を行うための条件は、以下の通りです。

  • 家族が付き添いできない
  • 病院スタッフが対応できない

「病院側が対応できない」ことの確認は、ケアマネージャーが行います。介護保険での院内介助が必要だと認められたら、ケアプランに盛り込まれます。

介護保険で外出介助を利用できないときの代替案をご紹介します

訪問介護での外出介助が利用できない時の代替案としては、ネットスーパーの利用や、外出付き添いサービスの利用があります。

介護保険のサービスと介護保険外のサービスを、上手に組み合わせて利用しましょう。

食料や日用品の買い物なら、ネットスーパーやコンビニが便利

ネットスーパーやコープの宅配を利用すれば、注文した商品を家まで届けてくれます。コンビニでも、注文したものを配達してくれるところがありますよ。

配達時に安否確認をしてくれる業者もあるので、家族が遠方に住んでいるなど、一人暮らしの人には安心ですね。

配達してもらうと、送料が高いんじゃないですか?
「〇円以上購入すれば送料無料」というところも多いですよ。
それなら安心ですね。でも、うちの親、ネットで注文なんてできるかな…
カタログで注文できるスーパーもありますし、遠方の家族が本人の代わりに注文できるスーパーもありますよ。

調理をする手間もなし!お弁当の配食サービスが便利

お弁当の配食サービスなら、調理をする手間もありません。

近所のおばあさんも配食サービスを利用しているそうなのですが、いろんなおかずが入っていて栄養バランスがよく、気に入っているそうです。

「買った食材を使いきれずに捨てる、なんてことがなくなって嬉しい。容器も業者に返すので、ゴミが少なくて楽」ともおっしゃっていました。

食材を細かく刻むなどの対応をしてくれるところもありますよ。

代わりに買い物に行ってきてくれる買い物支援サービス

買い物してきてほしい商品を聞き取り、代わりに買い物に行ってくれる「買い物支援サービス」「買い物代行サービス」もあります。

自治体のWEBサイトに「買い物支援協力店一覧」などとして掲載されていることがあります。確認してみましょう。

趣味の外出にも利用可能!介護保険外の外出同行サービス

介護保険の対象外になってしまう散歩や趣味の外出に付き添ってくれる「外出同行サービス」「外出付き添いサービス」があります。

訪問介護サービスの事業者が、介護保険外のサービスも提供している場合があります。ケアマネージャーや事業者に聞いてみてください。

訪問介護での外出にこだわらず介護保険外サービスも検討してみては?

訪問介護での外出介助の目的は通院、選挙、日常品の買い物などに限られています。

「ヘルパーに付き添ってもらい、買い物に行く」などの行動は自立した生活を送るのに大切ですが、外出に電車などを利用する場合、ヘルパーの交通費も利用者が負担する必要があります。

適宜ネットスーパーなどを利用すれば、介護にかかるお金の負担を減らせるかもしれませんよ。

介護保険のサービスと、介護保険外のサービスを上手に組み合わせるのがおすすめです。