学資保険

学資保険に特約は必要?メリット・デメリットから考える特約の選び方

学資保険の検討していたときに気になるのが「特約」。いまの学資保険には、約者が働けなくなったときに支払いが免除される「払込免除特約」や「子どもの医療保障」など、さまざまな特約が用意されています。

保障が手厚くなる特約は魅力的ですが、特約をつけると月々の保険料が上がってしまうというデメリットもあります。

そのため学資保険には必要な特約を必要な分だけ付けるという考え方が重要なんです。この記事では学資保険にある「特約の種類」や「その特約が必要かどうか」、「特約をつけた上で返戻率をあげるにはどうしたら良いか」を詳しく解説していきます。

いま付けようかどうしようか悩んでいるその特約、本当に必要なのかを一緒に考えていきましょう。

学資保険の特約にはどんな種類がある?必須の特約と任意の特約

学資保険の特約にはほぼ全ての商品自体に付加されているものと、希望する人がオプションとして追加できるものがあります。

必須の特約(1)払込免除特約

払込免除特約とは、保険期間中に契約者が次のいずれかの状態となったときに、以後の保険料の支払いを免除される特約です。

  • 死亡した場合
  • 保険会社の定める所定の高度障害状態になった場合
  • 保険会社が定める所定の不慮の事故により、事故日から180日以内に所定の身体障害の状態になった場合

保険料の支払いは不要になりますが保障は継続し、学資金の支払い時期や満期が来れば通常の場合と同じ満額の学資金を受け取ることができます。

貯金であれば親が亡くなってしまうとそれ以上金額は積み立てられませんが、学資保険の場合はこの払込免除特約があるため万が一のときでも教育資金を準備できるのです。

必須の特約(2)指定代理請求特約

契約者がさきほどの「払込免除特約」に当てはまる状態になった場合、契約者側から保険会社へ連絡する必要があります。しかし払込免除特約に当てはまる状態になっているのであれば、契約者本人自ら連絡できないケースがほとんど。

そこであらかじめ「自分(契約者)の代理で請求する人」を指定しておきます。

「指定代理請求特約」は特約という形ではなく、契約内容のひとつの要素として組み込んでいる保険会社もあります。

任意の特約(1)こどもの医療保険・入院特約

被保険者(保険の対象となる人)である子どもがケガや病気などで入院・手術をした場合、給付金が支払われる特約です。

しかし公的医療保険制度があるため、子供は「医療費」自体がほとんどかかりません。

名称は自治体によって異なりますが、小学校に上がるまでの子供には「乳幼児医療費助成制度」、小学校入学~中学校卒業までの子供には「義務教育就学児医療費の助成)」という制度を各地方自治体が設けています。

助成内容や対象年齢も地域によって異なるため、一度住んでいる市区町村の制度を確認してみましょう。

ただし病院での食事代、差額ベッド代、移動のタクシー代などといった出費は実費となります。これらの費用を貯蓄で賄うことに不安がある人は医療保険特約を検討しても良いでしょう。

任意の特約(2)育英年金特約

「払込免除特約」で将来の学資金はしっかりと保障されていますが、学資金は大学入学時などの決められた時期にしか支給されません。そこでほかの時期をカバーする特約が「育英年金特約」です。

「育英年金特約」は契約者が払込免除特約に該当する状態になった場合、学資保険の満期までの間「毎年決められた額」のお金を年金として受け取れるというもの。

しかし学資保険は基本的に教育資金のためのもの。育英年金特約を付けるだけでは、家族やこどもの日々の生活費までを補うことができません。

もし生活費の心配をするのであれば、遺族年金などの公的年金があることを踏まえつつ、別途生命保険を検討すると良いでしょう。

任意の特約(3)子どもの傷害特約・災害特約

子どもが不慮の事故や指定された伝染病などにかかったり、高度障害状態や死亡したりした場合に保険金が支給される特約です。

ただし子どもの医療費については先ほど説明した公的医療保険制度がありますし、子供の将来の教育資金を貯めるための学資保険で子供に死亡保障を付けたいという親はそういないでしょう。

返戻率が下がるだけであまりメリットがないので、おすすめはできません。

契約後に学資保険の特約の追加・解約ができるかは保険会社次第

保険会社によりますが、学資保険の契約後でも差額の保険料を支払えば特約の追加が可能な保険は多いです。

一方で特約のみを解約することも可能です。追加も解約も保険会社に申請することで変更手続きを進めることができます。

特約の多くは「掛け捨て」になっていることが多いのですが、保険会社によっては若干の返金がある場合もあります。

学資保険に特約は必要?判断するポイントと注意点をチェック

特約の追加を検討したら、次は特約を付加するメリット・デメリットを知っておきましょう。

特約をつけるメリットは、1つの契約で様々な保障を受けられる点

特約をつけるメリットは教育資金を貯めるという貯蓄性をメインとした学資保険に、プラスで保障要素を付けられる点です。

保険の契約は面倒で手間がかかります。特約ではなく別々の保険で保障をまかなおうとすれば、学資保険、医療保険、死亡保険というように、それぞれの保険の契約手続きをしなければならず、かなりの時間と手間がかかるでしょう。

自分が家族がどんな保険に入っているのか、満期や保険料が変わる時期など、定期的な管理や見直しも必要です。

しかし特約であれば学資保険の一部として同時に契約することができ、一度の手間で複数の保障を確保できます。

特約をつけるデメリットは元本割れの可能性が高くなること

学資保険に特約をつける最大のデメリットは、保険料があがることと返戻率が下がって元本割れしてしまう可能性が高い点です。

返戻率とはなんでしょうか?
「返戻率」というのは、預けたお金が将来いくら増えて戻ってくるかを示した比率のことを言います。たとえば100万円預けて100万円戻ってきたら、返戻率100%です。

返戻率が90%に下がると、100万円を預けても90万円しか戻ってこないため「元のお金を割り込んでしまった状態」つまり元本割れになります。

保険会社は契約者から預かったお金を運用して増やし、将来学資金として還元します。

ところが医療保障などの特約をつけると、そちらにお金を振り分けなくてはなりません。そのためメインである学資保険に十分な資金が行き届かなくなり、返戻率が下がってしまうという結果になります。

教育資金を貯めるための学資保険のため、無理に付ける必要はないでしょう。

主契約である学資保険を解約すると、特約も解約されてしまう

学資保険本体の契約がなければ、特約を契約することはできません。一方で学資保険を中途解約したり、学資保険が満期になったりすると特約自体もなくなってしまいます。

もし特約の保障が契約終了後も必要な場合は、医療保険や傷害保険などに別途加入する必要があるので注意しましょう。

特約をつけながらも返戻率をあげる4つの方法

特約をつけるとどうしても下がってしまう返戻率。できるだけ返戻率を下げずに特約をつける方法はないのでしょうか?

この章では返戻率をあげる4つの方法を紹介。実際に保険料と学資金のシミュレーションしながら、比較していきましょう。

(1)短期払いにする

保険会社は契約者から預かった保険料を運用して増やし、将来の学資金として還元します。そのため契約者は長期にわたって保険料を受け取るよりも、短期間で全額の保険料を受け取るほうが返戻率を上げることができるのです。

実際にシミュレーションしてみましょう。

払込期間12年・18年の比較シミュレーション
契約者:男性30歳/被保険者:男性0歳 
基準保険金額:100万円/受取学資金総額:130万円 
総合医療特約:入院初期保険金7,500円/入院日額1,500円 
手術(外来)7,500円/手術(入院中)30,000円
12年払い 18年払い
月額保険料 9,870円 6,720円
払込保険料総額 1,421,280円 1,451,520円
受取学資金総額 1,300,000円 1,300,000円
返戻率 91.47% 89.56%

短期払い(12年払い)では月々の支払額は増えますが、返戻率は約2%上がっています。

(2)年払い・全期前納払いを選択する

短期払いと同様で月払いよりもまとめて保険料を受け取ることのできる「年払い」「全期前納払い(契約時に保険料を一括して支払う)」の方が、保険会社はお金を大きく運用することができ、結果として返戻率がアップします。

ただし最初から全額が保険会社の運用に回される「一時払い」とは異なり、全期前納払いの場合は保険会社が保険料を1カ月ごとや1年ごとに運用にまわしていきます。

一般的に「一時払い」の方が保険料の割引率は高いですが、「全期前納払い」は途中解約した場合でも運用前の保険料を返還してもらうことができるメリットがあります。

月払い・年払い・全期前納払いの比較シミュレーション
契約者:男性30歳/被保険者:男性0歳 
基準保険金額:100万円/受取学資金総額:130万円(18年払い)
総合医療特約:入院初期保険金7,500円/入院日額1,500円 
手術(外来)7,500円/手術(入院中)30,000円
月払い 年払い 全期前納
保険料 6,720円 79,900円 1,420,173円
払込保険料総額 1,451,520円 1,438,200円 1,420,173円
受取学資金総額 1,300,000円 1,300,000円 1,300,000円
返戻率 89.56% 90.39% 91.54%

年払い・全期前納払いにすることで、それぞれ約1~2%ほど返戻率が上がります。

(3)契約者を女性にする

払込免除特約が付いていることから、「死亡するリスクが高い」ほど保険料は高くなります。通常女性よりも男性の方が死亡率が高いため、男性の方が保険料が高くなります。

そこで契約者を男性から女性へ、例えば父親から母親に変更すれば保険料を下げ、返戻率を上げることができます。

契約者が同年齢の男女の場合の比較シミュレーション
契約者:男性・女性とも30歳/被保険者:男性0歳 
基準保険金額:100万円/受取学資金総額:130万円/月払いで18年払い
総合医療特約:入院初期保険金7,500円/入院日額1,500円 
手術(外来)7,500円手術/(入院中)30,000円
男性 女性
月額保険料 6,720円 6,710円
払込保険料総額 1,451,520円 1,449,360円
受取学資金総額 1,300,000円 1,300,000円
返戻率 89.56% 89.69%

返戻率が若干アップすることがわかります。保険料は年齢によっても変わるため、夫と妻の年齢でシミュレーションし直すと返戻率も変動します。

ただし契約者の名義を妻にすることでデメリットが発生することも。検討中の人は「学資保険の契約者は妻名義でもOK!メリット・デメリット両方を解説」の記事をチェックしてみてくださいね。

(4)加入時期を早くする

死亡率は男女差だけではなく、年齢にも深く関わってきます。当然若い人より高齢の人のほうが死亡率は高くなります。そこで契約者ができるだけ若い時に(子供が生まれた前や直後に)契約すれば、返戻率は上がります。

契約者30歳と35歳で比較シミュレーション
契約者:男性30歳・35歳/被保険者:男性0歳 
基準保険金額:100万円/受取学資金総額:130万円(月払いで18年払い)
総合医療特約:入院初期保険金7,500円/入院日額1,500円 
手術(外来)7,500円/手術(入院中)30,000円
男性30歳 男性35歳
月額保険料 6,720円 6,770円
払込保険料総額 1,451,520円 1,462,320円
受取学資金総額 1,300,000円 1,300,000円
返戻率 89.56% 88.90%

保険料の総額で約10,000円、返戻率で0.5%ほどの差が出ました。

このように保険料と返戻率は「払込期間」「支払い方法」「性別」「年齢」によって異なります。加入前に自分の場合はどうなるのか、シミュレーションをしてみるのがおすすめですよ。

特約をつけるときは学資保険に加入する目的とずれないかを考える

「あなたが学資保険に何を求めているか」それによって特約の有無は変わってきます。

ほとんどの方は学資保険の貯蓄性を求めているため、教育資金をお得に貯めることを望んでいるならば余計な特約は必要ありません。

ただ医療特約や育英年金にメリットを感じるのであれば、手続きが一度で済む特約は便利な手段と言えます。お子さんのこと、家族のこと、家計の状況、それぞれをよく考えて検討してみてください。