投資信託の始め方
投資信託の手数料はいくら?信託報酬と必要な費用をわかりやすく解説

投資信託の手数料はいくら?信託報酬と必要な費用をわかりやすく解説

余剰資金を銀行口座に眠らせるくらいなら、投資信託を購入した方が、将来の備えになることでしょう。ただし、投資信託も万能の金融商品ではありません。デメリットがあります。例えば、手数料などがまさにその典型です。

今回は投資信託の手数料について詳しく紹介していきましょう。

投資信託の手数料と種類

投資信託の手数料の種類は複数あります。

投資信託を始めるにあたって発生する主要な手数料
  • 販売手数料
  • 信託報酬
  • 信託財産留保額

これらの手数料に加え、利益が発生した場合は税金がかかります。ただし、NISA口座を使用している場合は非課税となります。

投資信託を始めるにあたり、もっとも注意すべきは販売手数料と信託報酬の二つです。

投資信託のコストは、購入時と売却時、償還時、そして投資信託を保有している最中にそれぞれ発生します。

売買時のみならず、保有期間中も発生する手数料がある点が他の金融商品との違いとなります。投資信託を選ぶ際には、もしも購入した場合、どのくらいの手数料が発生するのか、事前に計算しておきましょう。

投資信託の手数料って種類が沢山あるんですね。どうにか安くできませんか?
NISA口座なら税金を非課税にできますが、手数料だけはどうしてもかかってしまうのですよね。ただ、ノーロード投資信託なら購入時の手数料が無料になるので、安く投資信託を買えますよ。

各手数料の特徴と目安

投資信託の手数料といっても、一律にすべて同じ金額というわけではありません。投資信託によって手数料に違いがあります。例えばノーロード投資信託などは、購入時の手数料が無料になるなどの特徴があります。

たとえ配当利回りが高い投資信託を購入しても、手数料が高いと意味がありません。投資信託の本当の利益を知りたいのであれば、リターンから手数料などのコストを差し引きする必要があります。

リターンが高く、尚且つ手数料が安い投資信託を選ぶことが、投資信託で成功するためのコツとなります。

できるだけ手数料が安い投資信託を購入したいのだけど、どの投資信託を買えばコストが安くなるのですか?
手数料の安さで選ぶのでしたら、インデックス型の投資信託がオススメですね。インデックス型の投資信託はアクティブ型の投資信託と比較して手数料が安くなる傾向があるので、他より安く購入できますよ。

販売手数料の内容

販売手数料とは、投資信託を購入する時に発生する手数料です。その金額は投資信託によってそれぞれ異なります。

販売手数料の目安はだいたい2%以下となります。2%を超えると、販売手数料が高いと判断できます。

ノーロード投資信託のような、販売手数料が無料の投資信託も中には存在します。ただし、販売時の手数料が無料だからといって、売る時まで無料とは限りません。販売手数料が安くても、解約時の手数料が高いと意味がないので、買う時と売る時、両方の手数料を確認しましょう。

信託報酬の内容

信託報酬とは、投資信託を保有中に発生する手数料です。これは運用にあたって発生するコストとなります。

株式投資などと違い、投資信託ではファンドマネージャーなどの投資のプロに資産運用を依頼することになります。信託報酬とはつまり、投資信託の管理や運用にかかる経費のことを指します。

ただし、信託報酬は販売手数料のように別途支払うということはありません。信託財産より差し引きされます。

信託報酬の目安は年0.5%から2%ほどで、1.5%を超えると高いとされています。

信託報酬以外にも、日々信託財産より監査報酬と呼ばれる費用が引かれます。

信託財産留保額とは

信託財産留保額は投資信託を中途解約する時に発生する費用です。そのコストは投資信託によってそれぞれ異なります。投資信託によっては信託財産留保額が発生せず、無料で解約できることもあります。

信託財産留保額の目安は0.3%以下となります。

税金の内容

税金は投資信託の運用にあたって、利益が出た時に発生します。税率は20.315%となります。

投資信託の分配金が発生した時や、中途解約時、償還時にそれぞれの収益に対して税金がかかります。

分配金にかかる税金については源泉徴収されるため、確定申告の必要はありません。

源泉徴収ありの特定口座を使用しているのであれば、解約時や償還時の収益に対する税金についても源泉徴収されるため、確定申告が不要になります。

手数料が発生する理由とは?

投資信託の購入や売却にあたり手数料が発生する理由とは、その手数料が投資信託の販売会社や証券会社などの収入源になるからです。

投資信託とは、ファンドマネージャーなどの投資のプロに資産を預け、投資家に代わって運用をしてもらう金融商品です。

手数料とは、この運用をしてもらうための料金のようなものです。手数料を払うことで、はじめて運用をお願いできるのです。そのため、自分で運用できる株式投資などと比較すると、投資信託は手数料が高めになります。

このような背景もあってか、アクティブ型のようなファンドマネージャーの手腕が運用成績に影響を与える投資信託ほど、手数料が高くなる傾向があります。その反対で、インデックス型はファンドマネージャーの手腕に依存しない投資信託のため、手数料が安くなる傾向があります。

手数料が高い投資信託ほど、ファンドマネージャーの実力に依存しているということになるため、手数料が高い投資信託を選ぶ際には本当に結果を出せるファンドなのか、しっかりと実力を確認しておいた方が良いでしょう。

アクティブ型の投資信託は手数料が高いから避けた方が良いってことかしら?
確かにアクティブ型は手数料が高いのですが、だからといって一概に避けない方が良いですよ。アクティブファンドはリスクとコストが高い分、大きなリターンを狙えますよ。

手数料はいつ発生するのか?

投資信託の手数料は、発生するタイミングがそれぞれ異なります。

手数料が発生するタイミングは購入時と保有時、それと売却もしくは償還された時となります。

購入と売却でそれぞれ別の手数料が発生するため、購入時の手数料が安くても、売却時の手数料が高いと意味がありません。

同様に、売却時の手数料が安くても、購入時の手数料が高ければ、結果的に手数料で損をすることになります。

そのため、手数料を見る時は、購入時だけでなく、売却時や償還時、さらには保有中に発生する手数料などのすべての項目をチェックしておきましょう。

購入時だけでなく保有中まで手数料がかかるとなると、投資信託より株の方がコストは安そうね。
コスト面で見ると投資信託よりも株の方が良いですね。ただ、株だけに投資をすると、万が一株で失敗した時に大損するかもしれません。何事もほどほどが大切です。株や投資信託など、様々な金融商品に投資をすることが、リスクを減らして賢く資産を運用するコツですよ。

購入時にかかる手数料

投資信託を購入する時にかかる手数料というと、まず販売手数料があります。

販売手数料は投資信託によってそれぞれ料率が異なります。ただ、ノーロード投資信託のような、購入時の販売手数料が無料になる投資信託もありますので、すべての投資信託に販売手数料があるわけではありません。

ネット証券のような、低コストな証券会社を利用すると、販売手数料が無料の投資信託を多く見つけることができます。

販売手数料は、直接請求される手数料となります。そのため、投資信託を購入する際には、購入のための資金とは別に、手数料のための資金が別途必要になります。

保有時にかかる手数料

投資信託を保有している時に発生する手数料というと、信託報酬や監査報酬があります。

無料のケースがある販売手数料と違い、信託報酬が無料の投資信託は原則ありません。投資信託を購入する以上、必ず信託報酬が発生します。

信託報酬は、投資信託を保有している期間の間、毎日発生します。

といっても、信託報酬は別途請求されるコストというわけではありません。信託報酬は、運用資産の中から自動的に引かれることになります。

そのため、信託報酬は販売手数料と違って、目につき難い手数料となります。

たとえ販売手数料が安かったとしても、信託報酬が高い投資信託を購入すると、結果的に損をしてしまうリスクがあるので、投資信託を選ぶ際には信託報酬が安い銘柄を選ぶと良いでしょう。

保有時にかかる手数料は信託報酬ばかりではありません。他にも、分配金に対してかかる税金などもあります。

投資信託を保有することで分配金が発生した場合、その金額に対して20.315%の税金が発生します。内訳は、住民税5%、所得税15.315%です。

分配金に対する税金は源泉徴収されるため、いちいち確定申告をする心配はありません。ただ、税金を払い過ぎている場合は、確定申告をしないと還付金を受け取れません。もしも税金を払い過ぎている場合は、確定申告をしておきましょう。

売却時にかかる手数料

投資信託の売却というと、要するに中途解約をするということなのですが、この中途解約をすると信託財産留保額という手数料が発生します。

信託財産留保額は、投資信託によって金額が異なります。投資信託次第では、この手数料が無料になることもありますので、できるだけコストを下げたいなら信託財産留保額が安い投資信託を選ぶと良いでしょう。

他の手数料と違い、信託財産留保額はペナルティ的な意味合いの強い手数料となります。

というのも、投資信託の中途解約をすると、売却分に応じて株や債券の換金を行わなければならず、運用側に手数料が発生します。この手数料を、投資信託を保有している投資家が負担するとなると不公平となりますので、ペナルティとして中途解約をした投資家に対して手数料が発生するのです。

もしもこのペナルティがないと、株式投資のように頻繁に投資信託の売り買いをする投資家が現れかねません。そうなると、ファンドが安定的に資産を運用することが難しくなってしまいます。そのようなリスクを避けるためにも、信託財産留保額という手数料があるのです。

信託財産留保額以外にも、中途解約時に収益が発生していれば、所得税や住民税などの税金が発生します。

税金ついては、あくまで利益が出ていればの話です。利益が出ていなければ、税金も発生しないため、信託財産留保額以上のコストはかからないでしょう。

償還時にかかる手数料

投資信託の運用期間が終了し、満期を迎えると、口数に応じて償還金を投資家に還すことになります。この償還を受け取る時において、収益が発生していると、税金が発生します。

税率は他のケースの場合と同様で、20.315%となります。

中途解約と違って、償還の場合、税金以外にこれといってかかる手数料はありません。そのため、余計なコストを払いたくないのであれば、投資信託は満期を迎えるまで保有し続けておいた方が良いでしょう。

そうすれば、税金以外にこれといって特に手数料をかけることなく、償還金を受け取ることができます。

ノーロード型投資信託などの販売手数料が無料の投資信託を購入し、満期まで保有し続ける、それがもっとも手数料のかからない投資信託の購入方法となるでしょう。

NISA口座を保有していれば、さらにコストを下げることができます。

意外と掛かる!投資信託の手数料のすべて

投資信託の手数料は、購入時と保有時、そして売却時にそれぞれ発生します。

手数料は投資信託によってそれぞれ異なるので、銘柄を選ぶ際には過去の運用成績のみならず、手数料にも注目しましょう。リターンの多い投資信託を選んでも、手数料が高い投資信託を選んでは本末転倒です。

特に、信託報酬が高い手数料を選ぶと、毎日手数料が発生するため、長期的に見ると大きな負担になります。

中途解約をすると手数料がかかる投資信託ですが、償還日まで待てば手数料をかけずに満期を迎えられます。手数料の面から見ても、投資信託は長期向けの金融商品となります。