投資信託の始め方

バランスファンドとは?初心者でもわかるメリット・デメリット

銀行の金利が低い今の時代、いくら貯金をしたところで、大した利息はもらえません。しかし、投資を始めれば、銀行に預ける以上のリターンが得られます。

投資信託を購入し、資産運用に成功すれば、将来的には資産を大きく増やすこともできるでしょう。しかし、失敗したらどうなってしまうのでしょうか?

投資というのは成功することもあれば、失敗することもあります。せっかく投資を始めても、失敗しては意味がありません。

分散投資は、そんな投資につきものの失敗のリスクを減らせる手法の一つです。そして、バランスファンドとはこの分散投資の効果をもっとも発揮しやすい投資信託でもあります。バランス型の投資信託を購入すれば、低リスクな資産運用を始められるでしょう。

今回はバランスファンドの特徴とメリット、そしてデメリットなどを紹介します。

バランスファンドとは?

投資信託とは、資産運用を投資のプロに任せるという金融商品です。ファンドマネージャーなどの投資のプロは、預かった資金を株や債券、REITなどに投資をし、運用をします。

バランスファンドとは、投資信託の種類の一つであり、アセットの組み入れ比率が常に同じになるように資産運用をする投資信託のことです。

本来、ファンドがどこに投資をするかはファンドの自由です。しかし、無軌道に投資をされると、失敗するリスクが増大しますし、なにより本当に投資をして良いファンドなのか判断がつきません。

そのため、各ファンドは資産を運用する際に、どのような戦略で資産を運用するのか、方針を定めることになります。

バランス型の投資信託では、特定のジャンルに偏ることなく、様々な分野にバランスよく投資をすることになります。例えば、国内株と外国株、国際債券と国内債券にそれぞれ同比率になるように投資をするバランスファンドの場合、資産を4分割し、各金融商品に均等に資産を配分することになります。

このような資産の割合のことをアセットロケーションと呼びます。バランス型の投資信託ではこのアセットロケーションのバランスが整うように資産を運用することになります。

その最大の特徴は、資産を分散し、調整をすることでリスクを減らすことにあります。

投資をするなら資産を分散した方が良いってよく言うけど、実際に自分でやるのは面倒そうですね。
そうですね。分散投資は計算が面倒かもしれません。そういった方にほど、バランスファンドはオススメですね。プロが常に正しく計算し、資産を適切に配分してくれるバランス型の投資信託なら、投資信託を購入するだけで分散投資ができるので簡単ですよ。

バランスファンドの特徴とは?

バランスファンドの特徴は、様々な分野に資産を分散させることで、効果的に分散投資が行えることです。

例えば、資産を日本株に一極集中すると、日本の経済環境が悪化した時、総じてすべての株の価格が下落することになります。この時、日本株に一極集中しているファンドは、価格が大きく減ることでしょう。

しかし、日本株以外の分野にも資産を配分しているファンドならば、日本株の暴落により多少は損失が発生するかもしれません。しかし、他の分野が好調であれば、その好調な分野のリターンと相殺することができます。

仮に日本株が暴落する一方で、米国株が好調だった場合、日本株と米国株の両方を保有しておけば、日本株の損失を米国株の利益で相殺することができるでしょう。

バランスファンドというと、株と債券を組み合わせるタイプのバランス型投資信託が多いですが、中には不動産もアセットクラスに組み入れるファンドもあります。そればかりか、他社のファンドを組み入れるファンドオブファンドなどもあります。

バランス型投資信託といっても、ファンドによってリスクの低さに違いがあります。できるだけリスクを下げたいという場合は、株以外の比率が高いバランスファンドを探すと良いでしょう。というのも、株の比率が高いと、その分だけ株の値動きに左右されやすくなるからです。

しかし、株の比率が低ければ、株の影響を受けにくくなるため、リスクの低い運用ができます。

実際にどんなバランスファンドがあるのか?

バランスファンドといっても様々で、一つ一つのファンドに個性があります。

分散投資が得意なバランスファンドは、他のファンドと比較するとリスクが低く、安定したリターンを狙えます。では、すべてのバランスファンドがローリスクローリターンなファンドかというと、そのようなことはありません。

資産を均等に配分するバランスファンドがある一方で、株の比率が高いバランスファンドもあります。

それぞれに違いがあるため、バランスファンドを購入する際には必ず比率がどうなっているのか、バランスファンドの中身をチェックしておきましょう。

ここでは実際のバランスファンドを紹介します。

バランスファンドといっても種類が多いのですね。一体どこがオススメなのでしょうか?
そうですね。最初はとにかくコストが安いファンドがオススメですね。それと、リスクの少ない投資をするなら、バランス型のインデックスファンドなどがオススメですよ。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の特徴

eMAXIS Slim バランスは8資産均等型のバランスファンドです。対象は、国内と先進国、新興国の株と債券、それと国内と海外のリートの合計八つのアセットとなります。

バランス型インデックスに分類される投資信託で、運用コストが安いという特徴があります。株が37.5%、債券が37.5%、REITが25%と、それぞれ均衡になるように資金が配分されます。

株以外にも均等に資産を配分しているため、低リスクな運用ができるでしょう。

SBI資産設定オープン(資産成長型)スゴ6の特徴

スゴ6の愛称で知られる SBI資産設定オープンは、バランス型インデックスに分類される投資信託です。

対象となるアセットは、日本と海外の株と債券、そしてREITの6資産となります。比率は、株が40%、債券40%、REIT20%となります。

REITと比べて株と債券の割合が少し高めの投資信託となります。

手数料が安いインデックスファンドのため、低リスクかつ低コストな資産運用が可能です。

楽天グローバル・バランス(成長型)の特徴

豊饒の木の愛称で知られる楽天グローバル・バランス(成長型)は、バランス型アクティブに分類される投資信託です。

その比率は株が49.6%、債権が43.8%、残り少数はその他となります。

バランス型といっても、対象となるアセットが少なく、株への比率が多いファンドとなります。さらに、株と債券は先進国のモノが多く、新興国は少なめになるように設定されるなど、偏りがあるファンドです。

アクティブ型ですが、手数料が安く、低コストな運用ができます。ただ、アセットの配分に偏りがあるため、バランス型インデックスと比べるとハイリスクハイリターンになるでしょう。

バランスファンドのメリットとは?

バランスファンドのメリットは、一つの投資信託で複数のアセットに資産を配分することができる点です。

本来、株を購入するとなったら、株にしか投資ができません。債権なら債権だけ、不動産なら不動産だけです。しかし、バランス型の投資信託を購入すれば、少額からでも複数のアセットを対象に投資ができます。

それも、自分ではなく、プロが考えた比率で適切に資産を分散してくれるので、初心者が陥りがちな失敗をせずに済みます。

わざわざ自分でリバランスをする必要もないだけに、非常に簡単に資産運用ができます。

もちろん、自分自身の手で分散投資をしても良いのですが、それはとても面倒です。価格が変動する度に資産を動かさなければならず、煩雑な作業が多くなります。なにより、実行に移すためには経済に対する知識や経験、そしてリバランスのやり方などについて学ばないとけません。

しかし、バランス型の投資信託を購入すれば、そのような手間をかけずとも適切なリバランスを代わりにやってもらえます。

誰でも簡単に分散投資をし、価格変動リスクを回避しながら安定したリターンを狙える、それがバランスファンドの主要なメリットです。

リバランスとはリスクをコントロールすること

リバランスとは、保有資産の配分比率を調整し、リスクをコントロールすることです。

例えば、50%ずつの比率で資産Aと資産Bをそれぞれ保有するとします。

資産を保有後、資産Aの価値が増大すると、資産Aの比率が増え、資産Bの比率が落ちることになります。仮に今回のケースならば、Aの比率が70%まで増大、Bの比率が30%まで落ちたとします。

この状況下でリバランスをし、AとBの比率を元の50%に戻すためには、資産Aの一部を売却しつつ、同時に資産Bを買い増す必要があります。

資産Aを減らし、資産Bを増やすことで、元の50%まで比率を調整することができます。

なぜこのような面倒なことをするのかというと、それは崩れたポートフォリオのバランスを調整し、リスクを安定させるためです。

どの金融商品を選ぶにしろ、相場というのは常に上下に変動しているものです。そのため、一時的に特定の資産の価値が上がることがあったとしても、放置し続ければいつかどこかのタイミングで価格が落ちる可能性があります。

しかし、リバランスをすることで価値が落ちる前に資産を一部売却すれば、資産価値が減るリスクを未然に食い止めることができます。

そればかりか、価値が落ちている資産を買い増すことで、今後その資産の価値が上がった時に、利益を得ることができるでしょう。

リバランスはレンジ相場に強い手法です。

金融商品の中には、なかなか価値が上がらず、保有してみたものの一向に利益が出ないモノもあります。しかし、リバランスを実行すれば、もみ合い相場になりやすい金融商品であっても、安定したリターンを狙うことができます。

バランスファンドのデメリットとは?

複数のアセットに資産を分散するバランスファンドは、分散投資がしやすく、リバランスの効果を発揮しやすい投資信託です。ローリスクな投資信託となるため、まだ一度も投資をしたことがない初心者にほど、オススメです。

ただし、バランスファンドにもデメリットはあります。

バランスファンドのデメリット
  • 信託報酬などの手数料が高い
  • 資産配分ができないのでハイリターンな投資ができない
  • リターンが少ない

バランスファンドは非常に初心者向けの投資信託です。ただ、それは初心者でもお手軽に分散投資ができるというだけであり、初心者でも簡単に稼げるという意味ではありません。

むしろ、稼げるか否かという観点から見ると、バランスファンドは稼ぎ難い投資信託に分類されます。

そもそも多くのリターンを狙おうと思うなら、株式投資などのリスクのある投資をする必要があります。しかし、バランスファンドの場合、リスクを下げるために、債券などの保守的なアセットを多く組み入れる傾向があります。

株に関しても、新興国などの成長を期待できる株よりも、日本や先進国の成長よりも安定を重視している株の比率が高く、リターンについてはあまり期待できません。

投資信託はこれが初めてで、まだやり方がわからないという方にはオススメのバランスファンドですが、既に投資に慣れたベテランになると、バランスファンドは魅力が薄い投資信託となります。

バランスファンドは債権が多いみたいですけど、どうして債権が多いとリスクが減るのですか?
株と違って債権は価格が安定しやすく、値動きがあまりないので元本割れするリスクが低いからです。ただ、リスクが低い分、利回りも小さいので、債券の比率が高いバランスファンドは利益が少なくなる傾向がありますね。

手数料が高い理由

バランスファンドだからといって、すべて手数料が高いというわけではありません。中には手数料が安いバランスファンドもあります。

ただ、バランスファンドは傾向として手数料が高くなりやすいです。

というのも、バランスファンドでは比率を調整するために、頻繁にアセットの売買をすることになるため、他と比べてコストが高くなる傾向があるからです。特にアクティブファンドともなると、よりその傾向が増すことになるでしょう。

ただでさえリターンが少ない上に、信託報酬まで高いとなると、赤字になりやすいです。特に、ファンドオブファンドのような、他社の投資信託を組み入れているバランスファンドともなると、手数料を二重に払っているようなものですから、余計にコストが嵩みます。

バランスファンドを購入する際には、必ず手数料をチェックしましょう。

資産配分を変更できないデメリット

バランスファンドでは、特定の比率に基づいて資産を配分することになります。そのため、常に低リスクな投資ができるのですが、その反面、好調な資産に対して集中的に資金を投下できず、儲けのチャンスをみすみす逃すことになります。

例えば、日本株が好調な時に、日本株の比率が低いバランスファンドを購入すると、いくら日本株の価格が上昇しても、その恩恵には与れません。少々のリターンは得られるでしょうが、本格的に株式投資をしている投資家ほどの稼ぎは得られないでしょう。

バランスファンドに投資をすると、いくら特定の金融商品が好調になったとしても、リターンが小さくなります。リターンを増やそうと思うのであれば、バランスファンド以外にも投資をした方が良いでしょう。

バランスファンドを選ぶポイントは?

バランスファンドを選ぶ際には、コストと過去の運用成績、そしてアセットロケーションの内容などを必ずチェックしましょう。

手数料が高いと、コストが嵩むため、リターンが減ってしまいます。場合によっては赤字になることもあるでしょう。余計なリスクを回避するためにも、手数料が安いファンドを選びましょう。

さらに、過去の運用成績も重要です。いくらリスクが低いことで有名なバランスファンドといえど、すべてのバランスファンドが好成績を残しているとは限りません。過去の運用成績を見て、リターンの良いファンドを選びましょう。

そして、バランス型の投資信託を選ぶ際には、必ず資産や配分、比率などをチェックしておきましょう。

バランスファンドを購入する際には、事前に投資戦略を練りましょう。ローリスクな投資をしたいのか、それともハイリスクハイリターンな投資をしたいのか、方針を決めてください。

自分の方針に見合ったファンドを探す、それが良質なバランスファンドを見つけるコツです。

バランスファンドも沢山あるから、どれを選べば良いのか迷っちゃいますね。探し方にコツってありますか?
そうですね。迷ってしまうのであれば、一度どういう投資をしたいのか、方針を考えましょう。現在の年収や貯金、10年後までにどうしたいのかを考えると、方針をたてやすいですし、目的に適ったバランスファンドが見つかりやすいですよ。

バランスファンドの運用に向いている人とは?

分散投資に適しているバランスファンドは、リスクが低いというメリットがある一方で、リターンが少ないというデメリットを抱えています。

そのため、今すぐ利益を稼ぎたいという方には向いていません。

バランスファンドは、長期投資を目的にしている方に向いてます。

今後10年20年と時間をかけて、じっくりと資産を形成したいという方ほど、バランスファンドは向いているでしょう。

特に、普段は仕事が忙しくて、なかなか投資活動に参加できないという方にほど、プロがリバランスをしてくれるバランスファンドは非常に相性が良い投資信託となります。

バランスファンドで分散投資をはじめよう!

複数のアセットに資産を分散するバランスファンドは、分散投資を簡単に行える投資信託です。

バランス型投資信託のプロに運用を任せることで、投資家はローリスクで安定した資産運用をすぐにでも始められるでしょう。

今まで一度も分散投資をしたことがないという方でも、バランスファンドならば適切なやり方で分散投資をやってもらえるため、いちいち分散投資のやり方について勉強する必要がなく、簡単に資産運用を始められます。

他方で、手数料が高く、リターンが少ないなどのデメリットがあります。バランスファンドは、短期投資よりも長期投資向きの金融商品です。

バランスファンドを購入したいという方は、短期でなく、長期を前提に購入しましょう。時間をかけてじっくりとバランスファンドを購入し続ける、それがバランスファンドで資産を形成するコツです。