投信積立(積立投資信託)とは?特徴とメリット・デメリットを解説
日本の現在の銀行の定期預金金利は非常に低く、預けたところでそれほどの利率は見込めません。
そこで注目されているのが投資信託の積立です。少額ずつ購入できる投資信託は、株と違って積立をするにはうってつけの金融商品なんです。
今回は投信積立(投資信託の積み立て)の特徴と、そのメリットやデメリットについて紹介します。
投信積立とは?特徴と運用のメリット・デメリット
投信積立とは、投資信託を定期的に一定額ずつ購入すること。
毎月一定額ずつ購入するならば、大きく資産が貯まる前から投資信託を始めることができますし、保有期間中は分配金を稼ぐこともできます。
投資信託ならば少額から購入できるので、少額から時間をかけずに投信積立を始められます。
もともと投資信託は長期投資向けの金融商品。投資信託は派手に稼ぐことこそできませんが、リスクが低く、安定した利益が期待できます。
今後10年20年と時間をかけて将来の資産を作りたいという方にほど、コツコツ積み立てられる投信積立はオススメです。
投資信託を積立で運用するメリットとデメリット
投信積立というのは、言い換えればドルコスト平均法を実践するということ。
金融商品を定額購入するという手法のことで、資産を分割することで高値掴みのリスクを回避することができます。
長期投資向けの投資信託は、このドルコスト平均法を実践するには理想的な金融商品です。例えば株式投資の場合、将来が安泰な大企業の株ほど購入するにあたって高額の資金が必要です。
しかし投資信託は大半が少額から購入できるので、所得が低い方であっても投信積立を簡単に始められます。
さらに投信積立では特にこのタイミングで買わないといけないというルールはありません。そのため常に迷いなく購入することができるのです。
価格下落後に再び元の価格にまで戻れば、平均取得単価が下がる分、利益を得ることができるのです。
投資信託を積立で運用するデメリットは価格に左右されること
投信積立をするデメリットは、価格が上昇している局面ではあまり役に立たない点です。
例えば価格がだんだんと上昇している場面で投資信託の積立をすると、購入するタイミングが後になればなるほど高値で掴むことになってしまうので、平均取得単価が上がってしまいます。
そのまま上がり続けるのであれば問題はないのですが、どこかのタイミングで価格が落ちてしまうと平均取得単価が高い分、含み損が増えてしまいます。
このようなデメリットを回避するためにも、投資信託を積立で運用する際には、期限が長い投資信託、もしくは無期限の投資信託がおすすめです。
積立投資信託の基礎知識
投信積立はやれば必ず儲かるというものではありません。リターンを増やすためには、正しい知識を身につけ、賢く運用をする必要があります。
投資信託は最小で100円から始められる
投資信託の最小金額は、証券会社によってそれぞれ異なります。
できるだけ安く購入できる証券会社を探しているのであれば、SBI証券や楽天証券、松井証券などがオススメです。
これらの証券会社を選べば、最小で100円から投資信託を購入できます。
ただし100円からスタートすると、資産が貯まり難いという側面も。
ある程度のリターンを求めるのであれば、余剰資金で月々1万円から投信積立をスタートするのが良いでしょう。
投信積立に必要なのは投資信託の購入手数料だけではない
投信積立には投資信託の購入に必要な資金とは別に手数料分の資金も必要になります。
- 投資信託の購入費用
- 販売手数料
- 信託報酬
- 解約手数料
販売手数料は購入時に発生します。そのため、投信積立をする際には、購入用の資金とは別に、手数料分の資金も用意しておいた方が良いでしょう。
このうち信託報酬については資産残高より毎日引かれるため、費用を別途請求される心配はありません。
そして投資信託の解約手数料は、換金された金額より差し引きされるので、別途用意する必要はありません。
投資信託の中には解約手数料がかからないものもあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
投信積立が向いている方
投資には相性があります。ハイリスクハイリターンな投資との相性が良いという投資家の場合、FXや株のデイトレードが向いているでしょう。
投資信託はローリスクで、資産を安定して増やしたいという方向きの金融商品です。
ほかにも普段、仕事が忙しくてなかなか投資に時間を割けないという方や、余剰資金を使って資産運用をしたいという方は、お試しで投資信託を始めてみることをオススメします。
投信積立を成功させるためのポイント
これから投信積立を始めるのであれば、次の点に注意しましょう。
- NISAまたはつみたてNISAを活用する
- 投信積立は最低3年は運用する
つみたてNISAを活用する
まだNISA口座を持っていないのであれば、これを機につみたてNISA口座を開設しましょう。せっかく非課税になるのであれば、利用しない手はありません。
少額投資非課税制度のこと。税金が非課税になるので分配金を減らすことなく再投資に回せます。税金がかからない分、複利効果が働きやすくなるのです。
NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類がありますが、投信積立なら複利効果を高めることができるNISA口座がオススメ。
なぜなら一般NISAの非課税期間が5年であるのに対し、つみたてNISAの非課税期間は20年間と長いからです。
つみたてNISAの特徴や始め方については「つみたてNISA(積立NISA)完全ガイド!メリットを活かす極意」の記事にて詳しく解説しています。
投信積立は最低3年は運用する
信積立は途中で止めてしまうと効果を発揮できませんため、投信積立は最低でも3年は継続しましょう。
積立投資信託は、株やFXのデイトレードと違って、すぐに成果が出るものではありません。積立を始めて一週間やそこらの時間では、利益は滅多に出ないでしょう。そればかりか、手数料などがかかる分、赤字になる可能性の方が高いくらいです。
積立投資信託の運用で、成功する秘訣は忍耐にあります。特にドルコスト平均法を実践するのであれば、尚更です。
ドルコスト平均法の効果を発揮させるためには、価格は一旦下落する必要があります。ドルコスト平均法は、上昇相場に突入すると効果を発揮しない手法だからです。
投信積立の運用に向いているファンドの条件
投信積立に向いている投資信託(ファンド)の選び方を説明します。
1.償還期限が無いファンドを選ぶ
投信積立の場合、長期投資になる前提で運用を始めるため、償還期限が無いファンドもしくは償還期限が長いファンドを選択しましょう。途中で償還を迎え、成果が出る前に積立が終了するのは避ける必要があります。
2.毎月分配型は避ける
毎月分配型のファンドというのは、分配金を払うために元本を削る可能性がとても高いからです。
この手のファンドの投資信託を購入すると、時間の経過とともに価格が落ちていき、含み損が拡大する恐れがあります。そうなるとドルコスト平均法も効果を発揮でず、赤字になる可能性がとても高いのです。
3.バランス型のファンドがおすすめ
ローリスクで、安定した利回りを求めるのであれば、バランス型のファンドを選ぶことをオススメします。
株や債券、不動産など、様々な金融商品をバランスよく取り入れているファンドなら、低リスクな運用を心がけているでしょうから、安心して運用を任せられます。
他にも、手数料や、運用実績、純資産額などをチェックし、もっとも利回りの良いファンドを選びましょう。
投信積立を始めたら最後までやり遂げよう
少額から購入できる投資信託であれば、お手軽に投信積立で資産運用を始めることができます。つみたてNISA口座を使用すれば、税金がかからない分、複利効果を働かせることでより多くのリターンを稼げるでしょう。
ただし、投信積立は、途中で止めてしまうと真価を発揮できません。3年は継続するつもりで、投資信託を購入し続けましょう。最後までやり遂げた時、銀行に貯金する以上の利益を得ることができます。