保険で資産運用するには?向いている保険とメリット・デメリット
わたしたちが何気なく加入している生命保険。実は資産運用もできるんです。
生命保険で資産運用するメリットとデメリットをみていきながら、資産運用についていっしょに考えていきましょう。
どんな種類の生命保険で資産運用をすることができるのか・どのくらい運用することが可能なのか詳しく説明していきます。
保険で資産運用が可能な理由
まず資産運用とは持っている資産を管理・運用してリターン・資産を増やすことを指します。資産運用には大きさは異なるものの、リスクはあります。資産運用と聞くと少し難しい印象を持ってしまうかもしれませんが、普段の金融機関への預金も資産運用となります。
- 株取引
- FX
- 国債
- 保険
- 定期預金
- 不動産投資
ちなみに「資産形成」という似たような言葉が存在しますが、資産形成は運用するための資金を作ることを指します。
資産運用をすることは老後の資金など将来のための資産を作ることができます。
年金の受給は65歳からですが、より充実した生活をしたいのであれば資産運用をして貯蓄を増やすという方法も。他にも結婚や育児、住宅の購入など資産の使い道はたくさんあります。
利用するには登録が必要ですが、日本年金機構のサイトで年金見込額の試算ができます。
なぜ保険に入ることで資産運用が可能になると言われているのか、それは「契約者が支払った保険料を保険会社がまとめて運用して利益を生み出す仕組み」だからです。保険の種類によっては支払った保険料より多く戻ってくる商品もあります。
どのような種類の保険が資産運用に向いている?
保険の中でも資産運用することができるのは「貯蓄型」の保険です。以下の貯蓄型保険を紹介していきます。
終身保険 | 一生涯にわたって死亡保障が続く保険 |
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養老保険 | 死亡保障と満期を迎えた時に保険金が受け取れる楽しみがある保険 |
個人年金保険 | 老後に備えて個人で年金を積み立てる保険 |
3つの保険は上記の説明の特徴で知られているかと思います。
これらは支払った保険料から資金が積み立てられるというのが共通点です。
それぞれ保障目的は違いますが、資産運用として活用されています。
終身保険・養老保険・個人年金の仕組み
終身保険は満期がなく、一生涯保障が続きます。主契約は死亡保障のみであり、お金を受け取るには途中で解約をする必要があります。解約をして受け取ることができるお金を「解約返戻金」と呼び、終身保険の種類や経過年数によっては支払った保険料を上回ることもあります。
終身保険について詳しくは次の記事で解説しています。
昔の養老保険は高い利率のものが多いので加入している人は解約せずに大事に満期まで残しておきましょう。
個人年金保険はわたしたち日本人が20歳から支払う国民年金とは別に任意で加入することができる個人年金を積み立てる保険です。積み立てたお金は指定した年齢に到達すると年金として毎年支払われます。年金は終身年金・有期年金・確定年金と3つに分かれています。
個人年金保険について詳しくは「個人年金保険の仕組みを解説!気になる年金額や保険料は?」で詳しく解説しています。
利率は保険会社によって違うので、何年でどのくらいの利回りとなるの確認してみましょう。
保険で資産運用をするメリットとデメリット
保険で資産運用をするとどのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。株やFXなどより気軽に挑戦しやすい保険ですが、加入する前にチェックしてみてください。
保険で資産運用をするメリット
- 貯蓄しながら保障を備えることができる
- リスクが低い
- 節税効果がある
貯蓄をしながら保障を備えられることが保険での資産運用の最大のメリットです。他の資産運用では保障は得られません。もしも亡くなった・高度障害になった場合でも決めた保障額分の保険金が家族に支払われるため、死後の資産の心配をする必要がありません。
株やFX、仮想通貨などは売値の上がり下がりの変動がとても激しいため、リスクも高いです。
また、変動が激しいものは取引を毎日こまめにチェックしなければいけません。保険であれば保険会社が破綻しない限りはそのままおいておけば返戻率は上がっていきます。
生命保険は保険金受取人の指定をして相続時の争いを防いだり、相続税の控除を受けたりすることができます。また、生命保険は毎年確定申告のときに「生命保険料控除」を受けることができます。
生命保険料控除は1年に支払った保険料を申告することで「所得税」や「住民税」に対して控除を受けられます。
新契約と旧契約、すべて合わせて限度額は12万円までです。
年間の支払保険料等 | 控除額 |
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20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
年間の支払保険料等 | 控除額 |
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25,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
25,000円超 50,000円以下 | 支払保険料等×1/2+12,500円 |
50,000円超 100,000円以下 | 支払保険料等×1/4+25,000円 |
100,000円超 | 一律50,000円 |
保険で資産運用をするデメリット
続いてデメリットを見てみましょう。
- 早期解約をすると元本割れする恐れがある
- 保障が大きすぎると元本割れする場合がある
- 利回りが低い商品が多い
保険は毎月保険料を支払わなければなりません。月々の保険料が生活費を圧迫して解約を迫られる時もあるかもしれません。そういった理由で早めに解約をしてしまうと元本割れしてしまう確率が高いです。
医療保障や三大疾病特約など人への保障を手厚くすると積み立て部分のほかに保障分の保険料を支払わなければならず、保険料がどんどん高くなってしまいます。
保障を備える目的で加入するのであれば問題はないかと思いますが、貯蓄のために加入するのであれば余計な保障はつけないように気を付けましょう。
マイナス金利の影響を受けて利回りはどんどん低くなってきています。あまり高い利益は望めず、利益を考えると保険より株や仮想通貨などの方が大きく得ることができる場合もあります。
例えば定期預金では利率がとても低いですが1年~5年と短期間であり、途中で解約しても元本が戻ってきます。資産運用をして逆に損してしまわないよう、保険に加入する前にはしっかりと考えてみてください。
運用目的を考えて保険の種類を選ぶ
また終身保険の中でも「低解約返戻金型終身保険」は保険料払込期間後に解約をすると通常の終身保険よりも高い返戻率でお金が戻ってきます。
このように目的に合わせて保険の種類を選ぶとお金が必要なタイミングを合わせることができます。資産運用にはリスクがつきものですが、賢く保険を活用してみてください。