iDeCoの運用
職業で異なるiDeCo(イデコ)の掛け金上限額は要チェック!

職業で異なるiDeCo(イデコ)の掛け金上限額は要チェック!

もらえる年金を上乗せで受け取ることができるiDeCo(イデコ)。60歳になるまで積立てることで、節税効果がある、運用益が非課税になるというメリットがあるので、出来るだけ多くの金額を積立てられた方がお得な気もします。

しかし、実はiDeCoには掛金の上限額があり、その上限額は職業によって異なるのです。職業による上限額の差は、なんと5万円を超えます。

職業で異なるiDeCoの掛金上限額はいくらなのか、そして毎月の掛金はいくらまでOKなのか、毎月必ず積立てなければいけないのか、iDeCoの掛金に対する疑問に1つずつお答えしていきましょう。

iDeCo(イデコ)の掛け金上限額は職業で異なる!?

iDeCo(イデコ)は、自分で運用する年金制度です。そのメリットには、以下の点が挙げられます。

iDeCoのメリット
  • 掛け金が全額所得控除となる
  • 運用利益が非課税となる
  • 受取時に控除を受けられる

これだけのメリットがありますので、当然より多くの金額を積立てたいという方も少なくはないでしょう。

しかし、iDeCoの掛け金は職業によって、その上限額が決まっています。

まずは、職業別の掛金上限額を見ていきましょう。

iDeCoの掛金上限額(職業別)
職業 月額上限 年額上限
自営業者 68,000円 816,000円
専業主婦 23,000円 276,000円
公務員 12,000円 144,000円
企業年金がない会社員 23,000円 276,000円
企業型確定拠出年金のみ加入の会社員 20,000円 240,000円
確定給付企業年金のみに加入
または確定給付企業年金と企業型確定拠出年金
両方に加入している会社員
12,000円 144,000円

掛金の上限額が、職業によって大きく異なっていることが分かります。

特に、自営業者と公務員、または一部の会社員と月の上限額を比較すると56,000円もの差があり、年額では672,000円もの差が出てきます。掛金が職業で異なるということ、そして自分の掛金はいくらが上限になるかということを、しっかりと把握しておくことが大切です。

iDeCo(イデコ)の掛け金積立ては毎月ではなく年単位もOK!

iDeCoについて、掛金の上限額が決まっていることを紹介しました。

iDeCoは月額上限額と年額上限額があるのですが、実はiDeCoは毎月必ず積み立てなければいけないというものではなく、年単位で積み立てることも可能なのです。

あれっ?iDeCoの掛け金って、毎月積み立てなければならなかった気がするのですが・・・。
以前はそうだったので、続けられる自信がないという人もいたようですね。しかし現在では、積立てをしない月があってもOKとなったんです。

毎月積み立てるのではなく、ボーナス月など余裕がある時に積み立てる、ということができるため、無理なく継続することができると言えるでしょう。

積立て上限額に届かなかった分は翌月以降に繰り越しが可能

こちらは、具体的に数字があった方が分かりやすいかと思いますので、公務員の場合を例にご紹介します。

公務員の場合、月々の掛金上限額は12,000円です。毎月、10,000円を掛金として積立をすることを決めた場合、上限額まで2,000円の余裕があることになります。この2,000円を、翌月以降にプラスで積み立てをすることができるのです。

掛け金
1月 10,000円
2月 10,000円
3月 10,000円
4月 10,000円
5月 10,000円
6月 10,000円
7月 22,000円
毎月の掛金10,000円+(2,000円×6か月分)
7月は22,000円も積み立てているから、月の上限である12,000円を超えてしまっていますよね。これは大丈夫なんですか?
大丈夫ですよ。上限額をオーバーした金額は、1~6月の6カ月間で上限に達していなかった分の金額ですから。

iDeCoは年単位での拠出が可能であり、月々の掛金も上限いっぱい使えるよう経過月の限度額積み上げが可能という点を覚えておきましょう。

年単位拠出を希望する場合は事前の選択が必要

実は、iDeCoを始めれば誰もが年単位拠出が可能となる訳ではありません。

年単位で掛金を考えたい、月々の掛金を調整して年間で考えたい、という場合には、掛金の拠出方法で「年単位拠出」を選択しなければいけないのです。

年単位拠出は、掛金スケジュールを自分の好きなように設定できるメリットがあります。しかし、あらかじめ年間計画の届け出が必要となる点も注意しなければいけません。

年単位拠出を行う際の条件を、確認しておきましょう。

  • 個人型年金加入申出書で、「納付月と金額を指定して納付します。」を選択
  • 加入者月別掛金額登録・変更届を添付して届け出る

これはiDeCo加入時から年単位拠出にするための方法ですが、最初は月払いを選択していた人も後から年単位拠出に変更することは可能です。

変更を希望する場合は、加入者月別掛金額登録・変更届を取り寄せてから、必要事項を記載・提出をすればOKですね。

年単位拠出では、一年間の掛金支払い計画を提出します。

この拠出計画は年に1回の見直し・変更が可能となっていますが、年に1回しか変更できないので慎重にプランニングしたいところです。

iDeCo(イデコ)の毎月の掛金は変更可能

iDeCoは、年単位拠出を選択すればある程度自由に掛金を設定できますが、月払いを選択すると毎月一定額を積立てることになります。

最初はその金額で問題なくても、継続していくうちに厳しくなっていくこともあるかもしれません。子供の教育資金や住宅購入、収入の変化など、考えられる要素はいくらでもありますね。

iDeCoの月払いでも、毎月の掛金の金額を見直す・変更することは可能です。

ただし注意しなければいけないのは、iDeCoの月払いは年単位拠出と同様に、年に1回の見直ししか認められないという点です。

また、掛金の金額は年に1回しか見直しができませんが、掛金の支払い停止・再開手続きはいつでも行うことが可能です。

余裕がある時は掛金を増額し、厳しくなれば掛金を減らす、生活に応じて掛金の金額設定を無理のないものにしていきたいですね。

iDeCoの掛金は月払いと年単位どちらが良い?

iDeCoの掛金は、月払いと年単位、どちらを選べばいいんだろうか・・・?
収入に変動がある人や、毎月の積立てだと家計に負担がかかるという人には、余裕がある月に積立てをする年単位拠出がいいでしょう。
なるほど。それなら俺の場合は年単位がピッタリそうです。じゃあ、月払いはどんな人に合っているんでしょうか?
月払いがオススメなのは、投資信託などで資産を形成していきたい人です。毎月コンスタントに投資できますからね。

iDeCo(イデコ)の限度額を確認して無理ない範囲で積み立てよう

iDeCoの掛金は、職業によってその上限額が決まっています。自営業者は毎月最高で68,000円までの積立てが可能ですが、その金額を毎月積立てるのは厳しい、という人もいるでしょう。

iDeCoの掛金は、毎月一定額を積み立てる月払いだけでなく、年単位で掛金を調整する年単位拠出も可能となっています。ボーナス月や収入が多い時期のみ掛金が引き落とされるよう設定することも出来るようになったのです。

iDeCoの掛金は月払い・年単位拠出ともに年1回の見直しが可能なので、生活状況に応じて変更を検討していくと良いでしょう。

iDeCoは基本的に60歳まで引き出すことができない、長期の運用制度です。だからこそ、掛金の上限額をチェックし、無理のない範囲で継続していくようにしたいですね。