墓石の選び方を解説!適正価格の良いお墓を見つける大切なポイント
初めてお墓を建てるとき、欠かすことのできない『墓石』の選び方について、いったいどのような注意ポイントがあるのでしょうか?
多額のお金が動き、一度購入するとなかなか変更できないからこそ、お墓選びには慎重な検討が必要です。
今回は、墓石を購入するときに大切なポイントや墓石のデザイン、費用相場や購入の流れなどを解説します。また、よく分からないことが多い『墓石』に彫る文字や戒名の”意味&ルール”も併せてご紹介します。墓石選びをされる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
墓石ってどこで買うの?石材店の決め方〜購入までの手続きと流れ
墓石は石材店で購入!墓地や霊園によっては指定石材屋があるケースも
お墓を建てるには、お墓を建てる「場所」として寺院や霊園などお墓を管理する運営母体と『墓地』の契約をします。しかし、お墓の場所を契約するだけでなく、お墓に建てる『墓石』を購入し用意をすることが必要です。
墓石は墓地や霊園ではなく、石材店で購入します。
墓石はデザインが多様で、素材や大きさによっても価格が大きく異なります。扱っている石材や価格は、石材店によっても大きく差があります。墓石を購入する際は、いくつかの石材店から複数の見積もりをとり、比較検討することがもっとも得策といえるでしょう。
自治体が運営する【公営霊園】や、寺院が運営する【寺院墓地】では石材店が自由に選べることが多いです。
しかし、民間企業の運営する【民営霊園】の場合、石材店が指定されているケースがあります。
石材店が指定されていると、他店と墓石や価格の比較ができず狭い範囲のなかで墓石を選ばなければなりません。墓石を自由にデザインしたい場合、前もって寺院や霊園に『石材店の指定があるか・ないか』を確認しておくと安心です。
墓石を購入する流れは大きく分けて2パターン
基本的に、墓石を購入する流れは以下の通りです。
- お墓の予算・条件を決める
- 墓地を選定、使用契約する
- 墓石を選び、工事契約をする
- 墓石建設工事をする
- お墓の完成
このように流れは共通ですが、実際にお墓を建てる際の墓石の選び方は、大きく2通りに分けることができます。
- 先に理想のお墓(墓石)をイメージして予算を確保し、条件にあった墓地を選ぶ
- 諸条件から先に墓地を決定し、墓地の条件に適した墓石を選ぶ
建てたいお墓のイメージが具体的にある場合は、先におおよその墓石にかかる予算を確保したうえで理想に適した条件の墓地を探します。お墓のデザインの自由度や区画の広さ、環境など、建てたいお墓を叶えるために理想的な条件の墓地を絞ります。
逆に、建てたいお墓のイメージが定まっていない場合は、立地や費用面から先に墓地を選定するとよいでしょう。墓地の価格が決まったあと、残った予算の範囲内で墓石を選びます。墓石は、彫刻のデザインから大きさ、石材の素材の選び方によって、少なからず価格を調整することが可能です。
お墓を建てる際は、『墓地』と『墓石』を上手に組み合わせて、予算と条件のバランスを工夫することが大切です。
墓石にはどんなタイプがある?選べるデザインと費用相場を解説
墓石代にかかる費用は大きく分けて3つ
「墓石代」と呼ばれる費用の内訳は、大きく分けて以下の3つとなります。
- 墓石本体費
- 彫刻代
- 設置工事費
墓石本体費とは、実際に建てる墓石の石材費です。彫刻代とは、墓石へ彫刻によるデザインを施したり、家名・戒名を彫ったりする際にかかる費用です。もともと石材費に彫刻代が含まれているケースもあれば、文字数やデザインによって別途追加費用が発生するケースもあります。特別なデザインを施すほど、かかるコストは高くなる傾向にあります。
設置工事費は、おおよそ5万円ほどが相場とされています。
しかし、地盤や設置工法によっては数十万円となるケースも少なくありません。工事費は、実際の設置場所を現地調査してからでないと価格が決定することが難しく、工事直前になって価格が変更になる可能性もあります。
石材の種類・使用量の多さ
墓石代の価格を大きく左右する要素として、石材の種類と大きさがあります。選べる石材の種類は石材店によって異なり、国産やインド産、中国産など産地によっても価格に差が生じます。
石材を選ぶときは、以下の項目を検討します。
- 色
- 質感
- 品質
さらに、庵治石や本小松石といった有名な石材ブランドへのこだわりや、石材の強度、加工のしやすさなどを視野に検討する方もいます。石の色もさまざまあり、定番の黒やグレーから、自然色の赤色や緑、青など好みの色を選ぶことができます。
石材費の全国平均は120万円前後です。(一般的な8寸角サイズの場合)
希少性の高い石材の場合や、使用する石のサイズによっても金額が異なります。安いものであれば50万円〜、高いものは300万円〜とその価格差はとても大きくなっています。また、石材を使用する量が多いほど金額が高くなる傾向にあります。
たとえば、墓石を建てる段を1段から2段にする、墓地のスペースが大きいため大きめの墓石を建てる、といった場合には墓石のデザインに比例して石材の使用量多くなります。石材、墓石のサイズから予算に合わせて墓石を選ぶようにしましょう。
墓石の加工・デザイン
墓石を加工する費用も墓石代に含まれます。
シンプルであれば費用は安い傾向にあり、細部までこだわりのあるデザインや、特殊なデザインを施す場合は追加費用が発生する場合もあります。
墓石の加工・デザインは、オーダーメイドをすることでアートなものから細かな装飾を施したものまで、個性豊かな墓石をつくることも可能です。特別なデザイン加工を希望される場合は、デザイン可能な石材店に相談してみましょう。
墓石に刻む文字は何?「戒名」の意義と戒名掘りにかかる費用をチェック
和型墓石(棹石正面)に彫る一般的な文字の例
和型墓石の場合、墓石中央にある棹石の正面に「◯◯家乃墓」「◯◯乃家」といった言葉を刻むのが通例です。これらは宗旨・宗派によらず広く使われています。宗派によって、棹石の正面に彫られる文字はさまざまです。
宗派不問 | 「◯◯家乃墓」「◯◯乃家」「○○家」 |
---|---|
浄土真宗 | 「南無阿弥陀佛」「倶会一処」 |
天台宗 | 「南無阿弥陀佛」「○○家先祖代々」 |
真言宗 | 「南無大師遍照金剛」「○○家先祖代々」 |
臨済宗、曹洞宗 | 「南無釈迦牟尼佛」「○○家先祖代々」 |
あくまで一例であり、宗派によらずともそれぞれに慣例が異なるため、わからない場合はお寺の住職に相談をするとよいでしょう。
和型墓石(棹石側面)に彫る一般的な文字の例
和型墓石の側面や裏側には、「戒名」や「没年月日」「建立年月日」を刻むことが多いです。
仏式で葬儀を執りおこなう際に、仏門に入り仏の弟子になった者に対して与えられる名前。葬儀をおこなうお坊さんによって授けられる。
仏教では「戒名」と呼ぶことが一般的ですが、宗派によっては「法名」や「法号」と呼ぶこともあります。棹石の右側面に戒名や没年を刻み、左側面には建立年月日を刻むことが多いです。
洋型墓石に彫る一般的な文字の例
墓石に刻む文字には、宗派による慣例はありますが、必ず決まったルールがあるというわけではありません。
故人への弔いを込めた文字やメッセージ、さらに文字以外の模様を選択する人もいます。
「愛」「心」「願」などの漢字一文字
洋型墓石に彫刻られる一般的な文字として、故人を偲ぶ想いを込めた「漢字一文字」があります。
例:愛・心・絆・願・空・夢・和・偲
「ありがとう」「安らかに」などの言葉やメッセージ
限られた墓石スペースの中で端的に故人への想いをあらわす「単語」や「メッセージ」を選択する人も多くいます。
例:感謝・希望・安らかに・ありがとう・永遠の愛
英文字や模様
過去にはよく用いられていた「家紋」の代わりに、故人が好きだった花や景色をイメージした模様や、英文でのメッセージを彫刻するパターンが近年増えてきました。墓石に彫る文字は自由に決めることができるため、故人にちなんだ自然の模様やメッセージを彫刻してもいいかもしれませんね。
墓石への彫刻費用はどれくらい?
戒名やメッセージを彫るために石材店に支払う彫刻費用は、5万円が相場といわれています。
もちろん、難しい彫刻の場合や、1名以上の戒名を彫る場合などは、それぞれに追加費用が発生することがあります。また、戒名を彫るためにはお坊さんに戒名を授けてもらった際に、お布施を支払うのが慣行です。お布施の相場は2万円〜100万円と差が大きく、お寺との関係性によって相場が変わります。
墓石は高額!事前にしっかり計画しよう
墓石の購入は、計画的におこなうことが大切です。
多額の費用が発生する墓石購入の支払い方法は業者によって異なります。一般的には、着手金として始めに半額を支払い、完成後に残金を支払うパターンが多いです。万が一、まとまった費用を用意できない場合は、分割して支払えるお墓用のローンを利用することも可能です。
もしローンを組む場合は月々の返済負担を考えながら、もっとも負担の少ない方法で墓石を購入できるよう、計画性をもって検討を進めていきましょうね。