就業不能保険
知らなきゃ損!病気で働けないときに受けられる公的保障制度

知らなきゃ損!病気で働けないときに受けられる公的保障制度

毎月得ることができている給与ですが、病気やケガで仕事ができなくなってしまったら今と同じ給料をもらうことは難しいですよね。無収入になってしまうと生活できない、そんな不安を感じている人も多いのでは?

ただ、病気で働けない時には公的制度によって資金面での補助を受けることが可能な場合もあります。病気で働けなくなったときにどのような制度があり、誰が利用することができるのでしょうか。

万が一働けなくなったときは、知らなきゃ損!気になる公的保障制度について徹底解説していきましょう。

病気で働けなくなったら受けられる6つの公的制度とは

病気やケガで働けなくなったとき、その期間が長期になれば当然給料もなくなってしまいますよね。

しかし、病気やケガで収入がなくなってしまった人を助ける公的な制度があるのです。

その制度が、次の6つです。

  • ①傷病手当金
  • ②休業補償給付・休業給付
  • ③療養補償給付・療養給付
  • ④高額療養費制度
  • ⑤医療費控除
  • ⑥障害年金

この6つの制度は、誰もが必ず受けられるというものではありませんし、同時に6つの制度を利用できるわけでもありません。

ただ、万が一のときにはこのような保障があるということを知っておくことは大切です。

こんなに受けられる保障があるのですね。

これだけ保障があれば、いざという時も安心ですね。

これらの公的制度がどのような内容なのか、そして、誰がどのような条件のときに受けることが出来るのか、気になるところでは?

これからそれぞれ詳しくご紹介していきましょう。

①傷病手当金

こちらは、全国健康保険協会、健康保険組合に加入している人が対象となっているので、会社員が使える制度です。

傷病手当金は、4日以上の欠勤をした場合に、4日目から受け取ることができます。これは、病気やケガで仕事ができなくなったときに支給されます。

貰える金額や期間については、以下の通りです。

支給金額 支給期間
標準報酬月額の3分の2程度 18か月

ざっくり言えば、だいたい月給の3分の2程度の金額を18か月間については約束されますよ、ということですね。

ただ、標準報酬月額は、月給とイコールという訳ではありません。その計算方法がこちらです。

標準報酬月額とは

4~6月に支給された報酬を合算後、3で割った平均値を出し、その金額を更に標準報酬月額表と照合し、該当する金額のこと。

支給期間については、会社や加入している健康保険によって延長できる場合もあります。確認しておくと良いでしょう。

傷病手当金の対象は業務外の怪我や病気に限定!

傷病手当金は、業務外の怪我や病気が原因の休業に限定されています。

業務上での怪我、業務が原因による病気については、労災による保障を受けられますので、そちらをチェックしてください。

傷病手当金だけで働いてなくても給料の3分の2がもらえるっていうのは安心じゃん。

これだけで十分だわ。

確かに傷病手当金は給与の3分の2が給付されるというものではありますが、その期間は18か月と決められていますから、それを超えるとゼロになってしまいます。

そこは注意しておきたいですね。

②休業補償給付・休業給付

休業補償給付・休業給付は、業務上の怪我などが原因で休業した場合に労災保険によって補償されるものです。つまり、こちらも会社員などが対象となっていて、自営業者は受けることができない保障ですね。

気になる保障金額について見ていきましょう。

金額 対象日数
給与の8割程度が目安 4日以上欠勤した場合4日目から支給
再び働けるまで受け取ることが可能

こちらは傷病手当金と違い、日数制限がありません。

会社員は仕事を休んだら傷病手当金と労災による休業補償給付・休業給付、2つの制度を利用できるのですか。
業務に関する怪我・病気は労災保障を受けられますが、傷病手当金は業務以外の原因による休業が対象です。

ですから、同時利用はできません。

うつ病などの精神疾患でも労災だと判断されれば、休業補償給付・休業給付の対象となります。入院しているか、自宅療養しているかは問いません。

うつ病と就業不能保険の関係については、こちらうつ病でも使える就業不能保険があるってホント!?の記事で紹介しています。

③療養補償給付・療養給付

療養補償給付・療養給付も、労災保険によって受けられる保障です。こちらも自営業者は受けることができません。

療養補償給付・療養給付は、仕事による病気やケガによって通院が必要になった場合に受けられるもので、仕事を休まなくても受けられるということです。

治療費補助の上限はなく、基本的には全額補償してもらうことができるので、ぜひ覚えておきたいところですね。

④高額療養費制度

病気やケガによる治療が高額になると、高額療養費制度を受けられます。

1か月の支払い医療費の上限が年齢や所得によって決められているものであり、一定の金額を超えた治療費は支払わなくて良いというものです。

自己負担上限額を、簡単にご紹介しておきましょう。高額療養費制度は、定期的に見直しが行われています。今回紹介するのは、平成30年8月以降の1か月あたりの世帯ごと上限額です。

所得 70歳以上 69歳以下
住民税非課税世帯 Ⅰ(年金収入80万円以下など)…15,000円
Ⅱ…24,600円
35,400円
年収370万円まで 57,600円(年収156万円から) 57,600円
年収370万円
~770万円
80,100円+(医療費ー267,000)×1% 80,100円+(医療費ー267,000)×1%
年収770万円
~1,160万円
167,400円+(医療費-558,000)×1% 167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収1,160万円以上 252,600円+(医療費-842,000)×1% 252,600円+(医療費-842,000)×1%

上記の金額を超える医療費については、自己負担せずに高額療養費制度を使用することが可能です。

毎月一定額以上、医療費負担をしなくて済むという制度であり、会社員、自営業問わず利用できますからしっかりチェックしておきましょう。

自分が支払う医療費の上限額が決まっているというのは助かりますが、この金額の医療費を1人で使うというのは難しいですね。

あまり現実的ではない気もしますけど。

これらの上限額は1人あたりのものではなく、同一世帯で合算することができます。

同一世帯の家族が受けた治療費が一定額を超えた場合は、高額療養費制度の適用対象となりますので覚えておくと良いですね。

⑤医療費控除

医療費控除は、年間の医療費が10万円を超えた場合に受けられるものです。

高額療養費制度などの補助制度を用いても、手だしの医療費金額が10万円を超えれば医療費控除を受けることができます。

申請は、確定申告で行うことができ、会社員や自営業などの職種は問いません。

⑥障害年金

障害年金は、病気やケガで重い障害を負った際に給付を受けられるという制度です。国の制度で、誰でも受けることができます。もちろん、会社員・自営業者は問いません。ただ、会社員と自営業者では給付額が異なります。

国民年金に加入している場合は、障害基礎年金が支給されます。厚生年金に加入している場合は、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金を受け取ることができるので、障害厚生年金を受け取ることができる会社員の方が給付額は大きいのです。

障害厚生年金の金額についてご紹介しましょう。こちらの金額は、平成30年4月からの金額です。

障害等級 年金額
1級 (報酬比例の年金額)×1.25+[配偶者の加給年金額(224,300円)]
2級 (報酬比例の年金額)+[配偶者の加給年金額(224,300円)]
3級 (報酬比例の年金額)最低保証額
584,500円

ちなみに、障害基礎年金の受給額は以下の通りとなっています。

障害等級 年金額
1級 779,300円×1.05+子の加算
2級 779,300円+子の加算

ある程度の障害が認定されれば、このような障害年金制度を利用できるということを覚えておきましょう。

障害年金受給要件となる障害認定基準とは

障害年金の受給ができる障害とは、かなりハードルが高い気がします。実際、どのような障害になれば障害年金の受給対象だと認定してもらうことができるのでしょうか。

障害認定基準をご紹介しましょう。

障害の種類 内容
外部障害 眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など
精神障害 統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、
知的障害、発達障害など
内部障害 呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、
血液・造血器疾患、糖尿病、がん等

これらの部位について、1~3級の障害等級に該当すると判断されればOKです。

障害等級 障害の基本状態
1級 ・身体の機能の障害または
 長期にわたる安静が必要な状態
・他人の介助を受けなければ
 日常生活をほとんど送ることができない
2級 ・身体の機能の障害または
 長期にわたる安静が必要な状態
・日常生活が著しい制限をうけるか
 著しい制限を加えることが必要
・労働による収入を得ることが
 できない程度のもの
3級 ・労働が著しい制限を受けるか
労働に著しい制限を加えることが必要

病気やケガによって働けなくなった場合は、障害年金の対象になるかどうかもチェックしておきたいですね。

障害等級に認定されるほどの障害は、やはりそう軽いものではないようですね…。

障害年金は、なかなか受給できない気もします。

確かに障害年金は等級認定が行われる必要がありますが、この等級に該当しない軽い障害の場合は障害手当金という一時金を支給してもらうことも可能です。

障害が残るような病気・怪我をした際は、一度問い合わせてみると良いでしょう。

公的制度の少ない自営業者は就業不能保険も検討を

就業不能保険は、病気やケガで休業するようになった際、給与のように毎月一定額を支給するというものです。

保険ですから、自分で契約をして毎月もしくは年払いで保険料を支払う必要があります。ただ、万が一病気やケガで働けなくなったときは一定額を確実に得ることができるという大きなメリットがあるのです。

就業不能保険については、こちらの記事で特集しています。

病気やケガで働けなくなったときに受けられる公的保証は多くありますが、自営業者は会社員よりも受けられる保障数が少ないという実情があります。ですから、この保障だけで不安であるという場合は就業不能保険の検討をオススメします。

また、自営業者の方ではなくても、先ほどの公的制度では不足する、もう少し確実に得られる保障が欲しいという場合は就業不能保険を検討しても良いですね。

自営業者の方はぜひチェックしてもらいたい就業不能保険情報は、こちらです。

就業不能保険で毎月一定額が確実に保証されるというのはありがたいですね。

自営業者は受けられる保障が少ないからこそ、ぜひ考えてみたいと思います。

就業不能時に必要となる毎月の生活費については、住宅ローンや子どもの有無によっても異なります。

万が一の資金としてどのくらい必要なのかを一度計算しておくと良いですね。

就業不能保険が自分に必用かどうか気になる方は、こちら就業不能保険はいらいない?いる?分かりやすく解説の記事をチェックしてみてください。

病気で働けないときの公的制度をチェックして不足資金を計算しよう

病気で働けなくなったときには、その状況に応じて公的制度を利用することができます。その保障額によっては、それだけで日常生活を送るのに十分な金額を得ることが可能です。

ただ、会社員と自営業者では利用できる制度の内容が違います。また、病気やケガの程度によって受けられる保障や給付される金額が変わりますので、まずは自分がどのような制度を利用できるのかをチェックしておきましょう。

また、万が一働けなくなったときに生活費や医療費がどのくらい必要になるのかを試算し、公的制度を使っても不足するようであれば就業不能保険を検討してみても良いですね。