節税ならiDeCo(イデコ)がおすすめ!その理由と仕組みを解説
老後のための資金を作ろうと思うのであれば、労働以外の収入源を確保しておく必要があります。iDeCo(イデコ)は、そんな将来に備えて資金を作りたい方にオススメです。
所得控除を受けられるiDeCo(イデコ)なら、節税をしながらお手軽に資産運用を始められます。
今回はiDeCo(イデコ)の特徴と節税効果、注意点などを紹介します。
なぜiDeCo(イデコ)で資産運用すると節税になるのか?
普段、会社員として働いている方が株式投資を始めた場合、その運用の結果次第ではより高額の税金を課税されることになります。
所得控除を受けられるiDeCoなら、この税の負担を軽くし、資産運用の効果を高めることができます。
イデコの最大のメリットは、税金が安くなることです。税金が安くなるということは、浮いたお金を再投資に回すことで、複利効果の働きを高めることができるということでもあります。
まさに今後10年20年と時間をかけて資産運用をし、老後の資産を今のうちに作っておきたいという方にほどiDeCoはオススメです。
iDeCo(イデコ)で節税ができる理由は所得控除
iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことで、確定拠出年金法に基づいた私的な年金制度です。
分類としては、国民年金や厚生年金などと同じ扱いの資産形成方法となります。
iDeCoで資産運用をした場合、掛け金に対する全額所得控除を受けることができます。
例えば年間で10万円を掛け金として投資をするとします。この時、iDeCoならば10万円の掛け金全額に対する所得控除を受けられます。
iDeCoで積立を始めると、その掛け金の額が上がれば上がるほど税金を安くすることができます。
さらに、運用益も非課税になります。そのため、資産運用に成功すると、課税されることなく、そのままの金額で運用益を受け取れます。
掛け金が全額控除される、投資の利益に対して税金がかからないなど、これらの理由よりiDeCoを始めると税金が安くなります。
iDeCo(イデコ)の仕組みと積み立ての注意点
iDeCoは日本在住の成人であれば、誰でも簡単に始められます。
iDeCoの口座を開設したら、次に運用先の金融商品を選択し、積立を始めることになります。仮に月1万円ずつ積み立てるのであれば、毎月1万円、年間12万円もの金額を積み立てることになります。
積み立てる金額は自由ですが、一旦iDeCoを始め資産の積み立てをはじめると、その資産は60歳まで引き出せません。iDeCoとは、老後の資産形成に特化した制度なのです。
そのため、いくら節税したいからといって、掛け金を無理に高くすることは控えましょう。掛け金が高すぎると、いざ出費が嵩み、お金が必要になった時、資金不足に陥る恐れがあります。
掛け金はほどほどに、無理のない範囲内で設定しましょう。
iDeCoで節税できる税金は「住民税と所得税」
iDeCoで節税できる税金とは、住民税と所得税です。
iDeCoで積立をすれば、掛け金の全額が所得控除の対象となります。
しかし、1万5000円を銀行ではなく、iDeCoの口座に入れて運用するだけで約108万円もの税金から5万円以上の税金が節約できるわけです。
ちなみに、掛け金が毎月1万5000円ということは、1年で18万円をiDeCoの口座に入れることになります。
住民税と所得税が安くなるだけに、高所得で税金が高い人ほど、iDeCoを利用するメリットは大きいです。
iDeCo(イデコ)で節税できる3つのタイミング
iDeCoの節税のタイミングは、複数あります。
積立時と運用時、それと退職金や年金などの受取時において、iDeCoではそれぞれ節税することができます。
1、積立時の税金で節税できる
iDeCo口座を開設し、積立をすると、その掛け金に応じてまず税金を節税できます。
ここで対象となる税金とは、本来であれば払わないといけない所得税と住民税のことです。
会社員の方で、iDeCo口座を開設し、積立を始めたら、必ず年末調整の際に税金をチェックしておきましょう。iDeCoの掛け金が高い人ほど、控除される金額が上がるため、住民税と所得税が下がります。
ちなみに、年末調整の時に掛け金の全額所得控除の申請をし忘れると、節税できません。もしも手続きを忘れた場合は、確定申告で所得控除の手続きを行ってください。
2、運用時の税金が節税できる
投資を始め、資産運用をすると、時に大きな利益を短期間で得ることができます。この運用益に対して、本来であれば所得税と住民税として約20%の税金が課税されます。
この運用益に対する税金が、iDeCoでは非課税となります。
運用益は課税されず、そのまま再投資に回されるため、通常の資産運用よりも、iDeCoの方が複利効果を発揮しやすいです。
3、退職金や年金の受取時の税金が節税できる
会社を辞める時、退職金を受け取れる場合、その金額に応じて税金が課税されます。
退職金の税金は累進課税となるため、高額な人ほど税金は高くなります。iDeCoに加入している場合、退職所得控除を受けられるため、この退職金にかかる税金を安くすることができます。それは退職金を年金として受け取る場合も同様です。
年金として受け取る時、公的年金控除の制度を利用すると、課税される税額が安くなります。
そもそも年金収入は、雑所得扱いとなります。そのため、年金収入にも税金はかかります。しかし、公的年金控除を受けると、収入額から控除額を引くことができますので、節税できます。
iDeCoを利用すると、退職金や年金の受取時において節税することができるので、通常よりも多めに退職金や年金をもらえます。
iDeCo(イデコ)で節税する時の注意点
資産運用で節税ができるというメリットがあるiDeCoですが、いざ利用するにあたって何か注意すべき点はあるのでしょうか?
iDeCoは日本国内に居住している方で、20歳から60歳未満の国民年金納付者であれば、加入する資格があります。
逆に言えば、60歳を超えているともう加入できず、iDeCoのメリットを享受できません。さらに、国民年金の滞納や免除がある方も、やはり加入できないです。
このように、参加にあたっていくつかの条件がありますので、加入する際には必ず加入資格を守るように注意しましょう。
どんな注意点があるのか?
iDeCoには節税ができるというメリットとは別に、デメリットもあります。利用する際にはこのデメリットに注意しましょう。
まず、iDeCoは60歳まで原則として引き出しができません。掛け金を高めに設定すると、いざお金が必要な時に引き出せないなどのトラブルに遭遇する恐れがあります。iDeCoの掛け金は、余剰金の範囲内におさめましょう。
次に、iDeCoはコストが高いというデメリットがあります。特に、金融機関の変更には手間とコストがかかります。iDeCoの口座を選ぶ際には、必ずどのような銘柄を扱っているのか、欲しい銘柄は揃っているのかなど、証券会社の取り扱い銘柄を確認しましょう。
このようにiDeCoには、60歳まで引き下ろせない、手数料が高いなどのデメリットがあるので、注意しましょう。
ふるさと納税と併用する時の注意点
地元の特産品がもらえるばかりか、翌年の住民税が控除されるなどのメリットがあるふさと納税の制度ですが、iDeCoと併用する時には注意が必要です。
というのも、iDeCoの掛け金分だけ所得税と住民税を安くすると、それに比例してふるさと納税の寄付金控除の限度額まで下がってしまう恐れがあるからです。
この寄付金控除の限度額が下がっているにも関わらず、限度額以上の税金をおさめると、その金額は控除の対象外となります。つまり、損をする可能性があります。
これは限度額を超えて税金をおさめた場合の話です。限度額さえしっかりと把握し、それにおさまるように納税すれば、損はしません。むしろ、ふるさと納税と併用することで、特産品などがもらえるので、メリットがあるくらいです。
このような事情もあるため、ふるさと納税と併用する場合は寄付金控除の限度額はいくらなのか、事前に把握しておきましょう。
住宅ローン控除と併用する時の注意点
iDeCoは住宅ローン控除との併用には不利だという意見があります。
というのも、住宅ローン控除とiDeCoの所得控除を併用すると、住宅ローン控除で得られるメリットである減税額が減ってしまう可能性があるからなんです。
高額な住宅ローンを組んでいる人や納税額が少ない人は、iDeCoで課税額が減ることで住宅ローン控除のメリットを受けられなくなる場合があります。
すでに住宅ローンを組んでいる人は、iDeCoを始める前に掛け金について一度考えてみると良いでしょう。
iDeCoを仕組みを知って節税につなげよう
元本割れのリスクが少ない安全な金融商品を対象に積立を行えば、より安全に節税効果の恩恵に浴すことができます。
iDeCoの口座に年収の10分の1程度のお金を預け、積立をするだけで、税負担を大きく減らすことができます。高所得で、毎年高額の税金を払っている方ほど、iDeCoを始めるメリットは大きいです。
ただし、iDeCoは60歳まで引き下ろせないなどのデメリットもあります。iDeCoを始める場合、生活が困らないように、余剰資金を積み立てるようにしましょう。
注意点に気を付けている限り、iDeCoは費用対効果が優れている制度です。始めておいて損はありません。