在宅介護サービス
訪問入浴介護のサービス内容は?利用条件や事業者の選び方も紹介

訪問入浴介護のサービス内容は?利用条件や事業者の選び方も紹介

訪問入浴介護は、その名の通り、スタッフが利用者宅に来て、入浴を介助してくれるサービスです。

でも、訪問介護の身体介助の中にも、入浴の介助が含まれますよね。訪問介護での入浴と、訪問入浴介護はどう違うのでしょうか。

訪問入浴介護は専用の浴槽を利用者宅に持ち込みます。ですから、自宅の浴室を使うのが難しい人でも、入浴が可能です。

では、料金はいくらくらいで、利用したいときはどうしたらいいのでしょうか。

訪問入浴介護に関する疑問にお答えします。

訪問入浴介護ってどんなサービス?訪問介護での入浴との違いとは

訪問入浴介護の特徴は、自宅に浴槽を持ち込むことと、複数のスタッフが入浴を介助することです。

自宅にお風呂がないなどの設備上の理由や、感染症などの体調面の理由で、自宅や施設のお風呂を使うのが難しい人が、訪問入浴介護を利用しています。

具体的なサービス内容と、訪問介護での入浴介助との違いを紹介します。

訪問入浴介護では看護スタッフと介護スタッフが入浴介助を担当

訪問入浴介護では、利用者宅に専用の浴槽を持ち込んで、介護スタッフと看護スタッフが入浴介助を行います。

看護スタッフが利用者の健康状態をチェックして、安全に入浴できると判断してから、入浴を開始します。

基本的には全身浴ですが、体調がよくない場合は、部分浴や清拭(体を拭くこと)に変更する可能性があります。

訪問介護での入浴とはここが違う!より重度の人でも自宅で入浴可

訪問介護での入浴と違う点を挙げると、以下のようになります。

訪問入浴介護と訪問介護の違い
訪問入浴介護 専用浴槽で入浴
複数スタッフが担当
訪問介護 自宅浴室で入浴
基本的に介護スタッフ1名が担当

要介護1~5の人が利用する訪問入浴介護では、担当するのは介護スタッフ2名以上、看護スタッフ1名以上です。要支援1~2だと介護スタッフ1名以上、看護スタッフ1名以上となります。

利用者の体調が安定していて、入浴前の健康チェックなどが必要ないと医師が判断した場合、介護スタッフだけで訪問することもあります。

訪問介護のサービス内容については特集記事で紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

訪問入浴介護では看護スタッフさんが来てくれるんですね。ついでに、使っている医療機器のチェックや床ずれ予防の処置をしてもらえたら助かるわ。
訪問入浴介護担当の看護スタッフは、入浴に関係するケア以外はできません。入浴後に医療ケアが必要な場合、訪問入浴介護に引き続いて訪問看護を利用します。

訪問入浴介護を利用したいときはどうする?利用条件と利用方法

訪問入浴介護を利用できる人の条件はあるのでしょうか。また、実際に利用したいときには、どうやって手続きしたらいいのでしょうか。

利用条件と利用方法をご紹介します。

要支援でも訪問入浴介護は利用可能!訪問入浴介護の利用条件

要介護1~5の人は訪問入浴介護、要支援1~2の人は介護予防訪問入浴介護を利用できます。

訪問入浴介護を利用できる条件は以下の通りです。

  • 要介護1~5
  • 医師から入浴の許可あり

介護予防訪問入浴介護の利用条件は以下の通りです。

  • 要支援1~2
  • 医師から入浴の許可あり
  • 居宅に浴室がない、または感染症などで施設での入浴が困難
お医者さんから入浴の許可をもらわないといけないんですね。診断書を書いてもらう必要がありますか?
契約する事業所などから言われない限り、特に必要ありません。要介護認定を受けるときに書いてもらった意見書で確認できるはずですので。

訪問入浴介護の利用方法は?まずはケアプランへの記載が必要

訪問入浴介護も介護予防訪問入浴介護も、ケアプラン(または介護予防ケアプラン)の通りに利用します。

訪問入浴介護を利用したい場合は、要介護の人は担当ケアマネージャーに、要支援の人は地域包括支援センターに相談しましょう。

ケアプランに記載されたら、訪問入浴介護を行っている事業所と契約します。

どこと契約すればいい?利用する訪問入浴介護事業所の選び方をご紹介

訪問入浴介護を実施している事業所の一覧は、役所のWEBサイトなどで確認できます。訪問介護の事業所と比べると、数はかなり少ないです。

複数の事業所を比較するときは、以下のポイントを丁寧に説明してくれるところを選ぶのがおすすめです。

  • サービス内容
  • 費用
  • 家庭で用意するもの
  • 浴槽設置に必要なスペースの広さ
  • スタッフの体制や資格(性別を指定できるかなど)
  • 看護スタッフができること・できないこと
  • かかりつけ医との連携体制
  • 緊急時の対応
浴槽を置くスペースはどれくらい必要なんじゃ?家が狭いんじゃが…
たいてい1.5~2帖程度は必要です。契約前に、事業所の担当者に家を確認してもらいましょうね。

訪問入浴介護にかかる料金は1回いくら?利用料の目安とは

訪問入浴介護の料金は、全身浴なのか清拭なのかによって異なります。また、地域やスタッフの体制によっても変わります。

利用料の目安や、利用料が高くなるケース・安くなるケースについて紹介します。

自己負担はの目安は1回1,250円!訪問入浴介護の料金

利用料の目安は以下の表のとおりです。

1回あたり利用料の目安
訪問入浴介護 全身浴 12,500円
清拭または部分浴 全身浴の70%
介護予防訪問入浴介護 全身浴 8,450円
清拭または部分浴 全身浴の70%

(2018年9月20日現在)

利用者の自己負担は、表に記載した金額の1~3割です。自己負担の割合は前年の収入によって決まり、「介護負担割合証」に記載されています。

自己負担割合の決まり方については「あなたの介護保険の自己負担割合はいくら?自己負担割合の決まり方」で紹介していますので、合わせてご覧ください。

水道や電気は利用者が負担しますので、水道代や電気代もかかります。

1割負担でも1回につき1,200円以上かかっちゃうんだ!浴槽を持ち込むなんて大がかりだし、スタッフさんが複数来てくれるから仕方ないけど、思っていたより高いなぁ。
そうですね。負担軽減策としては、高額介護サービス費による払い戻しなどがあります。訪問看護などの医療系サービスとあわせて利用する場合、医療費控除の対象にもなりますよ。
そうなんだ!負担を減らす方法、もっと知りたい!
負担軽減策については「あなたの介護保険の自己負担割合はいくら?自己負担割合の決まり方」を参考にしてくださいね。

利用料が高くなるケース・安くなるケース

先ほど紹介した料金はあくまで目安です。訪問入浴介護の利用料は、住んでいる地域などで変わってきます。

実際の利用料については、契約する事業所やケアマネージャーに必ず確認してください。

例えば、このような場合には料金が高くなります。

  • 都市部(地域区分が1~7級地のところ)
  • 一定の条件を満たしている事業所と契約

介護保険の地域区分は自治体や地域包括支援センター、ケアマネージャーに聞けばすぐわかりますし、WEBサイトに載っていることもあります。

反対に安くなるケースだと、このような例があります。

  • 医師の許可を得て介護職員だけで介助
  • 利用者が事業所敷地内の老人ホームなどに住んでいる

訪問入浴介護は複数スタッフで介助!寝たきりの人もお風呂に入れる

訪問入浴介護は、訪問介護での入浴とは異なるサービスです。専用浴槽を自宅に持ち込み、介護スタッフと看護スタッフが入浴介助を行います。

自宅や施設のお風呂に入るのが難しい人でも、入浴してリフレッシュでき、清潔な状態を保てるのが嬉しいですね。好みで選べる入浴剤をつけてくれる事業所もありますよ。

ただ「他人に裸を見られるのが恥ずかしい」という気持ちから、利用者本人が利用を嫌がることも。

入浴を担当するスタッフの性別を選べるか、体にタオルをかけながら入浴するなどの配慮があるかなどを事業所に確認してみましょう。