夜間対応型訪問介護とは?夜間のヘルパー訪問が可能なサービス
ひとり暮らしで家族が遠方に住んでいる高齢者の場合、何か緊急事態があっても家族がすぐに駆けつけられないのが心配ですよね。
それが夜なら、なおさらです。
介護保険サービスの中には、そんな心配に対応できる「夜間対応型訪問介護」があります。
夜中に急に体調が悪くなった時などに、ヘルパーを呼んだり、救急車を手配してもらったりすることができます。
夜間対応型訪問介護のサービス内容、利用条件、料金の目安をご紹介します。
夜間対応型訪問介護で夜も安心!夜間の緊急事態にも対応可能
夜間対応型訪問介護は、「夜間(18:00~8:00)に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者宅を訪問して介護を行う」サービスです。
以下の3つのサービスを組み合わさっています。それぞれについて、どんなサービスなのか説明します。
- 定期巡回サービス
- 随時訪問サービス
- オペレーションサービス
ケアプランで決められた時間に利用する定期巡回サービス
定期巡回サービスでは、定期的に利用者宅を訪問して、トイレや寝返りの介助、安否確認などを行います。
訪問する時間はあらかじめケアプランで決めておきます。1回の利用時間は30分以内が目安です。
自宅で急に動けなくなった!緊急通報して利用する随時訪問サービス
「体調が悪くなった」「転んで立ち上がれない」などの緊急事態があったとき、利用者からの通報に応じてヘルパーが訪問するのが随時訪問サービスです。
あらかじめ専用の「ケアコール端末」を室内に設置しておき、通報時に使います。
ケアコール端末は電話回線があれば簡単に設置でき、首からさげて持ち運べるペンダント式の機械も配布されます。
設置料やレンタル料はかかりませんが、通報すると通話料がかかります。
通報を受け付け相談にものってくれるオペレーションサービス
利用者からの通報を受け、通報の内容と、事前に把握している利用者の健康などのデータをもとに、訪問が必要かどうかを判断するサービスです。
事業所によっては、心身の不安に関する相談の窓口にもなります。
通報は原則として「オペレーションセンター」が受け付けます。利用者が少ない事業所では、センターを設けずに通報に対応しているところもあります。
夜間対応型訪問介護を利用したい!利用条件と利用方法とは
夜間対応型訪問介護を利用できるのは、要介護1~5の人です。要支援の場合は、利用できません。
利用条件や利用方法を紹介します。
利用対象者は要介護1~5!事業者のサービス提供地域も要チェック
夜間対応型訪問介護を利用できる条件は以下の通りです。
- 要介護1~5
- 事業所の対応可能地域に在住
グループホームや有料老人ホームなどに入居中の人、ショートステイ利用中の人は、夜間対応型訪問介護は利用できません。
夜間対応型訪問介護を利用したいときはケアマネージャーに相談
夜間対応型訪問介護を利用するには、サービス利用がケアプランに盛り込まれる必要があります。
まずはケアマネージャーに相談しましょう。
ケアブランができたら、夜間対応型訪問介護を提供している事業者と契約できます。
ケアコール端末の設置が終わったら、サービス利用開始です。
夜間対応型訪問介護の利用料金は?目安を紹介します
夜間対応型訪問介護の利用料金は、オペレーションセンターを設置している事業者と、設置していない事業者で違います。
また、住んでいる地域などによっても異なります。
利用料の目安について説明します。
センターありだと基本サービス料と1回あたりの利用料がかかる
オペレーションセンターを設置している事業者の場合、1ヶ月の基本使用料と、1回の訪問ごとの利用料がかかります。
基本利用料 | 10,090円(1ヶ月) |
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定期巡回 | 3,780円(1回) |
随時訪問 | 5,760円(1回、ヘルパー1名) 7,750円(1回、ヘルパー2名) |
(2018年10月1日現在)
利用者の負担は、自己負担割合に応じて、上記の金額の1~3割です。自己負担割合の決まり方についてはコチラをご覧ください。
また、都市部では料金が高くなります。実際の利用料金は、ケアマネージャーや事業所に確認してください。
センターなしの事業所は月額利用料のみの定額制
オペレーションセンターを設置していない事業者の場合は、1ヶ月の基本使用料だけがかかります。
基本利用料 | 27,420円(1ヶ月) |
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(2018年10月1日現在)
利用者の負担は、自己負担割合に応じて、上記の金額の1~3割です。
夜も安心!夜間対応型訪問介護以外のサービスも比較しよう
「ケアコール端末のボタンを押せば、いつでもオペレーターに繋がる」という安心感は、大きなメリットですね。
ただ、普通の訪問介護でも、夜間・早朝や深夜の対応ができる事業所もあります。
また、医療ケアが必要な場合は、利用料金が少し高くなりますが、訪問看護も可能な「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」のほうが適している可能性も。
定期巡回の利用頻度や、利用者の体調、家族の状況などに応じて、どのサービスを利用すべきなのか、ケアマネージャーと相談しながら決めましょう。