公務員にもiDeCo(イデコ)がオススメ!その3つの理由とは
iDeCo(イデコ)は個人で一定金額を運用して、それを年金の上乗せ分として得ることができる制度です。60歳未満の成人であれば基本的に加入できるのですが、年金制度で比較的優遇されている公務員には関係ないのでは?と考えている人もいるかもしれません。
しかし、実は公務員にもiDeCoを利用するメリットはありますし、公務員だからこそiDeCoを活用してほしいという意見もあるのです。
公務員にiDeCoがオススメな理由について、1つずつ詳しくチェックしていきましょう!
公務員だからこそiDeCo(イデコ)を始めた方が良い3つの理由
公務員の年金制度を簡単にご紹介すると、次の通りとなります。
1階部分 | 2階部分 | 3階部分 |
---|---|---|
老齢基礎年金 | 共済根金から 厚生年金へ統合 |
職域部分が廃止され 年金払い退職給付となった |
これだけ見ると、わざわざiDeCoを利用しなくても公務員の年金はある程度確保されているようにも思えます。
iDeCoは、年金制度で考えると3階部分にあたるのですが、公務員だからこそiDeCoを利用した方が良い理由、それが以下の3点です。
- ①公務員の年金は減額されている、今後も減額される可能性がある
- ②多少リスクがある運用も可能
- ③節税できる
公務員はすでに年金の面で恵まれている、収入の保証があるというということからiDeCoでの運用メリットをあまり見いだせないと考えているのかもしれません。
しかし、公務員でもiDeCoを利用する事にこのようなメリットがあるのです。
公務員でもiDeCoに加入するメリットはある、ということを、まずはしっかりと認識しておきたいところですね。
①公務員の年金は減額されている、今後も減額される可能性がある
では、さっそく公務員がiDeCoに加入するメリットを1つずつ解説していきましょう。
まず、公務員の年金構造をご紹介した際、共済年金は厚生年金へ統合、職域部分が廃止され年金払い退職給付となったという変更が行われている点に気づいたかと思います。実はこの変更、公務員の年金減額に繋がるものだったのです。
年金払い退職給付になった3階部分は、職域部分の9割程度を支給することを目標とはしていますが、これだけでも1割の減額になってしまいます。
②多少リスクがある運用も可能
公務員は、退職までの収入や一定額の年金(1階部分と2階部分)については保証されています。だからこそ、多少の余裕があるわけです。この余裕が、iDeCoに適しているとも言えます。
通常は、運用益が大きくなるリスクの高い投資には手を出しづらいものですが、公務員は余裕資金を用いることでより高い運用益を目指すための投資が出来るのです。
元本保証型の投資は安心ではありますが、iDeCoの運用益非課税というメリットを考えると出来るだけ大きな運用益を目指した方がお得になるのも事実です。
投資に回すことができる資金額、積極的に投資する中でも投資リスクを抑えるためにインデックス型にするなど、いろいろなパターンの運用を考えてみると良いでしょう。
③節税できる
先ほども少し触れましたが、iDeCoという制度自体に以下のメリットがあります。
- 掛金が全額所得控除になる
- 運用益が非課税となる
- 受け取り時も一定額まで非課税になる
公務員も当然これらのメリットを受けることができるわけです。では、具体的に節税額はどのくらいになるのでしょうか。次の条件でiDeCoを運用した場合の節税効果をご紹介します。
- 年齢…27歳
- 年収…300万円
- 毎月の掛金…12,000円
- 運用利益…年3%
所得控除による 節税効果 |
運用利益非課税による 節税効果 |
受け取り時の控除 |
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・節税効果 年間21,600円 ・年間所得控除額 144,000円 |
・非課税効果 33年で669,995円 *運用益:3,349,976円 |
・退職所得控除 (一時金の場合) ・公的年金等控除 (年金受取の場合) |
毎月12,000円の掛金でも、iDeCoによってこれだけの節税効果が期待できるのです。
運用利益が大きくなれば更に大きな非課税効果も期待できますので、iDeCoは公務員でも節税効果が期待できることはしっかりと押さえておきましょう。
公務員がiDeCo(イデコ)に加入するデメリットもチェック
iDeCoを利用する前には、メリットだけでなくデメリットもしっかりチェックしておく必要があります。
iDeCoを利用するデメリットとしては、主に以下の3点が挙げられます。
- 60歳まで受け取ることができない・中途解約不可
- 月々の掛け金が低め
- 口座管理手数料や信託報酬などのコストがかかる
それぞれのデメリットについてご紹介していきましょう。
60歳まで受け取ることができない・中途解約不可
iDeCoは、毎月一定額を掛金として60歳まで積立てることを前提とした制度です。
ですから、iDeCoは60歳まで受け取ることはできませんし、途中で解約することもできません。
iDeCoを途中で解約できるケースは、全くないという訳ではありません。該当するのは、次の3つの場合です。
- iDeCoの加入資格を失った等で脱退一時金を受け取る場合
- 加入者が死亡した場合(遺族が死亡一時金として積立金を受け取る)
- 加入者が所定の障害状態になった場合(傷害一時金として受け取るか障害年金として受け取るかを選択)
月々の掛け金が低め
公務員の場合、月々の掛け金は最高で12,000円となっています。自営業者の場合は月々68,000円まで掛けられることを考えると、公務員が積立てられる金額が低いことが分かります。
ただ、毎月上限額である12,000円を掛金にすると、年間で144,000円を積立てることが可能です。
※2018年から年払いが可能になりました。月払いとどちらがお得か?是非ご覧ください。
iDeCo(イデコ)で年払いが可能に!月払いとどっちがおすすめ?
公務員が積立てられる金額は低めかもしれませんが、この掛金が全額所得控除となることを考えると十分メリットもあると言えるでしょう。
手数料や信託報酬などのコストがかかる
iDeCoは節税効果が期待できる制度ではありますが、その一方で発生するコストもあります。
- 手数料
- 信託報酬
手数料は、金融機関や証券会社によって異なります。毎月一定額の支払いが生じるということになりますので、しっかりとチェックしておきたいところですね。
金融機関 または 証券会社名 |
手数料 A:国民年金基金連合会への支払手数料 B:運営管理機関手数料 C:事務委託先金融機関手数料 |
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マネックス証券 | A:月103円 B:無料 C:月64円 |
楽天証券 | A:月103円 B:無料 C:月64円 |
SBI証券 | A:月103円 B:無料 C:月64円 |
イオン銀行 | A:毎月103円 B:無料 C:毎月64円 |
三井住友銀行 | A:月103円 B:月255円 C:月64円 |
ネット証券などでは、運営管理機関手数料などが無料となっているケースが多くなっていますが、いずれにしても国民年金基金連合会への支払手数料や事務委託先金融機関手数料がかかってしまいます。
少しでもコストを抑えたいのであれば、運営管理機関手数料が低いところを探すなど意識しておきたいところです。
公務員こそiDeCo(イデコ)で得られる運用効果がある!
公務員は、下がってしまった年金分をiDeCoの節税効果によって取り返すことも可能です。また、節税効果があるだけでなく上手に運用すれば運用益も得られます。
公務員にiDeCoは不要だ、というわけでは決してありません。公務員こそ、ぜひiDeCoを上手に活用してほしいですね。