学資保険の元本割れとは?返戻率との関係と正しい保険商品の選び方
子供が産まれたら学資保険に加入しておきたいという人が多いかと思います。しかし保険は「元本割れ」をしてしまう恐れもあるのです。元本割れをしてしまうケースはいったいどんな時なのか例をみながら参考にしてみましょう。
すでに学資保険に加入している人も保険料が高い人は元本割れのおそれがあるかもしれません。元本割れを回避するためにどうやって学資保険を選べばいいのかポイントをおさえておきましょう。元本割れを防いで子供のためにしっかりと教育資金を積み立ててください。
学資保険における「元本割れ」とはどういうこと?
学資保険における元本割れとは支払った保険料よりも満期で受け取る保険金の方が少ないことのことを指します。保険は保険会社が顧客の支払った保険料を資産運用することで満期の返戻率を高めています。
支払った保険料に対して受け取ることができる祝い金を含む保険金の割合
学資保険はそもそも子供の将来の教育資金をコツコツと積み立てる保険なので、支払った保険料よりももらえるお金が少ないとなれば預金で積み立てる方が良いのではと思う人もいるでしょう。元本割れをしてしまう学資保険には理由があります。
学資保険が元本割れするケース
学資保険は元本割れしてしまうことが少なくはありませんが、学資保険には預金にないメリットもあります。
たとえば、親がもし死亡した・高度障害になったときにそれ以降の保険料の支払いが免除されるという特則が学資保険にはついています。
もし加入して間もなくても「保険料払込免除特則」があればそういった事態でも保険料を支払わなくてもちゃんと満期を迎えれば契約当初に予定していた保険金の金額を受け取ることができます。
こういった保障がある学資保険は保険料が高くなってしまいますが、預金にはない保障に備えることができるため多少の元本割れは多めに見るというのも手です。
契約当初から元本割れしているケース
とある保険会社の学資保険の契約内容を見てみましょう。
契約者の年齢(親) | 父親30歳 |
---|---|
子の年齢 | 0歳 |
払込期間 | 10歳まで |
満期保険金 | 3,000,000円 |
保険料(払込保険料総額) | 月々25,460円(3,055,200円) |
満期保険金が300万円ですが、支払っている保険料が55,200円多くなっています。返戻率は98.1%と元本割れしています。ただこの保険商品は保険料払込免除特則や死亡保障がついています。
このように加入の時点で元本割れしているケースもあります。
他にも医療保障のついた商品もあったりと、保障が大きくなるほど保険料は高くなっていき返戻率は下がってしまいます。
途中解約で元本割れするケース
学資保険に加入してから突然大きな病気にかかったりと出費が発生して解約することがあるかもしれません。途中で解約をしてしまうとかなりの確率で元本割れをしてしまいます。
特に満期に遠い年数で解約をしてしまうほど返戻率は100%から遠ざかってしまいます。
保険会社が破綻した時には「生命保険契約者保護機構」が保険継続できるように救済保険会社を探してくれます。
100%元本割れしないという学資保険はない
結論から言うと、どんなことが起こるかわからないので100%元本割れしないという学資保険はありません。
ただ、返戻率は100%以上となる保険商品はあります。どんなものがあるのかみていきましょう。
保険会社 | 返戻率 |
---|---|
ソニー生命 | 103.8% |
オリックス生命 | 103.7% |
ソニー生命「学資保険スクエア」
進学学資金と満期学資金がもらえるのが特徴です。型は3種類あり、進学のタイミングで選ぶことができます。
Ⅰ型・・・中学~高校~大学など進学時の教育資金を総合的に準備できる
Ⅱ型・・・大学など進学時の教育資金に重点をおいて準備できる
Ⅲ型・・・大学など進学後の毎年の教育資金を準備できる
オリックス生命「終身保険RISE(ライズ)」
オリックス生命のこの保険は終身保険ですが学資保険のような役割を果たすこともできます。
- 一生涯の死亡保障
- 掛け捨てではなく貯蓄性がある
- 保険料がお手頃
終身保険は貯蓄性があるので学資保険のように保険料を積み立てして、好きなタイミングで解約をして解約返戻金を受け取ることができます。保険金額は100万円単位で最大5,000万円まで設定することができます。
払込期間は終身払と短期払から選ぶことができます。クレジットカードで支払いすることもできるのでクレジットのポイントをためている人はメリットとなるでしょう。ただし、払込終了してもすぐに解約をしてしまうと学資保険より返戻率が低くなってしまいます。
元本割れしているか確認!学資保険を選ぶ際にチェックするポイント
もし保険会社で元本割れしないと勧められて加入したのに実際は異なっていた場合、消費トラブルとして国民生活センターを利用するのも手です。
注意してほしいのが元本割れをしてしまう学資保険だからと言って悪い商品とは限りません。
子供の医療保障や親の死亡保障が充実しているなど他に良い部分もあります。もし元本割れしたくないのであれば余計な保障をつけずに貯蓄重視の学資保険になるように加入しましょう。
元本割れをしないよう保険商品をじっくり比較
さまざまな保険商品がありますが、なぜこのような高い返戻率になるのかと考えましょう。こんなに返戻率が高いのはなぜ?と疑問を持つことでどのような仕組みになっているのかわかるのかもしれません。
今回は4種類の保険商品を例に挙げて元本割れしない学資保険を説明しましたが他にも100%以上の返戻率の商品はあるのでチェックしてみましょう。