ETF投資入門
短期投資ならレバレッジETF!?そのメリット・デメリットとは

短期投資ならレバレッジETF!?そのメリット・デメリットとは

大きなリターンが期待できると話題のレバレッジETF。ETFの中でも人気が高い商品ですが、それはレバレッジが日経平均など指数の2倍の値動きをするためです。

これは、大きなメリットですが、逆に値下がりした際は倍の損失となるリスクもあるわけです。

レバレッジETFはどのような仕組みなのか、そしてどのようなメリット・デメリットがあるのか、しっかりチェックしていきましょう。

人気のレバレッジ(ブル)型ETFの特徴をチェック!

まずは、レバレッジ型ETFの基本情報をチェックしていきましょう。

レバレッジ型ETFとは

元の指数に対してプラスマイナス2倍の大きさで値動きをするETF。つまり、前日の基準価格(終値)に対する変動率が2倍となる。

2倍の値動きをすることが前提となっているので、運用会社は純資産の2倍となる先物を資産として保有し、取引終了後にその先物を売買してバランスを保っている。

日経平均を指数としている場合、日経平均が2%上昇すればレバレッジではその倍の4%の上昇となります。

対象となる指標には、以下の物があります。

  • 日経平均株価
  • 東証株価指数(TOPIX)
  • JPX日経インデックス400

参考として、レバレッジ型ETFの商品をいくつか挙げてみましょう。

  • 上場インデックスファンド日経レバレッジ指数
  • ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数
  • JPX日経400ブル2倍上場投資(レバレッジ)

レバレッジ型ETFは2倍の値動きが期待できるからこそ、上昇相場の際には大きな収益が得られる投資法となっています。

レバレッジとは真逆!?インバース(ベア)型ETFとは

話題の投資法として、インバース(ベア)型ETFと呼ばれるものもあります。

インバース型ETFとは

ベア型(弱気型)ETFとも呼ばれ、前日の基準価格(終値)の変動率-1倍となるのが特徴。

つまり、先ほど紹介したレバレッジ型ETFの逆ということです。インバース型ETFは価格が上昇すると下落し、逆に下落すると上昇するという値動きします。

日経平均が2%下がった時に2%のプラスとなるため、指数が下落傾向にある場合は収益を得ることができるのです。

インバース型ETFの代表的な商品が、こちらです。

  • 日経平均ベア2倍上場投信
  • TOPIXペア2倍上場投信
  • 大和上場投信-日経平均インバース・インデックス

インバース型ETFは通常変動率が-1倍となっていますが、変動率が-2倍となるダブルインバース型もあります。

レバレッジ型ETFのメリット・デメリット

レバレッジ型ETFのメリットとデメリットを見ていきましょう。

レバレッジ型ETFのメリット

レバレッジ型ETFのメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 信用取引口座を作らなくてもレバレッジ取引が可能
  • 上昇が続けば2倍よりも大きな利益を得ることができる可能性がある
やはり、レバレッジ型ETFの最大のメリットは大きな収益を得られるという点でしょう。指標の値動きの2倍となれば、大きな収益が期待できます。また、日経平均TOPIXの2倍という分かりやすさも魅力だと言えます。

レバレッジ型ETFのデメリット

レバレッジ型ETFのデメリットをご紹介していきましょう。

  • 2倍の損失が発生するリスクがある
  • 長期投資では倍の収益が見込めるとは限らない

レバレッジ型ETFは、値上がりしたときはその2倍の値動きで売買可能となります。

しかし、その逆も同じで大きく値下がりするとその倍の値動きとなり、結果的に大きな損失が出てしまう恐れがあるのです。

レバレッジ型ETFは、持ち続けてれば2倍の収益を得られるんじゃないの?
そういうわけではありません。次の表を見てみてください。
項目 A期間騰落率
(値上がり期間)
B期間騰落率
(値下がり期間)
全期間騰落率
日経平均 18.2% -7.9% 8.8%
日経レバレッジ 37.7%
→日経平均の2倍
-16.8%
→日経平均の2倍
14.6%
→日経平均の1.66倍
・・・全然わからないや。どういうこと?
値上がりをした期間で売れば2倍の利益が得られたのに、値下がり期間を待ってしまったために結果は日経平均の1.66倍。2倍にならないことがわかりますよね。

レバレッジETFでは、指標が上下を繰り返せば利益が得られづらくなってしまう可能性があるのです。

これは、日経指標に限ったことではありません。レバレッジならではの特徴・デメリットだと言えます。

インバース型ETFのメリット・デメリット

では、インバース型ETFにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれチェックしておきましょう。

インバース型ETFのメリット

  • リスクヘッジとして有効
  • 相場が下落するときに利益を得られる

インバース型ETFは、相場が下落する際に利益が得られる投資法です。ですから、相場が下落した際のリスクヘッジ目的として活用することができます。

また、相場が下落しても利益を得られるわけですから、下落傾向の際には大きな利益が期待できます。

インバース型は通常騰落率が原始数の-1倍となりますが、-2倍として計算するダブルインバースタイプもあります。より大きな値動きが期待できるので、効率よく利益を得ることができるでしょう。

インバース型ETFのデメリット

  • 相場が上がれば損をする
  • 長期投資では倍の収益が見込めるとは限らない

インバース型ETFは、当然相場が上がればそれだけ損をしてしまうことになります。相場の値動きをよく見て、購入するようにしなければいけません。

また、インバース型ETFはレバレッジ型ETFと同様に、長期投資で倍の収益が得られるとは限りません。長期保有していても、指数が上下に変動していけば望んだ利益が得られない場合があります。

ただ、他の投資も行っていてインバース型ETFをリスクヘッジとして活用する場合は、相場が下がった際に少しでも他の投資商品の損を減らす役割を果たすために売却するという目的で長期保有するという選択もあるでしょう。

インバース型ETFも、基本的には短期投資に適したものであるということは認識しておきたいですね。

デイトレにもOK!短期売買ならレバレッジ型・インバース型ETF

レバレッジ型ETF・インバース型ETF共に、長期投資には向かないということを紹介しました。それは逆に言えば、短期投資には向いているということです。

ETFは投資信託と違って、自分が好きなタイミングでの売買が可能となっています。値動きを見て売買できるだけでなく、もちろんデイトレードとして運用しても良いわけです。

ただ、ETFは以下の点に注意しなければいけません。

  • 小額(100円)からの投資が行えない(数千円から1万円程度からの購入)
  • 1回の売買ごとに売買手数料がかかる
  • 為替手数料が発生する

ETFは分散投資が可能でリスクを抑えての投資が可能な方法ではありますが、レバレッジ型やインバース型で大きく利益を狙うのであれば相応のリスクもあるという点に注意が必要です。

また、デイトレードのように短期での売買には適していますが、その都度発生する手数料などには注意しておきたいですね。

ETFを購入したいと思った方はコチラの記事をご覧ください。
ETFの買い方を徹底解説!購入までのポイントと証券会社の選び方

相場観は必要だが短期投資ならレバレッジETFという選択もアリ!

レバレッジETFは、日経平均株価などの相場指数の2倍で推移していきます。上昇も2倍、下落も2倍となるので、騰落時のリスクも大きくなりますが、うまくいけば大きなリターンも期待できる投資法です。

レバレッジは長期の投資には向かない手法だと言われていますので、期間を限定して売買する短期投資をする場合にオススメなのですが、もちろん相場が上昇する、下落するという相場観がある程度必要となってきます。

ETFは銘柄を選ぶ手間が省けるだけでなく比較的低コストで始められるというメリットもありますので、興味がある方は無理のない金額で一度チャレンジしても良いのでは?