行政書士を副業で始めるには?週末行政書士に必要な資金と心構え
副業として行政書士を始めてみようと、考えている方もいるのではないでしょうか?また、そもそも副業という形で開業できるのか、どのように仕事を得るのか分からない所も多いですよね。
しかし、自分で調べてみようと思っても本業で忙しく、調べる時間がないため棚上げ状態になることがよくあります。
そのような時間のない方へ向けて、行政書士のなり方から仕事内容、副業として始めることができるのかお伝えします。
今回の記事を参考に、行政書士の資格取得や副業の準備など、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
副業として週末行政書士を始めることは可能
行政書士は副業として始められますし、土日など休日を活用した仕事の進め方も可能です。
しかし許認可申請など役所関係(官公署)の手続きについては、平日でなければ進められませんから土日以外の活動も検討が必要となります。
ただ行政書士の仕事は幅広いため、官公署へ許認可申請手続きを行うだけでなく、契約書の代理作成や相談業務などは土日に仕事を行うことも可能です。
週末行政書士として仕事を始めたい場合は、どのように仕事を確保していくのか、土日の副業で収まる仕事量にするための工夫など、準備しておくことが大切です。
副業として行政書士を始めるメリットとデメリット
続いては副業として週末行政書士を始める場合に考えられる、メリットとデメリットについてご紹介していきます。
- 独立開業と比較してリスクが少ない
- 行政書士の仕事を一通り経験できる
- 副収入を得られる
- 仕入れ費などを考えなくてよい
- 定年がないため本業で定年退職した後に収入源となる
行政書士の仕事を始める方の中には、副業や兼業ではなく最初から独立開業を検討しているケースもあるでしょう。
また企業内行政書士として働く場合、未経験から正社員で入社することは難しく、副業から始めて実績を積むことが必要になるでしょう。
- 官公署は平日のみ対応しているため週末行政書士として活動しにくい
- 専業の行政書士と比較された場合は仕事の確保が難しい
- 土日に行政書士として働くと本業に支障が出る可能性がある
- 副収入を安定的に得るためには営業活動が必須
副業や兼業、週末行政書士として働く場合は、県庁や市役所など官公署へ平日の昼間に向かわなくてはいけない場面もあります。
そのため「土日のみ行政書士として働く」のはなかなか難しいことと言えるでしょう。
国や地方公共団体に関する機関や施設を指します。身近な所では市役所や県庁などが代表的です。行政書士は業務上、官公署へ出向くことがあります。
さらに行政書士の仕事内容は法務関係が中心のため、未経験から副業として始めていると専業の行政書士と比較された時に、仕事の確保が難しい可能性があります。
顧客目線で考えますと、未経験で尚且つ週末のみ行政書士として働いている方に依頼を行うか、専業で平日対応できる行政書士どちらに選びたいか、シビアな判断になるでしょう。
本業がサラリーマンで、副業として行政書士の仕事を始める時は、専業の行政書士や企業内行政書士とは違った魅力や、メリットを打ち出していく必要があります。
行政書士の仕事は幅広い!書類作成代行や相談業務など
行政書士とは何を行う仕事なのか、その仕事内容や副業や週末行政書士に向いている業務をご紹介していきます。
契約書の作成代行や官公署への書類申請などさまざま
行政書士の仕事内容を、まずは以下にまとめます。
- 官公署へ提出する書類作成代行
- 書類作成後に官公署へ提出
- 会社設立手続きなどに関する相談業務
- 契約書類の作成代行
簡潔にまとめますと、予防法務を中心に行うことが行政書士の仕事内容といえるでしょう。
契約書類や遺言書の作成・提出時に問題が発生しないよう、適切な手続きや相談を請け負うことを指します。
また、行政書士は業務独占資格として取り扱われています。
特定の業務を行う場合に対応した資格を取得しなければ、業務を行うことが許可されていない資格を指します。
一例として、医者や弁護士・税理士なども業務独占資格として扱われています。
続いて行政書士の具体的な業務内容を紹介しましょう。
- 自動車登録手続きなど
- 国籍取得や帰化手続きなど
- 遺言書作成や相続手続きなど
- 土地・建物に関する契約手続きなど
- 公正証書作成など
この他にも多種多様な書類作成・手続きなどが業務として行うことが可能で、行政書士の業務範囲は非常に広いことが分かります。
行政書士の収入の幅が広い大きな理由は、行政書士が業務報酬を自由に設定できるためです。
例えば建設業許可申請は、1回の設定報酬が10万円台から50万円と、価格帯に大きな違いがあります。
これから副業として始める方は、他の行政書士がどのような価格設定で営業しているか調べてみるの良いかもしれませんね。
副業や週末行政書士に向いている働き方
幅広い法務関連の仕事を行う行政書士ですが、週末行政書士として働く場合は一部の業務について難しいケースが存在します。
それは官公署への書類申請・手続き関連業務です。
官公署、つまり役所・役場などは平日の日中のみ窓口が開いているため、土日祝日に書類申請手続きなどができません。
従ってサラリーマンが副業行政書士・週末行政書士として働く場合は、本業との兼ね合いを考える必要があります。
行政書士を副業にするなら、平日対応も可能な職場の人の方が始めやすいでしょう。
行政書士になるには試験に合格し資格取得が必要
行政書士として働くためには、まず行政書士試験に合格して資格取得しなければいけません。ただし例外もあります。
次に挙げる資格や条件を満たしている場合、ほとんどのケースで行政書士試験が免除されるのです。
- 弁護士資格
- 公認会計士
- 税理士資格
- 弁理士資格
- 公務員として規定の事務業務を20年以上行っている
続いて行政書士の資格試験の内容について簡単に解説します。
行政書士の試験内容は、主に2分野から構成されています。1つは、行政書士の仕事を行う上で必要な「法令に関する内容」です。もう1つは「行政書士の業務に関する知識」です。
合格率は6から10%台で推移しており、難易度が高いといえるでしょう。さらに法律は範囲が広いため、必要な内容をすべて理解しなければいけません。
行政書士として開業するには登録が必要となる
行政書士の資格取得ができたら、副業・専業限らず登録手続きが必要となり、この登録手続きを「行政書士登録」と呼びます。
日本行政書士会連合会の名簿に登録手続きを行い、手続きが完了した段階で開業・活動ができる仕組みです。
- 自身が事務所とする(居住地)都道府県行政書士会へ申請する
- 都道府県行政書士会から日本行政書士会連合会へ書類が送られる
- 日本行政書士会連合会で審査を行う
- 受理されて登録が完了
一般的に行政書士登録が完了するまで、約1カ月掛かりますから資格取得した段階で、早めに手続きを行うことをおすすめします。
専業・副業問わず行政書士として開業して、仕事を行うまでに掛かる費用は、約30万円で見積もっておきましょう。
まずは登録費用。都道府県行政書士会によって異なりますが、約20万円前後掛かります。さらに入会金や登録免許税、印紙税などで総額で30万円近くなるのです。
行政書士の仕事は自身で営業活動していく必要がある
初めて行政書士の仕事を行う場合、仕事の取り方が分からない悩みが出てきます。
そこで、ここでは行政書士の仕事について、取り方や情報収集についてお伝えします。
行政書士として仕事を取る方法は、以下のように知人の紹介や近隣の商工会、ウェブサイトで依頼を待つなどが考えられます。
- ウェブサイトを立ち上げ集客
- 知人や同業者からの紹介
- 商工会議所や異業種交流会で人脈を作る
サラリーマンが副業として行政書士の仕事を行う場合、本業で忙しく営業活動が難しいケースもあります。ですから、ウェブサイトの活用に重点を置くのも、1つの工夫といえるでしょう。
実際に活動している行政書士のサイトやブログを見ることも集客方法の勉強につながります。
副業として行政書士を始められるが仕事を得る難しさを理解しておく
兼業・副業で行政書士を行う場合は、本業の休日が平日であることやシフト調整が可能な状態で検討できると良いでしょう。
仕事を得る方法としては、ウェブ集客や同業者からの紹介などが考えられます。しかし、専業行政書士と比較されることや、仕事がなかなか得られないといった状況も想定しておくことが必要です。
仕事をこなすだけでなく、経営者として顧客をどのように確保していくか考え、週末行政書士を利用してもらえる環境作りを目指していきましょう。