お墓・葬送

閉眼供養の流れを徹底解説!お布施の相場とやっておきべき準備も紹介

お墓や仏壇を購入したときに、魂を入れる儀式である「開眼供養」。実は反対に魂を抜く儀式もあり、こちらは「閉眼供養(閉眼法要)」と呼びます。

この記事では魂を抜く儀式である「閉眼供養」はどんなときに行うものなのか、お布施の相場はどのくらいなのかを詳しく解説していきます。

閉眼供養を予定している方は、ぜひこの記事を読んで閉眼供養の参考にしてみてくださいね。

そもそも閉眼供養とは何なのか?法要の内容と意味

閉眼供養(へいげんくよう)とはご先祖様の魂を抜くための法要です。僧侶が読経して儀式を行います。

閉眼とは仏の目を閉じるという意味があり、開眼供養以外に「御魂抜き」「お性根抜き」とも呼ばれています。

お墓を閉めるときに、閉眼供養を行うのですか?
はい。お墓だけではなく、仏壇や位牌でも閉眼供養は行われますよ。

閉眼供養を行うのはなぜ?タイミングと必要性

なぜ閉眼供養を行わなければいけないのかというと、それは魂を抜かないまま墓石を壊したり文字を彫刻してしまうと失礼な行為となってしまうからです。

基本的に次のようなタイミングで閉眼供養を行います。

  • 改葬(移動)するとき
  • 仏壇を買い替えたとき
  • お墓を買い替えたとき
  • 墓じまいするとき

閉眼供養を行うことでただの石に戻るというイメージです。

お墓をリフォームするときにも必要ですか?
そうですね。文字の色を変えたりお墓のずれを直すときにも閉眼供養を行う必要があります。

閉眼供養をするときに参列するのは親族のみが一般的

閉眼供養には友人や知人などに参列してもらう必要はなく、身近な親族のみで行うのが基本。日程などの連絡は電話で問題ありません。

なおトラブルにならないよう、親族間で次の点について話し合っておくのがポイント。

  • 閉眼供養にいたった理由(お墓の引っ越しや改葬など)
  • どのくらいの時期に閉眼供養をするのか
  • どのような流れで閉眼供養を進めるのか

閉眼供養における宗派での違い

閉眼供養は絶対にしなければいけないものなのですか?
実は閉眼供養をしない宗派もあるのです。詳しく解説していきますね!
閉眼供養を行う 真宗大谷派、浄土宗、高野山真言宗、曹洞宗、日蓮宗、天台宗、臨済宗妙心寺派、時宗など
閉眼供養を行わない 浄土真宗

なぜ浄土真宗は閉眼供養を行わないのかというと、「魂を入れたり抜いたりする概念がない」からです。

他の宗派でいう閉眼供養を浄土真宗では「遷座法要(せんざほうよう)」といいます。

閉眼供養を行うまでの流れ・手順を細かく解説

基本的にはお墓の改葬や引っ越しなど、閉眼供養が必要な理由とともに手続きを進めていきます。

1.親族や家族と話し合う

お墓を改葬したい・リフォームしたいということをしっかりと相談してみましょう。お墓や仏壇は親族にとってもご先祖様の魂が宿っている大切なものです。

2.石材店に連絡する

石材店に連絡するタイミングは作業によって時間がかかるので、2ヶ月前には連絡をした方が良いでしょう。

工事完成日や予定日を石材店と話し合いながら確認しておいてください。新たに戒名を彫る場合は、戒名を用意しておく必要があります。他にも用意しておかなければいけないものがあるか問い合わせておきましょう。

3.お寺や霊園の管理者に相談する

お寺には当日に用意するお供え物や服装の確認、日時の連絡をしておきます。菩提寺がある場合は注意が必要です。

閉眼供養をお願いするのは菩提寺かと思ってしまいがちですが、異なる寺院墓地のときにはお墓を管理しているお寺が閉眼供養を行うことになるのです。

もし菩提寺に閉眼供養をしてもらいたい場合は墓地を所有している管理者に確認をしなければいけません。

4.日程等が決まったら親族や石材店に伝える

お寺と相談して日時などが決まったら親族や石材店に連絡をして準備をします。

5.閉眼供養の儀式

当日僧侶に読経をしてもらい閉眼供養を行います。遺骨を取り出すときには石材店も立ち会います。閉眼供養をしたあとはご先祖様の魂は入っていないため、お墓参りはしません。

お墓参りは開眼供養、ご先祖様の魂を入れた後に行いましょう。

閉眼供養のお布施の相場は3万円~10万円

閉眼供養のお布施の相場は宗派や地域によって異なります。お布施は読経料とも呼ばれていますが、僧侶の労働への対価ではなく、お寺へ寄付するお金という扱いになります。

だいたい3万円〜10万円が相場となっています。

こちらの感謝の気持ちとしてお布施を渡すものなので、具体的な金額は決まっていません。もし、金額に悩んだ場合は親族やお寺に相談してみると良いでしょう。

お坊さんに聞いたら「お気持ちでけっこうですよ」と言われたのですが・・・。
聞き方を変えてみるといいかもしれませんね。他の方々はどのくらいお布施を包んでいますか?という聞き方であればお坊さんも具体的な金額を言いやすいかもしれません。

お布施を渡すときの封筒と表書きのマナー

お布施を渡すときにお金を入れる封筒にもマナーがあります。仏事に使う封筒は不祝儀袋が一般的であり、閉眼供養のときも同様です。

不祝儀袋の種類
黒白の水引 一回忌までは全国何処でも黒白を使用する。
黄白の水引 法要時は京都を中心に関西、北陸、山陽で黄白を使用する。

地域によっても異なりますが、閉眼供養時には忌みが和らいでいる法事なので黄白の水引を使用してかまいません。

金・銀・紫・赤・藍・緑・黄・黒

左側に行くほど慶事であり、右側に行くほど弔事に使用するものとなります。

お布施以外に御膳料や御車代も用意しておこう

せっかくお坊さんに来ていただいたから交通費を負担した方が良いですよね?
そうですね。あとは会食はありませんが、一応「御膳料」も用意しておくと良いでしょう。
御車代の相場 5,000円〜30,000円
御膳料の相場 5,000円〜10,000円
ちなみに御車代と御膳料を渡す時にはどんな封筒に入れたら良いですか?
御車代とお膳料は白い封筒に入れて渡せば大丈夫ですよ。

閉眼供養についてしっかりと学んでおこう

閉眼供養はあまり経験することではないので戸惑う人も多いかと思います。今回の記事で閉眼供養について学んでスムーズに儀式を進めていただければ幸いです。

親族や家族は参列者として喪服を着ますが、葬儀のときと同じもので構いません。身内のみなので落ち着いた格好で良い場合もあるので相談して決めると良いでしょう。

なお浄土真宗の場合は閉眼供養というものはありませんが、仏壇やお墓に対して抱擁するということは同じです。

閉眼供養は大切な儀式なので、滞りなく進められるようしっかりと準備しておきたいですね。