医療保険
三大疾病保険とはどんな病気?保険の必要性と主契約・特約の違い

三大疾病保険とはどんな病気?保険の必要性と主契約・特約の違い

「国民病」とも呼ばれていて、日本人の死因となる疾病で多いものを三大疾病(さんだいしっぺい)と呼びます。

3つの病気名や症状かをすぐに答えられる人は意外と少ないかもしれません。

この記事では三大疾病がどんな病気なのか、そしてどんな保険で備えるべきなのかを詳しく解説。あなたやご家族にはどんな保険がピッタリなのか、適切な保障について考えてみてくださいね。

三大疾病とはがん・心疾患・脳卒中のこと

日本人が発症しやすい三大疾病とは以下の3つの病気のことを指します。

三大疾病
  1. がん(悪性新生物)
  2. 心疾患(急性心筋梗塞)
  3. 脳卒中

これらの病気は死亡率が高く、日本人の病気による死因として多くなっています。治療費も高いため、これらの病気に備えるための保険や特約をどこの保険会社でも取り扱っているんです。

1.がん(悪性新生物)

人間の60兆個もある細胞になんらかの遺伝子の異常が起き、生命を脅かすような異常な細胞が「がん」とみなされます。がんはリンパ管や血管を通って転移するおそれがあり、全身に増殖する可能性もあります。

健康な臓器に転移することもあり、そのままにしておくと悪化して死亡するおそれがあります。がんの要因として喫煙や飲酒、肥満のほか、非常に熱い飲み物を飲んでもがんの要因となると報告されています。

日常の何気ない行動ががんの要因となる可能性があり、だれでもがんになるリスクがあるのです。

2.心疾患(急性心筋梗塞)

急性心筋梗塞はその名の通り心臓に関する病気であり、心臓に栄養を送る役割を持っている血管である「冠動脈」が突然つまってしまいます。なんの前触れもなく起き、突然死の原因となる恐ろしい病気です。

生活習慣の乱れで冠動脈が硬くなったり、狭くなったりすることで発症するリスクが高まります。一方でバランスの良い食事や塩分の過剰摂取を避けることを意識すれば、リスクは低くなります。

3.脳卒中

脳卒中は脳の血管が破れたり、詰まったりすることで血液が行き届かなくなり神経細胞に障害が起きる病気です。治療が長引くと後遺症が残ってしまうおそれもあります。脳卒中を疑うべき症状として「手足のしびれ」「顔の麻痺」「呂律(ろれつ)が回らない」「言葉が出ない」などがあります。

早めに見つけることが後遺症を防ぐことにつながるため、少しでも不安になったら病院を受診しましょう。

どれも恐ろしい病気ですね・・・。私も生活習慣を改めなきゃ。
健康管理をしっかりしておかなければなりませんね。ただ、気をつけていても完全に防ぐことはできないので発症してしまった時のことも考えておきましょう。

意外と高い!生涯、三大疾病で死亡する確率

厚生労働省の人口動態調査によると、なんと三大疾病は51.4%と日本人の死因の半分を占めています。内訳は表のとおりです。

死亡割合
がん(悪性新生物) 27.9%
心疾患(急性心筋梗塞) 15.3%
脳卒中 8.2%
病名は聞いたことあるけど、こんなに多いなんて知らなかった!
人ごとではない病気なので日頃から自己管理をして予防していきましょう。

もしこれらの病気で入院した場合、退院するまでは2週間から1カ月はかかると言われています。

30代から発症率が高まってくるので、心配な人は早いうちに保険への加入を考えておきましょう。退院後も通院や治療の影響で、収入が下がるかもしれません。

三大疾病保険とは?他の保険との違い

三大疾病に備える「三大疾病保険」とは数ある病気の中でも三大疾病に特化した保険です。どんな保険なのか保障内容を解説していきます。

三大疾病の多くは、長期化が予測される入院と高額な治療費を賄うことができるように「一時金」が受け取れます。

ただし「がん(悪性新生物)」「心疾患(急性心筋梗塞)」「脳卒中」になれば必ず保険金を受け取れるわけではなく、受け取るには条件があるので注意が必要です。

例えば、がんを発症しても上皮内がんは対象となりません。また「心疾患のケースでは60日以上休業する必要があると診断された場合」「脳卒中のケースでも診断されてから60日以上後遺症が継続した場合」などの条件が設けられています。

医療保険には入院保障や手術保障がありますが、三大疾病保険は「三大疾病一時金」と「死亡保険金」がメインとなります。

所定の状態に当てはまれば三大疾病一時金がもらえますが、保険会社によって基準は異なるので加入を検討している人は、まずその点を確認しておくと良いでしょう。条件が厳しいものであればあまりメリットがない可能性もあります。

三大疾病保険とがん保険の違い

高齢化に伴いがんを患う人も増えてきました。三大疾病のひとつである「がん(悪性新生物)」は死因順位の1位であることから、単体のがん保険も存在します。がん保険はがん(悪性新生物)に特化した保険です。それ以外の病気の場合にはもちろん保障の対象外となります。

がん保険は三大疾病保険と違い、入院給付金や手術給付金も受け取れることが基本です。入院給付金は医療保険と同様に日額で支払われます。

がんの治療方法として抗がん剤や放射線治療などがありますが、これらで治療した場合にさらに給付金が受け取れるがん保険商品もあります。

がん保険全般については「がん保険の必要性と最適な選び方!終身と掛け捨ての違いとともに解説」で詳しく解説しています。

がん保険と三大疾病保険どちらに加入した方が良いでしょうか?
基本的にどちらも他の病気に備えることができないという特徴があります。ダイプーさんが「医療保険」に加入しているか否かでも異なるので、一度家族も含めて何の保険に入っているかを確認しておいてくださいね。

がん保険と三大疾病保険で悩んだら、まずはがん保険、次に三大疾病保険に加入を検討すると良いでしょう。

三大疾病保険は基本的に一時金と死亡保障のみであり、所定の状態になった時にしか受け取れないのでがん保険の方が保障としては充実していることが多いんです。

ただしにその人のライフスタイルによっては三大疾病保険の方が向いているかもしれないため、がん保険と三大疾病保険どちらも保険会社で話を聞いておくことをおすすめします。

三大疾病それぞれ患った場合どのくらいの費用が必要なんだろう〜?
1カ月あたりの医療費は10万円から16万円くらいとなるでしょう。ただし公的保障の高額療養費制度を利用できればもう少し安くなります。

高額療養費制度は差額ベッド代や先進医療を受けた時には対象になりません。こういった対象外の費用を賄いたい人は、保険に加入しておくと心強いでしょう。

三大疾病保険と住宅ローンの関係

住宅ローンを組む時に加入する団体信用保険(団信)には最近では三代疾病だけではなく、がん特約や七大疾病・全疾病保障つきのものも登場しています。

ただし団信はそもそもローンを確実に返済するための保険であるため、余計な保障があると無駄に保険料を払うことになってしまいます。

すでに医療保険に加入済の人であれば医療保険に特約をつければ良いケースもあるため、状況によっては団信に付加する必要はありません。

三大疾病に備える時には他の保険の保障も充分か一緒に見直しましょう。

三大疾病保険と三大疾病保険特約との違いに注意

三大疾病を保障で備えたいなら「医療保険や生命保険の特約」として選ぶこともできます。医療保険であればさまざまな病気の保障が得られるうえ、三大疾病の場合には手厚い保障を備えることができます。

三大疾病特約は三大疾病保険と違いオプションとなるため、主契約で他の病気にも対応できるところがメリットです。

なら三大疾病保険は三大疾病以外に保障となる部分はないということでしょうか?
実は三大疾病保険には死亡保障も付いています。例えば交通事故で被保険者が亡くなった場合、三大疾病が関係なくても死亡保険金を受け取ることができます。

三大疾病を患う可能性はだれにでもある

三大疾病は働き盛りの30代から発症率が高まります。結婚する人も増えてくる年代。入院日数や治療期間は医療の進歩で短くはなってきているものの、他の病気と比べると比較的長期間の療養が必要です。

死亡率が高いがん・急性心筋梗塞・脳卒中への備えは20代などの若いうちはあまり必要がないかもしれませんが、30代後半になったら保障を備えても良いでしょう。

ただし基本的に一時金がもらえるというものなので使用目的のない貯蓄が充分にある人は無理して三大疾病保険に加入する必要はありません。

三大疾病保険や特約をつけると保険料は上がってしまうため、無理なく保障を備えるようにしてくださいね。